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異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
40/111

第39話 準備そして胃痛

「第二回」攻略掲示板「イベント」Part1


1:名無し

第2回イベント・PVPイベント


イベント名『レオンの要塞を崩せ』


イベント報酬・上位100名にイベント限定人工神器、機甲武装・人鎧を贈与。

100位以下のプレイヤー全員に機甲兵装・篭手を贈与。


イベント内容

レオンが守護する要塞をプレイヤーの力を合わせ攻略しよう。


守護者への攻撃hitで10point

クリティカルhitで100point

要塞の門を開門、もしくは破壊したプレイヤーに500point

守護者撃破で1000point

支援一律50point

リスポーン、-10point

初期所持100point



2:名無し

スレ立て乙


3:名無し

スレ立て乙です。



12:名無し

まぁ立つよな。というかイベント名よ


13:名無し

確認取ったらマジらしいよ


14:名無し

レオン一人なんだろ?これ楽勝じゃね?


15:名無し

防衛一人に対して攻撃側参加者全員ってアホじゃね?運営馬鹿かよ


16:名無し

...第三陣もしくはスタートの遅れた二陣だな。


17:名無し

言うほど簡単じゃねぇよ。あの戦闘狂にどうやって攻撃当てるの?


18:名無し

やっぱりあったな。知らない奴は無視しとけ。どうせイベントで嫌という程思い知るんだ。どうせチートだなんだと騒ぐだろうけど。それと、本気も本気でやるから覚悟しとけ?


「解放」のワールドスキルは使えないから安心しろよ。それと、ミオ、カクラ、マイの三人は参加不可だから!


19:名無し

>>18 あぁ、イベント頑張れ


と思ったけど無し!本気のお前をどうしろと!?


20:名無し

落ち着け、倒す必要はないんだ。死なないようにポイントを取れば.........逝ける!


21:名無し

逝ってんぞ


22:名無し

しゃーないと思います




「と、言うわけで三人は参加不可な」

「「えぇ〜?」」

「仕方ないだろ!お前ら三人も相手にしながら他のプレイヤーとか無理だから!特にミオ!」


力強く睨む。


「あの天童すら翻弄する弓術、無理に決まってんだろ」

「...と申していますが、実際のところは?」

「......多分、三人を相手にしても、何とかできる自信はある」

「ならいいじゃん」

「ダメに決まってんだろ!人工とは言え、神器をプレイヤーに与える機会だぞ。戦力増強の為に!例え三枠だろうと!」

「本音を言いなさい」

「マジで面倒なんで参加しないでください」


ミオのジト目に、思わず土下座する。


「はぁ。で、私達には何か補填は無いの?」

「それは私の方で用意しています」


ミオの問に答えたのはこの部屋の主、巫女姫花憐。


「三人には、こちらのスキルリストから一つ選んで頂きます。それを補填の一つとし、更に私から精霊魔法のスキルと契約精霊を」

「精霊魔法?」

「はい。ご存知かと思いますが、この世界には現在4つの魔法があります」


プレイヤーやこの世界の住人が主に使用する、魔法又は魔術。言い方が違うだけで、モノは同じです。

儀式というか用意が必要になる魔法陣。

ミオ様が創造した刻印術式。そして、精霊魔法です。


精霊魔法は普通の魔法と違い、契約精霊を介して大気中のマナ、言わばMPですね。それを使用して魔法を使います。

精霊魔法は、第一位階~第十一位階まで存在します。それ以外に、契約精霊によってはオリジナルを持つ者もいます。

精霊の位は初級、中級、上級、王級、超級の五つ。

初級精霊は一~三、中級精霊は一~六、上級精霊は一~九、王級精霊は一~十、超級精霊は一~十一の魔法が使えます。

精霊の位をあげるには、使役獣と同じように戦わせ、自身と関係を深めることが重要になります。


ここで注意なのですが、大気中のマナを使うとはいえ、マナの変換ロスは発生します。つまり、精霊魔法も若干MPを消費します。上位の精霊が低位階の魔法を使うのであれば、ロスは発生しません。


