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学校1の美少女の秘密を覗いてしまった結果、「墓場まで持って行け」と脅され、なぜか付き合う振りをすることになりました。  作者: 北川コーリング


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37話 スーパーの試食した後にいらないですっていうの気まずいよね

37話 スーパーの試食した後にいらないですっていうの気まずいよね


「はいじゃあホームルーム終わりますね~。みんなは部活がんばってー。部活無い人は問題を起こさないでくださいねー。それじゃあさよなら~」


なんか最近この担任挨拶がどんどん適当になって来てる。キャラがおかしくなってきてるし。それだけ社会人は大変なんだろうか。父さんが言ってたけど、仕事ばっかりになると自分は今何をしてるんだろうって思う時があるって。つくづく大人にはなりたくないと思わせてくれる担任に感謝だ。


「圭太~今日はもう帰るの?」


そんな未来への不安なんて一切ありませんって感じの奴が話しかけてきた。


「いや、今日は用事があって寄り道しなくちゃいけないからもう帰るところだけど」


「そうなんだ!、私も帰るよ!」


「おう‥‥‥、そうか。気をつけて帰れよ」


今までの人生の中で、いやだからどうしたんだランキング23位くらいに入るぞ今の会話。急にどうしたんだ悠木さん。なんかやけにご機嫌だし。


「なんでそんな機嫌がいいんだよ」


「え~聞いちゃうそれ?」


「今日なんかやけに機嫌良かったなって思ってな」


「そうかいそうかい、そう見えちゃったか~、あちゃー」


‥‥‥だる。


「それでなんかあるのかよ」


「いやさ~それは乙女の秘密ってやつ?、かな」


「そればっかだな最近。それ言えばなんとかなると思ってるだろ」


「てへっ‥‥‥」


てへってなんだよそれ。現実でその効果音口にする人初めて見たよ。それで普通に可愛いのなんなんだよ。こんなの普通の子が言っちゃったら痛い子になってしまうというのに末恐ろしい奴だ。


「じゃ、俺急ぎだから帰るな。また明日な」


「うん、またね‥‥‥」


なんか最後まで変なテンションだったなあいつ。年頃の女の子の考え程難しいものは無いと思うのは俺だけだろうか。


「やば、水瀬さんもう教室いないじゃん」


あの人いつの間に行ったんだ。悠木と思いのほか長話をしてしまっていたようだ。早く行かなければすぐ不機嫌になるからな。女の子は難しいからな、学校の授業で取りあつかって欲しいくらいだ。


そして俺は小走りでいつもの待ち合わせ場所に向かった。


◇◇◆◇◇


「お待たせ、水瀬さん。結構早かったんだね」


「そんなに待ってないわよ、通りすがった男子生徒に旦那さんはまだ教室で転校生と話してたよ~、って茶化されたくらいだから安心して」


遅かったかー‥‥‥、旦那て‥‥‥。


「それにしても悠木さんと仲良さそうに話してたのね。まあ幼馴染だから当然よね。そんなに私気にしてないから大丈夫よ、そんなにだから」


「すいません‥‥‥」


ガッツリの間違いだろ。こういう時は素直に謝る事が大事だ、父さんも言ってた、会社はめんどくさい人間が多いから自分が謝った方が楽だぞって。


「それじゃ、いきましょ」


よし、機嫌が少し良くなってくれたようだ。こうなれば俺の勝ちだ。


「じゃあまずはこのお店からだね~」


「お店も指定されてるの?」


「うん、麗奈がこれはこの店みたいなのが決めてるらしくてさ。俺普段買い物行かないから麗奈の言う通りにしないと怒られるから」


「なんだか情けないわね、牧野君。妹に怒られるだなんて」


「いいんだよ、気にしないでよ」


言われてみればその通りだな‥‥‥。自分で言ってて悲しくなってきた。なんかダメな兄って感じだし。


「家じゃちゃんとお兄ちゃんしてるから大丈夫だと思う、たぶん」


「じゃあ、しっかり頼むわよお兄ちゃん?」


うお‥‥‥。


◇◇◆◇◇


「このお店で最後だよ」


「三軒もスーパーを回るなんて聞いてないわよ。おかげでこんなに遅くなって」


「いや、水瀬さんが試食コーナーで必ず試食するから毎回商品の説明されて遅くなっただけだよ。それで毎回買うつもりなんて無いから断るのが気まずい奴だよ」


「でもそれがスーパーに行く楽しみの一つでしょ?」


「確かにそうだけどさ‥‥‥」


その後、買いませんかって言われて水瀬さんが断りずらそうだから、俺が毎回断る羽目になるから勘弁して欲しい。俺も申し訳なさに負けて何個か買いそうになったけど、ちゃんと断っておいた。余計なもの買うと麗奈が怒るかもしれないからな。


「うわ、あれ見て!」


「あ~あれ絶対水瀬さんが食いつくと思った」


「なんかいい匂いがすると思ったら出店が来てるのねこの店」


「あんまりこのお店来ないの?」


「このお店家からも遠いから寄ったことも無かったのよね」


このスーパーは昔から焼き鳥屋さんがお店の前にいる。スーパーに許可を取ってやってるんだろうけど、どういう人がやっているんだろうか。営業妨害にはならないのだろうか、と改めて考えると思ってしまう。小さい頃はそういう事なんて気にもしなかったのに、こうやって純粋さが失われていくのかと悲しくなる。


