第18話 到着そしてゲーム
「転移するのかと思ったら、エルニエルトで移動なのか」
「いえ、転移できないこともないのですが、面倒なので正規の手段で行きます」
エルニエルトで乗り込むのが正規の手段?
というか、俺達の行く先の情報なんも聞いてないな。
「で?どういう星なの?」
「簡単に言えばゲームの星?」
「はい?」
「詳しく説明します」
今から行く星には、グレーゴルの眷獣10数体が封印されている。それ等を倒そうとすると、封印をとかなければならず、そうすれば星は瞬く間に滅びる。ならどうやって倒すか。結果、仮想世界に閉じ込め、そこで討伐する。そうすれば、星に住む人類も現実以上のスペックが発揮出来る。だが、そう簡単に事は進まず、グレーゴルに干渉され魔獣や魔族が送り込まれた上、人類が用いるアバターはレベル制にされた。
「つまりVRMMORPG?」
「そんな感じです」
「俺達はそこで、アバターを介して参戦するのか?」
「そうなります。父さんや母さんのスキルはある程度そのままです。サービス開始と同時にログインしたら、速攻レベル上げしてください」
「スキルのサービスしていいのか?」
「ゲームの使用上問題ありません。ゲーム開始時にスキルを選択し、ステータスにボーナスを振ります。種族によって初期ステータスも変わるので、スキルのサービスくらいなら問題なしです。母さまを除いて、全員は特殊種族ですし。それに、向こう側にも多少の調整入ってるので」
ゲームとして販売し、実際には世界を賭けた代理戦争。ゲームとする以上、一方的なのはダメなのか。まぁゲーム運営の悩みどころだよな。
スキルは初期選択制。レベル上げをしていくと、新しいスキルが覚えられる。だから、今の俺達のスキルはそのままでも大丈夫。特殊種族の特殊スキルってことにすれば問題なしか?まぁ運営の方でもそういうの用意するらしいからいいか。
「生活する場所とかはあるのか?」
「勿論です。編入先の学校も住居も手配してあります」
「準備がいいな」
「父さん達を援軍に送ると言ったら、一日で用意してくれました」
それほどまでに逼迫してるのか。
「到着したら情報収集だな」
「私は、神楽と舞ちゃんと必需品の買い出しかな?」
「そうだな」
「次いでに、お兄が集められないような情報も」
「ボクはその星の神に挨拶してくるので。さぁもうすぐですよ」
むーが指差す先に、惑星が見える。地球に似た惑星だ。まぁきっと、俺達の住んでた星同様、地球を参考にして作られたんだろう。
豊かな星だ。魔獣や眷獣の暴れた痕跡がない。被害が出る前に対処出来たんだろう。現実世界には何の影響もなく、仮想世界でのみ影響を及ぼす。どんな封印の仕方したんだか。ある意味で平和だな。
「それでは、ボクはいってきます」
「玲音、留守番よろしくね」
「アバターの設定よろしく」
「お兄、先に一人でやろうとしないでね」
目的の星に付き、生活の拠点に移動。家具等の確認をして、スキルの確認とステータスボーナスを割り振る。そうしたら、後は時間まで情報収集。
事前の決まり通り、澪、神楽、舞で買い出し。俺は家で、ゲームシステムの確認とPVやCM映像から敵の確認。ネットを使った情報収集。まぁまだサービス前だから、それほど期待はしていない。
むーちゃんは神への挨拶。
「丁度春休みの時期だから、スタートダッシュは行けるな。俺達のスキルと戦闘能力を考えると、初期の狩場は・・・」
「全員キャラ設定は終わってる・・・肉体情報の登録も終わってる・・・」
「長時間使用アラーム?長時間使用を警告してくれるシステムか。とりあえず八時間に設定しとこ」
