表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
86/111

第85話 顔合わせと行動

「レオン、戻って来いってなんかあったんか?」

「レオン様、情報はまだ揃ってませんが?」

「いや、すまん。ちょっと別件だ。信用出来るお前達だけに」


戻って来て直ぐに三人の雰囲気が一変する。


しかしそこへ、空気を読まない風音がやってくる。


「レオン、リック。そちらの人が新しく加入した?」

「そうだ。リックのとこに入ったジルだ」

「よろしくお願いいたします」

「よろしく。それで?何話してたの?」


こいつ、色々と目敏い。


「......」


レオンは考える。風音にも伝えるべきか。


「風音、絶対に口外しないと誓えるか?」


鋭い刃のような殺気が、近距離で風音に向けられる。

関わらない方が良いと言う意味を込めたのだが、風音はそれを受けても、揺らがなかった。


「近くによってくれ」


レオンもその覚悟を受け入れて、近くに集める。


「俺の島への出入りを許可する」


そう宣言すると、レオンが許可したメンバーにメッセージが入り、通行証が発行される。

そして、四人の姿は転移して消えていた。

それを見て、通行証を貰ったメンバーも転移していく。



「あら、意外と遅かったのね」

「...早く帰ってきて嬉しい?寂しかったの?なら、正直に言えばいいのに」

「...」

「...」

「年上は敬いなさい。坊や」

「敬うべきところがあるならそうしますよ。そうじゃないのに、敬えと押し付けてると嫌われちゃいますよ?」

「「......」」


何故この二人は煽り合っているのだろうか。

周囲がポカーンとしている。


「紹介しますねお祖母様。ジャックとハロウィンのギルドマスター・リックとジルヴァニアファミリーのメンバーとギルドマスターのジル。風を識るの風音だ」

「初めまして。始祖の吸血鬼、レオンの祖母のセレス・ブラッド・ドロワよ」


煽りをそのままにして、紹介を全て済ませてしまう。

紹介された側は、ポカーンと固まってしまう。


「悪いが、俺にもやらないといけないことがあるから、どんどん話を勧めさせてもらうぞ」


中々再起動しないメンバーを見て、レオンは再起動を待たずに話を進める。


「ジルヴァニアを主軸に、獣国の依頼、澪達の監視、三魔龍の情報収集を頼む。リックと風音は上手くサポートして欲しい。俺は、リアルの都合もあって暫く姿を消す。お前達とは、連絡を取れるようにしておくから、他のプレイヤーに悟られないよう頼む」


レオンが話を始めると、ジルとリック、風音はすぐさま思考を切替える。


「この島は自由に出入りできるの?」

「可能だ。ここにいる全員は出入り自由にしている」

「わかったわ。私は協力する。悪いけど、凛にだけは話させてもらうわね」

「あぁ。必要最低限なら構わない」


風音は、受け入れて情報を整理するのが早いようだ。


「我々は、レオン様の望むように」


ジルヴァニアファミリーは、心臓に手を添えて、レオンへの忠誠を誓う。


「しゃーないな。任せとき」


リックは、頭を乱暴に掻きむしった後に、雰囲気を暗殺者のそれに切り替えて了承した。


「ジル、定時報告を細かに頼む。リアルの方にも通知が来るようにしておくから、俺がINしてなくても構わず頼む。リックとジルは、暫く他のプレイヤーと関わらないように頼む。風音は、普通に活動してくて問題ない。代わりに、リックとジルのサポートだ。護衛が欲しいなら、セレスに選出させる。……うん。俺はもう行くから、あとはそっちで頼む」


言うだけ言って、レオンはどこかへ転移していく。


レオンは、言うだけ言っていなくなることが多い。

少ない情報でも、レオンの意図を読み取り行動するから、それに甘えている節もあったりする。



「あの子、割と適当なのね?」

「最近そういうところがあるなって」

「最初の頃は、しっかりしてると思ってたんだ」

「…俺達はまだ短いからな」


レオンのことで通じ合う四人。レオンの無茶振りに答え、振り回されるのは同じらしい。


「セレスさん、護衛を三人お願いできますか?」

「わかったわ。アルフ、ベータ、イプ、仕事よ」

「話は聞いてました。護衛はおまかせを」

「よろしくお願いします。パーティー申請出せる?出せるみたいね。申請するのでお願いしますね。すぐ動きます」


三人を連れて、風音は転移して行った。早速、凛と合流しに向かったようだ。


「リック、俺達はミオさん達の周囲に張り込みながら、竜人の里について調べる。他プレイヤーの動向を探ってもらえるか?」

「任せとき。セレスさん、情報収集に向いてる人貸してもらえますか?」

「いいわよ。イータ、シータ。彼等の技を見て盗み、私達の成長に繋げなさい」

「「はいです」」


イータ、シータと呼ばれた双子の姉妹


「イータです」

「シータです」

「リックや。よろしゅう頼む」


三人が挨拶を済ませている間に、ジルヴァニア・ファミリーは仕事に向かったようだ。


「じゃ、ワイらも行くでイータ、シータ」


パーティーを組み、転移していく。

転移先は、クランホームのレオン用の執務室。


あそこは、レオンが居る時しか人が来ないので、人目につかないようにするのにうってつけだ。

風音とジル達もそこへ転移して移動したのだろう。



「アルフ、ベータ、イプ。悪いけど、敬称は省略するわ。凛と合流するから、遅れないように」


そう言って駆け出した風音は、風が木々の隙間を吹き抜けるように駆け抜けていく。


風を識る のマスターをしている風音。彼女がギルマスを務めている最もたる理由が、その移動速度にある。彼女の持つ特殊スキル、風の道行。風音以外に所有者の居ない、彼女固有の特殊スキル。

