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偵察任務です!

山を下り終え、夜営をするならこの辺りだろうと地図に印をつけた辺りまで来た。

 

 『一号車より全車へ、停車して。ここらであっちが夜営陣地張るのを待つよ、何人かで偵察行くけど希望者は?』

 

 そう無線で呼び掛けるとすぐに返答がくる。

 

 『こちら二号車レイテ、偵察を希望します』

 

 『こちら三号車、ソロモンだ。偵察を希望する』

 

 『五号車のマリアナです!私も行きます!』

 

 『八号車ガダル、カナルと一緒に行くよ。代わりの砲手は他の号車から誰か入って!』

 

 Ⅲ号戦車の定員は五人、一人多いな……

 

 『あー、ごめん。レイテは不在の時の指揮を頼みたいから残ってくれる?こればかりは他の人には任せられないから』

 

 『……了解しました。』

 

 少し不満そうなレイテの声が聞こえたが大丈夫だろう。命令違反をするような子じゃないと思うし。

 

 『じゃあさっきの四人は一号車に来て、これで偵察に行くから。各車の欠員は一号車のメンバーが行って』

 

 『『『『了解!』』』』

 

 無線機を戻し外にでると当たり前と言えば当たり前だが草原が広がっていた。日がゆっくりと落ちていき赤く染まった大地と山はとてもきれいで一部とは言えこれから夕陽ではなく、血と炎で紅く染めるのだと思い、少し悲しくなる。

 

 『…まぁ、やめるつもりは無いけどね』

 

 そんなことを考えながら見ていると偵察を希望した四人が揃った。

 

 『ソロモン他全員揃いました』

 

 ソロモンはレイテがいなければ副官にしていたであろう男だ。特務部隊員を選ぶ時にも実技、筆記共にかなりの好成績を納めている。実技は男女の差があるとは言えレイテより上だ。

 

 ……ソロモンには言うつもりはないけど副官に選ばなかった理由って…その……………顔、なんだよね。

 

 正直、かなり怖い。日本基準で言えばかなりのイケメンなんだけどそれで補ってあまりあるほど怖いのだ。

 

 鋭い眼光、冗談を言ってもピクリともしない表情筋、楽しいと言っていても全く変わらない声!なまじ顔が整ってるだけ余計に怖い!!だいぶ慣れてはきたけどお願い、あんまりこっち見ないで………!!

 

 『う、うん、じゃあ行こうか!』

 

 少し気圧されながらも応え戦車に乗り込む。そして無線機をとり

 

 『レイテ!後は任せたよ!信頼してるからね!』

 

 『…了解!』

 

 今度は少し嬉しそうだ。……でもレイテもあんまり表情変わらないんだけどな……なんでソロモンは怖いのか。

 

 『ガダル、出して。進路東へ!』

 

 『了解!少し速めに中速で行くよ!』

 

 エンジンの音がさらにうるさくなり戦車の中に響く、ハッチを開けて外を見ると低速の時よりも風を感じる。

 

 ……やっぱり全車総突撃の方が気持ちよかったかも

 

 少し、後悔した。

 

 

 

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