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異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
64/111

第62話 まさかのダイスロールそして


「サイコロ?」


視界に映る100面ダイス


「え、これ使うのって」


サイコロが勝手に転がる。出た目は


96


「いきなり!?」


レオンの正面に96の数字が浮かび上がり、そこから何かが這い出てくる


「テケリ・リ〜」

「いや、同属!」


漆黒で玉虫色に光る粘液状の何か。一定の形に留まることがない。常に蠢いている。そして、こちらを見詰めているであろう無数の目


「いや、ファンブルにしては優しいけど!倒しちゃっていいの!?」


こっちのレオンとの関わりは無いが、あっちの玲音にとっては恐らく同属。

特に問題はないと思っているが、やりにくい相手なのは確かだ


「絶対トニーより強力な物魔軽減とか持ってる。なんなら無効とか」


まぁ、ある意味スライム系といえなくも無い。


「やるしかないか」


グダグダやっててもキリがない。強敵がいるのはわかってたんだ。覚悟はできてる。


息を大きく吸う


「スゥーーーー」


息をゆっくりと吐きながら、腕に傷をつけて血を流す。

それからいつもの強化魔法を施す。


「シャープエッジ、チャージブレード、透身付与、チャージボルト、ライトニング、ギアボルト、夜天朧月、疾風怒濤、疾風迅雷、電光石火、気炎万丈、水流瀑布、天照日輪、常闇月輪」


天叢雲と霧雨の解放はまだしない。


「倒せるかどうかは、やってみてだな!」


踏み込み。爆発したような音が発生。


レオンの姿はいつの間にか、ショゴスの後ろへ。


そのショゴスの身体には、不自然な空間ができている。


月齢刀術(げつれいとうじゅつ)月蝕(げっしょく)


ショゴスが空間を埋めようと身体を変形させる。

しかし、その空間は一向に埋まる気配はない。


「月齢刀術、月の満ち欠けに応じたアーツを発動可能。月蝕は、斬った相手の一部を欠損させる。その欠損は、失われた訳では無いため修復や代用が不可能。解除方法は日の出か俺を殺すこと」


月齢刀術...光、闇、刀術の複合スキル。月の満ち欠けによって使えるアーツが決まるという、中々扱いが難しいスキル。しかし、夜天朧月の効果中は満月判定になる為、全アーツ使用可能という抜け道。


月蝕...斬った部分を中心に、敵に状態異常・月齢を付与。範囲は相手によるが、斬った跡の端と端を繋いだ範囲が欠損状態になる。


「てか、HP表記無くね?これあれか?時間耐久」


真瞳で見てもショゴスのステータスが表示されない。


「もしくは、他の条件があるのか...」



思考しながらも、動きを止めない。

迫る触手を躱し、避けれないものは魔力を纏わせた刀で弾く。


ショゴスは身体に空いた不自然な穴に意識を持っていかれてる。そろそろ俺に集中してもらおうか。


「抜刀」


納刀している時間に比例して強化するバフ、チャージブレイドとチャージボルト。


チャージブレイドはその性質上、精霊の宿る赤椿にしか作用しない。今まで、チャージボルトとブレイドを重ねがけしたことは無い。


しかし、今回は未知の敵にソロということもあり、重ねがけをすることを選んだ。


「雷公鳴動」


抜刀された赤椿。その刀身は魔力で強化され、総長約150cm。野太刀や背負い刀と呼ばれる長さ。


そして、それを持つレオンにも変化があった。

手足を延長するように覆う雷の鎧。

胴や頭に鎧は広がっていないが、青い線が心臓から広がるように全身へ伸びているのが見える。


「タイムリミットは無し。雷公レオン参る」


空間を縦横無尽に駆け巡る雷光。触手が先回りしても焼き斬られ、防御の為に触手を束ねても纏めて斬り落とす。


レオンの予想通り、ショゴスには物魔無効のスキルが備わっている。しかし、それはあくまで格下に対するもの。レオンのように格上、あるいはスキルが最上位になっている者には大した効果にならない。



