表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おしまいの聖女  作者: とりさし
百鬼夜行の聖女
21/53

21 変態はヤンデレに非ず

19話の続きです。


素面ヨウが気持ち悪め。リオつっこみ頑張れ。

※腐女子が苦手な人は注意してください。


長めだけど内容そんなにないです。

「あんたがヒロインか」


「何て?!」


「いやいやいやいや、大体わかった。皆まで言うな」


 手を広げリオの口の前に付き出し発言を制止する。口がフニフニとニヤつくのが止められず反対の手で押さえる。


「絶対にいらんこと考えてる気がする!」


 こっそり、持ち歩いている消音結界を一メートルで起動させる。


「絶対余計なこと考えてるでしょう?! 何、口押さえて顔赤くしてキラッキラした目でこっち見るの?!」


 職場の先輩。定番よね。ありがちありがち。んでもってあれでしょ、聖女召喚のモブと見せかけて実は神子だとか何とかの。うん、何十番煎じか知らないけど沢山読んだ。おお、乙女ゲーの続編とかスピンオフとかでBLゲーとかってのも沢山読んだわ。オーケーオーケー理解した。


「リオ。年齢は?」


「二十一ですよ。知っているでしょう?」


「もちろん。おお、キャラの年齢層が高い……これでは成人指定作品の予感……なんてこった。Rの壁を易々と超えてきやがった」


「何言っているかわからない!」


「わからないって? いや私も何もわからないし知らないのよこの程度で知ってるなんて言っちゃいけないのよあの世界は……」


「一体どうしたんです?」


「右が何か左が何かもパッとわからないような私が知ったかぶっちゃいけない世界なの。ニチアサでもそれっぽい表現がちょくちょくあるからといって簡単に理解したと思っていいものじゃなかったの」


「右は右で左は左でしょう?! 早口過ぎてわからん!」


「ある友人がいました。幼少期からの親しい、少なくとも私には大切な友人でした」


「昔話始まった? 口調がゆっくりになったぞ」


「ある日、話の流れでオスからメスになるお魚の話をしました。成長したりとか大きい個体とかが性転換して雌化したりするのです。クマノミとか。それはそれは滾ると大興奮で聞き入ってくれました」


「それで? 突然魚の話?」


「……彼女がニモを(よこしま)な目で観だしたときに気を引き締めるべきだったのです。これは尋常な思い入れじゃないぞ、と。オメガやら男性妊娠の話になりました。それは浅学な私には到底理解の及ばない世界でした。それはボーイッシュな女の子と何が違うの? 雌化なんだし最早雌なのではというと」


 もっと言うと人体の構造的にどうなってんねんとか、もう性別に拘る必要なくないかとか。


「と? さっぱりわからなくなってきたぞ。どこかのニモさん逃げて!」


「彼女は音信不通になりました……!」


「何で?!」


「何では私が問いたいよ! 十年来の親友だと思っていたのに! もともと性別や性的指向に関しては個人的でデリケートな問題なうえ、あの世界はどこに地雷があるかわからないのよ……でもあれよね。私もライダーわかると言う人間に話をふったら俳優の出てる恋愛ドラマの話しかしない場合こいつとは到底分かり合えないと思うし」

 

 よよよとカウンターに手を掛け蹲る。

 見上げるとリオがスペースキャットのような顔をしていた。


「なのでね、贅沢は言わない。本当は筋肉美形攻めがいいとか。筋肉美人受けがいいとか。騎士団長とかのガチムチ枠とか隣国の王子とかのお色気枠欲しいとか思ってても言わない。何なら人でなくてもいいし有機物でなくても構わない。なのでほんの、ほんの少し希望を聞いてもらえるのなら、総受けでお願いします! あ、悲しいのと非合意なのとショタだけは地雷だから。子供に手を出す輩は生まれてきたことを後悔させる方針です」


「少しも意味がわからないのに碌でもないことというのだけは伝わってくる!! 言葉は通じるのに会話が一切通じていない!」

 

「ああ、私の立ち位置わかってしまった。サポート役ね。おけ。対象の情報収集は任せて! ねえリオ、騎士団辺りに知り合いいない? 魔法士団とかは? よし、何からナニまで丸裸にしてくれるわ。どんな体への負担も一気にスッキリと解決、サポートして見せるから! 何ならもっと手っ取り早くくっつけたり色々出来るから! おお、このための力ね最適じゃん把握した」



 息継ぎ忘れてた。ハアハアと息を整え、リオを見上げる。おお、イケる。ヒロイン顔だ。


 そうだ、まだ仕事中だった。お皿を下げにいかなきゃ。


 冷静になれ。スーハ―スーハ―。


 あ。そうだった。



「……あの人どうしよう」


「あ、現実に帰ってきた。良かった!! 本当に良かった!! ここは、四の五の言ってないで何をしに来たか見るしかないんじゃないですかね?」


「だねぇ」


 嫌だと言っている場合じゃないか。(リオの)攻略対象かもしれないけど普通に追手かもしれない。うーん、目的を知るのも怖いけど、ここで頑張らなきゃ三人の人生が詰む。

 近くのテーブルの皿を下げに行きがてら《閲覧()》てみよう。


 ……何でリオ涙目になっているんだろ?




 リュシアン・ティレスタム 無職 ▽ 


 項目をタップする。プロフィールが開いた。その下、【生涯】をタップする。ポイントを無駄に使わないよう、生まれた頃のはすっ飛ばして最近のところから見よう。……随分簡単に開かせてくれるなこの人。ポイント殆ど消費しなかったぞ。


【ンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオン】



「ひ、いぃ!」


 テーブルを拭き始めたタイミングで《閲覧()》て後悔した。

 何この変態、不審者! 嫌ぁ! ヤンデレはウェルカムだけど変態は嫌ぁ! 

