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異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
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第65話 決着?そして挑戦

「いいぞ!もっとだ!己の限界を超えて見せろ!」


全身傷だらけだと言うのに、あの龍は楽しそうに吼える


「そろそろ、レオンも終わった頃かな」


そう言うのは、今回一番活躍しているミオだ


彼女の攻撃は一番ダメージを与え、敵の攻撃の起点を邪魔している。僕たちが戦えているのは彼女の貢献が大きい


「お兄ならもう終わってる」

「そう、だな。あのバカは無茶をしながら終わらせているだろう」


そう答えるのは彼の家族のカクラとマイ。


この二人もミオに劣らない活躍をしている。


マイの結界がなければ、攻撃の余波で簡単にHPは削られ、こちらの攻撃は届かないだろう。


カクラの攻撃は、どうゆう理屈かHPを奪い、味方に還元しているようで、常に張り付き攻撃し続けている


「ま、アイツならそうだろうな」

「レオンですからね」

「アイツは何しでかすかわかんねぇからな」


そう続くのは、彼の通う学校の教師達。カイドウ、アミュー、シェンの三人。


「俺たちが終わってないと煽られるんじゃね?」

「人数いるのに俺より遅いんですか?って?」

「ありそう」

「えー?レオンってそういうことするかな?」


彼を少し弄るのはクラスメイト達。

クヌギ、マツカゼ、玲奈、ミクの四人。他四人のクラスメイトも似たような会話をしてる


「なんか、私達だけ彼の理解が足りてないみたいな空気やめません?」

「いや、実際のところ足りてないやろ」

「僕もそう思いますね」

「ですね。私達はまだ短いですから」


僕も含め、そう答えるのは風音、リック、凛。


他のメンバーは、言いたいことは分かる。的に頷いてる


「格上相手に緊張感ないですね。最初からそうでしたが」


戦闘が始まってからというもの、何かとレオンを引き合いに出すあの海龍に、みんな興味津々。


このダンジョンを攻略しているレオンの話を聞きながら、全力の殺し合いですよ?


もう少し雰囲気ってモノありますよね?


「まぁ、それは置いといて」


盾を構え、剣に魔力を込める


他のメンバーも似たように、切り札の用意をしている


海龍もそれを邪魔せず待っている


「恐らく、ここのいる全員がレオンに隠している切り札でしょう。試すのも初めてレベルの」


僕の言葉に、全員が苦笑いで答える。


ログインするタイミングがほとんど同じなこのメンバー。レオンにバレないようにするなら、こうやって遠く離れた時でないと


「行きます!」


踏み出す


その瞬間、海龍と僕達の間を切り裂く様に何かが走り抜け、海面を割った


「あのバカ!やりすぎだ!」


海龍の焦った声。同時に感じる膨大な魔力と気配


「我の結界諸共だと?どれだけのマナを集めたというのだ!面倒な」


魔力と気配は感じなくなったが、海龍が何か慌ただしくしている


「仕切り直すにも間が悪い。全員合格だ。倒れるなよ」


海龍の声、そのすぐあと身体が引っ張られる感覚


景色が凄い勢いで変わる


「さて、馬鹿共のせいで邪魔をされたが、あの一撃がなくとも合格だ。これだけ我と殺り合えたのだからな」

「……」

「そこの娘三人が…等と思っているならそれは違う」

「え?」

「いや、違うとも言いきれんが、その三人がしたことはあくまで強化と支援だ。それを受けどう立ち回るのか。それを決め行動するのはお前たち自身。それが出来ていたのだ、悔やむな誇れ」


