喫茶店で、珈琲と。
真っ赤に染まった皿の上
茹でたウインナーと 絡む緑葉
嬉しそうに踊るパスタ
こじんまりとした隠れ家
喫茶店 シェフは物静かに
黙々と 鍋を奮う
食後のことすら鑑みて
すっかり平らげた皿をみて
差し出されてきたふくよかな苦み
焙煎された豆
厳選された水
オープンテラスで 瞳を閉じる
ふいに懐から取り出して
大空に溶け込む灰色の雲
アフターサービスだったのだろうか
微睡み しっとりと椅子に馴染む腰
このまま 眠ってしまいたい
唇に着いた旨味を舐め尽くして
ナポリタンの余韻に浸る
ケチャップは 甘かった ──
ほどよい 腹ごなし
正直 仕事に取り掛かりたくなるぐらいに
ため息が 溢れる