第75話 ボスエリアそして力の一端
先日、活動報告の方でお知らせはしましたが、改めてこちらでも。
この作品ですが、現在一章から大幅な修正を行っております。
そちらは、まだ投稿していませんが、修正後に別作品とするか修正投稿とするか決まっていません。
更新頻度が更に遅くなりますが、皆様により楽しんで頂けるよう努力していきますので、これからもよろしくお願い致します
「さて、向こうはレオンが何とかするでしょうから」
「そうだな」
「ちゃんと仕事はするわ」
「レオン、はっちゃけそうだよね」
「色々やるだろうな」
「ん。確実にやる」
「三種の神器とか八咫鏡とか言ってたな」
「そんなもん、どこで手に入れたのか」
「ゲイボルグとレヴァンティンもだろ。あれも何時手に入れたのか」
「敵、居なくね?」
「ボスモンスターがいねぇな」
「やっぱ、さっきの2体がそうなんじゃ?」
周囲を見渡し、ボスがいないことを不思議がる。
そうしていると、生産組が安全エリアから弾き出されるようにして、ボスエリアに侵入してきた。
高い位置から、エリアを見ることのできた生産組は、奥に見えた小さな人影に意識を惹き付けられた
「おい、今なんか」
「気付いたか?奥に見えたよな?」
「小さかったな?人型か?」
その会話で、目視でしか確認をしていなかったことを思い出し、奥までスキルを使った索敵を行う。
確かに、奥の方に小さいがなにかの反応がある。
プレイヤー達が次々とその存在に気付く。
すると、HPの表記を示すバーが4本現れ、エリアの壁際に、等間隔で火が灯る。
プレイヤー達は武器を構え、強化魔法を掛け、魔法を発動待機状態にして、敵が命中できる距離に入るのを待つ。
「……アレがボス?何かの間違いと言って」
いち早くボスの正体を確認したのは、スキルの影響で一番眼の良いミオ。
「ミオ、ボスはなんだ?」
「ミオ姉?」
そばのカクラとマイは、ミオの反応に、若干困惑しながら問い掛ける。
「多分、アレは偽物だと思う。思うんだけど」
ミオの言葉を聞きながら、カクラとマイは敵の方向を注視する。
そして、ミオの言っている意味を理解した。
この2人が敵を視認できたということは、他のプレイヤーも大体視認できている。
「は?」
「おい、二度と戦いたくないんだが!」
「え?うそ?なんで?」
「マジで勘弁して欲しい」
「いや、迷宮のボスとしては正解なのかもしれんな」
「入ったものを帰さない的な?」
「偽物とはいえ、レオンと戦うのかぁ」
影のように黒く染まっているが、その姿は紛れもなく、レオンそのもの。
武器は刀を2本。吸血鬼としての能力をどれだけ使えるかによって、その脅威度は変わるだろう。
「距離的には攻めてこないとおかしいかな。本物なら、確実に疾風迅雷の射程。それどころか、血刀飛ばしてこないなら、本物の半分以下じゃない?」
「ミオ、それは早計だと思うぞ。アイツの技をどれだけ扱えるかでも変わるだろう?」
「お兄の偽物、コピーなら、月影も警戒しないとダメ」
レオンと一番親しい3人の評価に、少しだけプレイヤー達の緊張が解れる。
「落ち着いてみるとあれだな、あのサイズにこの人数はちょっと不味くないか?」
「攻撃したくても渋滞するから、近接は難しいな」
「遠距離も難しいね。動きが速いだろうから、範囲攻撃したいけど、味方巻き込む。あと、反属性で魔法打ち消し合いそう」
「その心配はいらないかも」
やはり、1番反応が早いのはミオだ。
レオンの偽物の影?が広がり、巨大な円を作る。
それはまるで、王の晩餐を発動した時のようで
「血の代わりに影かな?足元の影も、モンスターが出る度小さくなってる。鬼と狼だけか」
偽物と同じように、出てきたのは影のように黒く染まった百鬼と番犬
「影鬼と影犬って呼ぶ」
「そうだな。100とは限らないからな」
「家族の三人は落ち着いてるな…」
「そういうシェンも落ち着いてるじゃねぇか」
「僕達はほら、全力の彼と戦った経験ありますし」
「あの時より育ってますから」
「それは向こうも同じ」
「だとしても偽物だし?」
レオンと同じクランのギルマス達もそこそこ落ち着いている。
「指揮系統いらないよね?」
「いらないだろ。この数は無理だな。それに、うずうずしてる奴ばっかだ。好きにやらせよう」
「了解」
ミオ、風音、アミューの三人が、自由に動けることが確定。
「それじゃぁ、先制しようか」
ミオが矢を番えると、待機させていた魔法やアーツを各々が発動させる。
「フレアトルネード」「ライトニング」「コールドブレス」「タイフーン」「ホーリーブレス」「飛剣」「スローイングランス」「インパクトスイング」「スピアアロー」「アローレイン」
「雨矢鳥」
全プレイヤー最長の射程距離と攻撃範囲を持つミオの攻撃は、多くの影に命中し影レオンにもダメージを与える
