表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
22/111

第21話 ギルドと使役そしてエリアボス

あの後カイドウと別れ、素材買取所で今日の成果を換金し、必需品の買い足しを終えログアウト。

買い揃えた調理器具を使えるようにし、晩御飯の支度を始める。と言っても凝った料理は作れないので簡単なものに。


「姉さん、お皿人数分お願い。むーと舞はテーブルの方用意して。澪は洗濯物しまって分けといて」


言われた通りに各自が動く。神楽姉さんが、5人分のお皿を用意。それなりにオシャレなお皿を選ぶ。むーと舞の二人で、テーブルを一通り拭いて、箸やコップの用意もする。澪は庭に干してある洗濯物を取り込み、それぞれの物で纏めて畳んでいく。ちなみに料理は当番制で、俺と澪が交互にやることに。つまり、洗濯物を俺が取り込むこともあり、下着が・・・。別に気にしないらしいが、澪は少しだけ恥ずかしがっていた。今も少し顔が赤い。理由は察しろ。


「今日は何?」

「回鍋肉」

「連続で味濃くない?」

「明日、澪が濃くないの作るからいいんだよ」


この星に来て初日がピザ、昨日はカレー、そして今日が回鍋肉。確かに濃い。まぁいい。

別に濃くない料理も作れるが、丁度あった食材で合うので、パッと思いついたのがそれだっただけだ。


皆がそれなりに食べるので、量は多めに。ご飯も4合と多め。それをぺろりと平らげるから、作りがいはある。


食事を終えたら、少し雑談しながら掲示板を眺め、皆で形稽古。俺の動きに合わせ、後衛の舞は回避の練習。神楽姉さんは長めの棒を使って、振り回した時の重心移動や視線の移動先の確認。澪は、割と本気で振るう俺の刀を目で追う。

