表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
25/111

第24話 開始そして大物

7月中に出す予定でしたが、前の話までの繋がりと後の話の繋がり、そして、情報の整理や確認の為少し遅くなりました。8月中もある一定のペースで投稿出来ればと思っています。

24


「各方面防衛戦力配置完了、モンスター到達予想時刻凡そ一時間、イベントはもう始まってるな」


南の森手前の平原、簡易物見櫓の上でレオンは佇む。


斥候の索敵によれば、南の森から来てるモンスターはウルフ、ゴブリン、ゴブリン上位種、オーク、オーガ。各方面と情報を共有した結果、オークとオーガは南の森、北の山にはロックリザード、東の森はスケルトンメイジ、西の平原はマウントボアが限定出現しているらしい。

各モンスターの平均Lvは15。高いと20のもいるらしい。


今回のイベント、全プレイヤーが参加しており、生産系プレイヤー達は、上手くバラけて各方面の後方支援をになっている。


「お兄、澪姉が見えたって」

「そうか。弓隊と術士隊に準備を始めせて。それから、工作班に合図の狼煙を」

「伝える」


櫓に登ってきたマイから報告を受け、現場指揮官として指示を出す。


「一時間より少し早いか。まぁ想定内だ」


打ち上げられた狼煙の意味、それは、足止め用罠の作動。落とし穴や倒木、礫や縄。様々な罠で数を減らしながら、少しでもいいから進軍速度を落とす。効果は薄いだろうが。


「ミオ、弓隊全体の最長射程は」

「一キロ。私だけならもう少し長いよ」

「わかった。一キロ手前で一度、その後射程内に入り次第撃ちまくれ」

「了解」

「術士隊は倒せなくていい。数を巻き込め」

「了解!」


さぁ、そろそろ開戦だ。


「レオン」

「総員、抜剣!」


ミオの目が細くなる。一キロ手前まで来たようだ。弓隊が矢を番えるのと同時に、壁隊、遊撃隊、攻撃隊が武器を構える。


「放て」


短い合図と共に放たれた矢は、数体のモンスターに命中。初イベントの火蓋が切って落とされた。


「街には近付けさせるな!死ぬ気で守れ!」


レオンはスキルを発動させ、周囲を血刀で固め、先陣を切る。

その後ろを、雄叫びを上げながら『開拓者』とその他のプレイヤーが続く。その彼らを援護するように、絶え間なく魔法や矢がモンスターに降り注ぐ。


そして、同時刻各方面でも戦闘が開始された。



北の山、指揮官『戦人』クランマスター、シェン視点


「いいか!出すぎるなよ!ツーマンセルを崩すな!」


シェンがとった作戦は、二人一組を作り、四つの組でカバーし合うようにした。人数を上手く調整し、足並みを少しでも揃えるための策だ。これなら、同盟クラン以外のプレイヤーが参加しても対応出来る。


「ポーションで回復できないやつはすぐ下がれ!近くの奴はそいつの援護!連絡板見てない他所の奴は無視しろ!」


掲示板を使って募集したメンバー全員は、その掲示板をそのまま戦闘中の連絡用として使っている。だから、細かい指示は掲示板を通しているため、それを見ていない他人はそれなりにいる。


「カイドウ!押し込め!」

「おう!」


左翼に展開していた、『戦人』ばかりを集めた組がシェンの指示を受け、モンスターを追い込むように中央へ流れる。


「範囲攻撃持ち!稼げ!」


一瞬遅れて、中央に様々な魔法が飛び交う。広範囲を焼く「フレアサークル」、範囲内の敵を水で覆う「ウォーターサークル」、範囲内の敵を切り刻む「ウィンドサークル」、目眩しの「ライトサークル」、視界を奪う「ダークサークル」

モンスターの動きが一瞬止まると、次は前衛達のアーツが襲う。剣術アーツ「スライス」、槌術アーツ「インパクトスロー」、槍術アーツ「スピアスロー」、盾術「シールドバッシュ」等中央に集まった魔物を瞬く間に倒していく。


