これからの冒険者ライフには不安しかない
「みかん様…おはようございます」
「準備が早いのね。今日から冒険者だもんね」
相当ご立腹の様子だ。
「あのね?
いくら一緒に住むって言っても、物事には順序ってものがると思うの」
「順序?」
「確かに、田舎から出てくる時一緒に住もうって言ったのは私だし、
お風呂に誘ったのだって私
でもね?裸で寝るのはどうかと思うのよ」
怒っている理由はそこなの?
「急に入ってこないでって言うけど、
鍵をかけていなかった優にも非があると思うんだ」
「それはみかんの言う通りだ。ごめんなさい」
「はい。もうこれで仲直り!アハハ♪」
みかんは少し顔を赤らめている。
「優も変わってるけど、みかんも変わってるね」
「アイロスに言われると、説得力があるよ」
「みかんわかった 次からは気をつけるよ」
「なら、いいのよ
昨日と今日の事は水に流してあげる」
やはり昨日の事も気にしていたようだ。
「ありがとう」
にしても、身体は男でも中身は女のはずだ。
みかんが急に可愛く見えたり、身体がアツくなったり、、、
まさか!
身体だけじゃなくて、心まで男性化してきてる!?
「ところで、今日ギルドに初出勤よね?」
「そのつもりだけど?」
「念の為、変装していった方がいいと思うよ」
「変装!?」
「ネットでバズっちゃって、優は今やちょっとした有名人だよ
テレビのニュースにもなってる」
「なんだって?」
優は慌ててテレビをつけようとする。
「何でって、全部で3チャンネルしかないんだから当たり前じゃん?」
「俺が居た世界にはもっとチャンネルがあったから
簡単に説明してくれない?」
「アハハ!そんな所までパラレルワールドと差があるんだね
チャンネル1が、ドラマとアニメ
チャンネル2が、ニュース番組
チャンネル3が、冒険者TV だよー」
「わかりやすくまとまってるんだ。異世界のテレビは便利だね」
「優ももう、こっち側の住民でしょ?」
「そうだった」
二人で笑いあう。
「あっ!笑ってる場合じゃない!早くテレビつけないと」
PIPIPIPIPIPIPIPIPI〜♪
「今度は何だよ!母さんから着信?」
「テレビ見たわよ〜」
「和歌山の救世主だって?父さん鼻が高いぞ!」
「父さんったら、朝から近所の人に言いふらしちゃってぇ」
「当たり前だ!これがうちの息子だってな!」
「俺まだ何もしてないし。父さんも言いふらさないで。
丁度、今からテレビ確認する所だから切るよ!」
ブチッ
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丁度みかんがテレビをつけてくれた。
「ほら、ちょうど今テレビに映ってる」