「うわ~これとか美味しいそうじゃない?」


俺に比べて水瀬さんは小さい子供のように目を輝かさせている。可愛い‥‥‥。


「おっ、お二人ともカップル?」


「あ、一応そうです」


元気なおばちゃんが店番をやっている。昔からこの人がやってたかはまるで思いだせないが、多分やってたんだろうって感じのおばちゃんだ。なに言ってんだ俺。


「一応ってなによ牧野君」


「いや、それは‥‥‥」


「君、彼女ちゃん怒らせちゃだめよ~?」


「はは‥‥‥」


中々良い性格をしたおばちゃんだ。仲良くなれなそうだ。


「今日は熱々のお二人さんに特別に安くしてあげるよ。彼氏君買ってあげなよ」


俺のお財布事情はそこまで潤っていないが、せっかくだしな。俺も食べてみたくなったし、買ってあげよう。


「水瀬さん、一本ずつね?」


「こういう時まで食い意地張らないわよ流石に」


「一応確認しておかないと大変だからさ」


「まるで私がいつも食い意地が張ってるみたいなのやめてよね。でもありがとう牧野君」


張ってるじゃん、人一倍。


「二人とも面白いね~」


ゲラゲラ笑ってくる女店主さん。奥で焼き鳥を焼いているのはこの人の旦那さんだろうか、感情を殺して焼き鳥を焼いているようだ。尻に敷かれていそうだ。俺もあんな感じにはならないように気をつけよう。


「じゃあ、これとこれお願いします」


「はいよ~、ちょっと待ってね」


俺はねぎまの塩にした。小さい頃はねぎまのネギがいらないなと思って串からネギを抜いて食べていたけど、最近は美味しさが分かるようになってきた。かっこいい大人の男って感じでなんか良い。


「はいこれねぎまの塩とタン塩ね。サービスでねぎま一本付けといたから二人で仲良く食べて」


「え、ほんとだ。ありがとうございます」


なんて気前の良い人なんだ。やっぱり仲良くなれるかもしれないな。でももう少し旦那さんと会話してあげてください。


「じゃあ、水瀬さんあっちのベンチで食べようよ」


「そうね、落ち着いて味わいたいわ」


「じゃあね~、お二人さん」


◇◇◆◇◇


「あ~美味しかった」


「そうだね」


「ねぎまも美味しかったわね」


「うん、そうだね」


そう、問答無用で水瀬さんが2本食べた。あのおばちゃんが悲しむよ。しかも水瀬さんあのお店で一番高いタンだし。俺の財布に会心の大打撃だ。


「だけど私ねぎまのネギの部分はあんまり好きじゃないのよね」


いやそれもうねぎまじゃないよ。てかあんまり好きじゃないなら俺が食べたかったな‥‥‥。


「私ね、こうやって牧野君と二人でいるの結構好きよ」


「えっ‥‥‥、っていきなり何言ってるの水瀬さん!」


「そこまで慌てなくてもいいじゃない」


唐突な好き宣言に動揺してしまった俺を見てクスクス笑ってくる水瀬さん。ほんとにたまに来るこういうのやめて欲しい、恋愛の経験がない子はすぐ勘違いしてしまうだろう。でも俺はそんな事ない、うん、そんな事ないはずだ。


「偽の恋人にそんな事言わない方がいいよ水瀬さん。勘違いしたら大変でしょ?」


「私はそれでも良いんだけどなー」


「ほんとにそういうの俺が恥ずかしくなるからやめてよ」


「‥‥‥私も恥ずかしいのよ?」


そう言って上目遣いでこっちを覗き込んできた。なんか顔が赤い気もするし、てか近いって。改めて近くで見るとこれはやばい‥‥‥。


胸の動悸が早くなる‥‥‥。


唇がプルプルしてて‥‥‥、ホントに‥‥‥。


「って駄目!、早く買い物して帰らないと。さあ早く行くよ水瀬さん」


なんとかギリギリのところで耐えることができた。俺の鋼の理性を褒めたたえたいところだ。これで俺も鋼の‥‥‥、って変な事言ってる場合じゃないよな。


「‥‥‥早くしないと‥‥‥」


「ん、なんか言った?」


「いいえ、なんでもないわ。早く行きましょ」


動揺してて、正直顔も見れないし、恥ずかしい。ほんとにイタズラの度が過ぎるぞ水瀬さんは。俺が本当にあそこで‥‥‥、って考えちゃだめだ。どうせいつもの嫌がらせだ、気にしないことが一番だ。


そして俺は水瀬さんに悟られない様にスーパーに向かって歩き出した。


「意気地なし‥‥‥」


水瀬さんがまた後ろから何か言ってきた気がしたけど、動揺してた俺はそれすら俺は聞こえなかった。今度から大事な場面でだけ耳が聞こえなくなる難聴系主人公を見ても、イライラしないようにしようと心に決めた俺だった。

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