「よし。左翼はそのまま右翼に流れ、中央は左翼に移動。右翼は中央に引きながらモンスターを倒せ!左翼、空いた右翼にそのまま展開、以降繰り返せ!」


左翼が中央に押し込み、モンスターを倒す。その勢いのまま左翼は右翼方面に流れ、モンスターを倒す。中央組は左翼に方面に移動し、空いた左翼を守り、元々右翼にいたメンバーはモンスターを倒しながら中央の守りへ。左翼は流れのまま右翼の守りに。





西の平原、指揮官『守人』クランマスター、ベルリン視点


「無理に攻勢に出なくていい!一体ずつ確実に仕留めていけ!」

「マスター!大物抜けてきます!」

「任せろ!シールドプロテクト!」


前線を抜けて来たマウントボアの前に立ち塞がり、その突進を受け止める。


「集中砲火!」


動きの止まった一瞬に、周囲から魔法が飛び、仕留める。


「『守人』の防御は絶対だ!安心して攻撃に専念しろ!」


プレイヤーネームは不穏(ベルリン)なものの、その実力は間違いなくトップ。安定した守りにより、西の戦況は安定していた。



東の森、指揮官『風を識る』クランマスター、風音視点


「魔法持ってない人はスケルトンに集中!神官はローテーション通りに!二班、三班、モンスターが流れます。警戒を!四班は状況次第で二、三班の援護」


『風を識る』のクランメンバー全員を偵察に回し、戦況を逐一報告。その場その場に応じた戦略をたて続ける。


「マスター、五班押され気味です。周囲の六、七班も手一杯です」

「凛!」

「オーダーを」

「五、六、七班の援護。その周囲の敵の掃討。やりなさい」

「承りました。状況開始します」


『風を識る』副官の凛。クラン内唯一の戦闘系プレイヤーで、風音のリアル秘書でゲーム内では護衛。というRP勢。


「凛が向かってる。五、六、七班はもう少し耐えて!アミュー!働いてんの!?」

「これ以上何をしろって言うの!?無茶言わないで!こっちでもブラックなんて勘弁してよ!」


そう言いながらも、この戦場で最も活躍しているのは間違いなくアミューだ。回復と支援、そしてアンデット特効の光属性魔法。彼女含む『白良企業』所属の神官は皆、相当な活躍をしている。



南の森、指揮官『先導者』クランマスター、レオン


「モンスター目視できません!」

「よし、今のうちに被害状況の確認を!弓隊は警戒を」

「ポーションが足りない人は集まって!纏めて回復させる!」

「生産職!矢が足りない!急げるか?」

「ポーションとどっち優先だ!?」

「ポーション優先」

「だそうだ!」

「矢専門に何人か回してくれ。ミオ!矢の予備を分けてやってくれ。それで時間は稼げる」

「了解。レオン、それと悪い報告。第二波襲来」


第一波を凌ぎ、休息と補給に慌ただしかった戦場が、第二波の襲来によって更に慌ただしく。


「術士隊、弓隊は援護を最小限に抑えろ!ポーションは前衛優先、急げ!」


偵察型プレイヤーが前線と補給隊を往復し、ポーションを配る。


「レオン!第二波後方土煙確認!第三波と予想!」

「まじか!?」


南の森は運営告知によると、最難関の防衛戦になると言われている。


「甘く見ていたつもりはなかったが、これは予想以上だ」

「マスター、前線補給完了、いつでも行ける」

「よし。各員伝達!第三波の兆し有り!心して挑め!」

「応!」


第二波が襲来。再び戦闘の火蓋が切って落とされた。


「鳳仙禍!十刃・射抜き!」


このイベント中に上がったスキルのおかげで、周囲に浮かぶ血刀に、型を登録することでその動きを模倣させることに成功した。


レオンの突きに合わせて、十の血刀が全く同じ速度で敵を貫く。


「マスター後ろ!」


横から声が聞こえるが無視。後ろを見る必要する無い。何故かって?それは、後ろにはミオがいるから。


トッ、そんな軽快な音を立てながら、飛びかかろうとしたゴブリンの頭に矢が刺さる。木々の生い茂る森の中、その隙間を縫うようにして放たれる矢は、味方の士気を上げ、敵は本能的に恐怖する。