「なるほど。その精霊は選べるの?」

「選べません。しかし、精霊石の純度がかなり高いので、いい精霊と出会えると思います」

「精霊石の純度ね...」


精霊石...上級、王級、超級の野良精霊の遺物。

一説には、不要なマナを凝縮した物や精霊自身等が唱えられている。


「レオンの精霊は?」

「俺は......」


ミオの質問に目を逸らす。


「契約出来なかった訳じゃなさそう」

「多分予想外におかしなことになったんだろう」

「超級精霊の複数契約かな」

「逆に初級精霊の複数契約で」


マイ、カクラ、ミオ、ムーの反応である。


「レオン様が契約したのは4体。それぞれ超級、王級2、上級ですね」

「あれ?」

「意外と普通?」

「確かに。もっとおかしなことになってると」

「まぁ、上級精霊は存在数が少ない種ですから、超級より珍しいですよ」


レオンが契約した精霊は超級・星幽(アストラル)龍精霊(フェアリードラゴン)、王級・無名精霊、雷精霊イドラ、上級・武具精霊真


超級の星幽龍精霊は、現在三体しか確認されていない、惑星の外、宇宙を領域とし、最強の名を冠する。

王級の無名精霊は、未だなんの精霊か判明していないにも関わらず、既に力は王級の上位に位置する規格外。

イドラは神話が思わぬ形で伝わった結果、分霊を生み出すことになった神の半身。帝釈天の名を冠し、インドラと同一視された存在。

上級、武具精霊・真はレオンの武具、紅椿赤蕾に宿り、武具と共に成長する。使い手と鍛治職人の腕によっては、超級に迫るポテンシャルを秘めた、これまた規格外。


「レオン...」

「お兄...これは」

「レオン、ズルはダメだぞ?」

「ズルはしてねぇ。俺だって予想外だわ」


ミオ達が来る前に先に契約した時、レオン自身が頭を抱えた程だ。これには、精霊石を渡した巫女姫も苦笑いしかできなかった。


「それより、三人も契約しとけよ。俺はこれから森の奥深くで精霊と狩りしてくるから」


手を軽く振り、部屋を出ていく。レオンの気配が魔の森に向かったのを確認すると、三人も契約を始める。


「まぁ、私達も規格外を引くだろうしね」

「そうだな。特にミオは」

「うん。ミオ姉はお兄に次ぐ規格外」


精霊石と精霊魔法を受け取り、詠唱を開始する。


「「「我望む」」」


それぞれを中心とした魔法陣が浮かび上がり、光を放ちながら回転する。


魔法陣が一際強く光を放ち、部屋を眩い光が埋め尽くす。


光が収まるとそこには6体の精霊がいた。


「「我らが主、ミオ。我らの力を貴女に」」

「「我らが主、カクラ。我らの命は貴女と共に」」

「「主、マイ。我らは貴女と共に」」


一人の前に二体。人型もいれば、人外もいる。


「予想通りですが、全員王級以上。ミオ様は超級二体ですか」


ミオの契約精霊は超級・アルテミア、超級・ハイドバード。

狩猟の神の神話に付随する形で生まれた、弓術を司る武具精霊。

光を操り、周囲の光を屈折させることで姿を消す。精霊狩りの天敵。


カクラの契約精霊は超級・グリム、王級・ナイトバード。

死神によって魂を固定された死者の軍勢、その代表。

死者の軍勢、その家族や縁のある者が集う冥界の統治者の一柱。


マイの契約精霊は超級と王級と位の差はあるが姉妹精霊・アネモネとマリー

希望と絶望、数多の出会いと別れを識る、華に宿り人を見守る。


「存在すると言われていたけど、確認できなかったが為、名前だけが残っている精霊達...」


過去に超級、王級精霊と契約した者達から、聞いただけの存在。

アネモネとマリーは、契約はしないが何度か目撃情報はある。

しかし、冥界の統治者や死者の軍勢等は先ずお目にかかれない。

それに...


