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異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
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第52話 発生源そして門の破壊

踏み込むと同時、地面すれすれを進み、敵の足元を抜ける。


「月影、柏手、一拳」


少し開けた場所に出ると、跳ね上がるように身を起こし武器を換装。月影を装備し、アーツを起動する。


「双葉、三輪、四道、五つ星、六貫、七輪、八天、九里、十重・百憐」


近くの敵から手当り次第殴り倒す。


アーツ1つで一体。

勢い良く吹き飛ばされた死体が当たって瀕死になる魔物も。


「双重・白蓮」


もう一巡繰り返し、双重を舞う。


二巡目は威力が倍になる。その影響で、余波で死ぬ個体も出た。


魔物達の数は減っては増えていく。

反撃もしてきているが、レオンの自動回復のせいでダメージにすらならない。


「もっと来いよ!」


レオンの四肢を漆黒の鎧が覆い、その場の魔力がレオンに集まっていく。


「闘法・武神魔宴」


レオンの腕の横、魔力で形成された何かの腕が現れる。


レオンが拳を振るうと、魔力の拳が少し離れた位置の敵を屠る。


一撃で三体の魔物を屠る拳は、宴ではしゃぐ武神。魔力という新たな力を得て、武神がその猛威を振るう。


レオンが注目を集めているのを横目に、凛、玲奈、リックは一体一体確実に仕留めていく。


魔物達は三人に気付かない。レオンに集まる魔力やレオン自身の魔力量、殺気等の要因も相まって、目をそらすことが出来ない。


「月影・第三機構解放」


漆黒の鎧がレオンの全身を覆い尽くし、レオンの顔を覆う装甲は狼の様な形になる。


「機構・黒狼月影(こくろうつきかげ)


全長2メートルの漆黒の狼。鎧に覆われているとは思えない程の柔軟性を持ち、爪は魔物を紙のように切り裂く。

体当たりするだけで複数の切り傷をつけ、尾が当たった箇所には深い切り傷。

まるで全身が刃物になったようだ。


「何あれ凶暴すぎ」

「確かアレ、魔力で形成されてるんだっけ?」

「凄いですねアレ。縦横無尽に駆け回ってますよ」


地面だけでなく、壁や天井、魔物や門をも足場に駆け回るレオン。遂には空中を踏み締めるようになった。


その数分後にレオンは元の姿に戻る。しかし、


「いってぇぇぇぇぇぇぇ!」


なんか凄い叫びながら元に戻った。


「クソ!身体いてぇ!なんだこれ?筋肉痛?はぁ!?一週間治療不可!?」


その叫びに、三人は納得顔になる。


「そら人じゃできない動きやったし?」

「レオン人じゃないけど、アレは流石に」

「いいこと知りましたね。人外種でも筋肉痛はあるみたいです。というか、筋肉痛という新状態異常発見ですね」


叫びながらも敵を倒していくレオンに、誰も心配の声をかけない。

むしろ叫び声でさらに注目を浴びたのをいいことに、気配を押し殺し敵を倒していく。


「誰も心配してくれない!悲しいから八つ当たりします。チャージブレード、シャープエッジ、ファントム、透身付与、ライトニング、チャージボルト、ギアボルト、千蓮万華」


赤椿にテンライとアカバネの強化魔法が付与され、納刀されている時間が長くなるにつれ、強化率は高くなる

霧雨にファントムと透身付与

自身にはギアボルトとライトニング

血操術の千蓮万華で広範囲攻撃


「疾風迅雷、韋駄天、雷公、機雷、爆雷」


疾風迅雷による高速移動で敵の包囲を抜け、一瞬で軌道を設定、韋駄天後の残りを雷公、飛ぶ雷の斬撃でトドメを刺し、周囲を衝撃が加わると爆発する機雷と数秒後に爆発する爆雷を設置。自身の陣地を構築する。