「初期武器の選択?これ選んじゃっていいのか?まぁいいか。澪は弓・・・神楽姉さんは鎌、って無いのか?どうしってあるやん。特殊種族用って。舞は鉄扇。俺は・・・刀は直剣派生か。仕方ない。そのうち叢雲使えるしいいか」
そんなこんなで準備を進め、気付けば夕方5時。
鐘の音が響けば、澪達が帰ってくる。
「「ただいま〜」」
「おかえり。むーも一緒か」
「はいです!」
手洗いうがいを済ませて、リビングに集合。
「晩御飯の食材は?」
「今日はこれ。食材は明日以降のやつね」
テーブルに置かれたのは・・・
「まさかのピザ。珍しい」
「サービス開始までそんなに時間無いし、調理器具も足りないから丁度いいでしょ?」
「それもそうだな」
というわけで、封を開けて飲み物の用意。取り分けるように紙皿置いて、唐揚げやポテト等のサイドメニューも。
「よし。いただきます」
「「いただきます」」
食べながら、軽く情報を交換する。
「学校も見てきたよ。それなりに近かった」
「スーパーや服屋、家具屋も近かったから、立地的には最高かな?」
「同級生になる人とも会ったよ。いい人だった」
「この星の神から、これ以上の贔屓はできないと言われました」
「キャラの設定、残りは終わらせたから確認してくれ。それと、β版の時の情報纏めてあるサイトもみといて」
手短に済ませ、片付けを終えたら、シャワーを浴びて汚れを落とす。
順番待ちをして、出たら髪を乾かし、部屋割りを決める。
そうこうしていたら、サービス開始10分前に
「よし。そんじゃ向こうの世界で」
「はーい」
「楽しみだな」
「お兄、ナンパされないでね?」
それぞれがそれぞれの部屋に向かう。
自分の部屋に入り、用意されていたベットに横になり、VRギアを被る。
VRギアの起動を確認。
生体認証・・・一致
登録情報確認・・・一致
天瀬玲音、ようこそVRの世界へ
ゲームセレクト
インストールされているゲームは一つです。The beginning is from world of CYANを起動しますか?
Yes
ゲームのサービス開始までお待ちください
待機画面が表示される。数字が減っているから、カウントダウンなのだろう。
カウントが進む度、周りに見知らぬアバターが現れる。
俺と同じく、サービス開始を待っている人達だろう。
なら澪達を探すか。そう思って周りを見渡せば、すぐ近くに揃っていた。
「意外と早い再会で」
「まぁこういう風になってるとは思わないし」
ゲーム開始まで残り120秒
運営よりプレイヤーの皆様にプレゼントをお送り致します。
アバター一人一人を光が覆い、光が消えると、そこには防具を身につけたアバターが。
ぉぉぉぉ!
ささやかな贈り物ですが、どうか活用ください。
俺の装備は・・・
???の耳飾り(頭)
AGI+50 特殊スロット(空き2)
専用装備、装備者の成長に合わせて装備も成長する
???のマフラー(首)
AGI+20 特殊スロット(空き1)
専用装備、装備者の成長に合わせて装備も成長する
???の戦装束(胴、腰、脚)
全ステータス+20 特殊スロット(魔法抵抗)
専用装備、装備者の成長に合わせて装備も成長する
戦士のアームカバー(腕)
STR・DEX+15
普通の靴(足)
効果無し
胴から脚までセットか。しかもこれ和服だな?わかりやすく言うなら、侍の衣装だと思っておけばいい。
澪達は・・・澪が巫女服セット、神楽姉さんが何その黒統一の衣装。軍隊の隊服みたいだ。舞はメイド服?ゴスロリタイプのメイド服って・・・。
おいあれ
なんだ?あの衣装
レア装備か?
