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死神さんののんびり異世界散歩  作者: 水無うるふ
エイブレイル神聖国編
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終結と祭り②

 ネグロ・ユグドラシルオーガを倒したあの日から三日が経った。

 あの日、宿に案内された俺は目をキラキラと輝かせたアルフに質問攻めにされ、寝不足になったのは言うまでもない。姫様帰らなくてよかったのか?


 街の方はまだ祭りが行われている。

 俺達も昨日から参加しているが、もうどこもかしこもどんちゃん騒ぎだ。

 もちろん、こんな祭り時には悪行を働く輩が現れるのは必然と言っても良いだろう。

 ちょいとこの街の組合を覗いてみたら、まぁ大忙しでした。負傷して動けない冒険者が多数いるなかでの警備とか中々に厳しいだろう。

 他の街から冒険者を派遣してもらっているようではあるが、まぁ犯罪の方が上回るよな。

 俺も祭りを楽しみながら、見つけた犯罪は片っ端から捕らえてはいるが、なかなかどうして減らない。

 国の方も兵士達を巡回させているらしいが、減ったのは暴力沙汰位だな。

 スリとかは難しいようだ。

 スラムの人間達からしたら鴨がネギ背負って歩いてるようなもんだし、仕様がないっちゃ仕様がないか。


 まぁ、それも今日までかな?

 国中から冒険者の派遣が行われて、三日目の今日にしてやっと到着するらしいからな。

 ここからは彼らに頑張って貰うとしよう。

 そろそろ、俺達も次の目的地に向かいたい。観光に。


「マスター! この火蜥蜴の素揚げ、意外とおいしいよー!」


 俺が真剣にこのあとの事を考えていると、呑気に大きめな蜥蜴の素揚げを片手に、カプリスが小走りで寄ってきた。


「食べてみ!」


 スッと俺の口の前まで持ってきたので、一口ぱくりと頂く。


「お、意外と・・・」

「でしょー!」


 味はチキンに近いような近くないような・・・。いや、ヘビか。チキンではないな。

 だが、ヘビと違って生臭くはないから意外と美味しかった。


「なぁカプリス」

「んー?」


 もっもっ、と食べながらこちらに顔を向けるカプリス。


「そろそろ、この街を───」


ピコン


 俺が話をしようと口を開いたところでチャットが届いた。



regulus:ノア、今どの辺りにいるかは知らんが情報が入った



 情報?



noah:情報って?

regulus:例の魔物の情報だ


noah:その話kwsk

regulus:そっちの大陸にフリューゲルの森があるだろう?


noah:ああ ってまさか

regulus:そのまさかだ。ここ最近フリューゲルの森に魔物が湧くようになったらしい。


regulus:で、その魔物の中に私達プレイヤーの知識にはない魔物が確認された。

regulus:情報提供者は私のフレンドだから、情報は確かだろう。

regulus:出来ればお前にも確認しに行ってもらいたい。



 レグルスのフレンドだとすると、まぁ中堅から上位プレイヤーだろうから、魔物の知識は有してるはず・・・。そいつが見たことないと言うのならば例の魔物の可能性は高いな。



noah:了解した。こちらも一段落したところだ 確認に向かうよ

regulus:頼んだ



 チャットを終えて横見ると、火蜥蜴を食い終わったカプリスが口を拭いているところだった。


「カプリス。次の目的地が決まったぞ」

「次どこ?」

「フリューゲルの森」

「観光だ!」

「残念ながら仕事でだ。観光はその後だな」

「そんな・・・! マスターが観光目的以外でフリューゲルの森に行くなんてあり得ない!」


 それがあり得るのですよ。


「それで? 何があったの?」

「例の魔物がフリューゲルの森に出たらしい」

「ほうほう。それは行くしかないね! 観光地を守りに!」

「魔物はついでかよ」


 ってなわけで、祭りを楽しんでいるオリジンズを呼び出して、宿で会議。

 と言ってもギルはベッドで丸くなってるけどな。


「さて、次の目的地だが、フリューゲルの森に決まった」

「フリューゲル達の里がある森ですね。あそこは平和だと聞きましたよ」


 本来なら魔物が生息しないエリアだからな。戦闘が起こらない平和な場所だった。

 元々は観光目的で行くはずだったんだけどなぁ。


「聞いたところによると、魔物の住みかになっているらしい」

「里が心配だよね」

「ああ」

『今度こそ、私の出番ですね!』


 前回が前回だったため、フィズもやる気みたいだな。


『久々に、主に土足で踏んで貰えますね!』


 こいつぁやべーやつだ。


「まぁ、仕事が一段落ついたところでまた仕事だ。悪いな」

「そんなの気にしなーい!」

「そうです。貴方がやると言うのであれば、私達は付き合いますよ」

『はい!』


 良い仲間を持ったなぁと、心の中で感動。


「さて、荷物を纏めたら行くぞ。今出れば夕刻には森近くの村には着くだろうよ」

「オッケー! リーちゃん準備するよー!」

「はい!」


 カプリスとリーリスは俺の部屋から出ていった。


「俺も準備するか」


 と言っても、アイテムボックスから出したものをしまう程度だけどな。

 なので、すぐに終わってしまい。美少女二人を待つことになった。

 皇帝達に挨拶でもと思ったが、あのかたっ苦しいふんいき嫌いなんだよなぁ。

 今回は黙って出ていくか。


 暫くして、二人が部屋に戻ってきた。


「準備オッケー!」

「行きましょう」

「ああ、行くぞギルター」

『聞こえてる』


 ベッドから降りて、背筋を伸ばしたギルター。

 やっぱ小型サイズだとただの犬だな。

 一階へと降りて、チェックアウトを済ませたあと門へと向かった。

 門番と一言二言交わしたあと門外へと出たところで、門の柱によりかかる人物がいることに気がついた。


「・・・アルフ」

「や!」


 その人物はアルフ。

 俺達が初めてあったときの服装の彼は、壁を軽く押して姿勢を直すとこちらへ歩いてきた。


「もう行っちゃうんだね」

「まぁな」

「もっと話聞きたかったのに残念だよ」

「なんで俺達が出てくとわかったんだ?」

「わかった訳じゃないよ。なんとなくそんな気がしただけ」


 気がしただけなのに街の外で待っていたのか。

 仮にも姫なのだから護衛の一人か二人つけとけよなー。


「引き留めてもしょうがないか。またねノワールさん。いや、ノア様。またお話をお聞かせくださいな」


 後半お姫様になったアルフがちょいと面白くて笑みが溢れてしまった。


「ああ、また聞かせてやるよ」

「アルフんバイバーイ! また一緒に洋服見よーねー!」

「うん! オリジンヒューマンさまぁ! ありがとうございました!」

「ふふっ」


 彼──否、彼女は俺達が見えなくなるまで手を振り続けた。


また来よう。

この美しい街へ。



        エイブレイル神聖国編~fin~




エイブレイル神聖国編終わりとなります!


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