閑話 とある未来のクリスマス
本編とは関わりのないただの季節回です。
「ママ、パパタは今年も来ますか?」
「パパタ?あ、サンタさんのこと?」
「そうだけど違う。パパタはパパでサンタなの」
「なるほどね。それはどうだろう。2人とも中等部になったからね」
2人が産まれてから時が経つのはあっという間だ。
彼と私。二人で、いや、周りの助けもあったけれど、一生懸命育ててきた子供は、今ではすっかり大きくなっている。
今年、二人は中等部に進学した。これから実践的な授業がもっと増えるだろう。
そんな二人に、誕生日プレゼントとして彼が装備一式を渡していたのを思い出す。
きっとクリスマスプレゼントも用意している。二人が喜びそうなお洒落なモノと二人がずっと欲しがってる装備。
「いや、パパタは絶対来ます。根拠はあります」
「ふふっ。その根拠は?」
「パパはここ数日家を空けることが多いです。学校は今休み期間なので、何かをしに出かけている可能性が高いです」
「ママと何度も電話をしているのも、家に居るから確認してる。時々ママも一緒に出掛けてる。リジかシド連れてってた」
「つまり、何かを取りに行っているか、仕事かデートの三択!でもデートの択は薄い。よって残り二つ!まぁ、一番の根拠はパパが私達に稽古付け始めたからかな」
「うっきうきだった。欲しい物聞かれた」
「あはは」
目に浮かぶ彼の姿に私は苦笑する。サプライズとは何だったのか。まぁ、彼は戻って来てから緩く甘くなった。昔の鋭い気配が無くなった訳じゃないが、オンとオフの差が凄い。
「それじゃ、良い子にしてないといけないね。パパタさんはきっと来てくれるから、もう寝ようね」
「「うん」」
「おやすみなさい」
「「おやすみなさーい」」
部屋の電気を消して、二人の部屋から出る。
足音はなるべく抑えて、彼の自室のある地下へ向かう。
扉を開けると、綺麗に包装された小さな箱が二つと細長い箱が二つ。その横に更にあの子からの試作品が置かれていた。
「今年はまた一段と豪華だね」
こちらに気付いていると思うが、声を掛けてから寄り添うように座る。
「そうだな。姉さんがコッチの方向に進むとは思ってもみなかったよ」
「私は意外でもないかな。昔からこういうの得意だったよ?」
「それは初耳だな」
服の試作品を送ってきた相手のことで少し懐かしむ。
「近くにいるのに遠くなったよな」
「まぁ、プライベートじゃ会わなくなったね」
あの子達二人も私たちと同じで学校で教師をしている。だから、教師として会うことは会っても、家族として会うことはかなり減った。
「まぁでも、年明けは集まれるってさ」
「ほんとに?」
「あぁ。主要組は全員参加だ」
「それは楽しそうだね」
かつて共に初めて世界を救った仲間達。
次の世界で助け合った仲間達。
この星に渡ってきた共に歩む仲間達。
「数、凄いことになりそうだね」
「だから、リオンを呼んどいた」
「え?動くの?」
「当たり前だろ?いつまでもあそこに浮かびっぱなしは良くないし」
私達のもう一つの家がある場所。二人の子供が幼少期を過ごし、かつて世界を救うための拠点となった場所。
「さて、二人も眠ったみたいだし、枕元に置きに行くか。パパタの仕事時間だな」
「…盗み聞き?」
「いや、二人とも俺にも聞いてきたんだぞ?」
「そうなんだ」
「パパタの仕事はこれが最後かな」
「そうかもね。でも、まだこれからもやるかもよ?」
そうすれば、彼は少し顔を赤らめて視線を逸らす。
「どうしたの?」
「いや、その…これ、置いてからな」
「ふふっ。待ってるね」
プレゼントを持って部屋を出ていく彼を見送って、私はベットに腰掛ける。私の寝室は別にあるが、今日はここで良いだろう。私もクリスマスプレゼントを貰うことにしよう。
カチッ
時計の針が日付が変わったことを示す。それと共に、何処かから鈴の音が聞こえてくる。
きっと、その音の正体は彼の従者達。毎年クリスマスになると雪を降らせ、鈴の音とサンタとトナカイを演じる。今の子供達がサンタを信じているのは、彼女達のおかげだろう。
「おかえり。そして、メリークリスマス」
「あぁ。メリークリスマス」
プレゼントを置き終えた彼が戻ってきた。それを出迎えて、二人並んで腰掛ける。お互いに肩を合わせ、顔だけ向かい合い、そっと唇を触れ合わせる。
変わらぬ幸せに胸がいっぱいになる。
でも、きっとそれはこれから変わる。
何故なら、それを彼が運んでくれるから。
メリークリスマス。私だけの愛しいサンタクロース。
クリスマスセーフってことでいいですよね!
名前は出してませんが、ある家庭の未来の話です。
きっとこの家族なら、こんなことをしてるだろう。彼なら子供を溺愛するだろうと




