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満点の星空と化け物

 水分量が多く焼き上がるのにかなりかかってしまったが、良い具合に焼くことができた。

 おかげで日はすでに落ちてしまった。

 目の前にある水竜の串焼きからは香ばしい香りと、滴り落ちる肉汁。

 それを見て嗅いで、食欲をそそられた俺はかぶり付く。


「美味い!」


 もはやそれしか言えないな。

 程よく火が通っており、皮はパリパリ、肉はジューシーでいくらでも食べれそうだ。

 これに塩かタレがあればなー・・・。

 あと白米。

 まぁ、その辺は旅してれば見つかるかもしれないし保留にしとこう。

 今は目の前にある肉だ。

 二口目を口にしたあと、止まらなくなり気がついたら無くなってしまった。

 残念だが、肉はまた狩りに行けば良いだけのことだ。


 腹は膨れたので、焚き火を消す。

 辺りが暗くなるが、これでいい。


「・・・美しい」


 上を見上げて最初に出た言葉。

 闇夜に輝く満天の星々。そして、今日は新月で星がより綺麗に輝いていた。


「おお!」


 俺は運がいい。

 まさかこっちに来て初めての夜に流星群を見れるとは・・・。

 あの物騒な魔術の方ではなく、本物の流星群だ。

 その光景に俺は釘付けになった。

 いつまでも見ていられる。


 いい気分に浸っていると、ズゥンっと重い音が背後に響いた。


「はぁ」


 ため息をつき、イライラしながら振り向く。


「邪魔しやがって」


 そう言いながらソレを見やる。

 ソレは特殊変異型のベヒモスだった。

 通常のベヒモスは灰色がかった体色なのだが、こいつは全体的に黒く腕や身体には赤く脈打つ線が入っている。


「Guooooooooooooooooooo!!」


 辺りに響く咆哮。

 咆哮がやむのと同時に、ベヒモスは俺に向けて突進してきた。

 それを俺は片手で受け止める。

 受け止められた事に怒ったのか、ベヒモスは更に力を込める。


「力を込めたところで俺には勝てないぞ?」


 そう言ったところで、ベヒモスの上に黒い何かが形成され、俺に向けて放たれた。

 それを空いてる片手で弾き飛ばして、押さえてる手でベヒモスを持ち上げる。


「Gaaaaaaaaaaaaa!?」


 暴れるベヒモスだが、問答無用で頭上まで持ち上げた。


「死ね」


 雷の魔術を行使する。

 全身を電撃に蹂躙されたベヒモスは、プスプスと煙を出しながら動かなくなった。


「やっと静かになったな」


 ベヒモスを下ろし、再び流星群を見ようと椅子に腰を掛ける。

 が・・・。


「・・・雲ってんじゃねーか!」


 クソったれ!

 ふて寝してやる!


 俺は椅子をしまってテントに入って寝た。

 えー、寝ましたとも。

 次はいつ見られるのやら。


 ファッキンベヒモス! 次見かけたら即殺してやらぁ!

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