表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
78/111

第76話 合流そして勧誘



「コールオブソウル。アシュト達の魂を呼び出し、ワウテウの幻影に憑依。時間制限はあるが、対人戦の奥の手だ」


現状のな、と小さな声で付け足す。


「ミオ姉もお姉も狡い。二人は攻撃型の精霊なの羨ましい。……別に、ネアとリーネに不満はないけど」


そういうマイは、援護の為に精霊魔法を行使する。


「リーネ、茨の獄」


マイを中心として、茨が地面を埋め尽くすように広がっていく。


「敵対する者には棘を向く」 きば


敵が動く度に5%のダメージを与える。強力な結界だ


「マイちゃんの精霊ってさ、派手では無いけど、効果はかなりだよね?」

「リーネはそう。ネアはまだ全部把握できてない。練度の問題。二人は?」

「私は両方とも第五位階までかな」

「私は、バラけているな。ワウテウに至っては二つだけだ」


基本、精霊魔法とは第一から順に解放されていく。

しかし、ある程度の力を持つ精霊であれば、最初から第五までの魔法が行使可能になる。

上級、王級、超級の3種に分類される精霊は、殆どが当てはまる。


その代わり、第六から先を解放するのに、精霊魔法を使い込み、精霊との親和性を高めることが必要になる。

精霊王のような、何かしらの代償は必要ない。


「俺らからすれば、三人とも羨ましいんだが」

「現状、4人しか契約できていない、王級、超級精霊達ですからね」

「特殊なイベント報酬みたいだから、レア度高いのはわかるけどね」

「第2回イベントの時からだったよね?レオンが精霊使ってるの」


呑気に会話している暇はあるのか?


茨の獄によって動きは鈍くなり、重ね連矢の効果で視界不良、行動阻害とまともに動ける状態では無い。



ワールドアナウンス


七つの大罪・痴情解体・切り裂きジャック

七つの厄災・人斬人災・ジャック(真名・リーパーTheランタン)


が討伐されました


三魔狼の一体、暁光の白狼・暁が浄化され、神獣へと変化。

暁に、人類の守護者の称号を再付与


プレイヤーレオンに特殊称号、白狼の盟友、白狼との契約を付与


ジャック、暁の戦闘に少しでも関与したプレイヤー5レベル上昇、全スキルレベル3上昇


全プレイヤーに暁の加護を付与

ゲーム内明け方~正午までに限り、ステータス1.25倍



「早いなぁ!」

「ほんとアイツ短期決戦大好きだな!?」

「どういうステータスしてんだよアイツは!」


第七位階の精霊魔法。アストラル・ウェポンズゲート。

星を破壊する力を秘めたその武器は、一つ一つが厳重な封印の元、保管されている。

アストラル・ウェポンズは、正確には星ではなく、星を運営する上で欠かせないマナの回路を破壊する特性を持つ。

俗に魔術回路と呼ばれるそれは、人にも動物にも存在し、モンスターも例外では無い。

魔術回路が存在するから、マナは人体に害にならない。しかし、その回路が破壊されれば?

外と内から想像も出来ない痛みに襲われ、常人であれば意識を失い、死に至る。


そんな危険な技が使われた事など知る由もない。



「リック、紛れさせて貰うぞ」

「好きにせぇ。元々、こちらと協力するつもりはないんだろ」

「協力はしない。だが、利用はさせてもらう」

「わかっとる。派手にやるだろうから、上手く頼むで」

「……頼まれよう」


闇に紛れ、標的を確実に暗殺する。それが、暗殺ギルドのやり方だ。

PKギルドと違い、国や貴族からの依頼も報酬次第で受ける。プレイヤー以外も標的。


逆に、リック達のギルドは、どちらかと言えばPKK。プレイヤーキラーを狙うギルドだ。

プレイヤーの暗殺者を返り討ちにしたり、PKされたプレイヤーの復讐代理。そういったことを主にしていた。


会話をしていたこの2人は、憎き商売敵。互いに強敵と認め、時に同じ依頼を受けた者でもあった。


「俺は少し、奴が羨ましい」

「リーダー?」

「俺には、いや、俺達にはあの景色は眩しすぎるだろう」

「……そうですね。リーダーの言いたいこと、わかりました」

「羨むだけでいいのか?その景色を見たいというのなら、俺のとこに来いよ」


暗く沈んだ空気を霧散させるような気配。

振り返れば、そこにはレオンが立っていた。


「何を思ってそう言うのか知らねぇが、コッチとアッチを一緒にするな。アッチでダメなら、コッチだけでもカッコよくなって見せろよ」


レオンの視線はまっすぐ。前を見ている。


「憧れなんだろ?憧れのままで終わらそうとするなよ。何故努力をやめる。何故その才能を捨てようとする。努力する才能は誰にでもあるものじゃない。……もし、努力をしようと、人として強く生きたいと思うなら、俺のとこ来いよ」


