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死神さんののんびり異世界散歩  作者: 水無うるふ
水の都ルーセント編
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エリアルの滝

 フリューゲルの森から三日ほど歩いた所に俺たちはいた。

 ここら辺はシンクサス公国の領内だ。

 徒歩でなら約1週間ほど北西に歩いた所にシンクサス公国首都ロングレイがある。

 逆に北東へ四日ほど歩けばルーセントに行ける。


「まだ歩くのー?」

「まだまだ歩くぞー」

「うへぇ・・・。マスターおんぶ」

「ガキか」

「まだ高校生のガキですぅー!」


 ぷんぷん怒るカプリス。


「そんだけ元気があるならまだ歩けるな」

「鬼ー!」

「鬼で結構」


 いーっと俺に怒り顔を表した後、彼女は前を歩いていく。


『少しは優しくしてやったらどうだ?』


 そんな彼女を見たギルターが横に並びながら聞いてくる。


「優しくするのと甘やかすのは違うんだよ」

『そうなのか』

「そうなのだ」


 甘やかしてさらにわがままになられても困るしな。


「もう少ししたらお昼ですので、どこかで休憩しましょう」


 もうそんな時間になるのか。

 空を見ると眩い太陽が真上にいて光が目に刺さる。


「そうだな。ここら辺りならエリアルの滝があったはずだ。そこで休憩を取ろうか」

「いやったー! 休憩だぁ!」


 休憩と聞いてはしゃぐカプリス。

 先ほどまでの怒りはどこへやら。


『魔物がいないか偵察してきますね』

「いたら狩っておいて」

『了解しました。ご褒美お願いしますね!』

「あー、はいはい」


 そう言い残して飛んで行ったフィズリール。


「さて、こっちだ」


 飛んで行ったのを見送り、俺たちはエリアルの滝へと向かった。







 二十分ほど歩いたところで滝の音が聞こえはじめる。


「風の精霊が多いですね」

「ああ、だからエリアルの川、エリアルの滝なんて名前が付いているんだ」


 ここら一帯は風の精霊ことエリアルがたくさんいる。

 心地の良いそよ風が常に吹いていて、第二大陸で一番過ごしやすい環境ともいえる地域だ。

 夏は暑くなく、冬は寒すぎもしない。


「よし、川が見えて来たな」


 道から見えて来た川。

 水の流れる音は人を癒す。そんな心地いい音を聞きながら上流の方へ向かう。

 川の周りには木々が生えており、自然のトンネルが形成されていた。

 真上に位置する太陽による木漏れ日により、美しく川を照らしている。

 スクショ。


「ここゲームの時はよく釣りしてたよねー」

「そうだな」


 ここは魔物も出ないため、釣り放置するのに適した場所だった。

 とれる魚も意外といいものが多いため、釣り放置勢の溜まり場となっていた。

 俺も仕事中はここで放置してたので思い出深い。


「よし、見えて来たな」


 少し歩いた所でエリアルの滝へと着いた。

 この滝は三つの川からなる滝で、三方向からエリアルの滝つぼへと流れ落ちている。

 水の量もそんなに多くはないので音もうるさくはない。


 そしてここも木々により日差しは強くなく、かといって暗くもない。

 木漏れ日でキラキラと輝く、三つの滝は絶景とまではいかないものの、その光景はとても美しいものだ。

 スクショ。


『主。魔物はいなかったので、魚を取っておきました。ご褒美をお願いしますですはいっ!!』


 はいじゃないが。

 フィズの足元には人数分の魚が置かれていた。


「魔物を狩ってないから褒美はなしだ。だが魚はありがとな」

『ご褒美・・・なしっ・・・!?』


 驚きの声を上げて彼女は崩れ落ちた。


『主よ! 早く魚を焼くのだ! はよ!』


 うるさいわんこだこと。

 適当に薪を取り出して並べる。


「リーリス頼む」

「分かりました」


 リーリスに火を点けてもらい、その間に細くも長い串を取り出して魚に突き刺して火の回りの地面に突き刺して焼きはじめる。


「ちゃんと火が通るまで待てだギル」

『私は生魚でも問題ないぞ! 腹減った!』

「そうか。ほれ」


 生でも問題ないという彼に、一匹串から外して投げ渡す。

 それをうまく口でキャッチして、食べやすいように地面に置いてから食べ始めた。


「出来たら呼ぶから自由にしてていいぞ」

「やった! 水浴びしてくる!」

「お供しますね」


 女子二人は滝つぼの方へ歩いて行った。

 フィズの方に目をやると、横倒れになっていて、そこだけずーんっと重い空気が漂っていた。

 放置で。


 さて、焼けるまで本でも読んでようか。


『足りん』

「知らん」


 うるさいわんこが伏せながら焼いている魚を見始めたのを横目に本を取り出して開く。




お読みいただきありがとうございます。

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