彼女との再会③
オリジンヒューマン───リーリスに頭を下げてお願いするアルフ。
それに対してリーリスは一瞬キョトンとした表情になるが、すぐに笑みを浮かべて答えた。
「魔物の進軍のことですね。ええ、構いません。助力いたしましょう」
「ありがとうございます!」
うーん。慈愛に満ちた表情なのだが、なんか幼い見た目のせいで台無しになってるような・・・。
まぁ、気にせずいこう。
巨躯の魔物を燃やして、召喚士を騎士達には引き渡した。
騎士達は引き取った彼に何やら手錠型の魔術道具をかける。刻まれてる文字からするに魔力を封じる物らしいな。
彼らと共に出口の扉まで向かうところで、本来の目的を思い出した。
「っと、すまない。先に外に行っててくれ」
「? わかりました」
アルフは不思議そうに首をかしげたあと、深く聞かずに了承してくれた。
「カプリス、ギルター、フィズリールはアルフの護衛に回ってくれ、俺一人で行ってくる」
「あいさー」
『了解した』
『かしこまりました』
アルフを任せて、神殿の最奥に向かおうとしたところでリーリスと目があった。
「・・・」
しかも、じーっと何かを期待しているような顔だ。
「・・・はぁ、お前も頼んだぞ。リーリス」
「お任せくださいっ!」
元気かよ。
【オリジンヒューマンが契約を持ちかけてきました】
・・・拒否っ!!
すると、リーリスが頬を膨らませてこちらを睨んできた。
【オリジンヒューマンが契約を持ちかけてきました】
【オリジンヒューマンが契約を持ちかけてきました】
【オリジンヒューマンが契約を持ちかけてきました】
【オリジンヒューマンが契約を持ちかけてきました】
【オリジンヒューマンが契約を持ちかけてきました】
【オリジンヒューマンが契約を持ちかけてきました】
【オリジンヒューマンが契約を持ちかけてきました】
嫌がらせやめーや。
ピコンピコンうるさくなって来たので許可して、神殿の最奥へと向かった。
いつも通り、部屋の突き当たりに隠し扉があり、そこから中へと入った。
中も今までと同じで、俺は迷わず本を開いた。
今回も光のエフェクトと共に光の玉が浮かび上がる。
【いらっしゃいませー! さ、問答と行きましょうっ!】
相変わらずのテンションで声が聞こえてきた。
「聞きたいことは三つだ。一つ、俺達は地球に帰れるのか。二つ、勇者として召喚された子らは帰れるのか。三つ目、魔物の詳細を教えてくれ」
【ふむふむ、お答えしましょうっ!】
テンションが高くて若干イライラするが、今は置いておこう。
【えーっと、一つ目二つ目の帰れるかどうかですが、帰れませんっ! 魂をこちらに転移させた形なので、おそらく元の身体は死んじゃってますっ! 勇者の彼らの場合は、送還の魔術が存在していないので帰ることは叶わないですっ! なので、彼らには頑張ってもらうしかないですねっ!】
おいおいおいおい。
そのテンションで言うことじゃねーだろ。少しは悪びれた態度をとってくれ。
今すぐにでも殴り飛ばしたいところだが、ここに本体はいない。
ここは我慢して、本体を見つけ出した暁には全力を以て殴らせていただこう。
【三つ目っ! 魔物はオリジンと同じく五体いますっ! 一匹は貴方が倒した鮫龍ですね。後の四体も鮫龍と同じように独特の見た目をしているので一目見ればわかるでしょうっ! 質問は以上ですか?】
「ああ、以上だ」
【わっかりました! ではでは次の神殿で会えることを楽しみにしていますねっ!】
そう言い残して、光は本に吸い込まれたあと本は燃えて灰になった。
「・・・ざけやがって」
俺はいい。この世界が好きだからな。
だが、勇者であるカプリス達はまだ学生だ。帰してやりたかった・・・。
八つ当たりで祭壇を蹴り壊して部屋をあとにした。