「減ってない?いや違う。自動回復か」
「効果量は?」
「予想は難しいかな。予想は毎秒1%か5秒で2%の回復ストックあり」
「その理由は?」
「ダメージ判定はあったのに、減ってるように見えなかった。だから、前者の可能性。後者の理由は、減ったように見えなかったのは、回復ストック分から体力を消費してるから?」
「もっと削らないとわかんないか」
「……60秒頂戴」
「なにか手が?」
「レオンに隠してる奥の手的なコンボ、かな?」
「そりゃ楽しみだ」
「マイちゃん、念の為防御系の結界お願い」
「ん。堅牢。これなら、攻撃受けてから10秒は死なない」
「ありがと。やってくる」
ミオの姿が人混みに紛れ、視認出来なくなる。
「行くよ、ハイバー、ハイドアンドシーク、アゼミシオン、メリーズドール。アテミア、必中、重ね連矢」
スキルによる索敵には感知されるが、目視で捉えることの出来なくなるハイドアンドシーク。
スキルに感知されるのを30秒だけ防ぐアゼミシオン。
そして、メリーズドール。1度も発見されることなく、5本連続で敵の背中に命中させた場合に即死させることができる。
必中はその名の通り、狙った相手に必ず命中させる。
重ね連矢。刺さった1箇所に重ねて命中させた回数に応じて追加効果。
他プレイヤーの攻撃に紛れ、一本、二本命中。
スキル発動から15秒
飛び込むようにして矢を放ち、味方タンクの影に隠れ、三本目命中
25秒
タンクの陰から飛び出すと同時、他プレイヤーのヘイトスキルで背中がミオに向く。四本目。
そのまま接近しながら五本を番え、放つ。
35秒
流石に、5メートルは見つかる。
影レオンの攻撃がミオに向かうが
「弓刃、峰」
武器に斬撃特性を付与。一刀を防ぎ、もう一刀を回避と同時に蹴りを放つ。
距離が開き、詰めようと影レオンが踏み込むが
「私にばかり集中していいの?後ろ、がら空きだよ?」
言葉に反応したのか。咄嗟に振り向き、飛んで来ていた矢を払い落とす。
「残念。他の人でも無ければ、一本でも無いんだ」
その行動を嘲笑うような微笑みとその言葉。まるで敵を煽っている時のレオンにそっくりだ。
背中、腕、太腿、腹の四箇所に刺さった矢。
五本目は確かに背中に刺さっている。
「三矢・囲い矢。重ねも最大。10秒1割の持続ダメと視界不良に行動阻害。オマケに被ダメ増加も受け取りなさい!」
一斉にデバフが発動し、影レオンのHPが自動回復を上回る速度で減っていく。
そして、ダメ押し
「ねぇ、私メリーさん。今、貴方の後ろに居たの」
クスクス クスクスクス アハハ アハハハハハ
笑い声と共に、影レオンの首に一瞬の閃。
「本来は五本確殺の技だけど、ボスだからね?残り一本全部、貰ってくよ」
影レオンのHPバー一本目が消えた。
結局、ミオの行動で自動回復の正確な数値を確認できていないが。
そして、次の瞬間には、ミオの懐に入り込んでいた
「柏手、一拳」
反応することが出来ず、最初の一撃が命中した。
マイの結界・堅牢のおかげでデスすることはなかったが、吹き飛ばされ、何人ものプレイヤーを巻き込んでようやく止まる。
「いったぁ」
「ミオ、よくやった。少し休め」
「ここは僕が引き受けます!」
ミオのそばに、カイドウ、ベルリン、アミューが寄ってくる。
アミューはすぐさまミオを回復。カイドウが念の為の護衛に残り、ベルリンは自身に敵のヘイトを向けさせ、格闘術のアーツを受ける準備を整える。
「ヘイスト、ヘイストハウル、レッドライン、デットオアアライブ!」
2、3、4と防ぎ、5、6、7を体勢崩しながらも盾で受け切り、8、9は安全に盾で受け切り、10で盾の上から叩き込まれ、吹き飛ばされる。
「生きてるか!?」
「生きてますよ!今日は幸運だ」
デットオアアライブ…それは5割の確率で死亡回避。ゼロになったとしても、その場で復活し10秒と短いながらも無敵時間を得る。
レッドライン…自動回復が発動しているプレイヤーに、回復中体力がゼロになるような攻撃を受けても1度だけ耐える。
十重を放ち終わり、拳を突き出した体勢で動きが止まる影レオン。
そこへ、強襲するのはカクラだ
「お前は、レオンと違って次が無いんだな。隙ありだ」
二巡目は無いのか、動き出して刀を再度持ち、迎撃する影レオン。しかし
「イリュージョンボディ、ナイトイリュージョン」
攻撃は命中せず、影レオンを囲うように同じ姿が9人。
「魂を送る者」
カクラ九人、五人分の攻撃は影レオンの身体をすり抜ける。
しかし、足元の影が明らかに減り、HPバーも二本目が半分になっている。
「この迷宮に囚われた魂。その怨念や怨嗟の具現がそれならば、我らで丁寧に送ってやろう。あぁ、遠慮は入らんぞ?決定事項だからな」




