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学校1の美少女の秘密を覗いてしまった結果、「墓場まで持って行け」と脅され、なぜか付き合う振りをすることになりました。  作者: 北川コーリング


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34話 イタズラ上手の朝日奈さん

34話 イタズラ上手の朝日奈さん


今日もいつもの通学路を水瀬さんと合流して学校に向かう。最初は女の子と登校なんて慣れなかったけど、最近はなんとも思わなくなった。慣れって怖いね。でも、今日は少し訳が違った。


「おはよう水瀬さん‥‥‥」


「おはよう牧野君」


昨日は本当に怒っていたのか確かめたいんだけど、どうしたものか。こうやって話してみると普通なんだけどな。そういえば悠木の事について二人で話すタイミングも無かったから、今が初めてだ。どことなく聞いてみよう。


「昨日は凄い騒ぎだったよね。朝日奈さんの話題で持ちきりっていうかさ~」


「あら、朝日奈さんだなんて私に気を使わなくていいのよ?」


「いや、別にそういう訳じゃ‥‥‥」


「それに昨日の話題はあなたもその中心人物だったようだけど、私はなにも思っていないから安心して?」


ミスったー、やらかしたか。もっと回り込むべきだったな、これ完全に根に持ってるよね。俺と悠木が話題になるという事は当たり前に水瀬さんの話もついて回る事になるからな。


「私昨日、二年の男子に告白されたのよね。振られたんでしょ?、って。すぐに告白してくるなんて、漢気のある奴ねと思ったけども」


これはちゃんと露払いとしての役目を果たせっていう脅しか?、それとも私には変えなんて幾らでもいるんだぞって事か?、まあなんにせよ怒ってるぞこの感じは。というか周りは俺が水瀬さんの事を振れる立場にあると思ってるのか‥‥‥、俺どんだけ凄い奴なんだよ。


「それと通りすがるたびに私に大丈夫?、振られたの?、可哀そう、水瀬さんならすぐにいい男見つかるって、とか色々言われたわね」


俺のせいじゃないけど申し訳ないです。もうここは謝って許してもらうか‥‥‥。


「ごめんね、水瀬さん‥‥‥」


「‥‥‥」


なんだよ急に黙らないでよ、怖いじゃん。


「‥‥‥嘘よ、別に怒ってないわよ」


すると笑いながら水瀬さんがそう言ってきた。なんだよ怒ってないのかよ。さっきまでの演技ガチすぎるだろ。怒ってないって口では言うけど、普通に怒ってるじゃんって時の女子って感じで完全に騙された。


「怒ってなくて良かった~」


「少しイタズラしたくなっただけよ。所詮幼馴染だし、そこまで私も言っていい筋合いは無いし」


なんて物分かりが良いんだ、偽物か?


「昨日の用事ってやつ本当は怒ってるから一緒に帰らないって奴かと思っちゃったじゃん」


「あれは‥‥‥本当に用事よ」


「なに今の間、やっぱ怒ってる?」


「怒ってないって言ってるでしょ?、別になんでもないわよ」


そういう言われ方が一番気になるんだよ水瀬さん。まあこれ以上深堀するのはやめておくか。


◇◇◆◇◇


「はいじゃあ授業始めます。教科書開いて‥‥‥」


朝っぱらから科学の授業は本当にやめて欲しい。この先生延々に喋ってるだけの授業だから凄く眠くなる。だからこの授業ではみんな睡魔との戦いを強いられるのだ。しかしこの先生、寝ている生徒を注意することも無いのだ。だからもうすでにクラスの何人かは机に突っ伏している。まだ教科書を開く段階だぞ。


そして俺も教科書を開き、机に向かって安眠の姿勢を取ろうとしていると、隣の席の奴から話しかけられた。誰だ俺の安眠を邪魔するものは‥‥‥。


「圭太~教科書見せて?、忘れちゃった」


「悠木、俺が今から爆睡しようとしている所が見えないのか?」


「そんな下らないこと言ってないで机くっつけて見せてよ」


俺の机をグイっと引っ張る悠木。見た目は可愛らしくなってもこういう強引な部分は変わってないな、こいつは。強い(物理)お嫁さんになる事だろう。


「ここってどういう意味?、あの先生の説明分かりずらいんだけど」


「ここか?」


「うん、なんて言ってるか聞き取りずらいし」


「ここは多分‥‥‥」


聞かれたところを教えようと悠木の方を見た。


「‥‥‥」


「なにそんな私の顔見て」


「あっいやなんでもない」


改めて近くで見ると本当に可愛いな、なんかいい匂いするし。ちょっとドキドキしてしまうじゃないか。水瀬さんで女子への耐性が上がった気がしてたのに、なんか悔しいな。しかもあの悠木相手に。友達だこいつは、そうただの友達。なにも意識する必要はない。そう自分に言い聞かせた。


◇◇◆◇◇


「うわっ‥‥‥、寝てたのか」


結局授業中に寝てしまっていたらしい。いきなり飛び起きるとびっくりして変な声出ちゃうときあるよね、恥ずかしい奴ね。時計を見るともうこの授業も終わりだ。


「やっと起きた」


「おはよう、耐えれなかったわ」


どうせみんな寝てるだろうと思って周りを見るとなぜかみんな起きていた。しかもなんかみんなこっち見てるし‥‥‥、なんでだ。


「じゃあ授業終わりますね」


そんな事を考えているともう授業が終わってしまったようだ。こういう時なんかお得な気持ちになるよね。


「圭太教科書ありがとね」


「おう」


さて俺も次の授業の準備を‥‥‥。


「よう、牧野」


「どうしたんだよみんな」


和彦を筆頭にクラスの男子が集まっていた。この光景最近よく見るな~。


「朝っぱから良いご身分だな」


「なんだよ急に‥‥‥」


「お前を俺ら男子は許すことはできない」


いきなりなんだよ。俺なんもしてないぞ。


「授業中に朝日奈さんとあんなイチャつきやがって授業妨害だぞ!」


「そうだぞ!」


「お前には水瀬さんがいるだろ!」


いや、なにしてたんだ俺と悠木が。おれ寝てたからなにも‥‥‥、もしかして。


「お前の頭を撫でさせたり、頬を摘ままれてみたりなんて奴だ!」


そういうことか。俺が寝てたすきに悠木がイタズラしてたのか。それでみんな授業中にこっちを見てたのか。てかそれをイチャついてるってなんだよ、俺どうしようもないじゃん。


「俺それ悪くないじゃん‥‥‥」


「うるさい!、お前を今から俺らでボコボコにする。日頃の恨みをぶつけてな」


それただの僻みじゃん。すると、ゆうきが廊下の方で笑いながらこっちを見ていた。あいつもしかして分かってやってたのか。


そして俺はクラスの男子相手に格闘(じゃれ合い)した結果、タコ殴りに遭った。


その後、先生に何故か俺も怒られた。

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