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学校1の美少女の秘密を覗いてしまった結果、「墓場まで持って行け」と脅され、なぜか付き合う振りをすることになりました。  作者: 北川コーリング


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17話 優等生の悩み

17話 優等生の悩み


「ちなみに聞くけど、さっきはなんで断ったの?」


結局、いつものように二人で下校しているのだが、さっきはなんで勉強会を断ったんだろう。あんなにみんなにお願いされていたっていうのに。俺に流れ弾が飛んできたのは心外だけども、普通にみんなと勉強会に行くもんだと思っていた。


「今日はそういう気分じゃなかっただけ‥‥‥、休み明け初日だったし。特に理由はないわ‥‥‥」


なるほど、だるかったってことか。ま、人間そういう日もあるよな。水瀬さんは頭もいいから、特に勉強をする理由はないんだろうし。


「確かに、みんなの前で優等生の振りするのも疲れるよね~」


「振りってなによ。そこが余計よ」


自分でこの前、猫かぶってるって言ってたよね。


「だけど、俺も勉強しないとな~。国語は今日のままじゃ微妙だし」


「ふ~ん‥‥‥、ちなみに何点くらいだったの?」


「えっ、嫌だよ。教えれないよ」


ここで教えたら、ただバカにされるだけだ。テストでいい点が取れればいいんだから、ここで水瀬さんから余計な罵倒を受ける必要はない。


「そう‥‥‥、まあいいわ」


水瀬さんにしたら素直だな。久しぶりの学校で疲れてるのかな‥‥‥。お昼は結構元気だったっていうのに、女の子は不思議だ。いや水瀬さんを普通の女の子にカテゴライズしてはいけない気がするぞ。けど、あんまり深入りするのは良くないから気にしないでおくか。


「私、用事があるからこっちから帰るわね」


「えっ、そうなんだ。じゃあ、また明日ね」


「ええ‥‥‥。さよなら」


なんか落ち込んでいるように見えるのは気のせいだろうか。ま、今日は疲れていたんだろう。そっとしておいてあげよう。こういう、大人しい水瀬さんの方が可愛いし。


◇◇◆◇◇


次の日の放課後。


「ごめんなさい。今日も牧野君と用事があって‥‥‥」


その次の日の放課後。


「ほんとにごめんなさい。今日も牧野君と‥‥‥」


今日も断っている。毎回俺に火種が飛んでくるから、俺からしたら勉強会に行って欲しいんだけど。優等生の振りをするのが疲れるからって昨日言ってたけど。ま、本人がそう言ってるなら仕方ない。


「はぁ‥‥‥」


なんか最近水瀬さん元気がない気がする‥‥‥、流石に心配になるな。間食もあんまりしなくなったし、そっちは、ただ単に三日坊主の可能性もあるけど。水瀬さんがこんなに大人しいなんて‥‥‥、普通の美人になってしまうからやめて欲しい。


「水瀬さん、最近疲れてない?、大丈夫?」


「大丈夫よ。問題なしよ」


問題ないようには見えないけど‥‥‥、優等生の悩みってやつか。触れない方がいいのかもな。


◇◇◆◇◇


その次の日の休み時間、和彦が俺に泣きついてきた。


「牧野~、まずいって。テストやばいって」


「なんだよ、赤点取りそうなのか?」


「いやっ、赤点取りそうなのはさっき受けた数学くらいだけど、どれも点数低かったんだよ」


あれから、ほぼ全ての教科で対策テスト的なものが行われた。一年生の初めてのテストだから、毎年、救済措置的に行われるらしい。流石にいきなり赤点で掲示版に張り出されるのは可哀そうだしな。それでも、赤点だったら張り出されるらしいが、毎年対策テストのおかげでみんな焦って勉強するらしく、張り出される奴はほぼいないらしい。


「ま、数学を重点的に勉強しとけば大丈夫だろ」


「冷たいやつだ‥‥‥」


「頑張れ、和彦。この学校偏差値高いけど、お前は入学できたんだから、大丈夫なはず‥‥‥うん、大丈夫だ」


「そこは自信持って言ってくれよ‥‥‥」


この学校はこのあたりじゃレベルの高い新学校だ。こんな鬼みたいな制度してたら、嫌でも偏差値が上がるだろう。和彦はぎりぎりだったけど、何とか合格できていた。


「ほら、授業始まるから席もどれよ」


「はぁ‥‥‥」


俺も勉強しないと高得点が取れないから、必死なんだよ。ごめんな、和彦。


水瀬さんの方を見ると、机に突っ伏していた。やっぱりここ数日元気がない。連日のように勉強会のお誘いを受けて疲れているのだろうか。毎回、断るのも疲れるだろうから一回くらい受ければいいのに。どうしたものか‥‥‥。

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