3話
僕たちは、僕の部屋の前ににたどり着いた。
「それじゃあ、兄さん悪いけどお願いね。母上には、僕から伝えとくから。あと、飲み物の用意は、僕が頼んどくよ。」
「あぁ。ありがとう、イディオ。」
そう言って、イディオは、戻っていった。
「それじゃあ、シャルル、メイさん少し散らかってるけど、どうぞ。」
部屋を開けると、シャルルは、凄い勢いで僕の横を通りすぎ、部屋の中に駆けていった。
僕もメイさんと顔を見合わせたあと一緒に部屋に入ると、シャルルはすでにベッドで横になっていた。
「どうかしたの、シャルル?」
体調でも崩したのか、僕は慌てて、シャルルに尋ねる。
少し顔を赤くしながら、シャルルは、体を起こし…
「す…すみませんディーオ様… 来るまでに、少し疲れてしまいまして…」
「大丈夫? 誰か呼んだ方が…」
チラッと扉の近くにいるメイさんをみる。
メイさんは、特に動こうとしない。
「だ…大丈夫です!! す…少し横になっていれば、良くなると思いますので…」
「そうか? それじゃあ、僕なんかのベッドで悪いけど横になってて。」
「ありがとうございます!!」
そう言って、シャルルは、再びベッドに横になる。
横になるのはいいのだけど、枕に顔をうずめるのはさすがに恥ずかしいのでやめて欲しい。
コンッコンッ
ドアをノックする音が聞こえる。
「お飲み物をお持ちしました。」
「ありがとございます、今取りいきます。」
扉を開け、僕は、メイドからティーセット一式を受け取る。
メイさんが僕から、ティーセットを受け取ろうとしてきたが、メイさんもお客様なので、メイさんには、僕が入れる事を伝える。
これでも、紅茶をいれるのもお手のものだ。手早く、準備を済まし、人数分の紅茶を入れる。
「紅茶が入ったよ、シャルル、メイさん。」
シャルルは、ベッドから起き上がり、こっちにやって来る。メイさんは席に座らず、シャルルの後ろに控えようとしたので、そっと椅子を勧め、しぶしぶ座ってもらう。
「ディーオ様の紅茶は久しぶりですね!!」
紅茶を飲みながら、談笑を始める。
◇
コンッコンッ
「僕です、母さん。」
「入りなさい。」
部屋には、母さんしかいなかった。
「イディオちゃん、こっちに座りなさい。」
「はい、母さん。」
俺は、椅子に座る。
「それで、彼は?」
「はい、なんの疑いもなく、今は、自分の部屋でシャルルと話をしている筈です。」
「そう。それで、計画は?」
「はい、しっかり行う予定です。この後、僕は、屋敷を出ますので、後の事は、お願いします母さん。」
「えぇ、分かってるわ。イディオちゃんを領主にする為、失敗は許されないわよ。」
「はい。では、いってきます。」
母さんの部屋を出て、計画を実行するために、俺は1度自分の部屋に戻り準備を済まし、屋敷を後にする。