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異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
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第89話 黒狼と神狼

「姫さん、状況を教えてくれ」


ベヒモスを倒し、ワールドアナウンスがあってすぐにレオンはクランホームに転移。そこから城まで最速で駆け抜けた。


「少し前からエルフから接触があったんです」

「少し前って何時だ」

「レオン達が守護四傑に就任したあとです」

「…」

「友好条約の締結が望みのようでしたが、恐らくはレオン達異界人の力目当て。特にレオンの力を」

「なるほど。友好条約は何を差し出してきたんだ?」

「エルフの秘薬でした。しかし、異界人の尽力により、秘薬より良い物がありますから断ったんです」

「それで断り続けていたら戦争か?」

「はい」

「エルフの国の位置は」


巫女姫は机に広げてあった地図に印を付ける。


「開戦はいつ頃だ」

「エルフの宣言通りならこちらで1ヶ月後」

「…セレス、ジャック、ジル」


その場で話を聞いていた三人を呼ぶ。

三人は地図から顔を上げて、レオンを見る。


「部隊を動かせ。徹底的に向こうの情報を集めろ。俺の邪魔をさせるな」

「…前の指示より優先か?」

「あぁ。今から最短で終わらせる。1ヶ月後にクランホームに戻る。集めた情報は俺と宰相に共有してくれ。必要ならクラン内にも」

「レオン、私達は島の事もあるから半分くらいにしとくわ。ジャック、またよろしくね?」


レオンと呼ばれた三人が部屋を出ていく。


「宰相、各ギルド、クランに通達。戦争の準備を始めなさい」

「通達致します」


こうして国家戦争への準備がすすめられる。



「リリアナよ、これで良いのだな?」

「はい。既に準備は出来ています。後は気を見計らって不意打ちを掛けるだけ。姫を人質に取れば、彼等は従うしかないでしょう」

「そうだな。では、私は最後の調整に入る。リリアナも怠るなよ?」

「わかっています。改造兵士と兵器。楽しくなりそうですね」



「さぁ、続きを始めようか」


転移を使って移動した先、そこに待っていたのは漆黒に染まった体躯の巨大な狼。サイズは暁と同じ。


それそのはず。その狼の頭上に表記された名前は、黄昏の黒狼・朧。


10本という膨大なHPを持ち、闇夜で戦えばその身は紛れ、攻撃が当たらない。その上、向こうの攻撃は不意打ち判定のクリティカル確定。一撃死必至のクソボスと言える。


しかし、その身には既に数多の切傷。その身を拘束するのは赤と黒の鎖だ。明らかにレオンがやったと分かる。


「やらなければならないことが増えたんだ。新技の練習は終わりだ」


鎖が解ける。黒狼はすぐさまその身を闇に紛れ込ませる。


それと同時に自身の配下や分身に襲いかからせる。

そして、自身もその攻撃に紛れて、レオンを一口で噛み殺す。


レオンを噛み殺せる、その寸前に朧の身体が跳ね上がる。


なにかに押し上げられたような体勢で空中に浮く。


追撃を嫌い闇に紛れる。 黒狼は必死に考えた。何が起きたのかを。


「影血世界展開・月下影天血光海域(けっこうかいいき)


思考している間に戦場は大きく変化した。

レオンの影血世界その一つ、月下影天血光海域。

血の海が光輝き、対象を照らし出す。


闇に紛れた黒狼の姿が浮かび上がる。


「血潮」


海が吹き上がり、飛沫が黒狼に襲いかかる。


避けようとしても広範囲過ぎて回避が間に合わない。そう判断してレオンに吶喊。


黒狼の目には、わかっていたと言わんばかりに笑うレオンの姿。


急ブレーキをかける。すぐさま横飛びに回避を試みるが、黒狼の身体を数多の血槍が貫く。


「ガァッ」


痛みに呻きたくなる。それを無理やり抑えて、レオンへ攻撃しようと体勢を整えて、また吹き飛ばされる。


「血流」


海の一部が鞭のようにしなり、黒狼をぶっ叩く。


HPが半分を切ったことで使えるようになった影転移で黒狼は脱出を試みる。


逃げた先には当然のようにレオンがいる。


「神代、柏手、一拳」


黒狼が地面、いや海面に叩き付けられる。


普通の海なら脱出は容易だが、この血海は別だ。その身にまとわりつく血海が転移や行動を阻害する。


その状態にありながらも、反撃や回避を試みる。それでも、レオンは確実に攻撃を当ててくる。


「十重・百憐(ひゃくれん)


