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異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
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第96話 一方の様子と新たな武器

「お疲れ様」

「あんがとよ。それにしてもいいのか?彼氏さんは」

「んー、それが最近家にも帰ってなくて」

「こっちでも見掛けない」


天龍の攻略を終えたカイドウ達クランマスター組を迎え、ちょっとした世間話になる。


「竜人の里の後、指示を出したあとどっか行ったでしょ?リアルでもどっか行ったみたいで困ってるんですよ。まぁ一応連絡はあったんで無事なのはわかってるんですけど」


ミオが若干不機嫌そうに話す。アクセサリーで多少の機嫌は取れたかもしれないが、こんな長期間いなければそれも直ぐに無意味になる。


というか、連絡はその時だけ。それも連絡と言っていいか分からない。

ムーちゃんを呼んでも反応しないし、向こうからなにかの報告もある訳じゃない。ただ、繋がり的に無事なことは分かる。


「まぁ、レオンは死なないだろうから、もう気にするだけ無駄かなって」


はぁ、と溜息をつきながらソファーに座り込む。


「大変な奴の彼女してんな」

「仕方ないよ。私達の王様は背負ってるものが違いすぎる」


レオンが背負っているものの大きさ、重さは私達とは比べものにならない。


「まぁでも?好き勝手やってるおかげで、私達も色々得してるからあんまり文句言えないのよね」


会話に参加してきたのは風音だ。レオンからの指示で偵察に出ていたはずだが…


「レオンからの伝言よ。明日には戻るって」


明日…開戦の前日。夏休み明けギリギリのタイミング。


「一体何処で何をって、言わなくてもわかるけど」


レオンの生存を疑わないもう一つの理由というか、皆が暗黙の了解としているのが、ワールドアナウンスに流れる不明プレイヤーによる三天狼、龍王の試練クリアの報告。


気軽に挑める相手では無いため、位置やステータスがわかった所で意味は無い。しかし、何人かは躍起になって挑もうとして、その前提条件で躓く。


「これで解放者に参加しているクランメンバー全員が、龍王への挑戦権を手に入れたわけだが」


ミオ率いる先導者

カイドウ、シェン率いる戦人

ベルリン率いる防人

風音率いる風を識る

アミュー率いる白良企業

リック率いるジャック

そして、秘密裏にジル率いるジルヴニア

万事屋のメンバーも戦闘が可能な者は攻略した


「全員がスキルや武具の調整に入ってる」

「リックが持ってきてくれた武器のおかげで、開発は進んだんだが実用は未だ不可能。あれの製作者に聞きたいが、リックでも詳細不明ときた」

「確か、レオン作じゃないか?って言われてたよね?」

「言われてたが、アイツ鍛治スキル持ってないだろ。それに取ると思えん」

「まぁ、レオンなら魔導武器か」


レオン制作の武器は月影のみ。特殊な機構を盛り込んだ、男のロマン武器。


レオンと同じスキルを取り、試行錯誤したプレイヤーが何人もいるが、あそこまでのものはできていない。


そして、製錬スキルで作られた武器は魔導武器と呼ばれている。

更に、最近になって出回り始め、数が極端に少ない武器をプレイヤー達はその銘から宝玉シリーズと呼ぶ。

リックが手に入れたのはその一本、シリーズNo.4エメラルド。

現状確認されている宝玉シリーズの最後の一本。

ほか三本は、既に他のプレイヤーの手に渡っている。


「これはどう考えても製錬だけじゃない。だが、鍛治スキルを使ったとも思えない」


宝玉シリーズが希少な理由、それは作り方が不明。というただ一点のみ。


製錬がベースなのは既にわかっている情報。だがそこ止まり。それ以上が分からない。


