表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
42/111

第41話 前日そして平和

「やべぇ、昼飯...」


時間を確認すると、昼ご飯の時間はとっくに過ぎている。


「3層の探索してる時、既に昼前だったな...」


二層に戻り、そのままの勢いで残りも攻略していた。

フレンドメッセージにも、ミオ、カクラ、マイ、クラスメイトや先生からも昼ご飯の時間を知らせるメッセージが来ている。


「というか、そろそろ下校時間」


クランホームに戻り、急ぎログアウトする。



「あ、玲音起きた」

「やっとか」

「時間ギリギリだな」


目を開けると、周りの視線が集中しているのを感じる。


「...これから帰りのHR?」

「うん」

「間に合ったか」

「ギリギリな」


玲音が戻ってきた事で、全員が揃って帰りのHRを始める。


「まぁ特に言うことないんですけどね」

「「ですよね〜」」

「これでHRは終わり。解散と行きたいんですけど、玲音君」


亜美先生のジト目が玲音に突き刺さる。


「説明してください」


ください、とお願いしているが、かなり圧が強い。命令形と変わりはないだろう。


「黙秘で」

「ふ〜ん」


窓際の席というのが功を奏した。顔を背けて窓の外を眺める。

空が綺麗だなぁ...


「説明できないけど、イベントに向けた準備は殆ど終わった。レベルも70超えたし...」


ザワザワ、ガヤガヤ


急に騒がしくなる。教室の外に目を向けると、CYANのプレイヤーだろう。生徒が集まっている。今の話を聞いてたのだろう。あれ?HR...あ、終わってるな。


「あれ?じゃあ玲音、種族って」

「あーまぁ、使える種族スキルとかは増えた」


ガタッ!


椅子を倒す勢いで立ち上がったのはクラスメイト達だ。


「万丈先生、もう一度会議を」

「あぁ」


亜美先生が万丈先生と共に教室から離れていく。

それに続くようにして、クラスメイトも他のクラスの生徒も帰宅する。


「玲音、帰ったら説明してね?」


それを呆然と見送る玲音に対して、肩に手を置きニッコリと笑う澪が教室に残された。




「なるほどね」

「予想通り」

「お兄は相変わらず」

「玲音はもう少し自重を覚えては?いえ、やってることは悪くないですけど」


澪は少し不貞腐れた玲音を膝枕。神楽は澪の向かいで腕を組んで頷いている。舞は膝枕している澪をソファーの影から撮影している。ムーは口調が少し戻っている。呆れているが、その手に持つカメラは澪と玲音を写している。


「で、結局今のレベルは?」

「...これ」


レオンのステータスを表示する。


プレイヤー名 レオン

種族 始祖の吸血鬼・第九鎖 Lv72

SP100BP100

HP1270・MP620・STR750・VIT380・INT500・RES220・DEX545・AGI740・LUCK50

剣術Lv50・刀術Lv73・抜刀術Lv65・感知Lv83・看破Lv83・鑑定Lv80・血操術Lv77・反射Lv41・回避Lv32・反撃Lv30・火魔法Lv50・水魔法Lv51・風魔法Lv71・光魔法Lv50・闇魔法Lv50・並列処理Lv80・複数魔法Lv76・使役Lv40・威圧Lv39・槍術Lv20・特殊抜刀術Lv-・精霊魔法Lv-・界断Lv-・天断Lv-・神代Lv-・始祖化Lv10

HP自動回復Lv62・MP自動回復Lv64

禁呪・朧月夜Lv20(王の晩餐Lv40)

