表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/29

遂にギルドへ

挿絵(By みてみん)


「ついたよ~!」

 みかんが笑顔で指を指している。


「まさか、ここがギルド?」

 見た目は明らかにカフェである。

 アニメで見るギルドとは明らかにイメージが違う。


「トゥデイズオーダー?」

 中から声が響いているが、おそるおそる扉を開けてみた。


 ガチャッ


挿絵(By みてみん)


「うわーーーーーーーーーーーーー!!!」


「落ち着いて、全部ホログラムだから」

「本当だ」


「いらっしゃいませ

 ギルド和歌山へようこそ。ご依頼でしょうか?」

 どうやら受付の人もホログラムである。


「依頼ではありません

 冒険者になりたくて来たんですが、登録をお願いします」

「冒険者登録は、現在こちらでは受け付けておりません」


「嘘でしょ?そんなギルドがあるの?」

 みかんも初耳といった表情だ。


「はい。他の支店では現在も、随時冒険者登録を受け付けておりますが、

 和歌山支店には特別な事情がございまして、

 依頼も私が他の支店へ発注している状況でございます」

「そんなぁ、引っ越して家まで借りたのにぃ~」


「申し遅れました

 私全国の冒険者ギルド専門のAIでございます

 冒険者ギルドのAIなので、お気軽に『ギル』とお呼びください」

「わかりました」

「見ての通り、アンドロイドの身体もなく

 全てのギルドと随時情報共有をしております」


「普通ギルドの受付用のアンドロイドや人がいるよね?」

 みかんが疑問をなげかける。

「現在和歌山は予算不足なので、アンドロイドも人もいません」

「じゃぁ、冒険者は?」

「和歌山の冒険者は、現在全国各地に散らばって活動をしています」


「もしかして、受付専用の人が居ないから?」

「お恥ずかしながらお察しの通りです

 新たにアンドロイドを作るにも、予算がかかりすぎますし

 せめて時給で人を雇う事が出来れば、ギリギリの予算内で再開できるのですが、

 今時アルバイトなんて求人を出しても、正社員の求人で溢れかえってますから」


「じゃあ、ギルさん。私を雇って貰えませんか?」

「予算がないので待遇は現在最低ラインですが、

 よろしいのですか?」

「はい。お金なら沢山ありますので♪」


「失礼ですが見たところ人間でありながら、

 大部分がアンドロイドの身体のようですね?」

「アハハ!そこまでわかるんだ~

 事故でこんな身体になっちゃいました」

「私は羨ましいです

 すばらしい身体をお持ちですから」


 優はさりげない疑問を口にしてしまう。

「待て。さっきから会話を聞いてると

 ギルにも感情があるように聞こえるぞ?」


 みかんは慌てて会話に割り込む。

「優!失礼だよ?

 今時、高度なAIには感情があって当たり前だよ?」

「構いませんよ

 引っ越してきたばかりなのでしょう?

 田舎のほうには私のようなAIが存在しない所もありますから」

「アハハ!田舎から来たのバレちゃったね~」

「すみません」


「そんな事より

 今日は、みかんさんのような方が働きにきて下さる事

 これは大変良い収穫です!!」


 ギルは興奮気味に話しを続ける。

「脳内ネットワークでいつでも最新情報の閲覧が可能

 その力を和歌山支店で発揮して頂けるとは…

 他の支店からも羨ましがられる事間違いないでしょう!」

「ギル。これで優の冒険者登録はできる?」

「はい!今すぐ登録しましょう」


「それでは、優さん みかんさん

 こちらにスマートウォッチをかざして下さい」


 ピコンッ

「契約内容に同意致しますか?」

 まぁ、命の危険以外は大した内容ではないだろう。


「はい。同意します」

「名前、魔法属性、レベル等

 冒険者に必要な情報が登録されました。

 秘密保持特約に基づき、レベル・魔法属性のみ

 非公開情報として扱われます」


「アハハ!次は私~」

「みかんさんには、就労条件を脳内に送信致しました」

「仕事が早いね、署名したものを返信しておいたよ!」


 ピコンッ

「和歌山支店の従業員として情報を登録致しました

 名前以外は全て非公開情報として扱われます」 

 みかんの時とどこか違和感があるが、今聞ける空気ではない。


「優!これで冒険者デビューだね♪」

「みかんのお陰だよ。ありがとう」

「魔法属性とレベルは、仕事の有無に関わるから

 自分で公表する人が多いんだよ~♪」

「みかんは冒険者に詳しいんだね!」

「冒険者TVによく出てるからね♪」

「冒険者TV!?」

「他にも自分でHPを作ってる冒険者も少なくないよ」

 さっき感じた違和感の正体が少しだけ理解できた気がした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