その衝撃で黒狼の周囲の血が吹き飛ぶ。


「お前にもやってもらいたいことがあるんだ。暁のように罪を受け入れ、罪を贖え!」


月影から天叢雲剣に武器を持ち替え、神器換装で天羽々斬に。


「抜刀・極至」


ワールドアナウンス


三魔狼の一体、黄昏の黒狼・朧が浄化され、神獣へと変化。

朧に、人類の守護者の称号を再付与


プレイヤーレオンに特殊称号、黒狼の盟友、黒狼との契約を付与


全プレイヤーのレベルを3上昇。スキルレベル3上昇。


全プレイヤーに朧の加護を付与

ゲーム内20時~明け方前までに限り、ステータス1.25倍


「…貴様は加減を知らぬのか?」

「早く終わらせないとなんだよ。このまま神狼の所に行く」

「場所はわかっていると思うが、レベルは大丈夫なのか?」

「まぁ、そこまで行くのに戦闘はあるだろうし、お前との経験値もあるしな」

「そうか。貴様はレベルとステータス以上に技術が優れているからな」

「ま、向こうとの差を埋める為の技だからな」


黒狼の姿は、真っ黒な毛並に、夜空を表すような白や黄色といった毛が混ざる。

瞳は黄金に近く、夜空を飾る月のようだ。


黒狼は駆け抜ける。闇に紛れて森を駆ける。自分の意思で自由に駆け抜ける。風が心地好い。黒狼は吼える。白狼に呼び掛けるように。


自身にだけ聞こえた白狼の声に嬉しくなる。


彼には感謝しなければならない。自分を助けてくれた彼。白狼を助け、これから神狼も助けようとしている。


また三天狼が揃うのが楽しみだ。



「月影・第四機構解放。天刃月影・双」


スキル狼道が示す先。白狼と黒狼を倒したことで、狼道が神狼の元へと案内してくれている。


かなり距離があるが、レオンは駆け抜ける準備をする。


他の魔龍の事もある、特殊クエストもある、島のこともある、現実での作業もある、技の改良もしたい


「気炎万丈、烈火の如く、水流瀑布、疾風怒濤、電光石火、天照日輪、常闇月輪、雷公脈動から雷公鳴動、更に雷公侵蝕、追槍雷撃、テンライ・ライソウ、チャージボルト、ライトニング、ギアボルト、アトラルカ・マナエンハンス、アストラル、アカバネ・シャープエッジ」


