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異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
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第58話 成長限界そして謝礼

「この後ってのは俺らのことか」

「どうしましょうか?私は…国に戻りたくないですね」

「ウォン」

「そうだなぁ。今更戻るのもな」


各々、自分の生まれ故郷に戻るつもりは無いと


「なら、うちのクランハウス来るか?生産職が使う鍛冶場あるし、神獣が駆け回っても大丈夫な広さもある。アリナは…何が良い?」

「私?そうね……景色は良い?」

「…悪くは無いと思う」

「いいわ。お世話になります」

「よろしく頼むな」

「ウォン」


そういうことになり、一旦クランハウスへ戻る。


「レオン、そろそろいいですか?」

「ん?あぁ城に送るよ」


その後、巫女姫と宰相を城へと送る。

別れ際に、ドワーフの王から連絡があったので会う約束を取り付けたと言われた。


「さてどうするよ。続ける?」


レオンの質問は、経験値稼ぎどうする?という話だ。

レオンのレベルは100を超えた。

他のプレイヤーも100に届いていないが、もうそろそろ届くだろう。


「どうする?時間は…まだ余ってるな」

「まぁでも、現実の方は3時頃よ」

「朝って何時?」

「9時には登校、10時から終業式、11時には各クラスで休み期間中の宿題やらを渡されて、終わり次第解散」

「あと5時間はあるのか…」


こっちの世界で10時間。ダンジョンは


「あ、そうだ。広場に出てきたの倒してねぇや」

「そうじゃん」

「やりいく?」

「いく」


という事で、揃って転移。広場の手間に到着。広場に魔物がいるのを確認して


「いくか」


バフを掛け直して侵入。瞬く間に殲滅していく。


相手が格上と言っても知性の無い魔物。数がいればいいというものでは無い。何せあのレオンがいる。

稼ぎすぎたレオンは今回は後方支援に回っている。

血刀や血盾、血剣、血矢等が魔物の動きを妨害。

圧倒的物量で押し潰す事ができないのであれば、ここにいるメンツが負けることは無い。


「俺の援護はもう要らねぇな」


大量の魔物と言ってもたかがしれてる


レオンによる妨害

ミオの的確な援護と超精密狙撃による撃破

カクラの1人で遊撃隊になる火力と攻撃範囲

マイの結界によるバフと魔物に対するデバフ

シェン、カイドウの高火力、広範囲攻撃

ベルリンの的確なヘイト管理に絶妙な割り込み

前衛を支えるアミューの支援

風音、リックによる敵陣の攪乱

クヌギ達はパーティーで固まって対処


レオン達と違ってまだ普通のプレイヤーだから

と言ってもレオン達と比べるとであって、普通のプレイヤーからすればそこそこ異常だ


ここにいる全員がレオンの使う瞬攻を習得してる。攻撃の出が速い為、防御に気を割く必要があまり無い。ほとんどがカウンター戦法になっていたりする


「瞬攻、断頭」


最後の一体がベルリンのパリィで体勢を崩し、カイドウがその大剣で首を落とす


「よし!100到達」


周りの反応的に、全員到達したかな?

俺の方……も?


「レオンどうしたの?」

「いや、なんこれ」


ミオに自身のレベルを見せる


「え、もう150?」


そう。ついさっき100になったと思ったら、もう150になっている。

ログの表記にもレベル成長限界に達したと表示されている。


「狩りを始める前で92、その後の大群相手で97、ゴーレムヘルム倒して121、あ、メイドゴーレム捕縛で経験値入って150。え、あのメイドそんなに経験値あったの?」


1人で倒したゴーレムヘルムで30近くレベルが上がり、30体近いメイドの捕縛で同じくらい。つまり、メイドゴーレムの総レベルはヘルムと同じ?

