表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

二.館の女中達――(一)


  二.館の女中達──(一)


 この館にいる召使は全て若い女性であり、それぞれローザリーかエリスのどちらかに専属として使われているのだった。基本的に互いに干渉し合う事はなく、ローザリーに使われている女中はローザリーのみの世話をし、エリスに使われている女中もまた然りだが、館内の清掃や物置の整理などの大がかりな家事に限っては互いに協力し合うのが普通である。

 では、町から約二十マイルも離れた森の奥に建つこの館に、そのような女中達を一体どこからどうやって雇っているのか。それは、この館に住む姉妹の噂を知っている町の社交界の人間ですら、良く分かっていないのであった。

 太陽の出る昼間でも少し肌寒く感じられる時期のある日の事。

 一人の、若くてそれは思いやりのある女性が野草を摘もうと森へ入って、ふとした拍子に迷ってしまった。そうこう彷徨っている内に空からは段々と日が落ちていく。女性はとても焦っていた。女性がただひたすら森の中を歩いていると、目の前にあの姉妹の住む館が突然現れたのだが、その女性はこの館やそこに住む姉妹の事などは一切知らずに、とにかく今晩はここに泊めてもらわなければ凍えて死んでしまうと館の玄関に立ったのだった。

「すみません、誰かいらっしゃいませんか?」

 女性の呼びかけから間もなくして、エリスではなくローザリーが玄関の扉を開けた。

「あら、どちら様?」

 目の前に現れたローザリーを見て、そのあまりの美しさに女性は呆然としてしまい、思わず感嘆の溜め息のような「あっ」といった淡い声を上げてしまった。しばらく見惚れるようにローザリーを見ていたが、やがて自分の置かれている状況をさっと思い出した。

「あの、私、この森に野草を摘みに入ったのですが、道に迷ってしまいまして。突然押しかけるような形になって申し訳ないのですが、今日一晩ここに泊めて頂けないでしょうか?」

「それはお可哀そうに。とにかく、中へお入りになって。外の風は冷た過ぎるわ」

 ローザリーはそれを快く承諾し、女性を館の中へ招き入れた。それから広間を横切る途中で女中を一人呼び、

「今日は急なお客様がお見えになったから、寝泊まりが出来そうで居心地の良い部屋を一つ準備しておいて頂戴。それから、温かい飲み物を一杯、これは今すぐにでも応接間まで持ってきて頂戴」

 と言いつけた。女中が「かしこまりました」と下がるよりも早く、ローザリーは再び歩き出した。広間の西側の壁にある一つの扉を開けると、女性を応接間に通した。応接間というには少々広く、窓辺には二つのソファーにローテーブル、部屋の中央には長いテーブルに数席の椅子が置いてある。

「さあ、そこの椅子にでも腰をおかけになって」

 女性がかしこまるような様子で椅子に座ると、ローザリーはテーブルを挟んだその向かい側の椅子に腰を下ろした。

「そんなに固くならなくてもいいのよ? 知り合いの家を訪ねてきたつもりで寛いでもらって構わないわ。それにしても、わざわざこの森まで野草を摘みにいらっしゃるなんて、貴女の住む土地には自生していないような余程珍しい野草を摘みにいらしたのね?」

「いえ、そうではないのです。実は、私は何人かの友人と旅行をしていまして、ここから何マイルか離れたところにある町を訪れる予定でした。それで、この森の近くに差し掛かったところで少し休憩しようという話になったのですが。外は寒かったですし、それなら折角森も傍にあるのだから、体が温まるような紅茶でも作ろうと決めたのです」

「それで、貴女が野草を?」

「はい。でも、そんなに深く入るつもりは少しもなかったのです。実際、私は木々の間から友人達が見える程度のところまでにしか足を踏み入れていませんでした。それなのに、気付けば森の深い場所にいて、途方に暮れながらも歩いていたところに、運良くこの館を見つける事が出来た訳なのです」

 ローザリーは、女性には分からないぐらいの小さな笑みを作った。

「あら、そうだったの。それは大変でしたわね。きっとご友人の方々も心配している事でしょうし、貴女もご友人の事が気がかりで仕方がないでしょう。でも、今の貴女は自分自身の事を第一に考えるのがいいわ。今晩はその疲れた体を、ゆっくりと休めるといいわ」

「本当にありがとうございます。こんな不躾な私に親切にして下さって……」

 そこへ、応接間の扉がノックされて「失礼致します」との声が聞こえ、洋杯を一つ持った女中が入ってきた。女中は湯気の立つ洋杯を女性の目の前に置き、一礼だけをすると、さっさと部屋から退室した。

