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学校1の美少女の秘密を覗いてしまった結果、「墓場まで持って行け」と脅され、なぜか付き合う振りをすることになりました。  作者: 北川コーリング


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35話 君のせいだよ

35話 君のせいだよ


「おはよー麗奈~」


「お兄ちゃんあんまりゆっくりしてると、杏葉さんを待たせるから急ぎなよ」


朝からご飯を作ってくれる妹がいるなんて‥‥‥、俺はなんて幸せ者なんだ。そう考えることで最近の学校生活を生き延びる糧にしている。


‥‥‥なんて悲しい奴なんだ俺は。


「じゃ、頂きます」


「ゆうちゃんは学校でどんな感じ?」


「悠木かぁ‥‥‥」


「どうかしたの?」


悠木が転校して来てからもう一週間が経っていた。最初の頃に比べたらみんなから俺への当たりは弱くなったけど、まだ全然生きにくい学校生活だ。水瀬さんと一緒にいてもヒソヒソと噂話をされる始末。復縁したとか、悠木に乗り換えたとか言われたい放題だ。よくぞこれで水瀬さんも怒らないものだ。気にしてないから大丈夫とは言ってたけど、こういう時に真っ先にキレだす水瀬さんが珍しい事もあるものだと感心している。


「麗奈は最近は学校は楽しいか?」


「最近は生徒会の仕事がそんなに忙しくないから暇かなぁ」


「そうなの‥‥‥」


仕事が無いから暇って良い事じゃないのか。この年でこの感覚は社畜の土台が出来上がってる感じがするぞ。心配だお兄ちゃんは。でも、このまま大人になったら麗奈に養ってもらう事も可能に‥‥‥。


「というかお兄ちゃん今日はすぐ帰ってくる?」


「どうしてだ?」


「調味料とか、シャンプーとかその他もろもろ切れそうだから帰りに買ってきて欲しいんだよね」


「おう、そのくらい任せろ」


麗奈から俺にお使いを頼んでくるなんて珍しいな。いつも麗奈のこだわりが強いからそういうのは全部麗奈がやってるけど、頼まれたからには卒なくこなせるんだぞって事を麗奈に見せてやろうじゃないか。頼れるお兄ちゃんって感じでなんかいいな。


「これ買ってきて欲しい物とそれを買うお店ね」


そういってずっしりと書き込まれたメモ帳を渡してきた。


「こんな細かく?」


「そうだよ、私ちゃんと安いお店に個別に買いに行ってるんだよ?、毎日ちょっとずつ買うようにしてるんだけど、一気に色々切れちゃいそうだからお兄ちゃんにお願いしたの」


こんな細かくお店の名前に商品のメーカー名まで書いてある。3店舗も回らないといけないのか‥‥‥。だけど、やると言ってしまったからには引くに引けなくなってしまった。こんな大変な事してたのか‥‥‥。


「まあお兄ちゃんに任せろ」


「いいの?、ありがとお兄ちゃん!」


ああ、この笑顔の為なら俺はなんだって出来る気がする。この状態の俺は誰にも止めることが出来ない。云わば最強お兄ちゃんモードといったところだろうか。


「いつも麗奈に任せっきりも悪いし、たまにはお兄ちゃんを頼れよ」


「じゃあ今度から買い物は‥‥‥」


「おっと、水瀬さんを待たせると悪いから急がないと」


最強お兄ちゃんモード終了だ。誰にも止められないけど自分では止められるからな。でもあんまり下手な事を言うもんじゃなかった。危うく俺が買い物担当を引き継ぐことになりそうだった。


「お兄ちゃん今日の分はお願いね」


「おうよ」


さて今日も頑張って登校しよう。輝かしい学校生活が待っているはずだ。


◇◇◆◇◇


「あ、おはよう美人局くん」


「今日も二刀流頑張れよ、牧野!」


「結局どっちなの?」


素晴らしい学校生活だ。廊下を通りすがるだけで同級生達から激励の言葉を頂けるんだからな。もうこの程度じゃ俺も動じなくなったけど、移動教室の時にクラスの男子が俺を避けるようになってしまった。つまりボッチになりましたという事だ。まだ和彦は一緒に居てくれたりするけど、あいつが先に教室に移動してたら、俺はついに孤立するという訳だ。


‥‥‥てか美人局じゃないからな二人とも。


「お、圭太一人じゃん!、なに、ボッチ?」


「違うわ。みんなが俺を避けてるだけだ」


「それをボッチっていうんだよ?」


てかあなたが転校してきてからですよ、分かってます?、こいつは色々言われても気にしないタイプらしく俺にどこでも話しかけてくる。飛んで火に入る夏の虫ならぬ、飛び込んで炎上君のせい、だ。全然ならぬじゃなかったけど許してくれ。


「今日は暑いね~、登校するだけで汗かいちゃうよ」


「そうだなー」


パタパタとノートで風を仰ぐ悠木。まずいです、見えちゃいけないところが見えてしまいそうになっています。これだから夏服はけしからん。てかこいつ中々デカい‥‥‥。水瀬さんは言ったら殺されるから言わないけど、お世辞にも大きいとは言えないのだ。しかし、こいつは刺激が強いな‥‥‥、なんか変な汗かいてきたじゃん。


「圭太もめっちゃ汗かいてるじゃん!」


「ああ、熱いなー」


「なにその反応、変だよ?」


よし、上手く誤魔化せているようだ。幼稚園の頃の劇で、近所のお婆ちゃん達に褒められた経験があるからな。


「てか聞いてよ、麗奈ちゃんがさ~‥‥‥」


「麗奈がどうしたって?」


「あ、やっぱりなんでもない」


「なんだよそれ。気になるじゃんか」


「乙女の秘密に踏み込まないでってこの前言ったでしょ?」


なんだこいつ。そこまで言ったなら言ってくれよ、そういうの気になる通り越して、ちょっと落ち込んじゃうんだからな。これ共感できる人居るよね?


「ほら、今日は朝日奈さんの方だよ」


「今日はスポーティーな気分か?」


「てか、朝日奈さん凄いな。ダイナマイトだ」


廊下で俺達が話していると、通りすがる輩がまた茶々を入れてきだした。こうなるとめんどくさいから、とっとと逃げないと。てか悠木のそこを見るんじゃない、変態が。俺も見ない様に話すとき意識してたのにずるいじゃないか。


「ほら、悠木とっとと行くぞ」


「はぁ~い。てゆうかさ、前から思ってたんだけど、圭太って有名人だよね。みんなから話しかけられてさ」


君のせいです。あとあの隠れフードファイターの方もだ。そういえば、乙女の秘密って事で思いだしたけど、転校してきた初日に水瀬さんと悠木は何を話してたんだろうか。気になる‥‥‥、水瀬さんに今度聞いてみよう。


それと悠木の奴なんかやけにテンション高いな。いつもどおりって言われたらいつも通りだけども。でもそのテンションに合わせるのちょっとしんどいからもう少し落ち着いて欲しいと思いながら、移動教室に悠木を連行した。

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