「ミオさん、矢は使わない方が」

「大丈夫、取っておきがあるから」


ミオの言う取っておきは、スキル「矢筒」とオリジナルスキルの「魔法の矢」だ。

「矢筒」はスキルレベルも上がり、いい感じに消費を抑えている。

「魔法の矢」はそのまんま。属性を付与せず魔力を打ち出すだけの技だ。



「流石だな」


迫るモンスターを倒しながら、レオンは小さく呟く。

モンスターやプレイヤーが入り乱れ、木々の隙間を縫って弱点に一撃。そんな芸当、普通は出来ない。まぁミオは普通じゃないからな。


「そろそろ第二波も終わって、三波が来る頃か」


モンスターの死骸の山を築き上げ、その中心で仁王立ち。

鋭く細められた目は木々の向こうを見つめていて。


「レオン!」


後方から聞こえるミオの声に、レオンはその気配を更に濃くすることで応える。


「全員一時後退。最終防衛ラインで補給してこい」


有無を言わさない圧。クランメンバーは大人しく下がり、クラメン以外のプレイヤーもその圧に怯え下がっていく。


「時間も丁度いい。始めよう。鏖殺だ」


月が紅く染まり、朧気に霞んでいく。


『禁呪・朧月夜』・一日に一度、一度使えば再使用出来るのは24時間後。これはもちろんリアル時間でだ。その効果は、使用中範囲内にいる発動者のステータスを倍にする。そして、特殊種族スキル『王の晩餐』を使用出来る。これの効果は、経験値の入手が半分になる代わり、パーティー枠や使役枠関係無く、眷属を無限に召喚出来るようになる。


「行け、血の番犬共」


血を一滴垂らすと、レオンを中心に紅く円が広がり、中から血に濡れた狼が現れ、次々と戦場へ飛び出していく。


「鳳仙禍、十刃」


レオン自身も、血刀をもって戦場へ飛び出す。

無限に降り注ぐ血の刀、一つ刺されば動きを封じられ、二つ刺されば命を奪われる。

数を増やし、どちらがスタンピードを起こしているのか分からないほどの番犬。小型モンスターには二体で狩り、大型モンスターには、囮や捨て駒を用いて多数で狩る。


オークとオーガの大型モンスターの足掻きを諸共せず、ゴブリン上位種ですら抵抗を許されない。ゴブリンやウルフに至っては、ソコに踏み込むだけで死を決定させられる。


あっという間に第三波を殲滅し、レオンは補給の為防衛拠点へと戻っていた。


「現状報告」

「弓隊補給完了」

「術士隊同じく」

「生産余裕を持って待機中」

「攻撃隊休息完了、いつでも行けます」

「麗奈、他方面の状況は」

「各方面第二波を攻略、第三波の兆しありません」

「わかった。全員、警戒は怠るな!」


弓隊と偵察型プレイヤーが常に周囲の警戒。

他の隊もすぐに動けるよう待機。

生産組も、緊急時のポーションを貯蓄、武具の予備も用意する。


「これで終わりだと思う?」

「どうだろうな。何も通知がないところを見ると、まだあるだろうけど」


告知の時からそうだったが、スタンピードの規模は数が凡そ4万という情報のみ。終了時刻や勝利条件等、イベントに関する情報が少なすぎる。


「偵察に行ってるパーティーは?」

「そろそろ戻ってくる頃です」

「戻って来たら休憩させろ。暫く森の中の情報が不足するが仕方ない」

「了解です。伝達します」


偵察型プレイヤー、これが意外と少ない。南の森の防衛に参加しているプレイヤーで偵察型にしているのは二十人。交代で回せればよかったのだが、森の範囲が広すぎるため出来なかった。