 女性は洋杯に両手を添え、体温の下がっていた手の平を温めた。

「しかし、こんな森の奥地にこれほど立派な館があるなんて、私は正直驚いているのです。何故、町の方にはお住みにならないのですか?」

「それはね、私もエリーも──ああ、エリーというのは私の可愛い妹なのだけれど、私達は人の多く集まっている場所が好きではないのよ。人と言っても、特に男と言う生き物が嫌いなの。あれは野蛮で醜い生き物だわ、そう、まるでおとぎ話に出てくるおぞましい怪物みたいに」

 女性はなんだか、こうやって話を始めたローザリーの様子がみるみると恐ろしくなっていくように感じられて、手元の洋杯をさらに強く包み込んだ。そんな女性の顔色に今気付いたとばかりに、ローザリーははっとして口元を指先で押さえた。

「あら、ごめんなさい、こんな事を言ってしまって。貴女にも思い人があるかもしれないのに」

「いいえ、私には思い人なんてありませんよ」

「でも、貴女はさっき、ご友人と旅行をなさっていると仰ったじゃない」

「友人は皆、女性なんです。別に姉妹と言う訳でもないのに、幼い頃からずっと一緒に過ごしてきて、今では本当の姉妹みたいなものなんです。貴女には妹様がいらっしゃるようで、血の繋がった妹がいるなんて私には羨ましい限りです」

 女性が洋杯に入った飲み物を一口飲む。

「あ、これは美味しい紅茶ですね」

 女性がそう声を上げたあたりで、応接間の窓が突風でがたがたと音を立てた。ローザリーは椅子から立ち上がると窓に近寄って、すでに太陽の光も僅かばかりになって大分暗くなっていた空模様を眺めた。

「どうやら天気が崩れ始めたようですわ。この分だと、明日は雨が降るかも知れないわ、それも相当酷い豪雨が打ち付けるかもしれないわね」

「そうですか……」

 女性は困った。自分は明日の朝にはこの館を出て森の外を目指し、その日の内にはなんとしても友人の元へ辿り着いておこうと考えていたからだ。

「ここら辺の雨はどれくらい酷いのですか?」

「そうね、酷い時は外を歩く事すら出来ないわね。この館周辺には森が十何マイルも広がっているから、雨が降れば土がぬかるんで足も取られやすくなるし、視界も悪くなってしまうわ。そうなると、例え森の外までの道のりを知っている私達でも、そう容易に歩き回る事が出来なくなるのよ」

 女性は友人の事も気がかりだったが、自分が明日どうするかも考えなければならなかった。もし雨が降ったとしても、この館に二日以上の長居をする訳にもいかないだろう、きっとこの方に迷惑をかけてしまうと思っていた。けれど、雨の降りしきる中、無闇に森を歩いてこの上になく迷ってしまっても意味がない。

 女性が考え込むように俯き気味な姿勢になると、ローザリーは女性の肩に優しく手を置いた。そして、顔を上げた女性の目をじっと見つめて、こう囁いた。

「大丈夫、心配しないくてもいいのよ。貴女は好きなだけ、この館にいてもいいの」

 女性は、真っ直ぐと自分の目を見つめるローザリーの瞳に釘づけになった。何故か、その瞳から視線を切る事が出来ず、まるで吸い寄せられるようにその瞳だけを見ている事しか出来なかったのだ。その内に、先程感じていたローザリーの恐ろしいような感じもさっぱりと消えて、むしろそれとは全く別の感情が心のどこからかじわじわと湧き上がってくるような心地になっていた。

「どうしたのかしら。私の顔に何かついているのかしら?」

 ローザリーがそう言って首を傾げると、女性は正気に戻ったようにしきりにまばたきをした。

「い、いえ、なんでもありません」

「あら、そう」

 ローザリーは大して興味がないような態度を取って、先程座っていた自分の席に向かう。そのローザリーのたった数歩を歩む姿を、女性は無意識の内に目で追いかけていた。さっきの変な心地は一体何だったのか、女性はそんな事を考えていた。

 二人がまた会話を始めてから少し経って、応接間の扉が外側からノックされると、少し前に紅茶の入った洋杯を持ってきた女中が再び現れたのだった。今度は、「お客様が寝泊りをなさるお部屋の準備が出来ましたので、そのお部屋までの案内をしに参りました」との事だった。

 早速、女性はローザリーと共に女中の後をついて行き、その部屋の扉の前までやってきた。

 その部屋は二階の、館の奥の方へ続く廊下の突き当たりから二番目にあった。壁の片側には外の森の見える窓が、もう片側の壁には普段は使われていない部屋の扉がずらりと並んである。外はもう暗くなっていたため、一本道となっている廊下の壁に取り付けられた蝋燭には、一本も漏れる事なく火が灯っていた。蝋燭の薄明かりに照らされて、扉側の壁にはローザリーと女性と女中の三人の影がぼんやりと落ちていた。