海龍の言葉は優しく、さとしてくれているようだ



「さて、お前達には何を与えようか」

「与えるものは決まってないんですか?」

「ない。なんなら、レオンに渡してないからな」

「え?」


初耳だ。確かに、レオンからこのダンジョンで得たものの話は聞いたことがなかった


「ちなみに、なにか選択肢とか無いんですか?」

「ふむ。そうだな、我の素材これはまぁ、鱗替えした古い鱗だな。牙もあるぞ。後は、精霊石や聖獣の卵、海竜の卵、スキル書くらいか?」

「詳しく教えてください」


風音が身を乗り出して質問する


精霊石はサイズ大。上級の中でも王級に匹敵する精霊と契約できる。更に、人によっては王級との契約が可能


聖獣の卵、海竜の卵。これはどちらも、使役獣を得る為の卵。海竜は進化することはないが、産まれてすぐからステータスが高い。海以外でも戦うことが可能。

聖獣は、産まれてすぐは弱く、何も出来ないことが普通。成長していく過程で、聖獣自身が主の力になれるよう聖獣の意思で進化していく。神獣に至る可能性もある


スキル書。好きなスキルを一つ獲得できる。特定の条件を満たさないと獲得できないスキルを除き、殆どのスキルを選択可能。

今回のスキル書はレベル?が高い為、選択したスキルはレベル20の状態で獲得できる


「迷うな」

「あ、私達はスキル書でお願いします」


迷うメンバーを横目に、ミオ、カクラ、マイの三人はスキル書を選んだ


「私達使役獣もういるし、精霊も王級いるから…スキル以外これ以上貰っても」


そう言うミオの横で二人は頷いている


「確かに、使役獣沢山いても育てるの大変そうだしね」

「精霊も2体?いたよね」


ミオの話を聞いて納得する


「スキルは何を?」

「えっと、私は」

「「同じく」」


三人は全く同じスキルを選ぶ


「なるほど。それは奴か?」


海龍の問に頷く三人


「レオンに追いつこうとするならこれだろう」

「ん。お兄は一人で行っちゃうから」

「一人にしない為にもね」


三人が獲得したスキルは、一人が持っていればパーティーメンバーにも効果を及ぼし、複数人が持っていれば効果が上乗せされるスキルだった。その為、他のメンバーもそのスキルを選択。

更にこのスキル、オンオフが切り替え可能という優れ物。


クラマス組は精霊石や聖獣の卵を選択。固定メンバーがそのスキルを取ったので、クラマス達は卵を選び、今後の使役可能な機会は他に譲る形にしたようだ



海龍戦で上限が解放され、レベルが上がったステータスを見て、BPやSPの振り方を考えたり、この後の予定を相談していると、ワールドアナウンスが流れる


「なんだと?」


即座に情報を読み取ったのだろう。レヴィアンの声に驚きと困惑が混ざったような響きが聞こえる


そして、声はあげないながらも、ミオ達プレイヤーすら驚く事実が告げられた。



「シズ!今すぐ繋げ!」


瞬間、空間を歪めるほどの魔力が周囲を覆い尽くし、景色が切り替わる


「シズ!これは…お前ではなくレオンの方か」


飛び掛りそうな程の剣幕だったレヴィアンだったが、その横で考え込むレオンを見て、何があったのかを察した


「レオン、シズ説明してくれ」

「ん?あぁ、俺か」


説明を面倒くさがったシズに背中を軽く押され、自分が説明役だと理解する


「説明ってもどうすりゃいい?」

「複雑なのか?」

「いや、何を聞きたいのかは大体わかるんよ。ただ、その話に行き着くのに、どう話せばいいのかわからん事があってだな」


レオンが別の世界から来たのは、解放者のメンバーなら知っている。

更に、クラスメイト達はレオンが死んでこの世界に来たと思い込んでいる。

この辺りの話も正さなければいけないし、最初から憤怒のスキルを持っていたことをどう説明すればいいのか


「……まぁ、いいや。俺が七罪、憤怒、傲慢、強欲、暴食を持ってるのは知ってるよな?それと別に、破天大蛇の破天」

「おう」

「じゃ、なんで同じ七つの厄災なのに、破天だけ名前が違う?」

「え?」

「破天大蛇が七つの厄災で、他の奴と同じなら、破天大蛇から得るスキルって嫉妬になるはずだろ?」

「確かに」

「なのになんで破天?」

「……だから、七つの厄災と大罪は別?」

「そ。シズが俺たちの知る七つの大罪と厄災は別って言ってたんだけど、こっちの七つの厄災が大罪と同じとは言ってないし、俺たちの知る大罪とこっちの大罪が違うとは言ってないんだよ」

「なるほど……」


簡単に情報共有を終え、それぞれのダンジョン攻略の結果を報告。レヴィアンから報酬を貰っていないレオンが、シズと2人から報酬を貰う流れになる


「今更、貴様に何が必要なのだ」

「あれだけ無茶をしておいて、更に無茶を重ねようとするのですか?」


レオンの持つスキルの中で、明確に代償が存在するスキルは無い。


厄災スキル・破天

MPの消費無しに自然現象を操る。ただし、海の上や海中で「噴火」を使おうとすれば、かなりのMPを消費することになる。水のない砂漠地帯で「津波」を起こそうとすれば、同じように莫大なMPを消費する。