解放Lv-


「レベルも高いし、SPとか余りまくってる」

「それをステータスに割り振るのかぁ」

「バランスブレイカー...」

「STR、INT、DEX、AGIに振る予定」

「HPとMPは?」

「HPは余裕あれば。MPはアトラルカがいるから問題無い」


アトラルカが周囲のマナを、プレイヤーでも使えるMPに変換してくれるおかげで、MPは無尽蔵と言って差し支えない。


「お兄は化け物」

「これは、イベント参加者が可哀想」

「参加しなくてよかったと思えるぞ」


三人の言葉に少しだけ傷付く玲音だが、もう少しやらかすつもりがあるため、イベント後に何を言われるか心配になる。


「まぁ、いいだろ。この先が少し楽になるんだ」


無理矢理に話を終わらせ、晩御飯の支度を始める。


もう少し詰めたいところだが、お腹が空いているのは同じなのだろう。三人も揃って準備に取り掛かる。


この日は少し寒かった。なので晩御飯は鍋になったのだが、何鍋にするかで少し揉めたのはよくあることだろう。




「そういえばさ、こんなペースでイベント事やっててこのゲーム大丈夫か?」


翌日、土曜日ということで、各々が家からログインしている訳だが、何故かクランホームに集結していた。その場でレオンがぼそっと呟いたのだが、全ての視線が集中。更に何となく視線が痛い。


「...お前のせいだろうがよ」

「え?いや、でもさ、ワールドクエストの方は時間制限あったぞ?最初のイベントも、遅かったら対策間に合わないし」


俺が何したっけ?...南の森のボス攻略、次いで北の山ボス攻略、イベント発覚、東西とボス攻略、ホープス全第二エリア?発見、天照王国到達、厄災暴虐天童との出会い、巫女姫と接触、ワールドクエスト進行...あぁ、やらかしてるな。


最近だと、ダンジョン発見もあるし、国の後ろ盾とか天照王国の守護四傑とかな...


「そうだとしてもペース早いんだよ。攻略速度落とせよ」

「いや、そのセリフは俺たちクラン全体に言えることだぞ」


最前線を張るクラン『解放者』。一時攻略を休んでいた間、他のクランも攻略を休止していた。続けていたクランやプレイヤーもいたが、進んでいない。というか今の所、次の国の情報が無さすぎた。

海国、神国という情報は出たが、行き方は不明なのだ。


「俺は巫女姫んとこ行ってくるわ。明日の打ち合わせだな」

「あいよ。俺達は...少しでもいいからレベリングするわ」

「そうか。ならよ、始まりの街の各方面探した方がいいぞ?多分あるから」

「ダンジョンが?」

「ダンジョンが」


始まりの街の各方面、南のホープスはレオンの見つけた海底ダンジョン。東は首都に続いている為可能性は低い。しかし、北と西は?今の所、北と西の街に辿り着いた先は未探索だ。


「...探すか」

「探しとけ」


集まっていたクラスメイト達は、ログインしていた他の同盟クランのメンバーとパーティーを組んでそれぞれ散って行った。

それを見送り、レオンも巫女姫の元へ向かう。


「...何の用ですか」

「...姫様、この者を追い出しましょう」

「おい」


明らかに嫌そうな顔をする巫女姫と宰相さん。

宰相さんとは、依頼で良く顔を合わしていたので、割と言葉を選ばない、直球で話す仲だ。


「厄介事じゃねぇよ。明日の事で話があるんだよ」

「...姫様、守るべき要塞ですが、少し遅れているようです。なんでも、解放者なるクランホームを建てるのに時間がかかったとか!」

「......」


スっと視線を逸らす。宰相の視線はレオンに向いているが、巫女姫の視線も少し逸れている。まぁ、彼女が許可してGOサイン出したからね。


「...ムー、出てきてくれ。お前も合わせて少し話だ。宰相は別にどっちでも」


ムーが現れ、宰相も部屋に残る。


「単刀直入に言う。ムー、持ってきてる俺の神器全部こっちに落とし込め」


隠すことなく素直に命じる。


「...全部ということは...要塞型も?」

「おう」

「...今回のイベントの為?」

「おう。後は今後を考えて」

「...か、れん様は...」

「...まかせます」

「ハハハ。皆様、お茶をどうぞ」


ムーは頭を抱え、巫女姫は視線を誰とも合わせようともしない。宰相に至っては、耳栓をして茶を振る舞い始めた。


「いいだろ?プレイヤー何人いると思ってんだ。それに、建築してる奴の負担軽減になるだろ」

「せめて、制限かけない?」

「...わかった。要塞型は要らない。神器も刀剣類と神槍だけ。代わりにスキルで神殿顕現と製錬を頼む」

「...嫌な予感がしますね」

「一応許可します。神器に関しては、全て始祖化中だけ使用可とします。神殿顕現もそちらに」

「まぁいいか。始祖化もレベル上がってるし」


新規獲得可能スキル

製錬、神殿顕現


獲得しますか?