「爆ぜろ」


タイミングよく発せられた言葉。それに応えるように爆雷が爆ぜ、その衝撃で機雷も起動。周囲で雷の爆発が連鎖する。


「お?魔力量減ったか?」


チラリと門を見れば、魔力が減ったように感じる。


「魔物を呼び出し変化させる。そのためにそこそこ魔力が必要ってことか?ならこのまま続ければ…」


そう考えるが、レオンはふと思い出す。


「てか明日普通に学校じゃん?」

「レオン学校サボるの?」


玲奈が忘れてたの?みたいな感じで問い掛けてくる。


「それは流石に…まじでどうしよう。いや、普通に速度上げよ」


1秒にも満たない思考の末、導き出した応えは単純明快。間に合うようにギアをあげるだけ。


「雷電砲華」


赤椿を抜き放ち霞の構えに。

そのまま刀を少し引き、一瞬溜めた後、突きの要領で押し出す。

すると、雷がビームの様に発射され、門の目の前で収束。次の瞬間、爆ぜた雷は大輪の華を咲かせた。


「血刀、百鬼、百刃、百花繚乱、シド、トニー、リジ」


スペースを確保し、百鬼と召喚獣で制圧を開始する。


「経験値を寄越せ!」


レオンの肩から刀の先までを炎が覆い、敵に向かっていく。


「烈火の如く、気炎万丈」


炎が凝縮され、色が青く変化する。


「炎界、炎陽、炎天、炎獅子」


炎界…炎が地面を覆い尽くし、レオンの敵に絡みつき、ダメージを与える。

炎陽…炎界の効果を高め、更に照り付ける炎によって体力を奪う。

炎天…炎が宙を舞う。炎は触れた相手の体力を奪い、温度を上昇させる。

炎獅子…炎で象られた獅子は、周囲の炎を吸収し回復。炎のフィールドの中では、無敵の存在となる。


「始祖化、血円武器庫(ラウンドウェポン)・レヴァンティン、煉獄の焔(インフェルノ)


重ねるようにして煉獄の炎がその場を支配する。


「レヴァンティン真名解放」


レヴァンティンを覆う赤黒い炎が一瞬消える。


「汝、全てを灰燼に帰す・レーヴァテイン」


次の瞬間、深紅の炎が刀身を包む。


「うわ、これマジ?俺にもスリップダメージあるじゃん。しかも微妙にダメージの方が多いわ」


レーヴァテインを手に持つレオンのHPが徐々に減っていく。

レーヴァテイン深紅の炎がレオンの身を焼いているのだ。回復量を上回る勢いで。


「アトラルカ、HPも少し頼む」

「了解した」


アトラルカがHPも循環させ始めた為、回復量が上回ったが


「は?ダメージ増えてね?」


そう。次の瞬間にはスリップダメージの量が増えたのだ。


「まさかの時間経過でダメージアップ?」


言ってる側からHPが減っていく。


「仕方ねぇ。とりあえず、全部焼き尽くす!」


レーヴァテインの炎が爆ぜる勢いを利用して加速。

深紅の炎が軌跡を残す。レオンの後を追おうとした魔物が、その軌跡に触れた傍から灰となって消えていく。


「瞬攻、破断、破刃、頭伐、刻刃、魔断」


一切の手加減無く、全ての敵を斬り裂き、焼き尽くす。


「一つ試すとしよう」


レーヴァテインのスリップダメージで2割を切った頃、レオンがレーヴァテインを仕舞う。


「全てを一刀の下に斬り伏せる」


この技が完成した時、精霊魔法の強化が掛かった状態だった。だが、今ならそれがなくてもやれる。そんな気がしたのだ。


「抜刀・極至」


手に馴染む霧雨を手に、レオンの奥義がその場に残る魔物と門を斬り伏せた。


ちなみに、玲奈達三人は雷電砲華の辺りから状況変化に付いて行けず、戦場の端でレオン無双を眺めていただけになった。


「わーお」

「これは…夢?」

「チート疑惑とかありましたけど、そんなの比じゃないですね」


レオンチート疑惑。一部のプレイヤーが騒いでいるだけなのだが、一定数それを信じる者がいるのも確か。


しかし、パーティーを組んだ三人には使用スキルのログが表示される。そして、レオンの状態も。


「MP全部はやっぱ痛え」

「その技を使うなら周囲のマナを直接使う方がいいぞ」

「説明頼む」

「単純な話だ。威力やら範囲やらを強化する為にMPを消費するのだろう?なら、外から最大限引っ張ってくればいい。我がいるのだから簡単だろう」

「なるほどなぁ」

「今度もう少し詳しくマナと魔力の違いを説明してやろう」

「いいね。クラメン集めて講義するか」


アトラルカとレオンの会話が終わると、待っていた三人が詰め寄る。


「レオン説明してくれる?」

「何を?」

「全部や」

「え、めんど」

「話しなさい」


喉元に突き付けられた三つの刃。

逃げるのは簡単だが、逃げたらあとが怖い。


「説明はアトラルカの講義の時でもよろしいでしょうか」

「…逃げたらミオちゃん呼ぶからね」

「うっす」


ミオを呼ぶ。ゲーム内でもリアルでも一緒にいる以上逃げ道が無く、逃げた場合何をされるか分からない。だから大人しく説明することにする。


発生源の攻略を終え、クランホームに戻る。


戻ったら真っ先にマナと魔力の違いの講義を行うことの告知をクラン掲示板に張り出す。

その横に、同盟クラン「解放者」の幹部メンバー全員参加のレオンについて会議を行う事も掲示。


この時、レオンを囲むようにして移動していた玲奈、凛、リックの姿が目撃され、何かをやらかしたであろうレオンに注目が集まったのは言うまでもないだろう。

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