第61話 初日そしていきなり強敵?
新年最初の投稿です
夏休み初日。朝起きて、モーニングルーティーンを済ませたら、4人揃ってリビングで課題を始める。
4人とも成績は良いので、あっという間に今日の分が終わり、お昼ご飯の時間に。
夏は食欲が落ちたり、冷たいものが食べたくなったりする季節だ。
そういう時は手軽に済ませる。
冷やし茶漬けや素麺なんかが楽だろう。
今日は準備の楽な素麺。6人分を茹でて盛り付け。茹でてる間に細葱や生姜といった薬味の用意。白米としらすも用意して今日の昼ごはんの出来上がり。
前から夏定番の昼ご飯。焼き鮭や味噌汁も付け足せば、立派な晩御飯にもなる。最高のメニューだ
昼食が終わったら、少し時間を置いてゲームにログイン。
次回イベント情報が告知されたので、情報を確認しつつ、クランメンバーと対策を立てる。
「次のイベント、全プレイヤー協力型だっけ?」
「だな。迷宮踏破イベ」
「迷宮…全プレイヤー協力って、かなり大規模だな」
「超複雑な迷宮なのか、謎解きが難しいのか、敵が強いのか…まぁいくつか考えられるが、今はこの参加条件に関する対策だよ」
全プレイヤー協力型 表も裏も関係ありません。全員協力して踏破を目指せ!カニバルラビリンス
プレイヤー参加条件.インベントリ内のアイテム一つのみ持ち込み
参加報酬.BPとSP15
成功報酬.BPとSP50、精霊契約の石(中)
成功条件.プレイヤーの誰か一人が迷宮を踏破すること
失敗条件.全プレイヤーが死亡し踏破できない又はプレイヤー同士のキルが起きた場合
ペナルティ対象.故意に他プレイヤーに攻撃をした場合、成功した時でも報酬は無しになる
イベント内容補足説明.
迷宮に出現する魔物はドロップ品として、特定スキルのレベルをあげるアイテムや多くの素材を落とします。これらは、イベント終了後各プレイヤーに送られます。中には低確率ドロップ品やオンリーワンなドロップ品もあります
このイベント期間中は、迷宮内で倒した魔物の経験値は獲得できません。イベント終了後各プレイヤー毎計測し、経験値を付与します
出現する魔物のレベルは最低で100、最高で200となっています。特殊能力を持つ魔物も出現するので、協力して頑張ってください
迷宮イベント制限時間は24時間
プレイヤーは一度しか死に戻りできません。二度目はありません
開始日は現実2週間後の土曜日12時に開始となります
「読んだ感じは、敵が強いのと複雑ってことか」
「謎解きどうこうは表記ないしな。まぁある可能性も捨てきれないが」
「そんなことよりアイテムの持ち込みでしょ?」
「それも厄介だよな。一人一つまでって」
「何持ってくのが正解なのかね?」
「生産職は自分の道具じゃね?数人で協力してセット1式持ち込んだり」
「いや、迷宮内で他人にアイテム譲渡出来るかわからんぞ?」
「そこはもう問い合わせた。可能って返事が来たぞ」
「おやっさんじゃん。聞いたって、何持ってくの?」
イベントについて話していると、地下からおやっさんがやってきた。
「俺が持ってくのは鍛冶道具だな。セット1式持ってけるそうだから、他のやつも数人は持っていく。その他は、炉を作る為の素材や迷宮内で生産する為の素材だな」
「道具セット1式持ってけるのいいな」
「確認してよかったぜ。料理系の奴が数人で協力して食材持ち込む話もしてたからな」
「美味い飯食えるのは助かるな」
「今になって携帯食料とか餓死とか嫌だしね」
「関係ないけど、レオンって空腹度どうなの?」
「ん?ちゃんとあるし影響もあるよ?まぁ俺の場合ちょっと特殊っぽい」
「特殊?」
少し自分の種族の話になり、クラメンなので多少は情報公開する
「種族が吸血鬼だもんで、普通の食事でもいいんだけど血を飲んでも空腹度回復すんの。ちなみに飲む血は倒した魔物やプレイヤーのでも可能。空腹度の回復具合は特に差はないかな?若干血の方が多いかも?くらい」