二つのスキルを即獲得。

製錬のレベルをSPを使ってあげる。神殿顕現にはレベルが存在しなかった。


レオン SP24

製錬Lv15・神殿顕現Lv-


「次いでだ、BPも振っとくか」


HP2270・STR1750・INT1500・DEX1545・AGI1740


結局、HPを含めた五つのステータスに20ずつBPを振り分ける。


「...よく分からんステータスしてるな」


特に何も考えていないのがよくわかる。ゲーム初心者なのがバレてしまう。


「じゃ、神器とスキルの確認してくるから。何かあったら連絡よろしく〜」


そう言ってレオンはその場をさっさと離れる。

向かうのは、明日のイベント会場。要塞が建築されている特殊フィールドだ。


「そうだ。次いでにあのスキルも取っておくか」


新たにスキルを獲得。しかし、レベルはSPであげない。


「製錬...なるほど、こういう感じか」


魔力、マナを練り上げ、形を創る。そこへ魔力、マナを込める。

内部の機構が複雑になればなるほど、必要な魔力は増える。


「アトラルカ頼む」


アトラルカの力を用いて、再度スキルを行使。


練り上げる形は、変形機構を搭載した篭手。


「......第一機構完成。第二機構...............完成。第三...第四、第五...」


一時間程そうしていただろう。顔をあげたレオンは、汗を滝のように流している。


状態異常に脱水となっている。水分を補給しなければ。


「んっんっんっ、はぁーー。完成してよかった」


インベントリに入っていた飲み物を飲み干し、口元を拭いながら、完成した武器を見つめる。


「銘は月影...武器カテゴリーは暗器。武器能力は...破壊不能に変形機構。変形形態は四種。これでいいな」


全体が黒で覆われ、指先から肩に至るまで、細く赤い線が数本伸びている。


「肩まで装甲が付くと思わなかった」


装着してわかったが、肩までを覆うタイプの武器らしい。動きに阻害感はないので問題は無い。


「こっちの格闘術のアーツ確認しとこ」


スキルウィンドを開き、格闘術の使用可能アーツを見ていく。


柏手(かしわで)一拳(いっけん)双葉(ふたば)三輪(みわ)四道(しどう)五ツ星(いつつぼし)六貫(むかん)七輪(しちりん)八天(はてん)九里(くり)十重(とえ)百憐(ひゃくれん)、もう一巡繰り返して、双重(そうじゅう)白蓮(はくれん)か」


柏手から始まる舞の奉納。

柏手から順番にしか使用出来ない。デメリットに加え、外したり防がれたりした場合、与えるはずのダメージが自身に返ってくる諸刃の剣。


「VITとかステータス貫通の固定の自傷ダメージ?」


スキル掲示板にある、格闘術の欄を見ていく。


「マジで使い所さんだな」


ダメージ量は、STRとINTの最大値の合計。

プレイヤー相手には、VITとRESの最大値の合計でダメージ計算らしいが...


「俺が使えば、大体ぶち抜けるくね?」


レオンのSTRとINTの合計...3250。


「一般プレイヤーなら1500あればいい方かな」


極振りでない限り、レオンのコレを防げる者は居ない。


「なになに...二巡目からは威力倍?アホなん?」


検証班によれば、アーツを外したり防がれたりしない限り、舞は奉納中と判断され、間が空いても問題無いらしい。武器を持ち替えたり、回復したりした場合は、舞が中断、最初からになる。