 女中が扉にかかっていた錠を外し、その鍵を女性に手渡した。

「この鍵はこの部屋のみに使える鍵ですので、紛失しないようにお願い致します」

 扉を開けて三人は中へ入ると、女中が室内にある燭台の全てに火を灯した。

 女性は見慣れない部屋の様相を見回していた。壁紙の落ち着いた色調と模様に床の洒落た絨毯、壁には絵画が掛けられており、暖炉と大きな寝台もあって、さらに隣の衣裳部屋へ続く扉まである。まるで一人のお嬢様が使うような部屋だと女性は思った。

 女性は旅行をするほどのお金は持っていても、貴族のような財産持ちとは縁の程遠い一般的な庶民であった。これほど気品に溢れ見栄えの良い部屋に入ったのは生まれて初めての出来事で、ローザリー達にとっては普通であるこんな部屋でも、その女性にとっては十分に素敵な部屋であったのだ。

「まあ、綺麗なお部屋ですね! 外が暗いからはっきりと見えないのは残念だけれど、この蝋燭の仄かな明かりに揺られる様もまた素敵!」

「あら、気に入ってくれたようで何よりだわ」

 女性はふと申し訳無いといった表情をしてローザリーの方を振り返った。

「でも、こんなに綺麗なお部屋を私なんかが使ってもいいのでしょうか?」

「そんな事は気にしないで。貴女はお客様なんだから、この部屋を喜んで使ってくれる方が私も嬉しいの。それと、この館で一人だと何かと不便でしょうから、この娘を貴女の召使としてつけておくわ」

 ローザリーが傍に控えている女中を手の平で示すと、女中は女性に向かって深々と頭を下げた。

「そんな、何から何まで面倒をみて頂くなんて、そちら様に悪いです」

「あら、でも、部屋の勝手とかが分からないでしょう? 遠慮がちで謙虚な女性も私は好きだけれど、人の好意を素直に受け取ってくれる女性の方が私はもっと好きでしてよ?」

 そう言われると、これ以上遠慮し続けるのも悪い気がして、女性はそれを素直に受け入れる事にした。

「さあ、貴女も疲れているでしょうから、今日はもう寝た方が良いわ。就寝前や起床後なんかの世話はこの娘が一通りしてくれるから、何も心配しなくていいわ。それじゃあ、また明日、食堂でお会いしましょう?」

 ローザリーは部屋を出てから扉をきっちりと閉めるまでの間、後ろ髪を引かれるといった様子でどこか恋しそうに女性の方をずっと見ていた。女性も自分で意識出来ない程度に、なんとなしにローザリーの去り際を眺めていたのだった。

 部屋に残った女中はローザリーの退室を確認した後、隣の衣裳部屋から寝間着を一着だけ持ってきて、女性の傍まで近寄った。

「では、お召し物をお替え致します」

「いえ、着替えくらいは私が自分でやります」

 女性は、ローザリーやエリスのように自分の着替えを人にやってもらうという事に慣れていなかった。それこそ、そんな事をやってもらった憶えがあるのは本当に小さな子供の時分で、それすらも今では霞むような記憶の彼方に半ば埋もれてしまっている。

「そんな意地の悪い事を仰らないで下さい。私は召使で御座います。人に使われて、人の世話をする事だけが生きがいなので御座います。どうか、私の生きがいをお取り上げにならないで下さいませ」

 女中が至って真面目な顔をして頭を下げるので、女性はどうも二度目の断りを入れる気になれなかった。

「それじゃ、折角だからお願いします」

 仕方がないと諦めて女中に任せたものの、自分の着替えを人にやってもらっているという事実に、女性は気恥ずかしさを抑える事が出来なかった。視線をやや上の方にやり、落ち着かないとばかりに目を泳がせながら、着替えが終わるのをひたすらに待っ ていた。

 そうやって待っている途中で、女性は、そう言えばあの方のお名前をお伺いしていなかったわと思い、女中に聞いてみる事にする。

「あのとても麗しいご婦人、つまり貴女の雇い主のお名前はなんと仰るのですか?」

「ローザリーお嬢様で御座います。それと、この館にはもうお一人いらっしゃいまして、ローザリーお嬢様の妹様であらせられます、エリスお嬢様で御座います」

「あのご婦人があれほどお美しいのだから、妹様もさぞお美しい方なのでしょうね」

「はい、ローザリーお嬢様とはまた違った、なんとも言い難い魅力をお持ちで御座います。お二方のお美しいお姿を風の噂で聞くかして、遠方の町から遥々と足を運んでくる者もおりますほどで。貴女様もそのお一人なので御座いましょう?」