効果は、戦闘行為の一切を禁じる代わりに、移動に関するステータス、AGIの数値を3倍にするというもの。

風音のステータスはAGIに特化したものとなっており、現在の数値は5000を超えている。


「...ブラッドバード」


アルフ、ベータ、イプの三人は、置いて行かれないように移動用の能力を発動させる。


ブラッドバード...直線距離を移動するのに最も適した移動形態。曲がれないことは無いが、かなりの練度が必要となる。


5分と掛からないうちに4人は凛と合流。お互いの移動方法について、情報交換を始めていた。



「リーダー、あの三人の感知範囲知らないのに、どうやって張り込むんですか?」

「そっちは俺が一人でやる。他全員で竜人と里についてを徹底的に調べろ」

「了解。...報告はどれくらいの間隔でしますか?」

「ゲーム内6時間、リアルで3時間毎だな」

「了解」


三人一組で散っていく。


「さて、俺はミオさん達を見つけるところからだな。おいで、サテライト」


ジルの使役獣サテライト。コウモリの群体を使役するという異例。しかし、この群体はかなり優秀な能力を持っている。


通常のコウモリ同様、音の反響で索敵を行う。

この群体が恐ろしいのは、一匹が得た情報を音の反響で他の個体に伝達し、主であるジルに情報を届けることができる。


常に一匹がジルの傍に待機することで、迅速な伝達が可能となる。


「ミオさんとカクラさん、マイさんの三人を探してくれ」


鳥のように素早く飛び立ち、虚ろいの森全体を捉えられるように広がる。


ジルはサテライトと意識を同調させて、移動中も入ってくる情報を整理していく。


そして、お目当ての三人を見つける。


しかし、何かしらのトラブルに巻き込まれているようだった。



「イータ、シータ、虚ろいの森に入ろうとする奴の会話を盗み聞く。気配隠しながら、木の上登るで」


気配を隠し、三人は森に踏み込むパーティーの会話を盗み聞く。


そのうちの一つに、気になる情報を見つける。


「受けたクエスト、怪しくね?」

「怪しくてもいいんだよ。他のプレイヤーも受けてんだから」

「そうか?ならいいのか?」

「お前は気にしすぎなんだよ」

「謀反を起こした竜人の排除。報酬はその竜人から得られる素材全部。依頼主の話じゃ、そいつ竜人の出来損ないなんだろ?楽勝だって」


「なんや雲行きが怪しくなってきたな。イータ、シータ依頼主の調査に向かうで」


三人は依頼主から直接情報を得る為に移動を開始する。



「セレス、イータとシータを同行させたのはどうしてだ?」

「私達の中でレオンに並ぶ異例の出自。そして、あの年齢であの番位。彼に着けたら、もっと成長すると思わない?」

「...あの双子に竜人の里が関わっていると?」

「私達が呼ぶ番位は、手数の多彩さで上から呼ばれている。その中で、あの双子は幼いながらも上位に名を連ねている。あの双子の多彩さは、精霊や龍種に似た何かを感じるのよ...。彼に着けたのは成長の為もあるけど、あの双子をちゃんと見てくれると思ったから。現に、彼はあの二人を間違えなかった」


イータとシータ。彼女達は、人間で言うところの一卵性双生児だ。そして、声のトーンにも違和感を感じない程同じ。服も同じ物を着ている。

見分けるのはセレスでも難しいのだが...


「彼は、私が呼んだ時の二人の反応と名乗った時の僅かな違いで、イータとシータを間違えなかった。あの双子、イータがシータと名乗って、シータがイータと名乗ったのだけど、リックはちゃんと見抜いた」


二人も初見で間違われなかったのは初めてだろう。ほんの僅かに心拍数が上がっていた。


「...ちなみに、お嬢は見分けられるので?」

「...ノーコメントよ」

「そうですね。私もノーコメントでお願いします」

「さ、行動再開よ」



「ムー、ルビアのとこに行ってきてくれ。予定を早める」

「了解しました」


玲音は、リック達をセレスに紹介した後、ログアウトして現実に戻っていた。


「必要な荷物は...学校の課題くらいか」


必要最低限に纏めて、何時でも出れるように準備する。


「早くて明日、遅くとも三日以内か」


ルビアの現在位置にもよるが、目標はそれくらいだろうか。

玲音は翌日に備えて眠りについた。


そして翌日。ルビアと合流した玲音は、誰に見つかること無く姿を消した。


その事に澪達が気付くのは、もう少し先になる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