いいなぁ
それにしても、可愛いなぁ
分かる
あぁほら、注目されてる。早くサービス開始してくれー。
では、プレイヤーの皆様、これよりVRMMORPG、CYANのサービスを開始致します。世界を余すことなく、堪能してください。
カウントダウンが0になり、視界が光に覆われる。
そこかしこから悲鳴聞こえてんぞ。
視界が戻ると、そこは一軒家の中のようで
「どこだここ?」
見回しても何も無い。
突然、目の前にウィンドウが表示される。
「何?初期リスポーン地点?あぁレア装備目的のPK対策か」
それの意味を理解し、澪達と連絡を取る。
「南の森から始めるか」
選択すると、再び視界が光に覆われ、どこかに飛んだような感覚を覚える。
「お兄きた」
聞き覚えのある声に目を開ければ、澪、神楽姉さん、舞が揃っていた。
「揃ったか」
「こっちでのネーム確認していい?」
「俺はレオンにしてある」
「私は普通にミオ」
「私は少しだけ変えてカクラだ」
「普通にマイにしました」
神楽姉さん以外リアルのまんまか。まぁ思いつかなかったからしゃーない。
「神楽姉さんのことは、普通に姉さんって呼ぶようにする」
「私もミオ姉とお姉に呼び分ける」
「わかった」
「確認終わったし、狩りに行く?」
「「行く!」」
三人仲良くミオに答える。
「モンスターと接敵するまでステータス確認してる」
「あ、私も」
「全員確認した方がいいな」
「それなら、簡易結界・警」
「それは?」
「範囲内に侵入された場合に知らせてくれる結界です」
わかりやすいな。さて、ステータスの方は
アマセ・レオン Lv1
種族・半吸血鬼
HP 1270
MP 320
STR 450
VIT 380
INT 300
RES 220
DEX 195
AGI 390
LUK 50
SP25
スキル
剣術Lv1・火魔法Lv1・水魔法Lv1・風魔法Lv1・光魔法Lv1・闇魔法Lv1・血操術Lv1・感知Lv1・看破Lv1・鑑定Lv1・威圧Lv1
種族スキル
HP自動回復Lv1・MP自動回復Lv1・血液循環・日光耐性
特殊スキル
空間拡張・神器操作・加護(概念、憎悪、慈愛、時空、封護、統括、記憶、感情、遺伝、伝承、思念)
あーうん。なるほどね。種族スキルと特殊スキルは、リアルの方の力だな。そういう風に落とし込んだか。多分これ、ミオ達も同じようになってるんだろう。そして、一部のプレイヤーを贔屓する訳にはいかないから、何人か他にもいるなこりゃ。
後は仕様確認だ。
「インベントリ」
表示された中には
初級HPポーション×5
初級MPポーション×5
携帯食料×10
神器「霧雨」(装備不可)
神器「天叢雲剣」(装備不可)
ロングソード
ナイフ
松明
砥石
なるほど。初心者用って感じだな。
森を歩いているため、そう掛からない間にモンスターと遭遇した。
「鑑定」
ゴブリン Lv6
ゴブリンLv4
ゴブリンLv4
ゴブリンLv5
まぁ格上だよな。
「一人一体」
上手く攻撃を分散させ、1対1の形を作る。
「まずは慣れることから始めないとな」
リアルでの戦闘経験を活かして立ち回る。
ロングソードでの戦闘経験は数える程しかない。手本にすべきはアーサーかな?あいつのように動こうとするが、
「こっちの方が動きにくいか」
ステータスがリアルの身体能力に追いついていない。こればっかりは仕方ない。
まぁでも、棍棒すら持っていないゴブリンなら、今の状態でも余裕!
飛びつこうとした所を、体をコマのように回転し流し首を斬る。
「よし」
Lv1→Lv2 獲得BP1 SP1
お、レベル上がったな。まぁ格上だしな。皆は・・・問題ないね。
「このまま狩りを続けるぞ〜」
「「はーい」」
気の抜けた返事だな。
それから、アラームがなるまで目一杯狩りを楽しんだ俺達は一旦セーフティーエリアに入りログアウトする。
「ふぅー。あーなんか身体が軽い」
時計を見れば、時間は夜中の三時。
「どうするかなぁ」
このまま続けてもいいが、皆はどうするかな?