「レオン、戻って来た!」


色々と考えているレオンに向け、ミオが櫓の上から声をかける。

戻って来たメンバーは、慌てるようにしてレオンの前にやってくる。


「マスター緊急事態だ」

「モンスターの数が増えてやがる!」

「厄介なことに、アンデットやリザード、ボア。他方面のモンスターも混じってる!」

「何!?」


戻ってきて早々告げられた言葉は、その場に居る者を驚愕させるのに十分な情報だった。

レオンは長考に入り静かになり、他のメンバーも近くのものと相談していると、全プレイヤーに共通のログが流れた。



北、東、西の防衛に成功しました。

これにより、イベントが進行します。

南の森にボスモンスターが出現。同時に北、東、西のエリアモンスターも出現しました。

ボスモンスターの情報を公開します。


キングトータス 別称・亀の王 Lv90

HP1200000/1200000


イベント進行により、情報が解放されました。

大規模スタンピード、イベント名『厄災・序章』


イベント勝利条件

・ボスモンスターの討伐

・街の防衛

イベント敗北条件

・ボスモンスターの討伐失敗

・街の壊滅


キングトータス到達時間残り三時間四十五分


南以外に参加しているプレイヤーに通達、南の防衛に参加可能になりました。



「カイドウ!」

「わかってる!全員南の森に移動するぞ!」


「風音、先に行きなさい!」

「わかった。凛はアミュー達の護衛!」

「承りました」


「ベルリン!」

「わかってる!街に転移していけよ!走ってたら時間を無駄にする!」


ログを見て、各方面のクランマスターはすぐさま行動を起こす。


そして、南の森でも対処の為に慌ただしく動いていた。


キング(ボス)ポーン(第四波)の距離は!」

「凡そ254キロ。巨体と移動速度の関係上、ポーンを殲滅するのに支障はないかと」

「よし。各方面の同盟クランから連絡があった。もう向かってるそうだから、合流するまでに出来るだけ数を減らそう」


各方面の防衛拠点から転移で街に戻って、そこから急いでここまで。だいたい二十分か。


「生産組は防衛拠点の拡張を。ポーションなんかの生産要員を残すように」

「おう!」

「偵察隊は、『風を識る』と合流次第モンスターの数の調査とボスの確認を頼む」

「了解」

「姉さんには遊撃隊を組織して、モンスターを1箇所に誘導して欲しい」

「わかった。すぐに招集する」

「弓隊と術士隊は、森を抜けてきた奴を纏めてやってくれ」

「使用制限は?」

「他方面のメンバーが合流すれば、生産スピードは上がるから、出し惜しみ無しだ」

「総数増えるから、若干マイナスでは?」

「まぁ、出し惜しみ無しとは言え、この後のことを考えるなら、術士隊の余力を残したい」


キングトータス、想像通りなら物理攻撃が通らない可能性もある。そうなると、魔法攻撃が出来る術士隊を温存したい。


「了解。すぐに動く」

「術士隊からは、最低限の人数を回しておこう」

「頼む。神官・・・うちのクラン神官いない?」

「どっちかと言うと術士隊に纏められてる?」

「術士隊の神官達を独立部隊として動かして。アミューのとこと合流したらそこの指揮下に」

「手配する」

「マイは術士隊に混ざって待機。以上!」


己の役割を果たすために、すぐさま席を立ち指示を出しに向かう隊長達。


「遊撃隊!人数を半分に割り、左右から挟むように中央に誘いこめ!」

「弓隊、誘い込まれた敵を集中攻撃、スキルも矢もなんでも使用許可!」

「術士隊の神官達は術士隊から除隊。独立部隊として行動を。『白良企業』のマスター合流後、そこの指揮下に」

「盾持ち!中央に陣取れ!後ろに逃すなよ!」


行動は素早かった。『先導者』に所属していないプレイヤー達も動きを合わせ、一丸となって陣形を組んでいく。


余裕を持って第四波を迎え撃ち、被害を最小で抑えた。途中で『守人』がいち早く合流し、防衛戦を強固にできたのが大きかった。『風を識る』と『戦人』が次に合流。戦闘が終わる少し前に『白良企業』が合流、回復までの時間が一気に短縮された。



