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詩集「てのひら暦」

言葉探し【詩】

そうして皮をぺろりと剥くと

中は蜜柑の果肉のようにつぶつぶになっていて

私たちはその粒のひとつひとつを捉えようと

不器用な指先をこねくり回すのだけれど、

そうこうする間に蜜柑は

輝く三毛猫になって紙面から逃げて行ってしまう


かと言って、蜜柑をつぶしてジュースにしたところで

その粒だちひとつひとつの煌めきを見分けられなければ

何の意味もない

ただ甘ったるく舌ざわりが良いだけで

一瞬で喉元をすぎてしまう


私たちは 酸も苦みも含めて

その涙型のつぶつぶを

丁寧にほぐし、味わわなければならない

そうしてはじめて

蜜柑というものの全体像が分かるのだ


2018年11月制作。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  初めまして。Twitterから失礼します。物事を文章に描くことそのものを良くたとえているような気がして、非常に興味深かったです。一度何気なく読んでから言葉探しと言うタイトルに、再度ぶつか…
[一言] なるほど…… たしかに、野菜もジュースにするよりそのまま食べたほうが身体にいいっていいますものね。←ぇ 詩的な作品であると同時に、詩人の頭の中をロジカルに書きだした解説書のような風情もある…
[良い点] 比喩が秀逸で、感動しました(*≧∇≦)ノ [一言] 最近は、喉ごしの良いものでなければ理解されにくく、粒ひとつひとつの煌めきを理解できなくなりつつあるように思います。自分も、言葉というもの…
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