僕の名は”アイロス”
「僕はずっと時の魔力を持った人間を探していた
装備して貰って、また色んな所へ行きたかったんだ」
「俺で良ければ」
「もちろんだよ、僕は時属性だけじゃなく、木属性と、光属性も持っているから相性ピッタリだ!」
「そういえば俺の光属性レベル5だったっけ」
「そう、優の場合、光属性は後天的に取得した属性だと思う
後天的に取得した属性を使いこなすのは、元々持っていた属性より経験が必要になるんだ」
「そんな事もわかるの?」
「魔法の事なら人間より詳しいよ」
「これから色々教えて貰ってもいい?」
「もちろんだよ 僕は優のパートナーになったんだ」
「ありがとう。魔法の杖さんの事はなんて呼べばいい?」
「僕の名は"アイロス"
ギリシアって言う、昔いた有名な鍛治士に名前をつけて貰ったんだ」
「改めて俺の名前は優!これからは名前で呼び合おう」
「そうだね
必要な時が来たら、僕の使い方も少しづつ教えていくよ」
「ありがとう」
アイロスと仲良くなれた気がした。
「この際だ!言わせてもらうけど 俺は、一応女だ!」
「生物学上男に見えるけど」
優はパラレルワールドから転生してしまった事の顛末を全て話した。
「それは"パラレル転生"だね
優は時の魔力を持っているから納得できるよ」
「納得できるってどういう事?」
「優の友達とは見解が違うんだけど
転生したのは優の事故が原因じゃなくて、
元々こっちに居た身体の持ち主の中身だと思う」
「どういう事?」
「僕も説明が難しいな~、簡単な図を優の頭の中に表示してみるね?」
「何かの事情って!?」
「無意識的に魔法を使っちゃうほど嫌な事があったとか?
僕には想像もつかないよ
もし優の時属性のレベルが上がれば…」
「もしレベルが上がれば?」
「…今の話は忘れてくれないかな」
「どうして?」
「限りなくゼロに近い事を優に期待させるかもしれないから」
「期待?」
「これは魔法の話だけど、一概に魔法属性と言っても
皆が同じ性質を持っているわけじゃないんだ」
「うん」
「以前、僕の持ち主は、凄腕冒険者だった
一瞬だけ時を止める能力とか他にも色んな能力を持っていたけど
時を遡ったり次元移動をするような能力は持っていなかった」
前の持ち主の話をしてくれたアイロスからは
嬉しいような悲しいような複雑な感情が流れ込んできた。
「優はどんな能力が使えるようになるんだろうね
能力次第では…」
「この世界にきた理由がわかるかもしれないって事?」
「限りなくゼロに近い話だから、期待しないでね」
そうだ。まずは、みかんの身体を元に戻せるようになるんだ!
「そんな事より、まずは魔法を使って経験値を積まないといけないよ」
「未だに自分の意思で魔法を使った事が一度もないんだった」
頭の中で会話していると気づけばのぼせていたようだ。
「優?」
「なんかフラフラ・・・」
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パンパカパーーン
「経験値が一定に達した為、時属性のレベルが10に上がりました」
「朝っぱらからうるさいなぁ。スマートウォッチかぁ」
あれ?そういえば昨日私、お風呂場でどうしたんだっけ…
ここは俺の部屋だよね?
「僕が優から1時間分の時の魔力を貰って、ここに連れてきたんだよ」
「ありがとう!アイロスってそんな事もできるの?」
コンコンッ ガチャ!
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「おはよう!」
「お、おはよう?」
みかんが急に部屋に入ってきた。
「優のーーーー変態!!服を着て!服を!!」
「急に入ってくるからだろ?」
「みかん、一旦外出て!!!」
「優のバカ」
バタンッ!!
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朝からみかんと口論になってしまった。
「装備は部屋に一緒に運んでおいたけど、着せる事は出来なかった」
「アイロスは悪くないよ」
昨日の失態に加え、今日は露出、、
優は言い訳を考えながら装備を身につけるのであった。