いや、でも今の戦闘の経験値もあるから正確じゃないかもだな


「まぁ、いいや。後でポイント振ろ」


1人飛び抜けたレベルとステータスになっているのだが、本人はもう気にするのをやめたらしい。

バランスがどうとか言っていたレオンは死んだのだ


「おーいレオン!準備のこととか考えるといい時間だから終わるぞー」


皆はクランホームに戻っているようだ。俺達も帰るかぁ


「はいよー!ミオ、行くぞ」


ミオの手を取りクランホームに転移する


各々一旦別れを告げてログアウト。参加していたほとんどのメンバーが現実で会うからな。


「ごめん。先にログアウトしてて、ちょっと用事あるから」


しかし、レオンだけはログアウトしないで、どこかへ転移して行った。



「さてと、ドワーフ王は居るか?」

「なぁ、レオン。来るなら連絡くれよ」


唐突に現れたレオンに呆れた目を向けるワルドワ


「まぁいい。王は暇してる。着いてこい」


ワルドワに案内されて通されたのは、王の間。

ここは一応、しっかりと応接が出来るように整えられている


「レオンが参りました」


すぐに扉が開き中に通される


「すまなかったレオン殿」


入って最初にドワーフ王の土下座。まぁ許さないけど


「私からも、すまなかっ」

「ワルドワは謝らなくていい。お前は立派に役目を果たしていただろう?あぁ、他の大臣?も謝る必要は無い。俺達の要望に素早く答えてくれたからな」

「王も多少は」

「それは、おやっさんが帰って、お前たちから緊急事態だと言われたからだろう?それまでずっと鍛冶場に引き篭っていたんだ。国を治める者としてどうなんだ?」


ワルドワとルツがいたおかげで、俺からの情報が素早く伝達された。

念の為と備えてくれた天照王国。

騎士団も魔物が都市に近付かないように巡回を強化していた

俺達プレイヤーも、自分達の利益に繋がるからと全力で討伐していた


各々で判断し、対処出来る者が揃っていたからこそ被害は無かった。しかし、俺達もプレイヤーもいなかったら迅速な対応が出来ず、最悪地下都市が滅んでいたのかもしれない。


「ま、今回はもういいよ。んで、俺を呼んだ理由は?」


とりあえず話を進めさせる。


「レオン殿を呼んだのは、今回のことに関する謝礼の為だ」

「俺個人にだけか?」

「…いや、本件に関わってくれた異界人全てにだ。代表としてレオン殿に伝えようと」

「なるほどな。それで?」

「あぁ。謝礼の内容は、ドワーフの地上都市の先にある国の情報と地上、地下周辺の遭遇率の低い魔物の情報。それと、武具の魔装化の秘術の伝授だ」

「ほぉう」


プレイヤーにとってありがたい情報ばかりだ


「ドワーフの地上都市周辺には4つの国がある。一つ天照王国、二つ海国、三つ獣国、四つ魔法都市」

「海国と近いのか?」

「天照王国からは、ポータルの移動だと思うが、地上都市からなら定期船が出ている。距離的には往復三日ほどだ」

「そこそこだな」


往復三日。行くのに一日と半日。拘束時間が長く、船上や海上での戦闘は難易度が高い。正直に言うなら、海路を選ぶ利点が無い。海上護衛のクエストなんかもあるだろうが、それ以外はポータル移動が正解か?


「他の国だが、獣国はまぁ獣人系の国だろ?魔法都市は国なのか?」

「獣国はその認識で間違いない。獣人以外も居るがな。で、魔法都市が国扱いなのは、ウチと似た理由だ。国とする程のものでもないが、その保有する戦力や財力を鑑みた結果、国と同等の扱いをすることになったそうだ。ウチは地上と地下の都市とその技術力を買われた結果だ」


魔法研究が一番盛んだとするなら、戦争に利用される魔法陣や魔術式の効率化や簡略化なんかもしてるだろう。そりゃ確かに厄介だ。


さらに財力。これは恐らく、研究成果をある程度劣化させた情報を売ってるからだろう。お金はどんな国でも必要になるからな。


「なるほど。で最後だ」

「魔装化。これは分かりやすく言うなら、全身に魔力を纏う事だ。聞いた話によれば、レオン殿はこれに近しいことをやっているそうだ。ワルドワ」

「はい」


王がワルドワに手本を見せるように促す。

即座に反応し、ワルドワが魔装する


「魔装ガイア」


いつも帯剣していたそれを、胸の前で止める。

武器の名前を呟くと、全身を魔力が覆い、武器が一回り、いや普通の直剣から大剣サイズにまで変化したように見える


「…それが魔装化」

「武具に秘められた魔力を解放。本来の力を発揮させる方法だ」

「俺の魔装ガイアは攻防一体型。攻守ともに底上げしてくれる代物だ」

「その魔装ってのは、条件とかあるのか?」

「魔装が出来る武具は、鍛冶師が鍛えたものでなきゃいかん。少なくとも、お主の赤椿レベルの武具でないとな」


赤椿レベルの武具でないといけない……つまり、赤椿ならいける?話を聞いて、目の前で実践されたからだろう。ログに魔装化のスキルが表示され、それをそのまま取得する。スキルレベルはないようだ