「いいえ、私は旅行をしていて、その遠方の町へ向かっていたのですが、この森に迷い込んでしまって……」

「ああ、通りで、貴女様のお顔がとても可愛らしい訳で御座います」

「え?」

 女性は女中の脈絡のない言葉をうまく理解出来なかったので、その言葉を頭の中で何度か反芻してみたがやっぱり訳が分からず、女中に今の言葉の意味を聞いてみようとしたが、

「お召し物のお替えが済みました。私はこれにて失礼致します。もし何かご不便などがおありでしたら、私はこの部屋の右隣の部屋に控えておきますので、その都度、御遠慮なさらずにお呼びつけ下さい」

 と女中は言って深々と一礼をし、つかつかと部屋を出て行ってしまった。

 女性は今の言葉が気になっていた。だが、今程出て行った女中をまた呼び戻すのは悪いだろうと、女中自身に言われた「御遠慮なさらずに」の言葉も忘れて、そのまま寝床に入った。慣れぬ環境のせいでしばらくは目が冴えていて、さっきの女中の言葉やこれからの事、森の外で心配しているであろう友人の事なんかを考えていたが、その内にそろそろと眠気がやってきて、いつの間にかふと眠ってしまっていた。

 女性がようやく眠った頃に、館の外ではぽつぽつと雨が降り始めていた。


 その翌日の朝。

 女性が目を覚ますと、まるでその目覚めを見計らったかのように部屋の扉がノックされた。

「召使の私で御座います。お目覚めでしょうか?」

 目を覚ましたばかりの女性は即座にこの状況を呑み込めず、驚きのあまり身を固まらせ目を見開いていたが、それもほんの一瞬だけの事だった。自分の身が安全である事にほっと胸を撫で下ろし、廊下へ続く扉の方へ目をやる。

「ええ、起きています」

 その返事を聞いた女中は「失礼致します」と部屋に入り、女性のいる寝台へ歩み寄った。

「まずはお召し物をお替え致します」

 女性は寝台から降りて、内心は渋々といった感じで本来は自分でやっているはずの着替えを女中に任せた。それが済むまでの間、女性はつと気になった外の天気を窓から眺めてみた。

「雨脚が強いですね。ここら辺の雨は、長くてどれくらい降り続くのですか?」

「今まで一番長う御座いましたのは、二週間で御座いました。この様子だと、今回の雨は向こう一週間は降り続くでしょう。明日辺りからは、雨脚がもう少し強くなると思われます」

「そんなに降るのですか。季節が雨季に入っているとはいえ、ここら辺がそれほど酷いとは知りませんでした」

「この森では季節が雨季であるなしに拘らず、酷い時は本当に酷う御座います。特に、貴方様のようなお客様がいらっしゃった日などは、決まって雨が降るもので御座います。こうも人気のない森に囲まれて、きっとこの館も人恋しいので御座いましょう」

 一通りの身嗜みを整え終わると、女性は女中に先導されるがままに食堂へ向かった。

 この時間帯の食堂は誰もいないためにしんと静まり返っており、女性と女中が扉を開けて中に入ってきても、食堂内には依然として、外から窓越しに伝わってくる雨音だけが物寂しく漂っていた。

 女性を席につかせると女中が一度退室したので、しんとした食堂内に漂う外の雨音に耳を傾けながら女性は待った。少しすると片手に洋杯を持った女中が戻ってきて、それを女性の席に置いた。女性は「ありがとう」と言って洋杯を持ち、中に入っている紅茶を一口飲んだ。

「あら? あのご婦人のお姿が見えませんね? 昨日は、また明日に食堂で会いましょうと仰っていたのに」

「ローザリーお嬢様はまだご就寝中で御座います。エリスお嬢様もご同様で、正午を過ぎなければ、お二方がご起床する事はないので御座います。少なくとも、昼前にお部屋からお顔を出される事は御座いません」

「それは本当ですか? 随分と遅い朝を迎えるご婦人の方々なのですね」

 女性はそれを聞いて、あんなにも美しいご婦人でも変わった性癖の一つや二つは持っているものなのかとしみじみと驚いた。では、あの『また明日、食堂でお会いしましょう?』という言葉は『また明日、昼食の時間に食堂でお会いましょう?』という意味なのだろうと解釈すると、なんだか違和の拭えぬような気持ちになった。

 女性が紅茶を飲み終えたところで、女中は気を利かせて、「ローザリーお嬢様が起きてこられるまでの間、ほんの少しばかりですが館内を案内致しましょう」と女性に提案した。特に断る理由もなく、女性は華やかな暮らしをするお嬢様に憧れていた幼少の頃の自分を思い出して、ちょっとだけ好奇心を覚え始めていたのだった。