南の森、第四波の撃破を確認。

キングトータスを討伐すれば、パーフェクトゲームとなり、イベント報酬が増加します。


イベント、ボスフェイズに以降。これによりボス以外のモンスターが出現しなくなります。


キングトータス HP 1199524/1200000


全体の補給が終わったと同時に、新たなログが流れる。


「雑魚は出てこないボスフェイズか」

「なんかボスのHP減ってね?」

「多分抜け駆けしたアホ共じゃない?」

「何人かいましたね。邪魔なので放置しましたが」


各クランマスターとの会議中、ログを見ながら作戦を練る。


「風音、キングの偵察に行ってる奴から連絡は?」

「丁度来た。先行した馬鹿共が攻撃パターンを引き出してくれてればいいけど」


馬鹿共が抜け駆けしたのは、『風を識る』が合流した少しあと。スタートが早ければ、先にたどり着くのは『風を識る』のメンバーだ。


「基本攻撃はない?その体そのものが武器ということね。馬鹿共も踏み潰されたらしいわ」

「踏み潰された?そんなにでかいのか」

「近寄れないから、目測の上おおまかだけど脚だけで50メートル。全長凡そ560メートル」

「バカデケェ」

「予想通り、物理より魔法の方が効きやすい、なんてことはないそうよ。ダメージはほぼ一定。何かしらのスキルの影響かしら」

「鑑定で分からないのか?」

「今行ってるメンバーじゃLvが足りないの」


偵察に行っているメンバーで鑑定の最大レベルは15。レオンより少し上である。


「よし。作戦を伝える。近接武器を主にしているプレイヤーは、キングとの距離を一定以上確保しつつ進行方向で待機。遠距離持ち、弓隊や術士隊は距離をとりながら、併走しつつ攻撃。何かあった場合に備え『守人』は弓隊や術士隊の護衛に」

「レオン、元々ここの防衛に参加してなかったメンバーも隊に振り分ける?」

「いや、各方面に参加したままのメンバーで弓隊や術士隊を新しく組織。同時に『守人』『白良企業』のメンバーを上手く四分して配置。東の森参加メンバーが減るだろうから、その辺の調整は任せる」

「了解だ。カイドウ!先に戻って指揮を頼む」

「凛、メンバーの選出。それとキングの監視班の交代要員を先行させて」

「万里、各隊の全体数を確認。一団体を何人で守れるか検討に入ってくれ」

「私のクラン、副マスター決めた方がいいかも・・・」


『戦人』のシェンはカイドウに、『風を識る』の風音は凛に、『守人』のベルリンは万里に指示を出す中、『白良企業』のアミューは副マスターが居ないため、自分で伝えに行く。


「姉さん、うちのクランメンバー全員集めて。ミオは南の森防衛に参加した、クランメンバー以外の統率。そっちの指揮は任せる」

「何するつもり?」

「スリリングな冒険」


ニヤリと笑うその顔は、その場に居る全員にドン引きされるほどの良い笑顔だった。



時間が進み、場所は変わる。


「レオン、各班配置完了。いつでも行ける」

「了解だ。ミオが先に仕掛ける。それを合図に撃ち込め。それに合わせて、俺達は奴の懐に潜り込む」


レオンの後方、ミオが攻撃の為の魔法を構築する。その間に、レオン達特攻隊は、作戦を確認する。


「奴の懐に潜り込んだら、AGIが高いやつは中央くらい、低めのやつは端の方によって、推し潰そうとしてきたら直ぐに逃げれるように」

「割と自分らも危なくないですか?」

「気にすんな。死んでも南の森の防衛拠点で復活するのがわかったんだ。安心して逝けよ」

「安心出来ない!」


復活地点の情報は、先行した馬鹿共によって齎された。

ボスに潰されたプレイヤーが、進軍する自分達の後ろから追い抜いてきたのだ。察しが良ければ想像できる。


「其れは矢であり矢にあらず。其の矢は鋭き一閃。矢は一陣の雷光と化す。魔法創造(イミテーション)貫く矢は(デェトーション・)光となり雷へ(ヴァジュラ)!」

デェトーションですが劣化を意味します。元単語を少し弄っています。

そして、ここではヴァジュラは神の雷を意味します。

つまり、劣化版神の雷となります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