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クラスメイトとの遭遇

その後もいくつかのアトラクションを満喫する。今日は程よい人混みで、歩いていてストレスになるほどでも、少なすぎて不安を感じるほどでもないちょうど良い人数だ。そして、遊園地は広いので、都心と比べて空気も美味しい気がする。気持ちがいい日になっている。


「そろそろお昼だね。ご飯食べようか?」

「そうだな。レストランに行くか、軽食を食べるのかどっちがいい?」

「うーん、レストラン混んでそうだし、高いだろうしなあ…… あ、そこで焼きそば売ってるよ。パラソルもあるしそこで良くない?」

「いいね。そうしよう」

 歩いていると、ちょうど外にたくさんのパラソルと椅子が置いてある場所に遭遇した。お店もあり、焼きそばの文字が踊っている。ここで軽く昼ごはんを食べるので良いだろう。

「すいません、焼きそば2つ」

「はい、ありがとうございます」

 ここは俺がお金を払っておいた。男が出すべきタイミングという判断をしたのと、焼きそばくらいなら奢ることができる金銭的余裕はある。

「あ、ありがとう!」

「焼きそばくらいは奢らせてくれ」

「ふふ、さすが。でもチケットは高いもんね」

前田に感謝されたのか、弄られているのかわからないが……


「なんか外で食べる焼きそばっていいよね。お祭りとかでもいつも頼んじゃう」

「わかる。なぜかわからないけど美味しいよな。いつもは焼きそばなんて食べたいと思わないが、こういう時は食べたくなる」

「ね。それで思い出したけど今年の夏もお祭りとか行きたいなあ。花火大会とか」

「隅田川の花火大会とかか?」

「そうなるかなあ。ちょっと人が多すぎるけどね。もうちょっと小さいサイズのお祭りがいいかも」

「花火大会となると人混みがすごいもんな。お祭りだけなら小規模なものありそうだが」

「そうだね。花火は諦めた方がいいのかもね」


「さて、お腹も膨れたし、そろそろ観覧車に乗りたい! 観覧車は大丈夫?」

「ああ、行くか。観覧車なんて余裕だぞ」

ニヤニヤしている前田。ジェットコースターのせいで、すっかり高い所が怖い人扱いになっている。あのジェットコースターが異常に怖かっただけで観覧車は大丈夫だろう……。


「うーん、これもまずいかもしれないなあ」

「やっぱり高いところダメじゃん!」

「いや、高いところは大丈夫なんだけど、揺れがな…… 頼むから揺らさないでくれよ」

 観覧車に乗ってすぐ、俺は危機感を覚えた。この微妙な揺れはまずいかもしれない。どうやら高いところは大丈夫だが揺れるのが苦手なようだ。二人っきりの静かな空間で一人怯え続けるのは、最悪の展開だな……


「ふふふ、無理しなくていいよ。私もそっち座るね。人がいると安心するでしょ?」

 そういうと前田は俺が座る側の席に移動してくる。甘い匂いが気になるが、正直それどころではない。


「目を瞑ったら楽になるんじゃない?」

「いや、それはそれで怖い。何も見えないというのも恐怖だぞ」

「そっかー。あ、見て、駅が見えるよ。すごいね、人が蟻のようだよ?」

「お、本当だな、駅だな。こうして見ると駅近いな。結構歩いた気がするが」

「ね、私たちの高校も見えるかなあ?」

「流石に遠い気がするが、見えてもおかしくはないな。探してみるか」

 恐怖心を和らげるため、遠くを眺めることにする。360°遠くまで眺めることができ、園点に関しては心地よい。俺と前田は色々な物を見つけながら空の旅を楽しむのだった。揺れに関しては最悪の気分だったが。


「いやあ、色々見えたね! 楽しかった! でも今井くん、乗る前はあれだけ余裕そうだったのに全然ダメだったね」

「揺れがな…… あんな揺れるとは思わなかったんだ。でも景色は綺麗だったから楽しかったぞ」

「そう? よかった」

「ただちょっとそこのベンチで休憩させてくれ」


 とりあえず観覧車前のベンチに腰掛けて水を飲む。揺れない地面は良いな、心が落ち着く。

「いやあ、色々乗ったね。次は何をしようか……、あ」


「あ、前田さん。と今井じゃん。こんなところで会うとは思わなかったよ」

前を見ると、そこにはクラスメイトの山田がいた。隣には…… 村上か? 普段とイメージが違うので断言できないがおそらく村上だろう。正直ここで会うのは気まずい。


「そ、そうだね。山田君と…村上さん? ここで何してるの?」

「プールに行こうという話になってね。大きいプールに行きたいっていう村上さんの希望でここに来てたんだ。君たちもプール?」

「いや、遊園地で遊んでいただけだよ。そっか、プールか」

 山田は苦笑いをしている。こんなところで同級生と会うのは気まずいだろう。そして村上は前田のことが嫌いなためだろう、ずっとスマホを触っている。


「うん。まあ色々あってね。とりあえず今日ここで会ったことは内緒にしない? お互い恥ずかしいでしょ? 会わなかったことにしよう」

「ああ、そうだな。そうしておこう。俺は何も見なかった、そういうことにしておくよ」

「うん、いやあまさか君達がそういう関係だとは思わなかったよ。今井は女の子に興味なんてなさそうだったのにね」

「まあ色々あるんだよ。それは言うならそっちもな」

「あ、そうだ。一つアドバイスだよ。さっき、溝口と松平らしき人物をプールで見つけたんだ。サッカー部で遊びに来ているぽかったよ? 会ったら気まずいと思うからここを出た方がいいかもね?」

「それはまずいな。助かる」


「ねえ、山田君。そろそろ行かない?」

「わかった。ごめん邪魔して。じゃあね」

「ああ、また学校でな」


しかし意外なペアと会ってしまった。付き合っているのかはわからないが、とにかく意外な組み合わせだ。

「クラスメイトに会うなんて…… 恥ずかしいね」

「そうだな……。まあお互い秘密にしようという話になったのはよかった。変な話が広まるのもややこしいしな」

「しかしあの二人の組み合わせは意外だね。どっちが誘ったんだろう?」

「今度詳しく聞いてみるよ」


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