 女中の提案に同意し、早速二人は館内を端から端まで回るつもりで歩き始めた。

 贅沢な空間の取られた広間に応接間、食堂に大きな厨房もあって、一階と二階には数多くの空き部屋が存在し、その空き部屋のどれもが窓際の埃を少し払うだけで使用出来てしまうほどの清潔さで保たれていた。廊下や階段には余裕の持った道幅が取られており、館内を歩いているだけでもゆったりとした気分でいられるのであった。館内を回ると言っても、就寝の邪魔にならないようにローザリーとエリスの部屋付近には近寄らないようにしていた。

 ただ、女性には気になっている事が一つあった。部屋を案内するたびに女中が一々、例えば、厨房に来ればこの器具の使い方はこうだとか、空き部屋の一つに来ればここの掃除の仕方はこうだとか、そういった説明までをしてくるのだ。

 女中が一生懸命にそういった説明をするので、女性は可笑しさが込み上げてきて、

「私はなにも、ここに住み召使われる訳じゃないのですから、そこまで教えて頂かなくても結構ですよ。雨が止めば、そちら様にあまりご迷惑をおかけにしない内に、私はお暇させて頂きますから」

 と言うと、女中は大して態度を改める気色もなく、

「万が一のためで御座います」

 と微笑んで、そういった説明を止めたりなどはしなかった。

 折角の好意でもあるし、一生懸命に説明をする女中の姿を見ているのも悪い気がしなかったので、女性は鬱陶しいとも思わずそれに付き合っていた。

 もう朝だとは言えない時刻に、二階の東側の廊下を歩いていると、二人が歩くその先にエリスの姿が見えた。エリスは廊下の窓辺から外に降りしきる雨の様子をじっと眺めていたのだが、ふと視界の端を見やると二人に気付いたようで、それに驚く様子もなくゆったりとした足取りで近寄っていった。

「あら、見かけない顔の娘がいるわね?」

「エリスお嬢様、今朝はお早う御座います」

 女中は恭しく礼をし、頭を上げてから言葉を続ける。

「こちらは昨日お見えになったお客様で御座います。なんでも森に迷ってしまわれたようで、それを不憫に思われたローザリーお嬢様が、こちらのお客様をこの館にお泊めになっているので御座います」

「ああ、それで、今日はこんなにも酷い雨が降っているのね」

 エリスは納得したという表情をして再び窓の外へと目を向けた。

 今のエリスの発言に女性は疑問を抱いた。この館に来て、他人の発言にはっきりとした疑問や違和感を覚えたのはこれで三回目で、今回も咄嗟には理解しかねるような相手の発言に頭を悩ませる事になった。しかし、悩み出して間もない内に、今朝の『特に、貴方様のようなお客様がいらっしゃった日などは、決まって雨が降るもので御座います』という女中の言葉を思い出した。きっと、このご婦人はそういった意味合いを込めて今のような言葉を漏らしたのだろう、と自分の心内でほとんど合点がいってしまい、女性はその疑問を自己解決してしまったのであった。

 エリスは窓の外から視線を外して女性の方を見た。

「貴女はどう思われて? ローズ──つまり私のお姉様の事なのだけれど、一体どんな印象を受け取ったのかしら。私は決してローズなんかに告げ口などをするつもりはないから、是非、貴女の率直な答えを聞かせて頂戴」

 女性はまだ一目しか見ていない、昨日のローザリーの姿を思い浮かべた。

「とてもお優しく、お美しいご婦人だという印象をお受けしました。言い過ぎでもなんでもなく、恐らく私が今日まで生きてきた中で、あるいはこの先どれだけ長生き出来たとしても一度ですらお目にかかれないような、一言では言い表す事の出来ないほどお綺麗なご婦人だと思います」

「本当にそう思っていらして? 私がローズの妹だからと、お世辞を並べているのではなくって?」

 エリスは口元を緩ませ、淡い笑みを隠すように指先を口に当てた。

「そんな、とんでもありません!」

「そう、それは残念だわ。……そうだわ、今日は調子が良いのかローズも結構な早起きだったらしくて、今なら食堂で食事でもしていると思うわよ?」

 それだけ言って、エリスは目の前の女性に対する興味を切らしたとばかりに窓辺に寄って、またもや外に降りしきる雨の様子を眺め始めたのであった。

 女性はその場を後にする前に、ほんの数秒の間だけエリスの様子を見つめていた。ローザリーとは違った魅力を感じて、もし、外が雲一つない夜空であったのなら、きっとこのご婦人は夜空に浮かぶ星々に密やかな願いを乗せているような、そんな少女らしさが似合うお方なのだと女性は思った。

 数時間振りに女性と女中が食堂に戻ってくると、そこには確かにローザリーと四人の女中がいた。ローザリーはいち早く女性の入室に気付いて後ろを振り返った。手に持っていた匙を皿に乗せ、さっと椅子から立ち上がり、早足気味に女性の傍に歩み寄った。