レオンが優位に立ち回り始めてどれくらい経ったのか。

ここにそれを計測しているものはいない。

戦っている本人ですら正確な時間は把握出来ていないだろう。

何せ、今のレオンは通常の数倍の知覚能力を有している。

一瞬で切り替わる景色。そして入れ替わる情報。それらを処理する為、レオンの脳は全力で稼働している。

普通の人間であれば5秒と持たないだろう。


それをレオンはどれくらい続けているのだろう。



「やはり貴様は化け物だな」

「オリジナル?それにしたって...」

「何あれ?同じプレイヤーなの?」

「何回振るった?」

「レベルが違いすぎる...」


レオンが戦っている天城。その光景を別の場所から眺めるのは、彼の仲間達。

太古の海龍が住まう海底ダンジョン。その最奥にて、彼等はその光景を見ていた。


仲間達も驚いているが、レヴィアンも驚いている。なにせ、そんな期間が空いていないにも関わらず、ここまでの成長を見せているのだ。


「レオンは恐らく、雷属性に最も適性があるのだろう。だからこそ、あそこまで雷の扱いが上手く、その属性の技ばかり進化していく」


迅雷の発展型、疾風迅雷とカザミノタチ。その身を雷の速度で操る技だが、この二つはまだ一瞬の間だ。

更に発展させたのが韋駄天、電光石火。

韋駄天は若干違う系統だが、先の二つより長い間その属性を纏う。

そして、最終系とも言えるのが、雷帝抜刀轟くは願い、雷公鳴動だ。

先のものより強力な雷を纏い敵を斬るのが雷帝抜刀。出力は雷帝抜刀には及ばないものの、継戦能力だけで言えば最強の雷公鳴動。


レオンが雷系統を使うのは、かっこいいからという理由と扱いやすいという、ふたつの理由がある。


かっこいい、それは置いといて、何故使いやすいのか。それは、他の属性に比べて自身の身体に直接作用するから。


炎系統で加速しようとすると、爆風や空気の膨張による加速。

水系統も水の噴射や水流に乗った加速。

風系統は追い風や空気抵抗を抑えることによる加速。


しかし、雷系統は直接肉体に影響させることが出来る。人間の身体は、動かすにあたって電気信号を用いる。本来は微弱な電気。しかし、それより強力な電気を常時流していれば、普段より早く身体を動すことが出来る。



「さて、そろそろ条件も満たしただろう。本番だが、見ておくか?」


レヴィアンが問いかける。


ミオやカイドウ達がいるのは、もちろん海底ダンジョン、その最奥。


レオンが太古の海龍と戦った広間だ。


いきなりそこに転移させられたと思ったら、ボスと一緒にレオンを観戦することになった。


「レオンが頑張ってるので、私も頑張ります」

「それに、あんまり手の内見るのもフェアじゃない」

「そうだな!きっと勝つんだろう?」

「だったら、信じて待つ!」

「こっちも勝ったよって、報告したいもんな!」


バフを掛けながら準備する彼等の言葉に、レヴィアンは満足したように牙を見せる。


レオンを天城へ誘った時と同じ笑みだ。


「いいだろう挑戦者たちよ。お前達には特別だ。この私を倒してみろ!」


天に向かってレヴィアンが吼えると、広間に水が流れ込む。それはあっという間に広間を埋めつくし、景色を一変させる。


「結海アトラント」


見渡す限り続く海。足元を見れば、謎の遺跡が見える。

それは、先程までいた海底ダンジョンとは別のよう


広間にいたはずなのに、壁も床もない。見上げれば、その先にも続く海。


「ここが私が全力を出すことを許可された領域。アトラント。さぁ、行くぞ」


その巨体で突進。海流を操作することで、その勢いでプレイヤー達を揺らす。


「シールドキャバリエ!」


その突進を真っ向からベルリンが受ける。


海中だと言うのに、足はちゃんと踏ん張りがきく。しかし、波の揺れは感じる。不思議な感覚だろう。


「気合い入れてけ!」


ベルリンの叫びと共に、攻撃を仕掛けていく。




「いい加減終わっとけ!」


鞘に収めた赤椿から、一段と強力な雷が迸る。


「雷帝抜刀・轟くは願い」


ショゴスを真っ二つに両断。あまりの高電圧で、斬られた箇所は焼けている。


それでも動き続けるショゴス。しかし、レオンの視界には条件達成の文字。ログを確認すれば、確かに条件達成と表示されている。


「...雷公はこのままだな。次がどうなるかわからん」


未だ変化のない空間。ショゴスも消えていない。どころか、焼き斬れていた箇所が治って、元の姿に戻っている。

月蝕で開けた穴も元に戻っている。


「どうすりゃいいんだよ」


再度刀を構え直し、踏み込もうとした瞬間


「戸は開き、門は開く」


レオンの目の前に扉が現れ、吸い込まれていく。


「は?ちょ、ま」


問答無用で吸い込まれ、レオンが消えるとまた扉は閉じる。



サイコロの音が再び聞こえた

古戦場も無事に終わり、次の属性が発表されましたね。

次の古戦場までにニーアとシスをある程度まで育てておきたいですね。


さて、作中でレオンが使う技の解説的なのありましたが、なんちゃって感満載です。

作者的に、雷系統での加速が一番身体に影響すると思ってます。

某暗殺一家のキル○とか、ワールド何ちゃらの韋駄天なんかがまさしくそうですよね


後数話で、次のイベント回に進めると思うんですが、長くできるといいなぁ

それではまた次回

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