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死神さんののんびり異世界散歩  作者: 水無うるふ
エイブレイル神聖国編
43/95

船旅と遭遇

今日4話投稿されてますので、よろしこ

 タコパした翌日。

 朝出向の船に乗船し、現在は大海原を進んでいる。

 運の良いことに、勇者ご一行は乗っておらず、のんびりと船旅が出来そうだ。


「うぇー・・・」

「まぁ、船酔いはしゃーない」


 船の手すりに張り付き、海に向けて気持ち悪そうにするカプリスの背を撫でながら言う。

 どんなにレベルが高かかろうと、こればっかりは避けようがない。がんばって慣れる位しかないか? 船酔いとかが慣れで治るかは知らんけども。


「なんで・・・うっ・・・マスターは平気なのさー・・・」

「・・・体質?」


 乗り物酔いと言うのになったこと無いから何とも言えない。

 車もバスも電車も船も、酔ったこと無いからなぁ。酔わない体質としか言えないな。


「羨ましい・・・ぅうっ・・・!」

「ゲロっちまえよ。楽になるぜ?」


 刑事ドラマ、または拷問官のような台詞を口にしながら背を撫でてやる。


「そんなはしたないこと出来るわけ・・・うえぇーー」


 ゲロりました。

 そんなさんざんな目に遭ってるカプリスとは違い、うちのわんころと鳥類は楽しそうだった。


『フィズ。今お前から見て左斜め下、水深十メートルの所にデカめのがいる』

『はい。見えました』


 わんころことギルターは手すりの隙間から海を見下ろし、鳥類であるフィズリールに指示をだし、その指示にしたがって、フィズリールは海鳥よろしく水面と直角になるように飛び込み、魚を捕獲する。

 五秒くらいして、上がってきたフィズの口にはブリがくわえられていた。

 因みにこの海に旬とか関係なく、海域ごとに生息している魚が決まっており、季節があっていなくてもこうしてブリがいたりする。

 つまり、一年中この海域にはブリがいるのだ。

 ゲームってすげぇ。

 そんなこんなでのんびりと船旅を楽しんでいる。


「うぇー・・・まだつかないのー・・・?」

「あと一時間くらいだな」


 ゲーム時間と現実時間に結構差があるし、多く見積もって一時間くらいは掛かると思う。

 ゲーム時間なら五分くらいで着くんだけどな。

 どのくらい差があるのかは検証してないからんからん。


「・・・死ぬ」

「船酔いで人はしなねーから」


 完全にダウンしているカプリスにはツッコミをいれておく。

 今日はチャットする元気もないようだ。

 吐いてある程度回復したカプリスを部屋に寝かせたあと、俺は甲板へと再び出た。


「ふぅ、やっぱ海風は気持ちがいいな」


 ベトベトになるけど。


「・・・さて、そろそろアビスオクトパスが現れる海域だな」


 あの時は陸が近かったため簡単に倒せたが、海上だと引きずり出せないので少々めんどい。

 手っ取り早いのは雷の魔術を行使することだが、今回は人もいるためそれは避けた方がいいだろう。感電しとかされちゃ困るしな。

 海域に入って十分くらい経った。が、特に異常はないな。

 まぁ、アビスオクトパスの海域だからと言っても必ず現れるわけじゃないしね。それとも、NPCの船のシステムが生きてるのかな?


「まぁ、平和なのは良いことだ」


 そんなフラグめいた台詞を口にする。

 フラグ回収されても困るなぁ。

 そんなことを考えていると、異変に気がつく。

 先程まで飛んでいた鳥達が慌てて船から離れていったのだ。


『主、下だ』

「下?」


 いつのまにか側にいたギルターにそう言われ、海面を覗く。


「なんか・・・いるっぽいな」


 海面は巨大な影に覆われていた。


「おい、下に──うぐっ!?」


 近くにいた乗組員に知らせようと海面から目を離した瞬間、俺の肩を何かが貫いた。

 視界の端にあるHPバーが少し減っているので、攻撃されたのは間違いないだろう。


『『主っ!?』』


 肩に攻撃を受けた俺を見て二匹が駆け寄ってくる。

 その姿を見た乗組員が慌てて魔物の襲来を告げた。告げたところで既にマークされてるから意味がなさそうなのだが・・・。

 俺は貫かれた肩を治癒魔術で回復する。


「久々のダメージだな。クソ」


 回復したとはいえ、一度貫かれているので痛みが少々残っている。が、問題はそこじゃない。

 俺に#ダメージ__・__#が入ったのが問題だ。

 オリジンレベルじゃないとダメージが入らない俺に。

 つまり、オリジンレベルの魔物が今真下にいるわけだ。


「こりゃあやべぇ・・・」


 そんな呟きに呼応するように真下の影が動き、船の前で跳び跳ねた。


「──サメ、かぁ」


 姿を表したのは超大型の部類に入るであろう巨躯のサメ型の魔物。

 全身をドラゴンのような真っ黒な鱗に覆い、この船くらいな軽くくわえられそうなほど大きい口。そして真っ赤に光る目。

 俺はこいつを知らない。


 ────知らない魔物だ。


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