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コースター②
帰宅。玄関のドアを静かに閉めた。
私は身寄りがないため、国の保護下に置かれながら一人暮らしをしている。
誰もいない部屋が、当たり前の日常になっていた。
ソファーに座り、今日配られたコースターを取り出した。
鞄の中からゆっくりと取り出す
・・見ればみるほど禍々しい絵柄だ。。どこか不気味で、目が離せなかった。
女性が創るものなので、ポップでキュートな絵柄を想像していたのだが、本格的なタロットカードに出てきそうなリアルなつくりになっている。
想像とはまるで違っていた。
なにか怨念めいた物を感じるので、私はコースターを凝視した。
黄色いモヤがうっすらとかかっている。
喜びの色。でも、それが逆に怖い。
嬉々としてこれを作っていたのかと考えると背筋が冷たくなる感覚がした。。
ガタンッ
ポストにものが入る音がした。
思わず立ち上がる。
こんな時間に?外に出て確認する。
夜風がひんやりと頬をなでた。
コースター??
また、同じ形のもの。
裏返しにめくってみる。
背筋がさらに冷たくなる。。
息をするのも忘れそうだった。
豹がギロチン台に張り付けられている絵柄だった。