「魔装赤椿」


気になったら試してみるのがレオン流……いや、ただ試したかっただけだな。その場で


しかし、赤椿に変化は訪れない。自分の身体を魔力が覆っているわけでもない


「失敗か?」


そう思ったが、ワルドワと王が待ったをかける


「待て」

「レオン今すぐ魔装を解除しろ。ワードは普通に解除でいい」

「?解除」


すると、魔力が霧散したような感覚を覚える


「なんだ?」

「お前、今ので何も感じなかったのか?」

「いや?魔力が霧散したような気はした」

「つまり、解除されたことで魔力が霧散したことはわかったんだな?」

「おう」

「よしわかった。お前のその武器の魔装、恐らくそれは、魔力による斬撃能力の拡張だ」


ワルドワがレオンに変化がなかったかを確認。その答えを聞いて、ドワーフの王がレオンの魔装についての考えを話す


「お前さんのそれは、精霊の宿る精霊武器。武具精霊ってのは、武器の真価を発揮する精霊だ。つまり、本来魔装で強化する能力を既に強化してる状態だ。だから、魔装は他を強化しようとした。その結果が斬撃能力の拡張。お前さん、割と広範囲をぶった斬るだろ?他には、一度に大量の魔物相手にしたりとか。だから、その刀はレオンの戦闘に特化した強化を選んだ。更に広い範囲をぶった斬り、更に大量の魔物を相手に出来るよう。魔装ってのは、武器に宿る意思が使い手に応えた結果起きる現象だ」


アカバネとは別。赤椿という刀に宿る意思がレオンに応えた結果の魔装


「斬撃能力の拡張…さっき振ってたらどうなってる」

「……恐らくだが、床にそこそこの刀傷が出来る。試すなよ」


止められた。やってみたかったんだけどなぁ…どのくらいの傷になるのかみたい


「確認だが、武器に意思が宿ってるとしたら、大切に扱わないと応えてくれないってことだよな?」

「いや、一概にそうとも言えん。例えば、怨念を込めて鍛えた武器が、丁寧に扱われて応えるか?違うだろ?そういう武器は、そういう為に使う者に応える」

「武器の生い立ちも影響すんのか」

「使い手云々も大事だがな。それで、どうだろうか?謝礼としては足りるか?」

「……十分だろ。倒した魔物の素材で稼げてるだろうしな」

「わかった。では、レオン殿に依頼を出す。今の話を、本件に関わってくれた異界人に伝えて欲しい。報酬は我が国に保管されていた謎の巻物」

「……受ける」


報酬はともかく、今の情報はすぐさま伝えるべきだろう。てかもう共有した


「謎の巻物って?」

「本当に謎なのだ。アレをここに」


王の指示で何人かが取りに行った。

その間にもう少し話を聞く。

曰く、古くからある巻物

曰く、ドワーフの誰も開くことすらできない

曰く、そこに書かれているのは究極の技術

曰く、宝物の地図

曰く、ただの日記


「憶測ばっかじゃねぇか」

「仕方ないだろう。誰も見れぬ以上、憶測で中を推察するしかないのだ」


戻ってきた者の手には、箱に収められた古い巻物


「……」


手に取ろうとして、レオンは躊躇う


「これ、いいものじゃないだろ」


本能的にコレが安全じゃないことを悟る


「この箱を今すぐ下に置け。その後全員距離を取れ」


レオンの指示に素直に従った、恐らく文官のドワーフ。王を守るように騎士も配置についた。ならば


「ご開帳…」


レオンはそれを手に取り、開こうとして


視界が暗転する


「レオン!」

「レオン殿!」

「王様は近付かないで!まだ危険があるかもしれない!」


王とワルドワの心配する声と飛び出そうとした王を止める騎士達の声が聞こえ、レオンの意識は途絶えた

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