大罪スキル・憤怒・強欲・傲慢・暴食

明確な代償はないが、未熟者がこのスキルを扱えば、制御出来ずスキルに操られるがままに暴れるだろう。

暴食は全てを喰らい尽くす

傲慢は全ての生物に挑み、最強を知らしめる

強欲は全ての物を欲し、手に入れる為に壊す

憤怒は全てのものを怒りのままに破壊し尽くす


「レヴィアンからはスキル書にするつもりなんだけど、シズって何くれるの?」

「…スキル書、狼道、特殊スキル剣豪」

「詳しく頼む」

「スキル書は、好きなスキル一つ。狼道は、三魔狼に挑む権利という名のスキル。特殊スキル、剣豪……これは、刀を装備している間VITが半分になる代わり、STRとAGIが1.5倍になるスキル。このスキルは、他のスキルや称号の効果を計算した後に発動する」

「……元が100だとして、色々乗って200になった後に更に1.5?」

「そうなる」

「…………シズからは何個貰える?」

「たつだ」

「え?」

「2つだ」

「狼道と特殊スキルで!」


早かった。ふたつ貰えると聞いた瞬間、レオンは飛びつく程の勢いを見せた


「レオンよ、先に教えておく。狼王達は、レイド、パーティー、ソロの順で攻略することになる。対する敵の順が暁、黄昏、白夜」

「場所はそのスキルが示してくれる。が、気をつけろ。奴らはそのスキルに引き寄せられる」


レヴィアンとシズは真剣な眼差しと声音でレオンに語り掛ける。


2人は語ることが出来ない。三魔狼が元神獣であり、自分達に匹敵する魔物だと言うことを。

それを伝える事は禁止されているから。


気を付ける、それだけ返したレオン達を見送り、レヴィアンとシズは静かに言葉を交わす。


「渡ってしまったな」

「……仕方がなかろう。攻略者には与える使命なのだから」

「なんとも悲しい使命だな」

「哀しいものだね」

「先にハーヴィーの爺様に会える事を願おう」

「そうだね。そう願うとするさ」


瞳を閉じて二人は願う。レオンが三魔狼を殺さず、呪縛から解き放ってくれることを



スキル 狼道

暁光、黄昏、白夜 三体の魔狼への挑戦権であると同時に、魔狼を討つ者、魔狼の天敵でもある。

全ての狼系の魔物が見た情報が魔狼達に共有される。


白狼は動き出した。黒狼は闇に紛れ気を伺い、神狼は座にて時を待つ。





古本屋に眠る手書きの本、其の1ページ


暁光の白狼、黄昏の黒狼、白夜の神狼

三体の魔狼は元は神獣と言われている


彼等が魔狼に堕ちた理由は明確にされていない


しかし、私の推測では、私達人間や他の種族を守るために、その身に瘴気や負の魔力を溜め込んだのでは無いか。


瘴気や負の魔力というのも私の推測でしかないが、元々神獣であった彼等が魔獣と化したのにはそれ相応の理由があるはずだ。


失われた創世記の伝記…その断片には、三体の神狼の記述が微かに残っていた。


きっとそうなのだろう。彼らは神獣であり、我等の守護者だった。


それが今は我等を排除する魔獣。彼等に心があるとするなら、どれだけかなしい事だろう。


故にお願いだ。この話を信じてくれる誰か、力の無い私の代わりに、どうか、彼等を救ってあげて欲しい


              考古学者エリン



「婆ちゃんまたそれ読んでるの?」

「そうだよ。ご先祖さまの大切な品物だからね」

「出鱈目しか書かれてないのに?」

「それでも…なのさ。ほれ、友達が待ってるよ」

「…変なの。ご飯までには帰るよ」

「怪我には気を付けるんだよ」

「「はーーい」」


「漸く、ご先祖さまの願いは叶うかもしれないねぇ」


丁寧な所作でその手記を箱に収める。鍵を掛け、机の引き出しにしまう。その手つきは、ゆっくりと年相応のものでありながら、どこか洗練された優雅さを兼ね備えていた……

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