「ようやく来てくれたのね? 一人だけの食事は寂しかったわ。さあ、早く私の隣の席に座って、一緒にお話でもしましょう?」

 ローザリーが女性の手を引いた時、女性は安眠からふと目を覚ますような瞬醒を起こした。心臓が微かにはやり、首筋から微熱が湧いて頭へ上り、ローザリーに掴まれた片手首に全ての意識が向いてしまっていた。次にはたと気付いた時には、ローザリーの手は自分の手から離れていて、女性は「あっ……」と小さく切ない吐息を漏らしていたのだった。

「あら、どうしたの?」

 ローザリーが女性の顔を覗き込んだので、女性はどきりとして目を逸らした。

「い、いえ、なんでもありません」

 何故、あんな恥ずかしい声を漏らしてしまったのだろうと女性は不思議に思いながら、ほとんど無意識の内に、先程までローザリーの手が触れていた自分の手首をもう一方の手の平で擦っていた。ローザリーがゆったりとした所作で席についたのに、女性はどこか落ち着かないような、胸の奥が泡立つような心持でその隣の席に腰を下ろした。

 ローザリーは微笑みを浮かべたまま、女性につき従っていた女中に目を向けた。

「もう一人分の食事を持ってきて頂戴。そうね、一人では大変でしょうから。貴女達もこの娘を手伝って上げなさい」

 指示を受けた女中は返事をして、最初から食堂にいた四人の女中と共に退室した。

 食堂には女性とローザリーが残った。一緒にお話をしようと言ったローザリーは黙々とスープを匙ですくっては飲んでいて、一言も喋らず、食堂内には館の外に降りしきる雨音だけがあった。女性は自分から話しかけるべきかと逡巡し、それでも自分から話しかけるのが少し恥ずかしくて、ようやく言葉を発する事が出来たと思えば僅かにその声は裏返っていたため、女性は尚の事恥ずかしい思いになった。

「あら、緊張しているのかしら? 可愛い娘、上擦った声も堪らなく可愛らしい事。気にせず、お話の続きを聞かせて頂戴」

「は、はい。お昼前に廊下を歩いていたら、ご婦人の妹様をお見かけしまして、なんと申しますか、ご婦人の妹様だとすぐに理解出来てしまうような魅力的な女性でした。私なんかがそちら様の内情を伺うのは不躾かもしれませんが、何故、妹様とはご食事をご一緒になさらないのですか?」

「そう、エリーが魅力的、貴女も良く分かっているのね? エリーはあれでいて少し子供のように気紛れなところがあるの、それに私が食べるような食事は嫌いなの。そうね、たまに気が向いた時に食堂へ顔を見せて、紅茶を一杯かその半分を飲むくらいかしらね。だから、何故かと聞かれれば、その答えには困るのだけれど、単純にエリーが我が儘なのだと言えば分かるかしら?」

 ローザリーの声は上品に抑えられた弾みを帯びていて、顔には柔らかな笑みを浮かべていた。女性はローザリーのエリスに対する温かな愛情を垣間見た気がして、心が落ち着くような思いになった。

「ご婦人と妹様は仲がよろしいのですね」

「さあ、どうかしら? 私は、妹のエリーが可愛くて仕様がないから何よりも深く愛しているのだけれど、エリーはそんな私が気に食わない様子らしいの。まあ、それも子供っぽいエリーの照れ隠しなんだと、私は知っているのだけれど。素直になれないところがまた子供っぽくて、それが短所でもあり長所でもあって、愛おしいところでもあるの。本当、可愛くて仕様がないわ」

 ローザリーのそれは、次第に温かな愛情から纏わりつくような切ない恋情に変わっていくように見えて、女性は少しだけ、不気味さにも似たなんともいえぬざわめきを感じた。

「ご婦人……」

「およしになって」

 女性が話かけると、ローザリーはそれに口をはさんだ。

「私の事はローザリーと名前で呼んで頂戴。私、貴女にそんな余所余所しい呼び方をされたくないの。それがお嫌なら、私は貴女を見捨ててしまうかもしれないわ」

 突然ローザリーがこんな事を言うので、どうしたものかと女性は戸惑った。本気とも冗談とも判別出来ないような調子だったので、とりあえずローザリーの言う通りにするとして、いざ名前を呼ぼうとしてみたが、やはり女性自身の性格上は止むを得ない抵抗があり、何度か声を出しかけては呑み込むという事を繰り返してしまった。

