終結と祭り
足元に積もった灰を見下ろしながら、どう片付けるか考えながら窓の方を見る。
風を使って飛ばそうかと考えたが、風の操作距離を考えると、諸に城下町へ降り注ぐことになりそうなのでアイテムボックスの格納した。
現在警戒態勢に入っているだろう騎士、兵士達には先程一人の騎士が出ていったので、報告が行くだろう。
「ふむ、そのアイテムの回収方法。貴殿はプレイヤーなのだな?」
一息吐こうとしたところで声をかけられる。
そう言えば皇帝の前だった。
俺は即座に跪き、答える。
「失礼しました。私は陛下のおっしゃる通りプレイヤーの一人。ノアと申します」
チラッと後ろに目をやるとちゃんとカプリスは跪ずいていた。リーリスはそのまま。
まぁ、彼女はオリジンだしいいか。
俺の返答にこの場にいる俺達以外の人間は驚き、ざわめく。
「顔をあげてくれ。貴殿は本当にあのノアなのか?」
「ええ、どのノアかはわかりませんが、私が知る限りではノアと言うプレイヤーは私一人です」
問いに対して素直に答える。
皇帝の隣にいるアルフは目をキラキラと輝かせてこちらを見ている。そんな目で見ないでくれ。
「そうか。・・・と、すまないな。最初にすべきは礼だった。此度は私達を救ってくれて助かった。ありがとう」
皇帝が姿勢をそのままに例を言ってきた。
サイドの二人はこちらにお辞儀をする。
「いえ、ご無事で何よりです」
魔王としてはあのオーガ。確か、ネグロ・ユグドラシルオーガだっけか? に城の中で暴れさせる予定だったのだろう。皇帝達を縛り付けていたのは逃がさないため。皇帝を殺せば国取り出来るしな。
「何か褒美を与えたいと思うのだが、あのノア相手では何を与えていいかこちらとしても悩んでしまう。そこで貴殿に問うことにした。何が欲しい?」
これはいい流れだ。ありがたい。
「いえ、褒美など私共には過ぎた物。頂くわけには・・・」
マナーとして最初の一回は断っておく。
「これは私達の気持ちだ。受け取って貰わねばならぬ」
んで、二回目は普通に貰うとしよう。
「そう・・・ですか。でしたら、料理の美味しい宿を紹介して貰えますか?」
「くくくっ! 王族からの褒美に宿か! 欲がないなぁ!」
楽しそうで何よりだが、金や国宝級のアイテムとかは大量にあるから、物は要らないんだよな。
それに、ゲーム時代だと宿なんて使わないから、良い宿なんて知らないんだよなぁ。
「くくくっ、いいだろう。だが、私は宿など知らないからな。ふむ、アルフィード。お前なら城下町の事もよく知っているだろう。連れていってやれ」
「はい、わかりました!」
「うむ。おい! 紙とペンを持ってきてくれ」
皇帝が言うと、メイドと執事が一人ずつやって来て、小さいテーブルと紙、ペンを用意した。
その紙にすらすらと文字を書き始める皇帝。
暫くして書き終わると、一緒に用意されてきた封に入れて押印をして、控えていたメイドに渡す。
メイドは綺麗な布の上に置かれた手紙をこちらの持ってきて、俺の前で止まると片膝をついて手紙を差し出してきた。
「紹介状だ。受けとると良い」
「ありがとうございます」
礼を言って受けとる。
「アルフィード。準備してくると良い」
「はい!」
アルフは皇帝に一礼して謁見の間から退出した。
「最後にもう一度礼を言おう。ありがとう。貴殿のお陰で助かった。英雄ノアよ」
ピコン
caprice:ひでおノアよwwwwww
やめたまえ。
「恐縮です」
「くくくっ! 彼らを客間に通せ。アルフィードにも伝えておくのも忘れるなよ」
皇帝の言葉に先程のメイドが再び近づいてきた。
俺は彼女が近くまで来たとこで、立ち上がる。
「失礼します」
「ああ。っと、そうだ。暫くは国をあげての祭りを催すことになっておる。楽しんでいくと良い」
「はい。楽しませていただきます」
「それから、オリジンヒューマン殿。此度はご助力ありがとうございました。これからもどうか我が国をお見守りください」
「いえいえ、私は今回ほとんど何もしておりませんよ。あと、これからはこのノアに付いて旅をするつもりでいるので、もう私に怯えず過ごしてください」
「・・・そうですか。では、言い直しましょう。今までお見守りいただきありがとうございました」
「ありがとうございました」
皇帝と皇后が頭を下げる。
「いえいえ。むしろ感謝したいのはこちらですよ。不可侵法のお陰で無駄な争いをせずに済みましたので・・・。では、お元気でグレイス・フォン・エイブレイル。エイラ・フォン・エイブレイルも」
そう、告げて未だ頭を下げ続ける両陛下に背を向けて謁見の間を後にするリーリス。
俺達は彼女に続いて謁見の間から退出した。