そんな練習を1時間。程よい汗をかき、順番に風呂に。大きめの風呂で、澪と神楽姉さん、舞とむーの組み合わせで入っていく。待っている間、俺はBPの使い方を考える。


「どこに振るべきか」


正直、HPに振る意味は余り無い。戦闘スタイルがカウンターになる場合が多く、そもそも攻撃が当たらないから。

振るべきなのはDEX、AGI、MPか。HP以外は振る意味はそこそこある。


「どうしたもんかね」

「玲音はMP、DEX、AGI、STRに振っておけばいいと思う」

「INTもありじゃない?魔法を防ぐ手段って今のところ無いし、当たった時のこと考えるなら」

「そうだよなぁDEXとAGI多めにして、STRとMPを次点に余ったのをINTかな」


むーと舞と入れ替わりで戻ってきた澪と神楽姉さんと相談しながらステータスにBPを振り分ける。


「新しいスキルも取らないとな」


習得可能スキル欄から、刀術、抜刀術、並列処理、複数魔法、使役、を取得する。

特殊スキルである暴食は、SP無しで習得出来た。


「ついでに血操術のレベル上げとくか」


残った内の半分を使って上げられるだけレベルを上げる。これでもう少し操作性が上がるはず。


「お兄、次」

「父さん、お風呂どうぞ〜」

「あいよー」


ゆっくり湯船に浸かり、今日の疲れを癒す。


「まぁ、疲れるようなこと無かったけどな」


湯を流し、風呂を軽く掃除。リビングに戻れば、トランプの用意がされていて。


「程々にな」


俺は一足先に部屋へと戻る。


「明日はまずギルドだな」


明日の予定を決め、眠りにつく。




「お兄寝た?」

「寝たな」

「完全に寝ました!」

「さぁ澪!」

「澪姉」

「母さん、チャンスです!」


玲音の部屋の前、扉をそっと開け中を伺いながら小声で話す四人。何をするつもりかといえば、


「待って、こんなこと流石に」

「何言ってる。夜這いじゃないからセーフ」

「そう。ただ一緒に寝るだけ」

「夫婦なら一緒の布団で寝るべきです!」

「まだ夫婦じゃないよ!?それに、断りもせず一緒の布団は・・・」


顔を赤らめてモジモジする澪。


まぁ何をしようとしているのかは言った通り。よば・・・。



どうなったかは、翌朝真っ赤になってテーブルに伏せる澪の姿と上機嫌な玲音の姿からお好きなようにお考えを。




VRギアの起動を確認。

認証、確認・・・一致。

ゲーム「CYAN」を起動します。


「さて、ギルドの場所はどっこさぁ」


朝食を食べ、片付けをし、朝済ませることを済ませたら、いつものようにログイン。今日変わったことと言えば


「父さん、ギルドはこの宿屋を出て右に行けばありますよ」


俺の横に浮かぶ、ムーの姿。何故いるのか聞いたら、サポートAIだそう。つまり?


「贔屓です」

「あ、はい」


だそうです。まぁくれる情報は、建物の位置や目的地の方向、それといくつかのスキルの代行だ。


「ありがとな。よし、向かおう」


宿屋を出て右へ。暫く歩くと、大きな建物が。分かりやすく、ギルドと書かれた看板。それと沢山のプレイヤーの姿。


「街の中のプレイヤー表記ってあんな感じなんだな」


あんな感じというのは、頭の上のマーク。プレイヤーネームそれと所属クラン紋。


「まぁいいや行くか」


今にして思えば、カイドウが絡むべきはコッチで、素材買取所では無いよな?まぁ過去のことは置いておく。


ギルドに入って、情報掲示板を覗き受付へ。


「ようこそ始まりの街のギルドへ。本日のご要件はなんでしょうか?」

「クラン登録と各方面のボスモンスター情報が欲しい」

「かしこまりました。クラン登録は、既存のクランに致しますか?それとも新規で創られますか?」

「新規でお願いします」


その瞬間、周りのプレイヤーの視線が集中する。


「あのかわい子ちゃん達のクラン?」

「条件によっては俺達も?」

「よし、クラン板の前で待機だ!」

「俺が先だ!」

「いいや、俺だね!」


我先にと駆け出す。


「なんだあいつら?」

「あははは」

「面白い人達です!」


よく分からない行動に首を傾げつつ、ギルド登録に必要な項目を埋めていく。


「代表者がレオン様、代表者補佐にミオ様、代表者代理にカクラ様、マイ様ですね。クラン名が解放者(Rebellion)


いいのが思いつかなくて、安直な感じに。


「加入条件は、代表者との模擬戦、そして補佐と代行の審査。加入申請受付は無し。クラン方針は現状無し、説明も無し。以上でよろしいでしょうか?」

「はい。お願いします」

「かしこまりました。ギルドが承認致しました。こちらを代表者様にお渡しします。クランメンバーの方には、自動でギルド証が付与されますので、そちらをお持ちください。そして、モンスターの情報ですが、ギルド証に登録されておりますのでご確認ください」


受け取ったギルド証はネックレスタイプ。装備欄の装飾品から装備する。装備の下に隠れているが、胸元を漁れば直ぐに出せるようだ。


ミオ達も同じものが付与されたらしく、同じように装備する。


「お、レオンじゃねぇか!」


声をかけられ振り返ると


「カイドウか。丁度いい。お前んとこの代表者いるか?」

「代表者?ギルドのか?」

「あぁ。同盟をどうかと思ってな」


急な気もするが、先日のスライムみたいなのと戦うことになった場合、協力出来るクランがあるのとないのとでは、雲泥の差だ。


「そりゃ嬉しいがいいのか?」

「人数が少ないから、そっちがいいなら是非」

「わかった。マスターに相談するから時間くれ。後で連絡する」

「わかった」


別れの挨拶だけして、ギルドを出る。


向かった先は昨日の戦闘があった南の森。


「とりあえず、グラトニースライムを使役して」


使役可能欄からグラトニースライムを選択。使役する。


※使役モンスターについて


使役モンスターは召喚時、一定のMPを消費。消費量はモンスターのサイズで変更。プレイヤーより小さいモンスターは2割。プレイヤーと同等は3割、プレイヤーの倍以上は5割となる。

