第七話
「――実は…」
どんどん雪野の顔が赤くなっていく。
「に、西宮のこと、す、好きなんだけど…」
西宮はすごく驚いた。
そして、戸惑った。
確かに雪野は面白くて『好き』。
だけど恋愛感情とはまた違う感じの『好き』だった。
「雪野の気持ち…、すごく嬉しいよ。でも、私雪野のこと好きになれない。」
初めて水原以外の人に女言葉を使った。
「ううん。気持ち聞けただけで嬉しい。でも、友達でいてくれるよな…」
砂雪は曇った表情から笑顔になって、
「もちろん!」
と言った。
数日後
最近水原は砂雪にいつもより、話しかけるようになった。
水原なりのアタックなんだろう。
砂雪も元気になってよかった、と思っているけど、悩み事が一つあった。
それは、水原を好きな女子が睨んだりしてくることだった。
そう、砂雪に対するいじめが始まったのだ。
一部の女子からはこんなメェルが届くことがあった。
<水原君にだけ女言葉使ってかわいこぶってるつもり?>
嫌味のメェル。
<誤解しないでくんない?罰ゲームなだけ>
と返す。
<ちょっと水原君に話しかけられたからって調子に乗んな>
こんなメェル。
これには
<のってねぇよ。あーあ、水原が可哀想だなぁ。こんな僻んでる馬鹿に好かれて>
嫌味返し。
次の日砂雪は学校に行き、下駄箱の扉を開けた。
すると、上履きがなく、代わりに
「お前学校来るな。水原にばっか女らしくしやがって」
と、書かれた紙が置かれていた。
「またコレかよ」
――砂雪は気付いていた。
原因がまだあることに…。
それは、水原にだけ女言葉を使っていたことだった。
(もう、こうなったら・・・)
とりあえずスリッパを履き、教室へ行く。
そこで砂雪がとった行動は――