大量のバフを重ねていく。

いつも通りのバフに加え、今回は更に上位のバフを選択する。

雷公侵蝕は脈動、鳴動と順番に発動させる必要がある。

脈動は5%、鳴動で10%、侵蝕は秒間0.5%の継続ダメージがある代わり破格の20%雷系を強化する。


追槍雷撃とライソウで打ち漏らしをないように用意。マナエンハンスとアストラルでその威力を底上げし、シャープエッジで斬撃を強化。


「刃道延々」


月影の第四機構天刃月影・双

双剣となった月影で、進む道に斬撃を刻み込む。


周囲のモンスターがレオンに反応するが、近付く頃にはもう素材となっている。


周囲の狼系モンスターのレベルは500を超え、神狼へと辿り着くには、この眷属達を倒して行くしかない。


襲い掛かる狼を倒して行く。格上を倒しているので、経験値もかなりの量が手に入る。


どれくらい進んだのだろう。周囲の景色は今まで見たことの無いほど荒んだ荒野に変わっている。


所々に刻まれているのは、何かの爪で付けられた痕。魔法か物理か、衝撃でクレーターも幾つかある。


消滅ノ都(しょうめつのと)天宮(てんぐう)か」


マップに表記される現在地の名。


消滅ノ都ということは、ここは元々栄えていたのだろう。都と呼ばれるほどに。そして、この都は神狼を祀ることでその加護と庇護を受けていた。

祝福転じて呪詛となる。


白狼と黒狼も同じような領域を持つのだろう。自身が守護していた国が。


「残酷だな。自身を慕う、祀る者たちを自身の手で殺すのだから」


白狼が殺してくれと頼むのも無理は無い。


「だが、死ぬことは許さない。罪を背負い、その罪を贖う為に、次の世代を護れ。それがお前達三天狼が許される唯一の方法だ」


神狼が祀られていたであろう宮の中央。僅かに残った座にて待ち構える神狼。白夜の神狼・耀。


「我等の敵を討つ」


最初からトップスピード。敵の名前とHPが表示されると同時の体当り。

いや、それだけじゃない。

防がれたり、避けられた時の備えとして、何かの魔法が待機している。いつでも発動できる状態だ。


「神代、心月」


だからレオンは迎撃を選ぶ。斬ったという結果、斬撃を刻み込むレオンの持つ奥義の一つだ。


それを自分を囲むように発動させ、神狼を迎え撃つ。


ガンッ!


何か硬質なモノに当たった音を響かせた神狼が距離を取りつつ、待機させていた魔法を発動する。


その全てを心月の斬撃で防ぐ。


「数が多いな」


威力は低いが、とにかく数が多い。思ったより多くの魔法を待機させていたようだ。


「ま、そりゃ動くわな」


レオンが動けないと判断して次の行動に移る神狼。魔法は継続していて、止む気配は無い。


「天の槍」


先程の声と同じ。恐らく神狼だろう。大きなマナの動きは感知しなかったが、レオンのこれまでの経験から勘が避けろと警笛を鳴らす。


多少のダメージを無視して、20m以上距離をとる。

念の為、刀に手を掛けるのと同時、レオンが先程居た場所を中心に15m程の光が柱のように降り注いだ。


その技から感じる気配に、レオンは神狼への警戒度を一気に引き上げる。


「手抜きできるほど甘くないな。始祖化、箱庭の瞳、一心同体・刀、魔装赤椿・紅花、憤怒、暴食、傲慢、強欲」


道中掛けてこなかったスキルを発動させ、自身の能力を底上げする。


「血円武器庫、アトラルカ・アストラルウェポンズゲート」


レオンの背後。円を描くように様々な武器が浮かぶ。そして、レオンを囲うように11の武器。


レオンが現実から持ち込んだ複数の神器と星を揺るがす力を秘めた創世器。


「全力で行こうか」


獰猛に笑うレオン。レベル差が三倍近くあると言うのに。相手のHPもバーで表記すれば10以上。数値では億を越えている。


それを前に笑えるレオンは、やはり戦闘狂なのだろう。



レオンと神狼の戦いは三日三晩続き、その余波は各国に響いていた。


そして、決着の時。各国は三天狼という存在をしり、世界の守護者が復活したことを知る。


長い時を生き、正しい歴史を知る人物達は、皆が揃って涙した。そして、彼等は感謝する。三天狼を解放してくれた誰かに。



「巫女姫様、貴女に謝らなければ。そして、良い土産話を聞かせてあげないとですね。……ありがとう…名をし ぬひ と」


自身の手記を信じて行動してくれた異界人に感謝すると共に、巫女姫の付き人だった彼女は息を引き取った。

三天狼との戦い、主に黒狼と神狼はその内容が語り継がれることはありません。

白狼は多少の目撃者あれども、黒狼と神狼はレオンが1人で倒してしまった。

荒地を更に荒らした戦いは、レオンと神狼が語るのを待つしかないのです。


そして、次辺りから玲音は現実での活動に移ります。次なる犠牲者を出さないための行動ですが、さて、どういう結果になるでしょう。


4/22 神狼の名前を白夜から耀に変更。名前忘れてた…

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