消費したMPは回復可能。消費MPは軽減が可能。


使役モンスターは、戦闘に参加することで経験値を得る。一定レベルで進化。

ステータスは召喚主の五分の一。モンスターのレベル上昇に応じBP獲得。それを振ると、ステータスにボーナス。(召喚主のステータス五分の一+ボーナス)


召喚モンスターは、パーティ枠にカウントされない。

召喚可能数は五体。

同じモンスターを使役することも可能。


「なるほど。ミオ達にはスライムの使役は?」

「来てない」

「多分、ラストアタックかMVP」

「まぁ、来てたとしても、私は遠慮するかな」


会話をしながら、グラトニースライムのスキルやステータスを確認する。


「このスキルとステータスならタンク要因だな。ヤバくなったら盾にしよう」


ボスだった頃同様、物魔軽減があるためタンクにはもってこい。更に、召喚モンスターなので死んでもまた呼べばいい。流石に一度死ぬとクールタイムが発生するが。



「それで?ここに来た目的は?」

「そりゃもちろん。レアモンスター」


グラトニースライムを倒したことで、出現するようになったというレアモンスター。その捜索だ。あわよくば使役したいと考えている。


「それに、この辺の魔物ならレベル上げもできるだろ」


グラトニースライムを倒したことで、かなりの経験値を得た俺たちは、森の中程の魔物では効率が悪くなっていた。他のエリアボスを狙ってもいいのだが、まずはレアモンスターから。そのついでにレベル上げだ。


「なるほど」

「なら、周りのは殲滅?」

「当然」


警戒はしていたが放置していた敵に意識を向ける。


ゴブリンの群れ、平均レベルは15。エリートゴブリン率いる魔物の集団。


「魔法創造、雨の矢。属性付与、風」


ミオがスキルで新しい魔法を創り出す。

魔力で矢を複数生成。そこに属性を付与する。風を選んだ理由は、1番邪魔にならないからだろう。


「属性付与、風。風鎌(かぜのかま)


姉さんも武器に風属性を付与する。付与といっても、属性魔力を纏わせるだけなのだが。


「簡易防御結界付与」


マイは攻撃を受けた際の保険を全員にかける。


「血操術・血刀、十刃(じゅうじん)


俺はいつものように傷をつけスキルを発動。 手に持つのと他に周囲に十の血刀を浮かべる。


「蹂躙せよ」


ミオの魔法とレオンの十刃によって、ゴブリンは体勢を崩す。中には、多段ヒットしてしまい、倒れるものも。

流れは完全にレオン達のものとなった。


射抜き(いぬき)浅太刀(あさたち)頭伐(とうばつ)!」


それなりの位置の敵へ高速刺突で接近。人で言う心臓の位置を一刺し。その隙を狙うように飛び込んできた二体のうち一体を殺さない程度に斬りつけ、もう一体の首を刎ねる。


『射抜き』は全身のバネを一斉に稼働させる、最初から最速の突きだ。

『浅太刀』、敵を殺さず生かす事を目的として編み出した。

『頭伐』、重要部位破壊を目的として編み出した。鎧を纏っている相手には効果が薄い。かもしれない。

一体を残したのはグラトニースライムの能力確認のためだ。


レオンの刀術も目を引くが、他の面々もかなりのものだ。


ミオは木々の上を常に移動しながら攻撃している。ゴブリンの性質上、自身より高いところにいる相手には手が出せない。その利点を利用し、更に敵に位置がバレないよう移動し続ける。その間も放たれる矢は正確に急所に射さり、ゴブリンの数を減らしていく。


カクラの戦い方は変わっていると言っていい。カクラの持つ武器は鎌。しかし、()()()()()()()()。ただの棒と変わりないのだ。だが、そこに風の魔力を纏わせ、風の刃としている。

