序章 始まる「剣」の物語
幽霊になったのだろうか。と、この部屋に来るといつも思う。
壁と床がすべて白に囲まれたこの部屋に来て、そう思うのは不自然であろうか。
相変わらず、部屋の様子は変わらない。汚れなどが一切付いていない純白の部屋の中で、俺は純白の椅子に腰かけてるのだ。
夢なのか、幻なのか、それとも死の直前に見るという走馬灯というものなのか。
知るすべもなく、教えられることもなく、ただ座っているのだ。
しばらくして。
一度まぶたを閉じた次には、純白の部屋が、映像で包まれているのも『なんとなく』予想できた。
部屋の中に詰めるように配置してあるその映像は、まるで複数の映画を同時に見ているようであった。
何の『記憶』であろうか、何時の『記憶』であろうか。
そんなことも、『なんとなく』考える。
そしてまた一つまぶたを閉じようとして---
「キミはいつも変な所に行くねぇ。」
その声は。
思わず、振り返る。
映像は全て消え。
目の前には、『刀』が存在する。
刀身が輝いているその刀を手に取り。
---切り裂く。
「さぁ、早く起きるんだ。」
白い部屋が壊れ行く。
「こんな薄汚い場所にいないでさ。」
後悔はない。
「だって---」
なぜなら---
「キミは僕のペットだろ?」
最後の一言くらい、普通に言って欲しいと思った。
誕生日記念で、昨日までに投稿したかった。すごく悔しい。
頑張って、書き繋げていきます。