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異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
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第50話 成長そして例外

「おやっさん!スマンが俺達は落ちるぞ」


一向に終わる気配がしないので、今日は終わりにすることに。


洞窟を抜けてここまで来るのに、現実で丸々1日を使っている。都度ログアウトして休憩を挟んでいたが、休憩はほんの僅か。先も言ったが、リアルが疎かになっている。


「...聞こえて無さそうだ。ワルドワ、こっちに気づいた時にでも伝えといてくれ」

「分かりました」


ここに来るまでに、ポータルの解放は終わっている。

なので何時でもここに来ることが可能だ。

クランホームに戻り、洞窟内で入手した素材を整理して、ログアウトする。



「日が昇り始めた頃か」


カーテンの隙間から射し込む光に目を細める。


「身体動かすか」


服を着替え、運動のしやすい恰好へ。

部屋を出ると、ムーや澪とすれ違う。

どうやら2人で風呂に入っていたようだ。


「少し外に出てる。なんかあったら声掛けてくれ」


外にいることを伝え、木刀とタオルと飲み物を持って外に出る。


「......」


準備運動をせず、木刀を手に瞑想する。


やろうとしてるのは、ゲーム内でやっていた魔力反応による索敵。


表の世界では意味を持たないが、感覚を掴むには丁度いい。


「何せ、こっちでは魔力に反応できる人間がいないからな」


ゲームでは、感知が育っていれば魔力反応を感じることができるらしい。


「とりあえず、どこまでイケるかチャレンジだな」


感覚を研ぎ澄まし、限界を探る。


「...最大2kmか。なら、この距離くらい難なく出来るように練習だな」


玲音は最大2kmと言ったが、半径の最大、が正しい。つまり、直径で4kmが玲音の感知範囲となる。

ただ、この距離を感知するのにかなり集中しなければいけないので、無防備になるのだ。それを避けるため、そこそこの集中で感知できるようにしようと言う。


「さ、次だ」


左の腰に手を当て、輪を作る。そこに木刀を差し、鞘があると意識する。


「スゥー」


息を吸い、吐き出し、感覚を更に研ぎ澄ます。


ゆっくりと抜刀。流れを止めることなく納刀。


抜刀の速度を上げ、また納刀。更に速度をあげる。それを繰り返すうち、振り抜かれた刀身が視認出来ない程になる。


次に、そこへ動きを加えていく。


鞘の位置を腰から胴の横辺り。感覚でベストポジションへ。


抜刀、横薙ぎに振り抜き、納刀。

納刀の際位置を低く、再度抜刀する。袈裟懸けの軌道を逆から擦るように振り上げ、そのまま翻り袈裟懸けに

柄を手の中で回転させ、鋒が鞘の方を向き、刃が上を向く。

納刀する際に持ち手を元に戻し、斜め上に飛びながら前へ。

空中で姿勢を制御し抜刀、身体を縦に回転させ、遠心力を乗せた一刀を振り下ろす。

バックステップで距離を取り、納刀を済ませる。


納刀位置は腰より少し上。刃は外側を向くようにして待機。そうすることで、今の動きをもう一度繰り返す。


無理だろ、と思う動きだとしても、そもそもレオンは常人では無い。人外である。人には無理な動きができても不思議では無い。


「雷をその身に受けても平気なんです。今更ですよね」

「ん?ムー、いたのか」

「はい。たまには貴方の成長を確認しておこうと」


ムーに気付いてレオンは木刀を置き、飲み物を手に取り休憩に入る。


「俺の成長っていうのは、技術的な?それとも、そっち側の話?」

「その両方ではあります。3:7ですかね」

「そんなに後者の方が大事?」

「レオンに与えられるであろう役目的に、技術はあまり要らないんです」

「役目の力が強いタイプか」

「はい。ですので、早くこちら側に来ていただきたいと」

「っても、よくわかんねぇよ」


今のレオンを区別するなら、外なる者だろうか?

世界の理に縛られない存在になってはいるが、そこ止まりだ。

レオンの生まれ故郷の星で神の加護を覚醒させた時に、レオンは加護を授けた神々を超えている。

格で言えば、ムーの次くらいになる。

「心月」「極至」を習得し、少しは近付いたと思っていたが、実際そんなことはなく、余計にこの先というのがわからなくなっている。


「人の理から外れ、世界の理すらも越えた先。そこへ辿り着く方法は存在するのかね」


レオンは外なる者の中でも特殊な方だ。


『外なる神』…ニャルラトホテプ、ヨグソトース、アザトース、クゥトゥグア、クトゥルフ等、次元の管理者達

ムー、グレーゴル等、惑星の管理者達

『内なる神』…惑星の管理者によって生み出された神々


外なる神は自然に発生し昇華、初めから神としての役割を持つ。

内なる神は外なる神によって役割を与えられることによって発生。


レオンは人と吸血鬼の間に産まれた人だ。自然発生したわけではない。神としての役割も持たない。

どちらの条件も満たないため、レオンが『外なる神』になる条件が不明。


「そもそも、外なる神、者って空想の存在だと思われてたわけで。未だに信じられねぇよ」

「いや、実際存在してますし、貴方も立派な一員ですよ。信じなさい」


これ以降、特にこれと言った会話は無く、玲音の鍛錬をムーが静かに見つめる時間が流れて行った。


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