二巡目から威力倍はある意味、使われないからの効果なのだろう。


「ま、俺は使うけどね」


対プレイヤー秘密兵器、格闘術


嫌な人物に嫌なスキルが渡ってしまった。


「あとは、要塞を神殿顕現に取り込むか」


神殿顕現...魔力を用いた神殿を顕現させる。または、既存の建物を取り込み、それを神殿とする。


神殿の効果範囲は、周囲一キロ。

効果はHPとMPの一秒0.1%自動回復。範囲内での死亡時、確率でその場で復活。その場合、無敵時間10秒。



「親方!正門の完成が間に合わねぇ!」

「うるせぇ!黙って仕事しろ!」

「親方ァ!空から魔物が!」

「うるせぇ!そんなん傭兵に任せとけ!」

「親方ァ!」

「うるせぇぞ!」

「レオンが来てます」


現場に響いていた音が一瞬で無くなる。


「どうも。ご苦労様です。差し入れ持ってきたんで、少し休みませんか?」



「今回の主役が、何の用だ?こっちは任せとけって言ってあるだろ?」

「要件は、この要塞この状態でいいんでください」

「あ?」

「説明しますとね」


かくかくしかじか


「まぁいいけどよ」


説明を聞いた親方はそう言うが、その顔は不満そうだ。せめて完成したものを渡したかったのだろう。だけど、この正門だけはやめて欲しい。


俺が守護していることを主張するように、門に彫られた二振りの刀。彫刻途中ではっきりと見えないが、恐らくモンスターが何体も倒れている。

そのモンスターの死体から、何かが刀に向かって伸びているのも見える。あれは多分血だろう。一刀は村雨らしい。


「イベントが終わったら...」

「あ?」

「イベントが終わったら、残りもお願いしますから。それじゃダメですか?」

「...それならいい。絶対の約束だからな?」

「はい」


ちゃんと了承を貰い、作業員全員の撤収作業を始める。

魔法というものがある世界だと、あっという間に終わった。

要塞から少し離れた位置で待機してもらい、神殿顕現のスキルを起動する。


「神殿顕現...目標建造物、指定...」


要塞の下に魔法陣が現れ、回転する。


「対象に擬似聖紋を刻印...」


魔法陣が回転しながら、要塞を読み込むように上へと移動する。


「対象の読み込み完了...取り込み開始」


魔法陣が要塞の天辺に到達すると、要塞が上の方から少しずつ消えていく。


「物体の情報を読み取り、粒子状態で保管、必要時に再構築。オーバーテクノロジーだろ」


神殿顕現・一刃(いちのやいば)要塞(製作者・天照王国王宮建築士)


「神殿顕現」


もう一度スキルを起動。取り込んだ要塞を顕現させる。


全体的に白くなっている以外の変化は特にない。

しかし、効果範囲内にいるからだろう。少しMPが回復している。


「無事完了だな。要塞の名前があれだけど」


この要塞の名前は、親方が付けたものだろう。巫女姫も関わってそう。


「それじゃ親方、俺はこれで。夜はこの金で酒でも飲んでくれ」


去り際に、そこそこのお金を渡して退散。

歓声が聞こえるから、夜は宴会でもやるのだろう。

さ、俺は神器を確認するか。


刀の神器

霧雨、村雨と早霧。村雨に内包されている、童子切安綱、妖刀鬼刃、妖刀蛇骨、妖刀血染め改、妖刀千年椿、妖刀村正。

神の血や骨肉を用いた、狼爪・呪刻(ろうそう・じゅこく)角刃・(かくじん・)鬼哭(きこく)戦刃・(せんじん・)諸刃(もろは)