「へぇー」
「ニンニクとか銀食器とかどうなの?」
「別に影響はないかな。この世界の吸血鬼って弱点らしい弱点ないんだよね」
レベルが上がったことで閲覧できるようになった吸血鬼関連の情報。現状レオンしか知ることの出来ない情報だが、割と公開しても問題ないものばかりだった。
例えば、吸血鬼の食事に関する情報や弱点等がそうだ。
逆に公開できない情報として、吸血鬼が神の眷属でないこと、禁呪の上に封印指定の術があること、吸血鬼族の最後と影響だ。
神の眷属でないことは、先日ダンジョンの攻略の際いたメンバーは、説明があって知っているが、これは公開していない。
禁呪の上の封印指定だが、実は使えるようになってはいる。何故封印指定にされたのか、その理由が超広範囲に及ぶ効果と使用者の超強化。
使用者への負荷もあったが、厄災を葬る力があるのだ。
吸血鬼族の最後と影響についてだが、これらは若干封印指定の術に関係している。
「なら、レオンは何持ってくの?」
「俺なぁ…月影かなぁ」
恐らく、天叢雲剣、八咫鏡、八尺瓊勾玉はアクセサリーとして装備しているので、問題なく持って行けるだろう。
霧雨と赤椿はメイン装備なので問題無し。なら、予備武器として、斬撃が効かないタイプの敵用に打撃系の月影だろう。
「あーまぁそうなるか。レオンなら回復薬系いらないもんな」
「そりゃそこまでスキルレベル高いならそうだろな」
「今後また第二回イベントみたいなのあったら大変だろうな」
「こいつとは敵対したくないよなぁ」
レオンを倒すには自動回復が追いつかない速度で攻撃を命中させる必要がある。しかし、レオンの攻撃によって血印を付与されると、それによって回復される。
レオンの多種多様な攻撃や防御を掻い潜り、自動回復の追いつかない速度で攻撃を当てるのは至難の業だろう。
それが、幾ら人数有利であったとしても。
「まぁでも今回は味方だし」
「だなぁ。てか、俺ら何持ってく?」
「生産職達が素材とか上手くわけて持ってくなら、俺らも予備武器か?」
「そうだなぁ。生産職には着いたら回復薬優先させればいいもんな」
「まぁ薬の方が簡単に出来るからな。鍛治はちと時間が掛かる。鍛冶師が総動員したとしても、全プレイヤーの予備武器を揃えるのは時間掛かるしなぁ」
「あ、そうだ。リックいる?」
「なんやぁ!」
ふと思い出した用に呼ぶと、声が遠くから聞こえる。
「どこから?」
「呼んだ?」
「呼んだ。どこにいたの?」
「訓練場。窓開いてたから聴こえた」
「そうね。その窓から入ってきたもんね」
返事が聞こえたと思ったら、後ろの窓に掴まっていた。
「このイベ、裏の奴どういう反応?」
「精霊契約の石があるから、一応協力するつもりはあるらしいで?ただ、表立って活動したくないってんで、ウチを仲介にウチらに従う方針やな」
ジャックのクラマスであるリックを仲介に解放者に従うということか
「ま、手伝ってくれるならなんでもいいわ」
「こっちの情報収集兼ねてるだろうに」
「別に知られても問題無いし?」
「知られたくない情報とかあんの?」
「別にないなぁ」
嘘である。スキルに関して言えば、その殆どが知られたくない情報だ。なにせ、正統進化ではないスキルを所持しているのだから。
「...レオンお前さ、真眼で見抜けないステータスって何」
「偽装してるとかじゃなくて、妨害されましたってログ出るんだけど」
「...」
スっと視線を逸らす。
「おい、お前今絶対偽装と隠蔽弄ったろ。急に見えるようになったぞ」
「触れないで」
普通のスキルに関しては情報公開しているが、していないものが多すぎる。ミオやカクラ、マイですら知らないのだ。まだ知られる訳にはいかない。
「闘神の情報だけで勘弁して」
唯一公開したのが闘神のスキル。進化条件は不明だが、アーツなんかは公開した。
