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学校1の美少女の秘密を覗いてしまった結果、「墓場まで持って行け」と脅され、なぜか付き合う振りをすることになりました。  作者: 北川コーリング


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43話 感情のないロボット

43話 感情のないロボット


7月初旬、期末テストから解放され夏休みが近いということもあり、俺が一番好きな時期だ。でも最近は日差しが強すぎてとろけそうになってきている。


そんなある日の6限目、厳しい夏の暑さですら忘れさせてくれる事件が俺の所属するクラスで起こったのであった。


◇◇◆◇◇


「あはは、よろしくね~‥‥‥」


口では笑っているけれど、顔は全然笑っていない‥‥‥。感情のないロボットになってしまった。


‥‥‥いやそれただのロボットじゃん。


「よろしくお願いします!、俺なんかが‥‥‥ほんとに、お願いします!」


いや何回お願いしてるんだよと突っ込みを入れたくなった相手は中学からの知り合いで俺の数少ない友人である佐藤和彦だ。最近はバスケで試合に出られるようになって調子に乗っているらしい。どうでもいいって思ったのは内緒だぞ。


そして何故こんなに和彦が緊張しているかというと‥‥‥。


「はいじゃあ、さっきクジで決めたペア同士で席くっつけろー」


先生の言葉を合図にみんなペア同士で席を移動させだした。


「おいそこの男子、女子と一緒になれなかったからってやる気のない感じ出すなよ~。行事ごとに本気で取り組まない俺かっこいいって思うのやめろよ、まじダサいからな」


この先生、たまにえぐい晒しあげ方をするけど大丈夫なのか。人によったら結構気にする子も居そうだ。俺も結構気にしちゃうタイプの一人だ、最近は色々あって慣れてきたんだけどね。なんだか最近羞恥心が薄れてきている気がする。


「おい牧野早く席くっつけろーって、あぁそう言う事ね‥‥‥。みんなが早くしてくれないと説明が始められないぞー」


言ったそばからこれだ。てか、何に納得したんだよ。この先生俺への扱いがどんどん酷くなってる気がするんだけど。


まあそんなことはどうでもいい。今日は前々から先生が話していた校外学習的なノリの行事のペア決めが行われたのだ。それもクジ引きで。そんな運任せの決め方で人間関係のトラブルが起きない訳がない。


そして俺がなかなか席をくっつけられないのには理由がある。それはさっき決まった俺のペアの相手と和彦の目の前に座っている女子生徒にある。


「圭太、早く席をこっちに寄せなよ。もしかして恥ずかしいの?」


ケラケラ笑いながらこちらを手招きをしている相手は、幼馴染であり俺が最近まで男だと思いこんでたビックリ設定をお持ちの‥‥‥。


「牧野のやつ、水瀬さんもいるのになんでだよ‥‥‥」


「いつもあいつばっかり良い思いしやがって」


「俺も朝日奈さんとペアになりたかった‥‥‥」


クラスの男子達から醜い憎悪を向けられている気がする。俺も自分でなりたくてなった訳じゃないっていうのに。最近の俺はこういう体質なのだろうか。そして特に和彦の目の前に座っているお方が‥‥‥。


「水瀬さん、俺なんかで申し訳ないけど頑張ろうね!」


「‥‥‥‥‥‥そうね」


和彦が勇気を振り絞って放った言葉は見事にその女子生徒、水瀬杏葉さんによって受け流された。右から左へひょいひょいっと。まるで受け身のプロだな、にしてもなかなか攻撃的な受け身だ。


‥‥‥何言ってんだろう俺は。


「和彦‥‥‥強く生きろよ」


「お前カッコいいよ」


「厳しいって」


「胸張れよ和彦」


クラスの男子達が和彦に激励と同情の言葉を送っているようだ。というか俺と扱い違いすぎない?


和彦‥‥‥お前は悪くないんだ。俺が言うとみんなから批判を受けそうだから言えないけど。心の中で和彦を励ました。ついでにさっき和彦がバスケ部で試合に出れるようになった事をどうでもいいって言った事に対しても謝っておこう、心の中で。これがほんとの心の友だってやつだ。


‥‥‥また何言ってんだろう自分は。


「圭太~?」


俺がしょうもないことを考えて現実逃避をしていると、悠木がこちらに呼びかけてくる。


俺がしょうもない事を考えていても状況は好転しないので、諦めて席をくっつけるとしよう。許して欲しい水瀬さん。俺も普通に水瀬さんとペアが良かったんだ。そう‥‥‥俺は悪くない。


「じゃあ、圭太よろしくね!」


俺の手を握りブンブン振り回してくる悠木。まあまあ力が強くてびっくりしてしまった。ちょっと手痛いです悠木さん。


「あいつ手も握ってるぞ」


「彼女がいる前でよくやるよね~」


「あいつボール一個ぶつけただけじゃ足りないって」


みんなのひそひそ話が聞こえてくる。どう見ても俺から握ってないじゃん。俺は悪くないっていうのに、世間の声は厳しくなる一方だ。てか最後の奴、お前にもボールぶつけてやるぞ。まじ痛いからな。


正直クラスのみんなの事なんてどうでもいい。ただ一人冷たい突き刺すような目線を送ってくる人が一番怖い。あの目線には強制的に相手に罪悪感を発生させる効果でもあるのだろうか。


後からたくさん謝るので無言でこちらを見つめるのをやめて欲しいです。怖くて水瀬さんの方を見る事すらできていません。肉食動物に見つかった草食動物になっています、小鹿みたいに。


「圭太なんでそんな小鹿みたいに縮みこんでるの。私とペアになれてそんなに嬉しかった?」


クスクスと笑いながら目の前の怖い物知らずが喋りかけてくる。その無駄に強いメンタルは何なんだよ。無自覚なのか天然なのか分からないけど、一つだけ言えることがある。


‥‥‥お前のせいだよ?

【まずは、この作品を読んで頂きありがとうございます!】


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