通常鎌という武器の特性上、断ち斬るでなく引き斬る。

敵の身体の向こう側からこちら側へ。引くことで初めて斬ることが出来る。

刃の代わりに風の魔力を纏わせるとどうなるか。簡単に言うなら、持ち手以外、どこにあたっても身体を斬られる。どんな当て方をしても、相手に切り傷を付けられる。


マイの方は、一切の攻撃をせず回避にのみ注力している。マイ自身攻撃できない訳では無い。だが、ステータスやスキルの関係上、今は時間がかかりすぎる。だから回避に専念し、味方の攻撃範囲に誘い込む。割と危険な真似をしているが、稽古でレオンの木刀を避けているだけの事はある。


時間にして約8分、ゴブリンの群れは全滅した。

攻撃範囲の広いミオとカクラの下へマイが誘導。それに釣られないモノをレオンが対処する。

この四人が、このゲームをする上で組み立てられた対モンスター(雑魚敵用)基本戦術。初日から確立された戦術であり、以前から行っていた狩りの仕方だ。



「まぁ経験値はそこまで美味くないか」


ゴブリンの群れを倒しても、レベルは上がらなかった。

浅い所より上がりやすいと言うだけで、簡単には上がらないのだ。


群れとの遭遇回数は割と高く、二時間もすれば倒したモンスターの数は四人合わせて三桁に届く。


「これだけやってレベルは1しか上がらないか」

「それに、目当てのレアモンスターも見つからない」

「そもそも、レアモンスターの情報がないからね」

「貰った情報は全部ボスモンスターのものだからな」

「・・・次の戦闘が終わったら一旦落ちるか」


そろそろお昼の準備もしないとだし、カイドウからの連絡もあった。時間は午後一番で集合場所が北の・・・。


「レオン」

「捉えた」


ミオが発見したのは・・・


「見つけた」


シードウルフ Lv25 ※レアモンスター 出現確率0.01%


進化の芽Lv1 噛み付きLv3 引っ掻くLv3 魔法Lv1 迅速Lv4 空歩Lv1 ???Lv?


レアモンスターのようだな。なんて優秀な。そして気になるモンスター名と一つのスキル。

シードウルフ・・・シードは種?狼の種?狼種という種族の種・・・つまりイーブ〇。使役確定だな。


「全員使役しようか」

「「了解」」


ミオが矢を番え、マイが補助の結界魔法を付与する。カクラは二人の護衛のためにその場で身を潜める。

レオンは血刀を鞘に収め、


「往くぞ」


飛び出す。使役する為の条件は不明だが、一部特殊モンスターはグラトニースライムと同じように一人にしか使役できない。グラトニースライムの討伐に何人が関わっていようとも。

多分、このウルフは全員で掛かれば全員が使役可能になるはず。いや知らんけどもね。


「瞬攻!」


一足でウルフに接近する。鞘から抜かれた刃がウルフの首を狙う。こちらの気配に気付き回避しようとするが、狙い澄ましたミオの矢がウルフの退路を断つ。

完璧なタイミング、完璧な位置に三本の矢がタタタッと音を立てて突き刺さる。


回避が無理と悟り、迎撃しようと動こうとして、これをカクラの放った風の刃に弾かれる。


そして、シードウルフの首を捉えた血刀は、拒まれることなく弧を描く。その紅い刀身はマイの結界魔法で強化されていた。


「斬撃属性強化の結界は成功」

「連携もバッチリだな。流石だ」

「それにしても拍子抜けだな」

「奇襲からの重要部位破壊で一撃。モンスターにも通じることがわかってよかった?」

「ミオの言う通り、それがわかったことは収穫だな。まぁ大型には通じないだろうけど。さぁリザルトの確認だ」


ログを確認すれば、使役可能モンスターにシードウルフの名前が。


「あるな」

「あったよ」

「使役スキルも取った」

「名前とか付けられる?」


全員がちゃんと使役でき、設定可能な欄を確認していく。名前は付けられるらしい。グラトニースライムにも付けるか?

