あーだこーだと言う人は、仕事ができないと言う話②
前回の続き。
小さいけど大切な荷物が届かないから、探して来い。
再送分はちゃんと届けろ。
ピンポーン
「おーーい!……」
ピンポーン
「あのーーーっ……」
笑ってしまう話ではあるが、こーいう届いていないというご申告で対応をされている最中。なぜだか知らないが、急に相手と連絡が取り合えない事が非常に多い。(私の荷物はね)。
なんでですか?こちらはご質問されて、いろんな事を調べてから回答をしようというのに……着信を拒否されたり、家から出て来ないとか、止めてくれませんかね?
別に怒っているわけではないです。報告してもらわないと、納得しないお客様と違い、こっちは家に帰れないという事情があって困るんですけど。
今回に関しては、そーいう結末ではなかったことを先に書いておく。
「おいおいおいおい。いねぇのか?家間違えてねぇし。今、20:30過ぎだぞ。荷物届いてないと言ってたのに、そりゃねぇーぜ!」
木下は手で荷物を持ちながら、この件を受けている実に連絡をとる。
「どーする、実!受取人に会えないんだけどよー!」
『そうですかー。困りますねー』
「言っておくが、0時まで待つつもりはないぞ」
『分かってますよ。じゃあ、ひとまず荷物を持ち戻って来てください。集合ポストから盗まれている可能性がある以上、手渡しは原則なんで』
不着や誤配時の対応の原則は、手渡し謝罪である。直接謝るのは恥ずかしい事だが、これが基本。二次クレームはゴメンである。
【ただいま、電話に出る事ができません。メッセージをお預かりになられる場合は、ピーーっという音の後にメッセージをどうぞ】
せっかく再送分が届いたというのに、急に受取人にも差出人にも連絡がとれなくなる。実は仕方なく、両方に現在の状況を連絡したのだが、肝心の受取人が留守電の設定をしてないため。差出人のみにメッセージを入れる。
『実ですー。本日の夕方に、再送分のお荷物が届いて、受取人の方にお伺いしたんですけれども。受取人様とお会いできない状況なんですよね。ひとまず、まだこちらの方でお預かりしていて、こちらご不在が続くようでしたら、集合ポストに投函していいかのご確認を伺ったんですけど。……私達、翌日も受取人の方にお伺いしますので、いちお。再送分はこちらに到着しましたと、お伝えします』
あんまりな事を言いたくはないが、再送分が届いたら連絡しろいう指示はあまりもらわない。
結局、受取人に到着すれば丸く収まる話だから。
今回の困った部分は、ここである。
実達の解釈では、荷物がここに届いたという事を報告する。というのは会社としては間違ってない対応であり、届かなかった荷物はどちらにも断り無く、取り扱うのはNGなのだ。
対して、お客様の解釈では、荷物が受取人に届いたという報告をしろという意味を伝えていたらしい。
そんな違いが翌日の悲劇を生む。
◇ ◇
「お電話ですー、矢木さーん。至急対応をしてください」
電話対応の隅田川さんがクレーム用の紙を持って、矢木に催促をした。
「実が言っていた奴から電話が来たか」
昨日、矢木は休みで。今日は実が休み。引継はされており、受取人がいつ帰ってくるか、聞いてその時間帯にお伺いして渡せば、ひとまず半分完了って話……。まぁ、もう半分はどー考えても解決できんという話だ。
「はい、代わりました。矢木です」
あー。終わる。やっと終わるーって感じで電話をとったのだが
『ちょーーっと!!受取人が再送分が届いてないって言ってるんですけど!!昨日電話した、実って方は集合ポストに入れる、こっちの留守電に入れてるんですけど!!どーなってんの、あんた達の仕事!!手間とらせないでよ、バーーーカ!!』
はい?
「……あの、話が見えないんですけど……」
『分からないの!!バカ!!能無し!!』
実の引継によれば、荷物がこっちに届いているが、受取人に直接会えない、連絡がとれないという状況で話が止まっているとメッセージを入れた。……ところで止まっているはずなのだ。
「再送分が届いた事は、実がお伝えしていると思いますけど」
『届いているの!?その再送分!!あんた達がホントに持ってるの!?』
「え、はい。手元にあって、」
『ホントに!?あんた達の無能ぶりのせいで、こんなに私は振り回されてるのよ!!ボケェェ!持ってないんじゃないの!!集合ポストに入れると、実って人が言ってるのよ!!それが入ってないのよ!!おかしいんじゃない!?』
「だから、受取人に会えないと」
『お前今から!!探してこいっ!!私が前に出した荷物を見つけて、こっちの静岡まで持って来て土下座しろぉぉっ!!アホぉぉ!!』
引継されてることと、話が噛み合わないんだが……。
矢木、2分間。沈黙。そんな様子を見ていて、昨日の仕事に関わっていた木下は紙を見て。
「なにを言いたいんだ、こいつ……?」
そもそもの発端を言えば、この人物がちゃんとしたサービスを利用してないのが原因で。それにほとんど全員がわざわざ関わっている状況なんだよなって、現場からの愚痴を思っておこう。基本は探さないのが対応マニュアルだ。だって、探しようがないって結論が出てるんだもん。
矢木は頭を抱えながら、現状を報告する。
明らかに電話している人が興奮していて、話にならない。
「ひとまず、再送分は届いたんですよ。ただ、昨日会えなくて、連絡とれず、こちらに」
『届いたとか到着したという意味は受取人に届いたという意味だぞ!!バカかお前は!』
それはお客様同士の話やんけ。
というか、朝も俺は受取人のところに行ったんだけどなぁ。
「ですから、受取人様にこちらがお伺いしたり、連絡いれてるんですけど。お会いできない状況なんですよ!そのため、こちらも!盗まれた可能性がある以上は、丁重に取り扱う必要性があるんです!こちらの配送のとこに届いたという報告を実はしてるんです!!受取人様と会えないから、止まってるんです!」
『ついさっきこっちに連絡あったんだから!!受取人さん、午前の11時ごろまでお仕事してたんですよ!!今、13時なら家にいると思いますよ!!ちゃんと届けろ!!』
「すぐ行きます!(昼飯抜きじゃねぇか!!夜まで仕事あんのに)」
だったら、ウチ等の対応は正しかったやんけ!!
配達員も大変なように、受け取る方も大変なんですよね。
ミスを知った時のお客様の顔って、青褪めたりとか、怒りとか色々あるんですが。自分はAMAZONの関係者じゃないんで(AMAZONも配るけど)、怒鳴ったりご要望されても困るんですよね。
なんでマンションの管理人に、集合ポストに馬鹿でかいAMAZONが置かれている件について、20分も説教されるんやろって、……。クロネコさんなどもそーいうの喰らってるだろうとは思います。俺達じゃないってキッパリ言ってても、こーいう人達って聞く耳持たなくて困るんですよね。客としてなら、なおさら……。
ミスはしてしまうと思いますが、現場は一生懸命やってる方達だと思うので、間違いやすかったら工夫した方が良いと思います。
それと、なんでか知りませんけど。昔は個人情報だーとかで、表札をあまり出さなくなったんですが、こーいうサービスですと誤配に繫がり、電話番号までバレる事もありますので、急に表札を出し始めたなーって。最近、感じます。