彼女との再会②
ステカンによる補整で人外じみた腕力で大剣を振るい、近づく魔物を斬りながら男の元へと進んでいく。
この間もフィズリールによって炎が撒き散らされている。が、俺には当たらないように配慮してくれてるようだ。
「潰れて死ね!」
男の言葉で俺の頭上にデカい魔法陣が出現し、そこから巨大な魔物の足が降ってきた。
踏まれる直前に空いた左手で殴って押し返す。
「チッ!」
続いて全方位に魔法陣が出現してバレットラビットと言う、弾丸のように突進してくる魔物が跳んできたので、思いっきり床を踏み抜いて、その衝撃によってタイルを叩き起こし迎撃する。
「うそだろっ!?」
マジです。
男は色々な召喚方法で俺を攻撃してくるが、それに対して俺は大剣で斬り潰したり、殴ったり蹴ったりしながらどんどん前へいく。
この男もバカだよな。
物量で押してる間に逃げればいいのに。
やっと男の近くまでやって来た。
「化け物が・・・!」
そう言いながらも彼は杖を両手で持ち、左右に引く。すると、表れたの刃。
どうやら仕込み刀だったようだ。
「"身体強化""瞬間強化""アクセル""疾風迅雷"ッ! 死ね! "電光石火"ァァッ!!」
バフの重ねがけに、瞬間的に攻撃と早さを爆発的に上げるスキルを使い、真っ正面から突っ込んでくる男。
その速さは上位プレイヤー達をも瞬間的に上回る。
だが──
「ッ・・・!?」
「だが、攻撃力が全く足りてなかったな」
凄まじい衝撃波と共に俺の鳩尾に突き立てられた仕込み刀だったが、貫くことはできず、出来たのは浅い傷をつけただけだった。
見ると、HPバーが1割削れていた。
初期装備とはいえ、俺の防御力を貫いて1割減らされたのか。チクッとした痛みだったのだが、存外ダメージが大きかったな。
「あ・・・あぁ・・・っ・・・!」
渾身の一撃を生身で受け止められた男の顔は絶望、その一色で染まっていた。
あ、そうだ。
「聞きたいことがあるのだが・・・ってダメだな。恐慌状態で会話にならないか」
とりあえず、魔術で拘束しておこう。
召喚された魔物達は、召喚者が術を解いてしまったので強制送還された。
「おつかれー・・・いてて」
「おつかれさん。"ヒール"」
「ありがと。ふぅ、魔術は便利でいいねー」
ダメージを負ったカプリスを回復してやる。
「カプリスのフォローありがとな。ギル」
『気にするな』
「フィズもありがとう」
『いえ、私は炎を撒き散らしていただけなので、お礼を言われるようなことは・・・。むしろ、怠惰な私を───』
何やら暴走しそうな勢いだったので無視してアルフとリーリスの所へ向かう。
「具合はどうだ?」
「ええ、彼女のおかげで半分まで回復しました」
「そうか。聞きたいんだが、お前はリーリス・・・でいいんだよな?」
「はい。正真正銘、貴方のリーリスですよ」
「待て、その言い方は誤解が生まれるだろうが」
「はて?」
俺のキャラであるので間違っちゃいないが、言い方ってもんがあるだろう。
「すっごい! リーちゃんだぁ!」
「えっと、貴方は?」
「カプリスだよー! わかるー?」
「カプちゃんですか? 雰囲気も見た目も全然違いますけど・・・」
チラッと確認のためにこちらを見るリーリス。
俺はそれに対して頷いて答える。
「間違いなくカプリスだ」
「・・・嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ!」
「あの、よろしいですか?」
久し振りに会えた事により本来の理由を忘れていたが、アルフが割って入ってきた事により思い出すことが出来た。
「オリジンヒューマン様」
「はい、なんでしょうか?」
首を傾げて問い返すリーリス。
「私達の国を、どうか救ってくださいっ!」