剣の神器

レヴァンティン、十拳剣、天叢雲剣、ダインスレイフ、グラム

槍の神器

ゲイボルク、ロンゴミニアド、天の逆鉾、グングニル


剣と槍に関しては、クレハや拠点に残ったメンバーが使う分もあり、扱いきれないものだけ持ってきた。


「武器性能は...どれも始祖化前提だから、ぶっ壊れだな。始祖化の方も、種族進化の影響でレベルがなくなって、制限時間が伸びたな」


始祖化Lv-

制限時間半日

※制限時間に関して...種族進化で鎖が解かれる毎に制限時間が伸びる。


確認をしていると、アナウンスが流れた。


北の山にてダンジョンが発見、攻略されました。

以降、ダンジョンへの挑戦が解放されます。

北の山のダンジョンの位置が共有されます。


「クヌギ達の誰かが見つけたか」


シェンやカイドウも居たけど、ダンジョン探しに加わったのか?以外と早かったな。


「始祖化は明日まで取っておくとして...血操術の練習するか」


リアルでも挑戦してこなかった、血の翼で空を飛ぶこと。


「まぁ必要ないと言えば無い。空飛ぶ必要は無いからな」


血刀で対空攻撃も出来る。触媒があればエルニエルトも呼べる。他にも対空攻撃の手段はあるのだ。


「まずは翼の形を...」


鳥の様な羽、蝙蝠の様な羽、龍や天使、とにかく色んな形を試した。


「結果こうなったか」


翼は不定形で、血が背中から吹き出しているように見える。


「この方が便利なんだよな」


状況に応じて形を変えて、腕のように使ったり脚のように使ったり、様々なことが出来る。


「血操術...血翼」


新たにアーツとして登録されたのを確認。昼食の準備がある為、ログアウト。

三人はまだログアウトしていないようなので、手早く支度する。


中華鍋を取り出し、卵、刻みネギ、チャーシュー、かまぼこを用意する。


「久々にチャーハン作るか」


昔、親に教わったやり方を思い出しながら、何となくで作ってみる。


「...そこそこだな」


要練習。何度も試作出来るほど材料は無いので、二回で終わる。

三人分の用意をして、三人にメッセージを送る。

降りてくるまでにラーメンの用意をしよう。


「全員塩だな」


メッセージで昼がチャーハンだと伝えると、塩と一斉に返信があった。つまり塩ラーメンが食べたいらしい。


お湯を沸かし、鍋の水を沸騰させ、麺を茹でる。

茹で上がるまでに、器も少し温め、スープの準備も済ませる。


二分経って湯から上げ湯切り。器に盛り付け、残ったチャーシューにネギ、残り物のモヤシなんかをトッピング。

丁度出来上がったタイミングで、三人が降りてきた。


「出来てるぞ。洗うのは各自でな」


自分はチャーハンを二人前食べているので、ラーメンは無し。

部屋に戻って服を着替え、少し散歩に出る。


身体を解しながら、ゆっくり歩いていく。

家を出て学校方面に。学校を過ぎると、そこそこの川がある。架けられた橋を通って向こう側に。暫く真っ直ぐ歩くと運動施設。隣には、道場や剣道場。更にはサバゲー施設もある。


「山の方にもサバゲー施設あったよな...」


以外とどちらも人気があるらしい。定例会なるものは、いつもかなりの人数が参加している。


「今日もなんかやってるみたいだな」


玲音の聴力は、楽しそうに駆け回る大人達の声を拾う。


「平和だな」


その声は、平和の象徴。何かに向かって全力で取り組み、その先で笑顔になる。

些細な事だろう。そんなことで、と言うやつもいるだろう。それでも、小さくても、平和というものに代わりは無い。


「...こっちに被害は出したく無いな」


思い浮かべるのは、自身の故郷の世界。

世界全てが変わってしまい、強制的に闘争の世界へ放り込まれた。魔獣に対抗できなければ、死を待つのみ。戦って生き残るか、逃げた先で死を迎えるのか。そんな世界はもうごめんだ。


「そろそろ帰るか」


踵を返して帰路に着く。足取りはとてもゆっくりで、周りの全てを観察していく。

目で人々の笑顔を見て、耳で人々の賑やかな声を聞き、肌でこの街の雰囲気を感じとる。


青い空は何処までも続いている。それはきっと、星を跨いで他の世界とも...


「なんて感傷に浸ってるんですか。玲音らしくない」

「...うるさい」


最初から居たのだろう。ムーが路地から出てくる。


「貴方が難しく考える必要はありませんよ。貴方はやるべきことを成せばいいのです。難しいところ、細かい所、足りないところは私達が手伝いますから」


玲音の横に並び、歩く姿はまるで...親子のようで


「全てが台無しだよ」


シリアスだったものは、遠く吹き飛び、残ったのは微妙な空気のみ。

人を笑わせる才能は無いようだ。


「さ、帰ろうか」

「はい!お父さん」

10/26 格闘術アーツの十重・白憐を十重・百憐に変更。白蓮の読み方を「びゃくれん」から「はくれん」に変更

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