そのグラトニースライムは、先程まで狩っていたゴブリンの死体を吸収していた。


決まった名前は、レオンのグラトニースライムがトニー、ウルフがリジ。ミオのウルフがテンカ。カクラのウルフがシェル。マイのウルフがアーラ。オスメスの区別はあった。まぁ名前で察することができるだろう。


レアモンスターも使役することができ街へ戻る。

ログアウトし昼飯を食べて身体を少し動かしてまたログイン。カイドウと待ち合わせをしている北へ向かう。

その待ち合わせ場所は、


「なぁーんでボスエリアなんですかね?」

「実力を見たいんだと」

「ボスの規模がレイドで良かったな」

「この人数に合わせられるかな?」

「ん?合わせる必要あるのか?」

「え?私達だけで動いちゃダメなんです?」

「ダメだろ」


北の山、そこに存在するボスモンスター、マウンテンゴーレム。そのボスエリア手前で、俺のクランとカイドウの所属するクランで集まっていた。


「レオン、紹介するぞ。うちのクランマスターのシェンだ」

「よろしくな!」

「よろしくお願いします。レオンです」

「突然悪いな。ボス攻略なんて」

「いえ、それを言ったらこちらもいきなりでしたから」

「そういえばそうだな!」


カイドウと同じようなかなりデカい。声が。図体もデカいしな。

今現在『CYAN』内トップの人数を誇るクラン、『戦人(いくさびと)』。

既に人数は200手前。レベルも平均15。一週間も経ってないうちからこれはすごい。


「シェンさん、戦術は?」

「シェンでいいぞ。戦術は・・・まぁ行き当たりばったり?」

「それでいいんですか?」

「まぁ敵の手の内知らないからな」


ギルドの情報・・・まぁいいや。それならそれでやらせてもらおう。


「エリアに入った瞬間に戦闘が始まる。マイ今のうちに頼む」

「ん。防御結界、小範囲反射結界、斬撃打撃属性強化結界」


四種の結界を俺とミオ、姉さん、自分に施す。

向こうも向こうで後衛組から支援が飛んでる。

先手はどうするか。敵の名前的にに斬撃への耐性が高そうだ。となれば打撃か魔法。まぁいいや。スキルのLv上げになるだろ。


「いくぞ」


シェンの静かで力強い号令で一斉にエリアに踏み込む。


「雨の矢!」

「風鎌!」

「瞬攻!破刃!」



『破刃』は装甲を破壊したり、部位欠損を狙うための技だ。


踏み込むと同時に俺達は動く。姉さんとミオは予め待機させていた魔法を発動。相手の初動を遅らせる。その間に俺が接近し、装甲が硬い相手にも一応通じる一撃を放つが。


「硬い」

「斬撃は効きにくいよな」

「レオン下がれ!」

「魔法創造。削れ、羅旋風(らせんぷう)


攻撃が弾かれるも、ミオが二撃目を既に備えていた。

二撃目がレオンの攻撃したいちと同じ箇所に命中。装甲を削り落とす。


「HPバーは四本。持久戦か?」

「そうだとすると回復アイテム足りない」

「レオン!こっちは神官いるから回復足りるがお前の方は!?」

「いやいない!だがなんとかなる!」

「そうか!わかった!」


ポーションが足りなくなったとしても、一応自動回復スキルはある。問題は即死した場合とかだな。現状復活アイテム見つかってないし、そういった魔法もない。ミオの魔法創造スキルでも創れなかった。


「まぁなるようになるか」


考え事をしながらも戦闘は続く。


『戦人』の壁要因、火力要因が上手く連携を取りながら立ち回る。前衛はオーソドックスな騎士タイプのプレイヤーと鈍器をメインにするプレイヤー。中衛の位置に動ける方の補助系プレイヤー。後衛は魔法メインと神官系プレイヤーの6:4で分けている。