「……ローザリー」

 と、やっとの思いで女性が名前を呼ぶと、ローザリーは嬉しそうに顔を綻ばせた。

 しばらくして、厨房に行っていた女中達が女性の食事を持って戻ってきたので、ローザリーと女性は昼食を取り始めた。ほとんど食事を食べ終わっていたローザリーは、残っていた少量のスープを飲んで匙を置き、隣の席でパンを食べている女性の横顔をじっと眺めた。まるで前々から気にかけていた野生の小鳥の一挙一動を愛おしげに見守るような、見られている側としてはとても落ち着けそうにない目つきであった。そんな眼差しを向けられているのだから気付かないはずもなく、女性はちらちらとローザリーの様子を気にしながら、食事を口に運んでいた。

 昼食が済んだ後、女性は寝床に就くまでの全ての時間をローザリーと共に過ごした。というより、ローザリーが女性の傍を離れようとしなかったといった方が正確である。度々ローザリーからあの愛おしげな眼差しを受けながらも、自分が無意識の内にローザリーの仕草を目で追いかけている事に気づいては、はっとして、訳の分からない妙な心地に陥ってしまうのであった。

 それから数日ばかりこのような一日を過ごすと、女性の心境も多少なりとも変化し始めていた。ほんの一時的に住まわせてもらっている館や部屋の勝手を少しだけだが理解し、ここでの暮らしにも居心地の良さを覚えていて、数人の女中やローザリーとの仲も好ましい方向へと進展していた。ただ気になっている事といえば、あれほど不躾に押しかけてきた見も知らぬ自分に何故こんなにも良くしてくれるのかと、女性はローザリーの親切心を不思議に思っていた。

 まだ雨の降り続くある日の夜、女性は自分が使わせてもらっている部屋の寝台の上に座って、ローザリーとの会話に花を咲かせていた。大抵喋っているのは女性の方であり、ローザリーの方は相槌を打ったり興味深げに聞き返したりするだけであったが、決して女性が一方的にまくし立てている訳ではない。ローザリーに「貴女の事をもっと色々と、詳しく聞かせて頂戴」と言われたために、他人に自分の生い立ちなどを話す事が苦手な女性は、なんとかうまく話そうと奮闘しているのである。そんな楽しい雰囲気の勢いに乗せて、女性は以前から気になっていた事を質問してみたのであった。

「ねえ、ローザリーは何故、私にこんなにも親切にしてくださるの? 私の生まれは全く平凡だし、だから身分も低い上に豊かな財産も持ち合わせていないし、それに第一、私とローザリーはあの時が初対面だったでしょう? ローザリーがとてもお優しいお人だという事はすでに知っているけど、だからといって、赤の他人同然の私にこんなにも親切してくれるのが、私にはどうしても分からないの」

 ここ数日間のおかげで、女性はローザリーの言葉遣いに影響を受け、いくらか砕けた話し方が出来るようになっていた。

「あら、それに対する答えなら、実に単純なものでしてよ? 私は貴女の事が気に入ったの。きちんとした節度があって、身のこなしも上品、真面目で思い遣りもあって、お顔も身の丈も狂おしいほどにまで愛らしいわ。是が非だとしても、今すぐにでも私の女中として貴女を迎えたいくらいだわ」

「そんな、冗談はよしてください。ローザリーに褒められるような立派なところなんて、私にはないわ。こんなに優しくて美しいローザリーとは違って、私はただの、一般的な庶民だもの。両親にはよく『お前は鈍臭いなあ』と言われていたわ」

「冗談でもなんでもないわ、貴女は本当に愛らしいもの。町で穢らわしい男性に現を抜かしているような女性なんかとは比べ物にならないくらいに、きっと、貴女のような愛らしい女性を真に女性と呼ぶのだと、私は確信しているわ」

 ローザリーの手の平が女性の頬に触れた途端、女性は熱にでも当てられた時に起こすのぼせのような感覚に襲われた。頭の中がぼんやりとしてしまい、薄っすらと霞む視界の中で唯一はっきりと見る事の出来たローザリーの姿をじっと、ただひたすらに見つめていた。ローザリーの手の平から伝わる熱が自分の右頬にあり、そこにはその熱とは別の、あの愛おしげな眼差しによって向けられる熱っぽさもあった。

