皇女とオリジン③
「ノワール様、カプリス様。よろしくお願いします」
「ああ、任せろ」
窓から顔を覗かせて言ったアルフに対して軽く答える。
騎士達に聞いたところ、俺達は一番後ろで付いていき、非常時の場合に限り協力するのが仕事らしい。
こちらをただの冒険者と見ているのか、偉そうな態度で感じが悪い連中だが、報酬の額が相当なのものなので我慢しておこう。最悪、アルフだけ生きてればいいだろうしな。
そして始まったパレード。
ゆっくりと動き出した馬車の前を半分の騎士達が歩き、残りの半分が後ろにつく。
俺達はさらに後ろからついていく。
いつも市で賑わう中央通りは、今日は姫様を一目見ようとする人達でごった返していた。
馬車が来たことにより、人混みが左右に別れ、歓声と共に送りだす。
それに答えるように手を振るアルフ。
人気あるのな。
二十分くらいかけて門から出た俺達は原初の神殿へ向けて出発した。
道程としては首都から北西へ進んでいくだけなので、そこまで危険性と言うものはない。
ちょっと行ったところに崖がある程度で、基本は草原と森だ。
エイブレイル神聖国は緑が豊かで有名な国だが、南にずっと行くと国が変わり、サンドリー共和国と言う砂の国がある。
逆に北に向かえばフリューゲルの森があるのだ。
ふむ、この一件が終わったらフリューゲルの森にでも行こうか。
ちなみに、首都から原初の神殿まで陸路で向かうとなると5日はかかる。またのんびりとした旅になりそうだこと。
と言うか、皇女様に野宿させるのかよ。
まぁ、無事に到着してくれりゃあそれでいいか。
今朝方出発し、現在太陽が真上のお昼時。お昼休憩と言うことで、簡易的なスープとパンを食べ始める騎士達。アルフも少し豪華だが同じようなものを食べている。
そんな彼等を横目に俺達は肉入りシチューとパンを頬張る。
スープとパンじゃ足りんしな。
そんな俺らの飯を見て、チラチラとこちらを見る騎士達。アルフなんかは手元のスープとパンに目もくれずにこちらをガン見していた。
ピコン
caprice:めっちゃ見てるぞいwwwwww
noah:わけてやるかー
caprice:アルフ見すぎぃwwwwww
チャットを閉じて、目の前にある少し大きめの鍋を持って立ち上がり、円を組むように座る騎士達のど真ん中に置く。
その行動に驚く騎士達。
「作りすぎた。食っていいぞ」
『うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!』
歓声をあげる騎士達。
そんなに嬉しいか。だけど、そんなに大声あげて平気なのかねぇ。
見ると笑顔のアルフがこちらに向けて、両手を大きく振っていた。
はしたないぞ姫様。
騒がしいなか昼休憩は終わった。
鍋を片付けていると、騎士達が整列して俺たちの方を向いた。
そして、右腕を左胸に打ち付け──
『ありがとうございました!』
──と、お礼を言ってきた。
なるほど、敬礼なのか。
「ああ、気にすんな。よければ今回の依頼の間は飯担当を受け持つぞ」
俺の言葉にざわざわとし出す騎士達。
すると、アルフが前に出てきた。
それを見た隊長格が気を付けをかける。
「是非、よろしくお願いします!」
『お願いします!!』
「ああ、任せろ」
アルフがお願いと共に頭を下げると、騎士達が敬礼しあとに続いた。
その光景がとてもシュールで吹き出してしまったが、これでぎこちない雰囲気は吹き消せたかな?
ピコン
caprice:マスターwwwわざとかwwwわざと見せつけたのかwwwwww
noah:お前だって嫌だろ? こんな居心地の悪い雰囲気なんてさ
caprice:まぁねwww
和気藹々とした昼が終わり、気を引き締め直して出発した。