盾役が受け、鈍器使いと魔法職で削る。神官の主な回復対象は盾役の騎士。


順調に一本目のゲージを削り切る。


「行動変化警戒!」

「タンク!ヒーラー!サポーター!」

「マイ、保険を」


シェン、カイドウ、レオンの指示にそれぞれが従う。

タンクは防御スキルを発動させ備え、ヒーラーは回復スキルをスタンバイ。サポーターは防御強化のバフをタンクに。マイが全員を守るように結界を展開。大きくなればなるほど効果は弱まるのが心配だが。


備え終わると同時、ゴーレムの一部が崩れる。崩れ落ちる岩は、地面に落ちると次の瞬間に浮遊し始める。


「この展開は・・・」

「予想通りなら」


あの岩が飛んでくるんでしょう。あぁほらやっぱり。


崩れ落ちていた岩が全方位に撃ち出される。

問題なく耐えたな。次の行動はどうなる。


「っ!前衛!後方警戒!」


レオンが何かに気付き、前衛に呼び掛ける。


「後ろ?え?」


振り返った一人がやられた。


「ミオ!姉さん!」


咄嗟に次に狙われている奴の後ろに回り、もう一体のゴーレムの攻撃を受ける。受けると同時に、二人から魔法が飛んで来てゴーレムを弾き飛ばす。


「全員一旦後退!」


トップクランなだけあって、動揺も少なく迅速に纏まった。


「何処から!?」

「あいつから崩れた岩だよ!」

「新しい方にHPバーの表示ないし、本体の方が削れてるから、体力共有の分体」

「サイズも小さいけど、防御力なんかも共有だと思う」

「となると、一部そっちに回さないとか」


立て直し、こちらとの距離の近いゴーレムの対処を行いながら、わかる情報から作戦を練り直す。


「マスター!これだとこっちのMPとアイテムが尽きます!」

「前衛の回復が間に合わなくなる」

「出直すしかないか?」


『戦人』の方は消耗が激しいようだ。まだ四分の一だぞ。


「カイドウ、シェン、そっちのメンバー全員回復の為一旦下げろ。時間は稼ぐ」


少し無茶かもしれないが、やるしかないだろう。


「マイ、こっちの援護は最低限でいいから回復優先。ミオはいつものように。姉さんは小さい方よろしく」

「「了解!」」

「鳳仙禍」


短くやり取りし、傷を開き術を行使する。


「あ、おい!」

「レオン!」


カイドウとシェンの制止の声を無視して突っ込む。


「仕方ねぇ。全員回復に専念しろ!前衛の奴らは警戒怠るなよ!」


シェンの指示で全員がMPやHPの回復に専念する。

シェンとカイドウだけは、何時でも飛び出せるように警戒しながら。



「十刃」


止むことなく襲いかかる『鳳仙禍』に合わせるように、新たに十の血刀を創り、自身の周りを浮遊させる。


「機動力を削ぐ!」


狙う先は脚。体を支え、移動を担うその部位を破壊する。

十の血刀を同じ箇所へ打ち込み、僅かな傷を付ける。


「抜刀術」


魔法や流派には名前が最初から存在するが、抜刀術や刀術の技に名前なんて無い。そもそも技もない。だからそれ等を補おうとするとリアルの知識が必要になる。


別断(わかだち)


硬い標的を、強引に切り崩す抜刀術。起点にする綻びがないと使えない、という欠点は存在するが、こういった敵には効果的だ。


片足が無くなり、バランスを崩し手を着くゴーレム。そこへ間髪入れずに攻撃する。


「十刃、別断」


着いた方の手を同じ要領で破壊し、さらに体勢を崩す。


「雨の矢!」


倒れたゴーレム目掛け、ミオの魔法が炸裂する。ゴーレムの巨体に面攻撃はもってこいだ。


「お兄!二本目!」


部位欠損による攻撃で大きく削れた二本目をそのまま削り切る。

そして、特殊行動・・・ない?