「武器はもう間に合わないが、防具の方は何とかなった。魔導防具ドラゴンシリーズ」


海龍、天龍、魔龍の素材をバランスよく使い、製錬した防具。解放者に参加しているプレイヤーしか所持していないとされるシリーズ。


シリーズ一式装備による効果は、全ステータスの1.55倍


ただし、魔龍の素材を使っている為に、多少のデメリットを抱えている。


プレイヤーの死亡と同時に耐久全損、修復待ちになるのだ。急所に一撃でリスポーンした場合、耐久MAXから0に。

更に、魔法やアーツ発動に伴いHPの減少。減少量は発動する魔法やアーツによって変動する。


「こういったデメリットを抱え込まないと、アイツに追い付けないってのが」


悔しくもあり、情けなくもある。


「でもよ、アイツも代償ありだろ?ならこれで一歩追い付いたな」


万事屋のクランマスター、おやっさんが大剣を片手にやってくる。


「フィーゴ、一番から三番の炉だ」

「了解。武器種は?」

「…盾、戦斧、槌」


フィーゴと呼ばれた、先程までミオ達と会話していた男が入れ替わるように、クランホームの地下へ。

その際のやり取りは、恐らく新しい武器の製作に関するもの。


「カイドウ、シェン。お前らのどっちかこれを試してくれ」


そう言って持っていた大剣を差し出す。


「銘を天薙(そらなぎ)。まだ未完成だが、対になる夕斬(ゆうぎり)もある。魔導武器、俺の最初の一作だ」


最初の一作、その一言でクラマス以外にこの場にいたプレイヤーの視線も集める。


「レオンの月影と違い、変形機構は無い。てかありゃ無理だ。恐らく魔力制御系の練度の低さが原因だが…まぁいい。天薙の武器種は大剣。カートリッジ式も採用。魔装での影響も考慮し、魔力回路を刻んだ。魔力の通りはいいんだが、通してないと性能が落ちる……詳しいのは裏で説明する。聞きたい奴はこい」


口だけで説明は大変なようで、武器を受け取り、裏庭の訓練場へゾロゾロ引き連れて移動する。


「まずこいつの起動は所有者登録からだ。今は俺の仮登録だが、起きろ天薙」


おやっさんが銘を呼ぶと、応えるように魔力回路が浮かび上がる。


「こうなったら魔力を流す。術式や魔法陣に魔力を注ぐのと同じ感覚だ」


天薙を覆うようにおやっさんの魔力が動いていくのがわかる。


「これで起動完了。起動状態の天薙の性能は、魔法破壊と魔力吸収、切断強化。

魔法破壊は、魔法、魔法陣、魔術式魔力回路なんかを破壊できる。問題は、魔法の速度や術式の展開速度に反応できるのか、術式や魔法の核を認識できるのか…」

「つまり、魔法の中心を切らないとダメ?」

「いや、ド真ん中である必要は無い。ただ、中心であればあるほど、魔力吸収の効率が良くなる」

「つまり、魔法破壊は吸収することで崩壊させる感じ?」

「あぁ、そのイメージで良い。てか正解だな」


魔法も陣も術式もその中心、核が無くなれば維持できなくなる。

発動に必要なMPを吸い取って発動できない数値にまで吸い上げる。


「レオンが使ったら最強だろ」

「いや、アイツ似た技持ってたくね?」

「あったか?」

「それ多分あれだよ。天叢雲剣の特殊技。都牟刈太刀」


プレイヤー対レオンのイベントで最後の最後に使っていた。それ以外では、レヴィアン、太古の海龍戦で誰も見ていない時。


「あれは核とか関係なく斬って吸収するよ。ただ、都牟刈太刀は普段使いしないね」


レオンは基本的に赤椿と霧雨の二刀、いや三刀を使う。全力戦闘であれば天叢雲剣も使用するが、そんな頻度は多くない。


性能の確認が終わると、天薙はシェンが持つことになった。夕斬は完成次第カイドウが持つ。


そうして、皆が準備に取り掛かる。


天照王国と森人国の開戦まで2日


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