 勇気を振り絞って、もう少し前の時期を見よう。ん? 勝手に開いた?



【ンリオンリオンリオンハンカチハスハスハスハスリオンリオンリオンリオンリオンリオンスプーンペロペロペロペロチュパチュパチュパチュパリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンパンツクンクンクンクンハアハアハアハアリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンシャツクンクンクンクンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオンリオン】



「ひ、っぁあ!」


 表示がおかしいんだけど?! 【生涯】に書かれているはずの行動が変態思考で埋まっているんだけど? なのにこの人真顔なんだけど? これヤンデレでいいの? ただの変態だと思うんだけど? それとも今まで何かいい感じに見えてたヤンデレってもしかして頭の中こんななの? 夢が壊れる! 


「ヨウちゃんどうしたの?」


 ハンナさんに心配かけてしまった。仕事中なのに見苦しくてごめんなさい!


「何でもないです! パスタが手に掛かってくすぐったかっただけです」


 パスタは悪くない。パスタ君ごめんよ君は美味しく食べられただけだ。


「うーん、違うでしょ? 体調でも悪い? そんなプルプル震えて耳も垂れちゃって。もうラストオーダーも過ぎたし、上がってもいいわよ」


「うう、ありがとうございます。ハンナさん」


「ほら、だから泣かないの。お客さんも見ているんだから」


 周りを見れば残っていたお客さんが真っ赤な顔でうつむいていた。なんだかごめんなさい。何とか笑顔でお辞儀したら耳まで真っ赤にされてしまった。


 それにしても、ハンナさんの包容力。お母さんと呼びたい。



***



 一足早く上がらせてもらいシャワーを浴びてワンピースに着替え、ベッドの縁からバフっと仰向けに倒れた。疲れた。

 身内相手な分過去最高にキツイ。【性癖】もシンプルにリオってどういうことなの。リオなら何でもいいってことなの?


 ゴロゴロしているうちに、開けっ放しの寝室のドアからリオが見えた。フィーも丁度帰ってきたところみたい。


「二人ともお疲れ様ぁ」


「っそんなとこで何してるんですか」


「疲れたから横になってるんだよー。いいじゃん転がったってー。あ、フィーも帰ってきた! おかえりー」



 寝転がりながら、リオとフィーに手招きする。なんだかんだ言いながら二人とも私の両側に腰かけた。見上げながら先程の話をする。珍しいアングルが面白い。


「先輩明日も来ますかね?」


「先輩って何の話ですか?」


「んー、今日、リオの先輩が店に来ていたの」


「何ですかそれ! もしや追手ですか?」


「わからない……あの人の《情報》、リオの名前でいっぱいだった。怖い怖い怖いもう見たくない。病んでる。闇深すぎる。闇というか病みだわ。ていうか不審者だわ。こんな事有り得ないんだけど。普通見れるものはね、カレー食べた。仕事終わった。階段上った。とか淡々としたものなんだよ? ねぇ、スプーンとかパンツとかシャツとかハンカチとかに心当たりある?」


「ああ、神殿にいた頃、よく私物を無くすことがあって……嫌がらせとばかり……」


 リオが心なしか青ざめている。


「犯人あの人。今もリオの唾液付きの物持ってる……ついでにリオにまともな彼女や彼氏ができないように妨害していたのもあの人」


「何でそんなもの! 怖い怖い! って彼氏ってどういうこと? ねえ?」


「フィー、こっちにおいで。ギューさせて」


 腕を背に回して引き込むように抱きしめる。頭に手を回してワシワシと撫でる。うー、安心する。


「無視しないで! 怖いんだけど?!」


「ああ、邪なものがない……腐海に汚染された心が浄化されるぅ……」


「う、ぅぅ……」


 フィーごめん。私の精神安定のために頑張って。


「リオ、あの人好き? 私的にはオススメしないけどなんかあるなら協力するよ?」


「なわけないでしょう! ひたすら怖いですよ! ……また来ますかね?」


 おお、本当に嫌そうだ。ごめん。


「明日も来ると思うよ。多分絶対リオに気づいてるし。どうしよう。とりあえず、害意はない感じだけど。リオには。【好意】カンストしてた。……無職ってことは神殿関係なしにリオを探し出したってことよね多分」


「とりあえず、お昼の部も終わったことですし、明日、仕事後に話し合いの場を設けてみましょう。嫌ですけど。目的が分からないとどうにもならないですし……好意ってなんなの……」


 ドンマイ、リオ。


「私やハンナさんには【不審】や【嫉妬】が来てるからいつ【殺意】に変わるか怖すぎんのよ……死因がストーカー被害に巻き込まれてとか嫌すぎる。うん、話し合いだね。いざとなったらシュッと始末する!」


「リオさん、本当碌なのひっかけてこないですよね」


「フィー、辛辣!」









「ところで、ヨウの世界の人たちって大変なんすね」


「ん? 何のこと?」


「よくわかんないですけどオメガとか男が妊娠したりとか。人間関係が破綻してしまうほどの問題なんて」


「んーでも、あれは架空の物だから大丈夫。個人的にはショックだったけど。私も悪かったと思うし」


「へ? 架空のもの???」


 スペースキャット再びである。

ディ〇イド「大体わかった」

ビー〇ト「みなまで言うな」


雄性先熟……有名なところでクロダイやクマノミ、コチやハナヒゲウツボなどが雄から雌になります。

雌性先熟……サクラダイやホンソメワケベラ、マハタなど。


ヨウは自分は腐っていない、これは一般教養だと思っています。腐るには腐敗度合いが足りないと思っています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