「ま、今答える必要はねぇよ。余計なこと言って悪い。……ゲームの世界ってのはいいよな。どれだけ失敗してもやり直せるんだ。前に進む為の練習に丁度いい」

「レオン…」


下を向いていた彼等がやっとレオンを見る。


「下を向くな。そうやって前を見ろ。自分が選ぶべきものは、自分の前にしかないんだから」


いつの間に抜刀したのか。言い終わると同時に、疾風迅雷で敵に強襲する。言っていて、少し恥ずかしくなったようだ。


レオンの参戦に驚くプレイヤー達。


そんな中、レオンを何か決意したような眼差しで見つめる。


「リーダー…」

「いい歳した大人が、子供に説教されるとはな」

「リーダーは30かもですけど、自分、まだ20なんで」

「立派な大人だろうが」

「そうかもっすね」

「行くぞ、お前達。俺達の力を、未来の主に見せてやろう」



「攻撃したはいいが、防がれたんだが。つか、これ俺のッ」


受け止められた刀を、咄嗟に引き戻し、急所を守る。


その判断で、レオンは攻撃を防ぐことに成功する。しかし、防御の上から貫通するなにかに、身体を大きく押し戻される。


「刀で槌術アーツは卑怯だろ」


すぐさまその衝撃が何かを理解し、ボス特有の理不尽に愚痴を零す。


「いや、理不尽の塊が何言ってんだ」

「その通りだ。というか、参加しなくていいぞ」

「そうだな。お前はもう休んでろ。疲れただろ?」

「本音は?」

「「稼ぎすぎ。大人しくしろ。こいつは譲れ」」

「…ま、それでもいいんだけどね。これ、厄介かもしんねぇよ?」


唐突に、残っていた2本目のゲージが消え、最後の一本になる。

そして、偽物の周囲に、黒い刀が無数に現れる。


「へぇ、俺の偽物。しかも影か」


レオンはボスを見つめ、そして、嫌な予感に従い自身のバフを全て解除する。


「やっべ」


近くによっていたプレイヤーに向けて、暴風を叩き付け、強制的に距離を開ける。


彼らがレオンに文句を言う前に、レオンは影の檻に囚われていた。


「あ、これまっずい。ジャックといいこのボスといい、俺の力取るの好きだね」


本当にまずいと思っているのか。疑問に思うところだが、確かにまずい。


「殺す?」

「んー無理かな。どうもこの状態、死亡無効状態らしいのさ。あと厄介なことに、俺のデータが盗まれてるっぽい」

「データ?」

「うん。戦闘データ。スキルとかアーツとか魔法とか刀術とかね」

「あ?」

「やばくね?」

「何?劣化版から通常版にでもなるんですか?」

「多分」


この迷宮は、迷宮内で最も強いモノを読み取り、そのモノに近い影を生み出す。

しかも、その影は元になったモノが入れば、捉えて吸収する。

ボスモンスターのステータスに自身の技を盗まれ手も足も出ない。

それが、このイベントの、この迷宮のコンセプトだ。


「……でもこれあれか、一応魔法とかは使えるな」

「使えたところでどうすんのさ」

「んー試す」


再び、レオンの瞳にⅦの数字が。


「アトラルカ、この迷宮は一つの世界のようなもの。そう言ったな?」

「あぁ」

「それなら、これで荒らすことはできるよな?」

「可能だ」

「じゃぁ、そこにもうひとつ加えて、破壊することは出来るか?」

「…可能ではある。しかし、破壊したあとがどうなるか分からぬ」

「そんときはそんときってことで」


檻の中でも、多少は身体を動かせる。


抜刀と納刀ができるのなら、レオンには結界を断ち切る力がある。


「アストラル・ウェポンズゲート、界断」


アストラルウェポンを納刀する用の鞘を血で作る。

鞘を持つ左手を後ろに引き、柄を持つ右手は前に。前と後ろとするが、実際のところは上と下と言うべきか。


檻の中で1番広く取れる角度で抜刀。檻諸共、界を断ち切る。


「俺を拘束するこの檻、というか、影そのものがマナで構成されている。なら、アストラルウェポンで荒らすことができる。そして、この迷宮が一つの結界、世界だとするなら、俺が認識できているなら、破壊することは容易だ」


問題があるとするなら、アストラルウェポンがないと、この規模を破壊するのは無理だということか


迷宮が崩れ始める。最初に天井が消え、次に壁が消え、最後に床。


全てが消えた後には、何も無い。ただ真っ白な空間が広がっていた。


「白い空間に縁でもあるのか俺は」


最近、2度も遭遇した同じような空間。また、シズの空間かとも疑うが、そうじゃないことはわかった。


「てか、あの影なんか変身しようとしてね?」


誰かの呟き。それに釣られ、影を見れば確かに身体が蠢き、大きくなっているような、変化しているような


「…迷宮が生み出した化け物。その力の源は迷宮そのものだよな。完全に破壊される前に、少しでも取り込んでおこうと」


日曜朝のテレビ番組みたいな巨大化を見せる影レオン。

その姿も、人型から少しずつ変わっていき、巨大化が止まると、辛うじて人の形を保てた化け物になった。


「うーん化け物」

「何この…なんて表現すれば」

「二足歩行で」

「腕?が6本で」

「顔はないけど、至る所に目が合って」

「腰の周りに触手?」

「周囲にはでかい刀が浮いてて」

「黒くて、なんか蠢いてる」

「それなんてクトゥルフ」


ということらしい。


「んーーショゴスよりマシ」

「マジで言ってる?」

「だって一応は定形だぜ?蠢いてるけど、身体が変化する程じゃない。ショゴスはマジで蠢いて不定形だった」

「あー」


近くのプレイヤーが確かに、といったふうに反応する。

それはミオやカクラ、シェンやベルリン達。つまり、レオンとショゴスの戦いを一部見学していたメンバーで


「確かに、あれよりマシか」

「そう…ね」

「分からなくないが、無理なやつには無理だな」

「SANチェックないんだからいいだろ」

「というか、HP増えてますね」

「おーほんとだ。五本になってる」


巨大化し、第二ラウンドと言わんばかりにHPバーが増えている。


「ま、第二ラウンドってことだな」

「俺も参加するが、基本援護に徹する。やばそうなら言えよ?」


俺無しでも平気だろ?それとも、俺居ないと駄目なの?

という含みを込めてニヤリと笑えば、至る所から雄叫びが上がる。


「行くぞぉぉ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