掲示板が騒がしかったのを覚えているし、面倒なやつがホームに来た。
「ま、いいや。詮索しすぎもマナー違反だし。そんなことよりレベリング行くかぁ」
「そうだな。何処行く?」
「ダンジョンは込み合ってるしなぁ」
今見付かっているダンジョンは2つだけ。正確には4つなのだが、一つは海の底、もう一つは先日レオン達が攻略して消えてしまった。なので、魔の森にあるダンジョンと転国北側ホクトの街付近のダンジョンなのだが
「ホクトはレベル低いし、魔の森は人が多すぎ」
「地下都市周辺も遭遇率落ちてるしなぁ」
そう話す面々の視線はレオンに集まっている。
何とかしろ、なんかあるだろ?、教えろよォ、的な視線だ
「ねぇよ。知らねぇ。てか、ドワーフの地上都市の先を攻略すればいいだろ」
「そっちはあれだ。獣人系に進化したプレイヤーが獣国目指して頑張ってるし、魔法連盟の奴らが必死に後衛だけで魔法都市目指してるから、邪魔するのもあれかなって」
「ふーん」
現状、プレイヤーが進化できる種族は獣人のみ。
犬、猫、鳥、牛、馬、兎、狼、蛇、魚
まぁ割と種類は選べるんだが、選択肢は人族のままか獣人を選ぶか。
その獣人も、進化先の情報もなく、資料に残る神獣人という種族になる為の情報もない。そんな時に獣国の情報だ。そりゃ躍起なって攻略に向かうだろう。
「ウチの奴も行ってんの?」
「まぁそこそこ行ってるな。行ってないのは、特殊条件進化してる奴だけ」
進化先が一般と違うと検証班調べでわかったのが、
狼系でハウンドとウルフ
馬系で黒馬と白馬
魚系で鮫と魚人
進化条件に関しては、情報屋が有料で扱っているらしいが、かなり吹っかけている。
なにせ、検証班も情報屋もウチの提携だし。情報集めに協力したのもウチなのだから、多少高くするに決まってる。
種族情報で言うなら、天使族は進化条件が未だに不明だが、吸血鬼族は下位種族への進化方法は判明している。小人族も不明だが。
吸血鬼族の下位種族名は下位血鬼。
この下位というのは、吸血鬼族に半分なっているもののことを指す。上位になり、血操術の扱いを覚えてようやく吸血鬼族になれる。
では、どうやって下位種になるかだが、それはレオンに血を吸われることだ。
双方同意の元吸血が行われると、吸血鬼族じゃない人族は下位血鬼族へ進化できる。
この情報は、レオンとミオ、カクラ、マイそして、同盟クラン各マスターと副マスター。情報屋と検証班のマスターとその補佐しか知らない。
今あげたメンバーは、誰も下位血鬼になることを選ばなかった。
「あーそうだ。ライブラリと文集に同盟の話送った?」
「あ、はい。タイミングを見計らって加入するそうです」
「了解。リック、何人か周囲につけてあげて。他が狙うかもしれん」
「言うと思って、もう回してる」
検証班で1番大きいのがライブラリ。
情報屋で1番広く活動しているのが文集。
そのどちらも優秀なプレイヤーを多く抱えており、複数の同盟から勧誘を受けている。
全て断っているそうだが、恨みも買っていそうなので、護衛をつけておく。
「ま、戦闘職も在籍してるから余程のことがない限り平気よ」
「そんなことより、レベリングに良い狩場はないのか」
「レベリングはいいけど、レベル上限解放されてんの?一応上限超えた経験値は余剰分としてストックされてるけど、勿体無いぞ?」
レオンはあっという間にレベル100の上限を解放して、次の上限である150に到達してしまったが、他のプレイヤー達はまだ解放できていない。
そもそも、解放条件が不明なのだ。
「EXダンジョンへの挑戦って出てる」
「俺も」
「私もです」
「俺もやな」
なんだ情報あるんか
「っても、EXダンジョン見つかってないじゃん」
「いや、お前が見つけたのあるやろ」
「...いけるかな...行くか?」
「「行く」」
解放者のレベルキャップ到達組で、以前レオンが攻略したダンジョンに向かうことになった。
