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サービス終了

アルファポリス様にて掲載していたものをこちらにも掲載することにしました。

よろしくお願いします。

 ユグドラシル・オンライン、サービス終了について。

 そんなお知らせが届いたのが一ヶ月前のことだ。

 ユグドラシル・オンラインは2010年12月10日00時00分サービス開始から、今年2020年12月10日00時00分までの十年と言う長い間、プレイヤーに愛され続けたMMORPGである。

 そして今日、その長い歴史が幕を閉じる。


「あと一時間か」


 画面内にいる俺のキャラが吹き出しを出しながらチャットを表示する。

 あと一時間でこのゲームも終わる。

 俺はβ時代からこのゲームをやってる、自他共に認める最古参プレイヤーの一人だ。


「よし! 最後だし、全裏ボス倒してくるか。一人で」

「一人でww」

「まさかの一人でかよwww」


 と、画面の中の俺の言葉に、その場に集まっていたギルドメンバー十人が草を生やしながら笑う。

  ユグドラシル・オンラインの裏ボスは全部で五匹。どいつも一人で倒せるような簡単な敵ではないが、俺になら出来ると確信している。

 レベルが物を言うこのゲームで俺はレベル9999。誰も成し遂げられなかったレベルに到達した唯一の男だ。

 この十年間レベリングし続けた結果。

 運営からも褒美としてぶっ壊れ装備を貰った。

 その名も死神シリーズ。

 性能がぶっ壊れてるそれに装備を変え、メンバー達と共に裏ボスツアーへと向かった。





「オリジンドラゴン。お前が最後だ」


 俺はそう入力して、大鎌は振り下ろして右翼を切り落とす。

 飛ばれたら面倒だしな。


「Gyuooooooooooooooooooooooooッ!?」


 痛みによりオリジンドラゴンは咆哮した。

 続いて魔術士のスキル【流星群】を使用する。

 次々の降り注ぐ隕石にオリジンドラゴンは体力を削られていく。


「流星群の威力じゃねーwww」

「裏ボスの耐久ゴリゴリ減っててワロタ」


 などなど、チャットが荒れるが気にせず次の行動に移る。

 モンクのスキル【震脚】で相手を硬直させ、止めの剣士スキル【スラッシュ】を喰らわせる。

 オリジンドラゴンはスラッシュをまともに喰らい光となって弾けた。


【最強の頂き】


 お、称号か。


「うはwww裏ボスに攻撃させずに瞬殺しやがったwwww」

「おい、動画撮ったか?」

「バッチリ全裏ボス戦録画したぜ」

「こりゃコメント荒れそうだな」

「荒れるだろwww」

「だよなwww」


 こいつら勝手に録画したのか。

 まぁいいや。


「戻るぞー」

「「「「「アイアイサー!」」」」」


 ギルドハウスへ戻った俺達は、その時を待った。


「さて、一分前だ」


 ついに終わるときが来た。


「じゃあな諸君。また次のゲームで」

「お疲れさまです」

「おつー」

「お疲れ~」

「お疲れサマンサ~」

「お疲れさん」

「乙でした」

「楽しかったぜwww」

「次のゲームで」

「また遊びましょう」


 全員との挨拶が終わったところで強制ログアウトされた。

 ゲームが完全に終了したのを確認した俺は、パソコンの電源を切って寝ることにした。


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― 新着の感想 ―
[良い点] え?もしかしなくても最強さん居ない? [気になる点] お疲れサマンサ。 [一言] 呪霊溢れる世界だったのか…
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