 ふと気付いた時、自分がどれくらいの時間をそうしていたのかも分からず、女性は改めてローザリーを見返した。

「ごめんなさい、ちょっとぼうっとしてしまって……」

「いいのよ、気にしなくて。こんな遅い時間まで付き合わせてしまった私のせいね。多分疲れているのよ、貴女はそろそろお休みなさい」

 ゆっくりと立ち上がるローザリーの姿がどこか寂しげな様子に見えて、女性は咄嗟にローザリーを引き止める。

「待って、ローザリー。もう少し一緒にいて、もっとお話をしましょう?」

 ローザリーは気怠げな眼で女性を振り返って、なにかの感情を湛えたような笑みを浮かべた。

「嬉しいわ、貴女からそんな誘いを受けるなんて。大丈夫よ、焦る必要はないの。貴女が望めば、お話なんてこれからいくらでも出来てよ?」

 それだけ言って、ローザリーは部屋を出て行った。

 女性は寝台の上で横になって目を瞑った後も、頭の中からローザリーの事が少しも離れず、おもむろに上体を起こしては、ローザリーの姿がないか周囲を見回していた。女性自身もよく分かっていないこのローザリーに対する感情は、初対面の時と比べて相当な大きさまでに膨らんでおり、最近では、ひっそりとした部屋に佇み艶めかしい雰囲気を醸し出すローザリーの姿を夢にまで見るようになっていた。もはや女性は戸惑いを覚えるよりも先に、ローザリーの姿と声を求めているようであった。

 それから二週間も経たない、驚くほど真闇に覆われた夜の更け頃には、酷く降り続いていた雨が消え入るように止み、翌朝にはあの雨上がり独特の濃霧が森を支配していたのだった。

 ローザリーに「ようやく雨が止んだわね」と言われるまで、女性は自分が旅行をしていた事や森の外で友人が待っている事をすっかり忘れていた。もうこの館を、ローザリーの傍を離れなければいけないと思うと、胸の奥が締め付けられるような心苦しさを感じるほど、女性の心にはローザリーの全てが焼き付いていた。

 女性は自室の窓から濃霧の支配する森を眺めていた。もっとも、見渡す限りの真っ白な景色が広がっており、館に一番近い所に生えている数十本ばかりの木々でしか、森の一部を垣間見る事が出来ない。

「どうしたのかしら?」

 そんな声を聞いた女性が背後を振り返ってみると、部屋の扉のところにはローザリーが立っていた。ゆっくりとした足取りで女性のもとに近寄って、女性と同じように窓辺から外を眺めた。

「なんだか、貴女、心持暗い表情をしているわ。どうしたのかしら? 後数日もすれば親しい御友人と再会出来て、旅行の続きを始めて、楽しい思い出をたくさん作る事が出来るのよ? 不安? それとも、なにか憂い事でもあるのかしら」

 ローザリーの問いかけにも女性はじっと黙っていた。口に出してしまうのが恥ずかしくて躊躇していたのだが、やがて思い切ったように口を開く。

「私、ちょっとだけ寂しさを感じていたの。こうして雨も止んで、後はこの霧さえ晴れてしまえば、私はローザリーとお別れをしなければいけないのでしょう? 厚かましいのかもしれないのだけれど、もう少しローザリーの傍にいたいのよ」

「それなら、私は全く構わないわ。貴女がここにいたいと思うだけ、貴女はここにいても良いのよ? 前にも言ったでしょう、私は貴女の事が気にいったの、それこそ私の女中として迎えたいくらいに」

「でも、外に友人達を待たせているし……」

 女性は本音のところ、ローザリーが自分を受け入れてくれた事にほっと安堵していて、「外に友人達を待たせている」なんて言葉は建前に過ぎなかった。

「それに、これ以上ローザリーに迷惑をかけたくはないの」

「あら、貴女がいて迷惑だなんて、私は一言も言ってはいないわ、もちろん思ってすらもいないわ。そんなに難しく考えないで頂戴。貴女が望めば、それで良いの。貴女は自分の心に、素直に従えば良いの。私は、素直な女性が好みでしてよ?」

 そうしてローザリーは薄らと笑みを浮かべて、女性を見つめた。その瞳に幾度となく見入ってきた女性は、この時も当然のようにローザリーの瞳に見入ってしまって、それ以降、何も考えられなくなり、無意識の内に何かを口走ってしまった。

 ふと気付けば、女性は寝台の上で横になっており、窓の外を見るとすでに夜が更けていた。寝台の上で横になったまま、あやふやな記憶の中に沈むさっきの出来事──実際は何時間も前の出来事だが、女性の体感によればさっきの出来事に間違いない──を思い返そうとしてみた。だが、はっきりとした詳細な部分までは思い出す事が出来ず、記憶の端には、今までに一度も見た事がないような美しい笑みを浮かべたローザリーの姿だけがあった。それなのに、女性の心内は妙にすっきりしていて、些細な疑念や悩みなどが綺麗さっぱりとなくなっていたのだ。それどころか、自分が旅行の途中であった事や親しい友人達を待たせている事などもさっぱり忘れてしまっていた。

 その翌日、正午を過ぎたあたりからは濃霧が晴れ始め、午後も良い時間を過ぎれば、あれほど濃かった霧も跡形もなくなっていた。

 それから数日が過ぎたものの、森から女性が出てくる気配は一向になかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