「それで、ここまで来たはいいけど、どうやって君ら潜水するの?」
「え?」
「いや、ダンジョン海底だよ?方法もなしに行けるわけないじゃん?」
「レオンはどうやって?」
「アトラルカ」
「...なんでもありかよ循環を司る精霊」
そして、数分の議論の後、ある方法を試すことに。
「届くかなぁ...時間も大丈夫かなぁ」
レオンが脇構えで持っている大太刀は、黒く鈍い輝きを放っている。
色々と考えていたが、息を整え、意識を集中させる。
「抜刀」
刀身に魔力を行き渡らせ、頭上まで振り上げ
「システムリロード・リミットブレイク」
内蔵されている魔力カートリッジが物凄い勢いで排出。
3つ目のカートリッジが排出され、変化が現れる。
空間が歪むほどの魔力の高まり。
「山海破断天狼爪牙」
振りあげたとき伸びた、ダンジョンまでの道標
それを辿るように、解き放たれた斬撃と魔力が海を割り、空間を捻じ曲げて道を作る。
「あ、やっばい死ぬ」
「エスクトラヒール」
アミューが咄嗟に回復魔法をかけたおかげでなんとかなる。
「反動あるなこれ。先行ってて」
振り下ろし、大太刀が地面に埋まった姿勢のまま、レオンがそう告げる。
「入口で待ってる」
レオンが作った道を進んで行く。と言っても、水深はそこそこあるので、若干飛び降りる形にはなったが。
「さてと」
反動も抜け、動けるようになった。装備を赤椿と霧雨に戻す。
そして、先程から感じていた気配に向けて声を掛ける。
「もう出てきたら?」
その言葉に反応するように、海の一部が迫り上がる。
「何者かと思えば、貴様かレオン」
「久しぶりだなレヴィアン」
海から出てきたのは、海底ダンジョンの主、太古の海龍
「こんな真似をせずとも来れただろうに」
「いや、他にも人居たし」
「そうか。次からはこういった方法はやめてくれ。海が荒れる」
「それはすまん」
海を見れば、高濃度の魔力によって歪んでいた空間が、元に戻っていく。
レヴィアンに魔力が吸われているのか?
「そういえば、アイツらダンジョンに着いた?」
「問題ない。だから海を戻したのだ」
「そらそうか」
丁度、ミオからパーティーチャットでダンジョンに着いたことと海が元に戻ったが大丈夫か?と連絡があった。
「俺もダンジョン行くけど、攻略したヤツがいるとダメみたいなルールある?」
「来るのか?いや、問題ないが勿体無いぞ」
「なにが?」
「聞くが、もう1つのEXダンジョンに興味はあるか?」
「ある」
そう答えると、頭上に何かが有るように感じ、見上げてみれば
「おいこれなんだ」
「太古の天龍が住まう、天城への扉だ。我ら太古の種族に認められし者にしか開かぬ。挑戦者よ、覚悟はできているか?」
牙を剥き出しに獰猛に笑う海龍。
「決まってんだろ」
それに応えるレオンもまた、獰猛に笑う。その姿はまるで、獲物を見つけた肉食獣。
「ならば潜れ!そこから先、命の保証はしないがな」
扉が開いていく。向こう側の光が溢れ出したり、開く音がする訳でもない。無音のまま開き、現れたのは、黒。真っ黒な空間。
踏み込むのを躊躇いたくなるようなソコへ、レオンはなんの躊躇いもなく踏み込む。
レオンの姿が見えなくなると扉が閉じる。閉じる扉に合わせるように、サイコロの転がる音が聞こえた気がした。
前書きで言った通り、新年最初の更新です。まぁ、特に変わったネタとかはないんですけど。
レオン達は夏休み期間ですし?
さて、新年あけましておめでとうございます。この作品を読んでくださる皆様、今年も本作をよろしくお願いします。
更新頻度はもう少しどうにかする努力をします!
今週は待ってください!古戦場から逃げるわけにはいかないので! と言いつつ、怪我で仕事を休んでいるのでそれなりに更新できると思います。一応書溜めあるので
長ったらしいのは終わりにしましょう。ではまた次回!




