魔法とは
私達は、父親の奢りでたらふく食べた!
パラレルワールドへ来る前より、断然美味しい。
「海の幸が最高だね!
父さん?そういえば俺って今年何歳だっけ?」
「おいおい。20歳になったばっかりだろう」
よし、自然に聞けた! 20歳か…若いなぁ。
「みかんさんはいくつなんだ?」
ナイス父親!みかんの歳はまだ聞いていなかった。
「私も20歳です」
「二人とも同い年なんだな~ そろそろ店を出るか」
よく見ると、テーブルはからっぽだった。
みかんも大満足の様子だ。
「ごちそうさまでした~!」
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そのまま電気屋さんに行き、
みかんにも一緒にスマートウォッチを選んでもらい、
無事に通信手段をゲットした!
「このスマートウォッチの画面の4つのマークは何だろう」
「使い方は、後で私が説明するね!」
みかんが何故か焦っている。
「じゃぁお願いします」
「そんな事も知らないのかぁ、優!
スマートウォッチは、今時スマウォって言うらしいぞ!」
父は何だか自慢気だ。
「父さん、ありがとう 母さんにもお礼言っといて」
「伝えておくよ!じゃあ、そろそろ帰るよ
デートも良いが、仕事も探すんだぞ〜?」
「本当に、ごちそうさまでした」
「いつでも嫁にきてくれよな」
「はやく帰れ」
父は急いで母の元へ帰って行った。
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「ふぅ、危なかった」
「スマートウォッチの事?」
「とりあえずはスマートウォッチのマークについてかなぁ
この世界の常識だからね!」
色々説明したいと言われ、またもやみかんの家にお邪魔する事になった。
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「いい家族じゃん」
「顔も性格も全然違うから驚いたよ。みかんの家族は?」
「和歌山市内に住んでるよ~!私はこの田舎で一人暮らし」
何故か理由を聞いてはいけない気がした。
「そうなんだ」
「まずは、この世界の常識の話ね!」
「あ、そうだった。
スマートウォッチのマークだよね?」
「そう画面の、その4つのマークは魔法の基本属性だよ」
「スマートウォッチで魔法が使えるの?」
「アハハ!ちがう、落ち着いて? 魔法の事は今から説明する」
気づけばキス出来るほどみかんに近づいていた。
慌てて少し距離をとる。
「この世界には"人"が使える"魔法属性が8つ"あります」
「属性が8つ?」
「そのうち
"基本属性"は、火・水・腐・木 の"4つ"です」
「あ!それがこの4つのマークかな?」
「そう!
この4属性は、生身の人間なら誰しも
最低"一つは必ず"持っています
複数持っている人の方が多いです」
「沢山属性を持ってる人がいるんだ~!」
「うん、修行して後から習得できる人もいるよ!」
「で、次に"珍属性"が"4つ"あります
それが"時・空・光・闇"です
これは少し特殊で、
時と空のどちらか
光と闇のどちらか
という様に、2属性づつにグループ分けされていて
各1属性づつしか取得出来ません
例えば、時と闇なら、
持っている人が居ても不思議じゃないけど
光と闇を持ってる人は居ないよ」
「頭がぐるぐるしてきた」
「アハハ!私も、検索しながら読み上げてた」
「そう言えばみかんは何処に居てもインターネットに繋がってるんだったね」
「そうだよー!
魔法は使えないけど、便利だよ
これを、脳内ネットワークって呼ぶんだ」
「カッコいいな」
「そう?私はもう一度魔法が使えるようになりたいな」
「元々は凄い魔法使いだったりして?」
「実は、そこそこ使えるほうだったりする♪」
「あ!じゃあ私の魔法で、みかんが魔法を元通り使えるようにする
って出来るのかなぁ?」
「・・・え?」
みかんは凄く驚いた様子だ。
「出来ないの?」
「前例はないけど、可能性はあるかもしれない」
「じゃあ、頑張ってみる!」
「アハハ!ありがとう
そうと決まれば、まずは魔法を使えるようになって貰わないとね」
「まだ使い方がわからないんだった」
「何年かかる事やら?」
2人で笑い合った
「さっきの魔法の話は理解できた?」
「なんとなくわかったけど、私も一つは属性を持ってるって事だよね?
イマイチ実感が湧かない」
「そうだよね
まずはスマートウォッチで今どの属性を持っているか確認しよう」
「スマートウォッチで確認できるの!?」
「うん。今持っている属性や、レベルもわかるんだよ」
「レベル!?」
「もう、説明するより試した方が早いね!」
みかんの説明通りに、操作してみた。
大体の事は、本人の音声で操作出来るようだ。
他の人の声には反応しないらしい。
「基本属性は、木:レベル30しか持ってない」
「各属性の最大レベルは100だよ」
「珍属性、時:レベル5」
「時属性は珍しいねレベル5って!アハハ」
「珍属性、光:レベル5」
「光属性も持ってるの?
珍属性を修行もなしに2つも持ってるなんてレアだよ~!」
「整体レベル80?なにこれ」
「バカヂカラ!
これは本能、いわゆる五感や肉体の能力値だよ」
「本人のレベル1」
「本人レベル1!?」
今まで言った能力の中で一番驚いている。
「多分だけど、転生した時に本人レベルがリセットされちゃったんじゃないかな?
本人レベルが低いと、本人レベルに応じた魔法しか使えないし、
優のバカヂカラも使えないよ?」
「レベルはどうやってあげるの?」
「本人レベルは生活や、精神的な成長でレベルが上がる事が多いよ」
「魔法は?」
「こればっかりは、経験を積んで上げるしかないかなぁ」
「てっとりばやく経験を積む方法はないのかな?」
「スクールに通っても急には上がらないし」
「どうしよう」
みかんが急にかしこまる。
「優って無職だよね?」
「うん」
「冒険者になるのはどう?」
「なんだそんな事か」
「えっ?」
「丁度仕事探してる所だし、この世界の事もっと知らなくちゃと思って、
昨日話してくれた冒険者に丁度興味もってたんだ~!」
やっぱ異世界転生といえば、冒険者でしょ。
「昨日の話を聞いてた? 命が危険な仕事だよ」
「みかんは命の恩人なんだから、そんな事気にしないの!」
「あ゛りがどう‥‥
魔法使えるように頑張ってくれるって
それだけでも嬉しいのに」
「助け合うのは当たり前でしょ?」
「ぞぅだげど‥‥命まで賭けて冒険者なんて
今時冒険者なんてほとんど居ないのに」
「ほとんど居ないの?」
「うん 今じゃ各都道府県に一箇所づつしか
ギルドがなくて、そこに登録すると冒険者になれるよ」
「なるほど、和歌山は何処にあるの?」
「和歌山駅の近くだから、ここから車で1時間位かな」
「わかった、明日行ってみる」
「命に関わる仕事だから、ご両親には事前に話した方がいいよ」
「うん」
「何かあったらスマーとウォッチでいつでも電話して
明日行く前も必ずだよ!」
「わかった」
優とみかんは電話番号を交換し、優は家に帰った。