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学校1の美少女の秘密を覗いてしまった結果、「墓場まで持って行け」と脅され、なぜか付き合う振りをすることになりました。  作者: 北川コーリング


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24話 腹が減ったら勉強はできない

24話 腹が減ったら勉強はできない


「おはよー、和彦」


「おっ、牧野、ちょうど良かった。ここ分からなくて教えて欲しかったんだよ」


「和彦が真面目にテスト勉強するなんて珍し‥‥‥」


すごいな、教室を見渡すと、月曜の朝だっていうのにみんな勉強している。やはりあの脅しのおかげでみんな勉強するようになるってマジだったのか。先週まで朝のこの時間に騒がしくお喋りしていたギャル達ですら机に勉強道具を広げていた。


「どこが分からないんだ?」


「いや、ここが分からなくてよ‥‥‥」


「お前、その前のここは分かるのか?」


「なに言ってんだよ。流石の俺でもこのくらいは理解してるぞ?」


水瀬さんはここから分からなかったぞ‥‥‥。昨日まで水瀬さんに教えていた弊害が出ている。あの和彦相手に頭いいなって無意識に感じてしまうほどだ。水瀬さん‥‥‥。


◇◇◆◇◇


「みんな知っての通り、今週は中間テストだからな~。掲示板に張り出されたくなったら勉強しとけよ~。じゃ、今日のホームルームはここまで、気をつけて帰れよー」


この人なんか今までになく生き生きとしてるな。やっぱり、先生というのは相当ストレスが溜まるんだろうけど、なんか腹立つな。俺は許しちゃいないぞ、遅刻した時のことは。


「牧野君、早く帰れるわよ」


「あぁ、そうだね」


今週に入って、もう水瀬さんを誘う人はいないようだ。流石に毎回断ってたら誘われなくもなるよね。というか、今日も勉強教えるのか‥‥‥。今日は昼休みも美術室で勉強教えたし、そろそろ自給発生してもいいレベルだ。


「牧野~‥‥‥、って今日も水瀬さんと帰りか。勉強教えて欲しかったんだけど」


和彦が勉強道具を持ってやってきた。こいつも勉強を教えて欲しいのか。俺は先生じゃないんだぞ‥‥‥。


「ごめんな‥‥‥。また明日の朝教えるよ、和彦理解は出来てるから、しっかり考えたら出来ると思うぞ」


「そっか、じゃ明日頼むぞ!」


「おう、任せてくれ」


「じゃあな、牧野。水瀬さんもこいつに勉強教えてやって上げてください!」


何言ってるんだ、お前は。水瀬さんお前より頭悪いんだぞ。まあ、傍から見たら俺が勉強教えられる側なんだろうな。ほんとに水瀬さんブランド強すぎだろ。


「そうね、任しておいて‥‥‥」


言いやがったな‥‥‥、この人自分のイメージを守りに行ったな。俺は知ってるからね?


◇◇◆◇◇


早くも近くのファミレスにやって来て、ひたすら勉強をしている俺達。いや明確には水瀬さんだけなんだけどね。俺も自分の勉強をもうちょっとしたいんだけど‥‥‥。まぁ人に教えることで、自分の理解も深まるからいいんだけどね。


「あのさ‥‥‥、シャーペンよりフォークの方が動いてるけど大丈夫?」


「少しお腹が空いていたから仕方ないじゃない。ポテトで糖分を取らないと、勉強どころじゃないわよ。腹が減ったら戦は出来ぬっていうじゃない?」


大盛ポテトがあっという間に完食されようとしていた。俺まだ3本しか食べてないんだけど‥‥‥。


「それ食べ終わったら早く続きやろうよ」


「分かってるわ、まかせて頂戴」


先週まではあんなに食欲無かったっていうのに、テストが大丈夫そうってなったら結局元通りだった。あの大人しい水瀬さんを返せ。だけど、あんなに辛そうなのは見てられなかったから良しとしよう。


「あっ、てかほんとに全部完食するじゃん‥‥‥。俺まだ3本しか食べてなかったんだけど‥‥‥」


「細かい事は気にしちゃだめよ、今は勉強に集中するのよ」


「なんか水瀬さんに言われると腹立つね。その分勉強に集中してよ?」


その日はいつもより当たり強めで勉強を教えた俺だった。


◇◇◆◇◇


そしてテストの日まで俺は水瀬さんに勉強を教え込んだ。放課後も、昼休みもだ。ほんとに給料払ってもらおう。水瀬さんは毎日着実に赤点回避に向けて前進していた、最初の頃が嘘みたいにだ。


「ついに明日だよ。暗記系の科目は大丈夫?、テストに出る範囲とか間違えてないよね?」


「心配しすぎよ、私暗記は結構得意なのよ?」


「ほんとに?、これで赤点取ったらなんの為に勉強したか分かんなくなるから、ほんとに頼むよ?」


テスト前日の放課後、俺達はいつもの如くファミレスで最後の勉強会を行い、帰路についていた。ついに明日はテスト本番。準備は万端‥‥‥とは言えないけど、出来ることはやったからこれで無理なら最初から無理だったという事だ。


「ほんとに今日までありがとう‥‥‥。これからは計画的に勉強するわ」


「ほんとに頼むよ。テストのたびにこんなんじゃ大変だし」


「私は結構楽しいからいいのだけどね‥‥‥」


って‥‥‥、何言って‥‥‥、いきなりそう言う事言うのやめて欲しい。心の準備が出来てないんだよ。だが俺はそこまで甘くないぞ。


「まぁ、たまにならまた勉強教えてあげるよ」


たまにならいい‥‥‥、そう、たまにならね。全然水瀬さんに甘くしたつもりはないからね?、ほんとだよ?


「やっぱり優しいのね、牧野君は」


「全然だよ、スパルタ教育だから」


やっと今日で水瀬さんの家庭教師から解放される。水瀬さんには悪いけどシンプルに疲れたな‥‥‥。


「じゃ、またね牧野君」


「うん、また明日」


水瀬さんと別れ、いつもの道を帰る。最近はこの一人の時間が好きだ。ふと考えると、最近はずっと水瀬さんといるからなぁ‥‥‥。ほんとに昔じゃ考えもつかなかったな、あんなに美人な子と仲良くなるなんなんて。ほんとに喋らなければ最高なんだけどなぁ‥‥‥。

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