「ハイドバード様、精霊の森を離れてもよろしいのですか?」

「ん?懐かしい気配がすると思えば巫女姫か。精霊の森は平気だ。ハイドバード、我らは群体だ。一欠片落ちようとも、森の守護など造作もない」

「そうですか。そういう意味では、グリム様やナイトバード様も平気なのですか?」

「我は統治者の一柱に過ぎん。他がいるのだから好きにしてもいいだろう」

「軍の責任者は別だ。俺は代表として表に来ているだけだ。無理矢理だったが、神の御使いとはな」


精霊達が巫女姫と話し始めたのと同時に、ミオ達も固まって話を始める。


「自分達の得意分野を伸ばす精霊だね」

「マイのはどうかわからんが」

「希望と絶望...ん、結界の意味合いが変わるかも」


お互い話が終わり、精霊達が契約者との繋がりを求める。


「名前...」

「我らの名前...今あるのは精霊種の名だ」

「精霊は契約をする時に、個としての名を貰う」

「オリジナルの精霊魔法が必要なら、名付けは必須だぞ」


ということで、名前を考えることになった。


「アルテミアとハイドバード...安直だけどアテミアとハイバー?」

「私は構いませんよ。アテミア、いいじゃないですか」

「我もハイバーで良い」


「グリム...軍勢の代表...王では無い...アスタロト...アシュタロス...アシュト」

「ふむ。悪くない名だ」

「ナイトバードは王...王鳥...王朝?ワウテウ」

「...王という意味か?良いだろう」


「アネモネとマリーはそもそも個体名に近い」

「そうね」

「でも名前が欲しい?」

「えぇ」

「なら、ネアとリーネ」

「ネアですって」

「お姉様から少し貰ってリーネなのね」


「そう言えば、レオンの精霊は名前どうしたんだろ?」

「龍精霊がアトラルカ、無名精霊はまだ無く、王級雷精霊イドラはテンライ、武具精霊がアカバネですね」


ミオに巫女姫が答えると、その場の精霊達が一斉に振り返る。


「巫女姫、龍精霊とはアノ龍精霊か?」

「はい。アノ、龍精霊です」

「...そこにイドラも?」

「はい」

「武具精霊は...」

「真でした」


全員が一斉に頭を抱える。


「何が起きたら一人の元に奴らが集うのだ」

「...我らも大概だが、奴らは別格だぞ」

「仲間ならいい...のか?」

「えっと...レオンの契約した精霊、そんなにやばいの?」

「...やばいと言うかなんと言うか」


ポツリポツリと語られた話は、ミオ達全員がイベントに参加するプレイヤーに同情する程だった。



「アトラルカ、能力の詳細を頼む」

「先も言ったが、儂の能力は循環と制御。どんなエネルギーもお主が必要なエネルギーに変換。変換ロス無く活用させよう」

「エネルギー効率100%の永久機関ってことか」

「平たく言えばそうなるの」

「了解した。基本的には周囲のマナを常にMPに。戦闘時は、必要に応じて血液に変換出来るか?」

「問題無い」

「よし、次。テンライ、どこまで操れる?」


アトラルカとのやり取りを終え、次に確認するのはテンライこと雷精霊のイドラ。


「雷なら全て。この世界では風の上位とされているから、下位の風もだな」

「今見せた俺の戦闘スタイルだが、合わせられるか?」

「問題無い。更に強化してやる」

「それは楽しみだ」


テンライと悪い顔をしながら握手する。


「アカバネはどうだ?紅椿の居心地」

「最高」

「なら良かった。と言っても、先の戦いで使いすぎてるから、この後調整に出すけどな」

「楽しみ」

「そうだな。おやっさんの腕次第でお前も変わるからな」


刀に話し掛ける姿は傍から見れば変人だ。ヤベェ奴だ。


「無名精霊は...まぁ今は無理か」


刀を納刀し、踵を返す。

向かう先はクランホーム。紅椿のメンテナンスをおやっさんに頼む為に。


「この惨状を見られると、また変な噂が広がりそうだな」


チラリと振り返った先、木々はなぎ倒されたり、根元から斬られたり。地面や無事な木々には大量の鮮血。所々高温で焼かれたような焦げ。



同盟クラン『解放者』クランホーム2階、『戦人』クランホール


「今回のイベントだが」


円卓を囲うように座るクランメンバー。

同盟クランの各マスターと副マスター。更には『先導者』の副マスターもいる。


「どうしよう?」

「どうしようもないでしょうに」

「種族は始祖に至ったらしく、ここからはレベルをあげるだけらしいですよ」

「アイツ現状最高レベルだろ。幾つだ」

「ミニイベントの時で確か36か38」

「...俺達は平均34だったな」

「レベル差はあんまり無いですね」

「レベル差よりあの戦闘技能よ?」

「偵察に行ってる玲奈と凛から連絡よ。なんか更に酷いことになってるみたい。ミオちゃんやカクラさん、マイちゃんからもやばいって言われたらしいわ」

「......」


風音の報告で、室内に沈黙が訪れる。


「もう諦めて普通に行こう?厄災だと思えば行けるだろ」

「そう...だな!逝けるな!」

「よし!逝こう!」


作戦会議なのかよく分からない集まりは、結局精神論で何とかする方針に決まった。




コンコン


「入れ」

「失礼致します。天照王国より王宛の招待状が届いています」

「天照王国からだと?」

「はい」

「内容は確認したのか?」

「いえ。巫女姫様の魔力印がされていましたので、我々は確認をしておりません」

「巫女姫様直々の魔力印...招待状を」

「こちらでございます」


.........


「始まりの街のハイゼン伯爵家へ、大至急招集状を!内容は異界人についてだ」

「かしこまりました」


「空席だった四傑に異界人が就任するのは聞いていた。しかし、そのお披露目に招待だと?それに何やら、異界人達の祭りも同日に開催するという。何を考えている?いや、逆に何も考えていない?」


天照王国の隣国、転国ホープスの国王は、招待状に指定された日付まで、胃痛と頭痛と共に過ごすことになる。


そして、それは招待状を送られた神国と海国の王も同様であった。

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