「単純に行動できないのでは?」


なるほど?立っている状態なら特殊行動があるが、この状況はないか。


「なら安心して行けるな!」


後ろを見れば、『戦人』の回復が終わったらしい。前衛が戻ってくる。何人かは姉さんの援護に。


「タコ殴りだ!」

「「おう!」」


防御と回復に気を使わなくて良くなった為、全員が攻撃に集中する。小さい方のゴーレム担当は。そうはいかないが。


「三本目!一応警戒!」


人数のおかげか早く三本目が削れ、四本目に突入する。


「特殊行動はどうなる」


流石にこのままってのは味気ないんだが・・・。

しばらく経っても何も起きない。と思っていたが。


「レオン!こっちだ!」


呼ばれて振り返ると、吹き飛ばされるタンクが視界に。


なるほど。小さい方の強化か。


「シェン!でかい方に攻撃は通らない!あとはそいつだけだ!」


即座に状況を整理、元本体を攻撃しどうなったかを確かめ、得た情報を共有する。


「聞いたか!全員気を引き締めろ!」


小さいゴーレムは動きが早く小回りが利く。

攻撃力と防御力は本体そのままから強化され、さらに厄介に。

回復は間に合っているが、こちらの攻撃が中々当たらない。敵のサイズと人口密度の問題で、ミオが攻撃に加われない。姉さんも攻撃範囲の都合上加われず、攻撃が当たったとしてもダメージが通らない。『別断』を試したが、強化の影響か、破壊できなかった。ジリジリと追い詰められているような感覚を覚えながらも、最後の一本、その半分まで削り、状況が変わる。


「カイドウさん!攻撃力が上がってる!あと速度も!」


速度が上がり攻撃力も増した。厄介な状況に、こちらの被害が増えていく。

ヘイト管理という言葉を無視するかの如く、ランダムに狙うゴーレム。その被害が後衛にも及び始める。


「キャァ!」

「グァ!」

「いやァ!」


次々と落ちていく仲間達。しかし、おかげでスペースが出来た。


「ミオ!姉さん!マイ!仕留めるぞ!」


四人の横に、使役モンスターが出現する。


「ここからは俺達、解放者(Rebellion)の時間だ!」


ウルフ達が飛び出し、ゴーレムに僅かながらダメージを与え撹乱する。そこへミオの矢と魔法が炸裂。ダメージを与える。結果ゴーレムはその場に釘付けに。


「ミオ姉が創った魔法、とくとご覧あれ!結界・重!」


ゴーレムのいる場所だけ地面が沈む。その効果は、ウルフ達には影響しない。

ミオが創造できる魔法は自分用だけではない。仲間の為の魔法を創造し、継ぐことが出来る。

今回のは単純に重力を更に強くするだけ。


「動きが鈍っているなら!」


レオンが血刀を納刀、その刃に魔力を通す。


「魔法複合抜刀術・居合抜刀魔刃斬」


刀の間合いの僅か外で脚を止め、抜かれた一刀は魔力で強化され、斬撃の届く範囲を大きく伸ばしゴーレムの体を両断する。


「捉えた!狩りとれ、魂喰らい(ソウルイート)


両断された体の中、ゴーレムの核が露出する。それめがけて、カクラが鎌を振り下ろす。


魂に直結する部位に関しては、鎌の攻撃は特効となる。


そして、ゴーレムのHPは四本全て削り切った。


「終わったぁ」

「キツすぎる」


『戦人』のメンバーがその場に崩れ落ちる。それなりの時間気を張り続けるのは大変だからな。


突然エリア一体が光を放ち視界を奪われる。

目を開けた時、目の前にモンスターが、なんてことはなく、居たのは倒されたはずの仲間達。途中で見ないと思ったら、観戦エリア?に飛ばされ、今までのを見ていたらしい。

全員が揃ったことを確認し、リザルト確認!ボス攻略は美味しいからな!楽しみだ!











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