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死神さんののんびり異世界散歩  作者: 水無うるふ
フリューゲルの森編
77/95

クリフォト②

更新遅れてすみません。

繁忙期も過ぎたので更新開始します

 巨木の化け物相手にどうしろってんだか。


「とりあえず、やってみるか。フィズ、火属性でけん制。リーリスは魔術で遠距離支援。Jカプリス、ギルターは遊撃」

「りょーかい!」

「了解しました」

『ああ』

『わかりました』

「散開!」


 号令で各々の立ち位置へ移動したのを確認して、俺も大鎌を構える。


「戦闘開始っ!」


 大鎌を巨木に向けて言い放つ。

 まず最初に巨木に放たれたのは炎の波。これはフィズの攻撃だろう。

 俺はその波を追うように突き進む。鞭のように振るわれる根を斬り捨て、幹へと。

 フィズの攻撃は巨木の表面を少し焦がした程度で、すぐにその焦げた部分も回復してしまったので意味がなさそうだ。俺が斬った根も五秒足らずで再生してしまった。

 再生能力高すぎませんかね?

 まあ、根っこ自体の攻撃力と速度はそこまでではないので、ひとまずは本体にたどり着く事が最優先だろう。

 幸い、ヘイトはフィズやギル達に向いているため、こちらへの攻撃は緩やかだ。

 一気に加速して本体へと近づく。


「うおっ!?」


 あと少しと言うところで地面から黒い根っこが突き出てきて妨げられてしまったが、即座に横から回り込んで進む。

 俺の進路を妨げようといくつもの根っこが突き出てくるが、さすがレベルカンスト。反応速度も尋常じゃない。レベル様様だぜ。


「っと、やっとたどり着いた」


 巨木の根本付近までたどり着いた。

 近づくことで、巨木の大きさがよくわかる。


「ん?」


 気が付けば、先ほどまで近づけさせる気すらなかった根っこたちは、俺に対し一切攻撃を仕掛けてこなくなった。確認のために振り向いてみると、俺を逃がさないように根っこたちが隙間なく囲んでいる。その様は樹の檻のようだ。

 見回していると、巨木の方から何やらミシミシと軋むような音が聞こえて来たので、目を転じてみると、なんと、幹から人型の木が生えて来た。


「エントか」


 わらわらと生えて来るエントの大群に対して突っ込む。

 斬っても斬っても切りがない。あぁ、ゲーム時代にこんな魔物がいたらどれだけレベリングが楽か・・・。

 切り刻んで突き進み、ついに幹へとたどり着いた。


「とりあえず、ここまでやってきたわけだが・・・」


 さて、ここからどうするか。


「お? おお!」


 とりあえず斬ろうかと構えたところ、目に前の幹が動き大きく口を開いた。


「入れ、と?」


 巨木に空いた穴。誘うように開かれた口。中は暗く、風が入り込む音が聞こえてくる。

 まるで息をしているかのような音に、すこし怖さを感じてしまう。


「まあ、ここでビビっていても仕方がないか」


 せっかくの誘いなのだ。乗ってやろう。

 俺は警戒をしながら口の中へと足を踏み入れた。

 完全に中に入るのと同時に口は閉じられてしまう。

 暗く右も左もわからない現状、下手に動くのは得策ではない。まずは明りを灯そう。



「フラッシュ」


 暗闇を照らす魔術を行使する。

 俺の前方に光の玉が出現し、辺りを照らしてくれた。

 中は、外の戦闘音すらも入ってこずとても静かだ。

 見回してみると、壁に沿うように階段が設置されていた。

 敵も出てくる様子がないので、上へ向かうことにする。

 意外と頑丈な階段。足元を光で照らしつつ、一段一段確認して上がっていく。

 一体どれだけ登ったのか。気が付くと下に光は届いておらず、暗闇に支配されていた。

 そんな長い階段にも終わりが来る。登りきった先は広い空間だった。

 幹の内部だと言うのに、どういう原理か明るい。見上げてみると、天井部分が光っていた。太陽光に近い暖かみのある光。


「太陽の光でも吸収して中を照らしてんのか?」


 割りと何でもありな世界だ。原理が不明でもそのくらい出来そうなので深く考えるのはやめておこう。


「で、あれが本体ってわけか」


 色々見回し、最後に視線を向けたのは登ってきた場所の正面。そこには幹の内側にも関わらず葉っぱが生い茂り、何かを守るように枝が生えていた。


「あれは・・・人、なのか?」


 人の頭部のようなものが枝の隙間から見てとれる。


「まさかフリューゲル?」


 ここらへんにいる人となるとフリューゲルか商人である普通の人族位だろう。だが、守られている人を見ると、フリューゲルの特徴である羽で被われた耳がある。


「フリューゲルの一人が捕まったのか。まあいい、助けよう。ッ!?」


 助けようと近付いたところで、こちらに向いた敵意によりそれ以上近づくのをやめる。

 先程まで動きすら見せなかった枝葉が蠢き出した。フリューゲルを守っていた枝はシュルシュルとほどけ、それをさらけ出した。


「───寄生されてんのか」


 枝の内側から現れたのは心臓部分から木が生え、それを全身に鎧のように纏ったフリューゲルだった。その背にある立派な翼も蔓や枝葉に覆われている。目は白目を向いてしまっており、顔からも生気を感じないことから、もう手遅れだろう。

 背中から伸びる枝により宙へと上がる寄生されたフリューゲル。顔の造形や体型から見て女性だろう。

 宙へと上がった彼女は体を縮め、四肢を一気に伸ばし咆哮を上げた。


「Kiyaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaッ!!」



 甲高いその声に、思わず耳を塞いでしまった。

 直後、俺へと伸びる枝。

 どうやら戦闘開始らしい。


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