部屋を出れば、丁度全員が同じタイミングで部屋から出てくる。
「どうする?」
「少し寝たい」
「おっけー。何時からやる?」
「普通に8時でいいんじゃない?」
「「けってー」」
踵を返して部屋に戻り眠りにつく。
驚く程あっさりと眠った俺は、朝7時に目を覚ます。
「少し遅かったか」
静かに1階へ降り、キッチンに立つ。
「手早く作れるものにしよう」
トースターとフライパンはあるので、トースターでパンをこんがり焼いて、待っている間に目玉焼きを作る。全員半熟、味付けは塩コショウしかないからそれで。よし。
出来たのと丁度のタイミングで三人が降りてくる。
「おはよ」
「おう。おはよう。朝食できたぞ。顔洗って飯食って、ゲームの時間だ」
「「はーい」」
澪はしっかり顔を洗ってから来たようで、俺の手伝いをしてくれる。
「今日の予定はどうする?」
「まぁとりあえず、森での狩りをもう少しやって、それから街に向かう感じ。素材の売却が済んだら、また森へ狩りに。12時ごろまでやって、午後は買い出しの続き」
「りょーかい。案内は任せてね」
「頼む」
話しながら朝食をテーブルに運び、二人を待つ。
「そういえばむーちゃんは?」
「そういや見てない」
「そっか。まぁでも心配いらないか」
「だな」
むーの姿は許可された者にしか見えない。だから、一人で出掛けても何の問題もない。
「お、戻ってきたな。二人とも飯だぞ」
「目玉焼き〜パン〜」
「携帯食料より断然いい」
「当たり前だ」
ゲームとの差を比べてから、手を合わせる。
「「いただきます」」
直ぐに食べ終わる量なので、終わったら片付けを分担して行い、部屋に戻る。
「さてやるか」
VRギアの起動を確認。
認証、確認・・・一致。
ゲーム「CYAN」を起動します。
「セーフティーエリア内安全確認ヨシ!インベントリ確認ヨシ!狩り続行!」
「「おぉー」」
ノリがいい姉妹だな。澪は少し恥ずかしがってる。
狩りなんて語る必要は無い。ダイジェストだ
レッドウルフLv7の群れとの戦闘は危うく床ペロするところだった。
レッドラビットLv5は意外とすばしっこく、レッドウルフの群れをトレインするはめになった。ちゃんと倒したけど。
昨日からの成果で今のステータスはこんな感じ
Lv10
BP15
SP40
スキル
剣術Lv5・感知Lv4・看破Lv4・鑑定Lv5
習得可能スキル
受け流し・パリィ・回避・カウンター、採取、伐採、剪定
割と分散させて戦ってるから、まとまった経験値は手に入らない。スキルの方も、攻撃全部受け流すか避けるから、魔法や回復スキルは育ってない。スキルの後半のは、薬草や木の実を拾ったり、戦闘で木を巻き込んでたら現れた。まぁ、まだ習得しないんですけどね
街に行った時はかなり目立った。ガラの悪いRP勢がいたから、素材買取所で喧嘩売られるし、それを買ったら仲良くなったし。面白いやつだった。
後、意外と専用装備持ちがいるらしく、今度紹介してくれるそう。
そんな感じで今日の午前のゲームは終わり。午後は買い出しの時間だ。まぁそっちもカットするんだけど!
「CYAN」攻略掲示板Part2「現状良ゲー」
1:名無し
運営の定めたルールを守りましょう。最低限のマナーは守ってください。マナーは守れ!運営がしっかり動くらしい!
スキル専用板http://××××××××××
装備自慢板http://×××××××××××
パーティー募集板http://××××××××××
野郎共の集まりhttp://××××××××××
前スレhttp://××××××××××
164:カウントダウンの時に見かけたかわい子ちゃん三人をまだ見ていない
165:たしかにな。もしかして、初期リスポーン地点を変更したのでは?
166:あーそれはある
167: >>165 なんそれ?
168:>>166 レア装備目的のPK対策。北の山と西の草原、南の森と東の森、始まりの街から選べるんよ
169:なるほどな。その辺しっかりしてるんだな
223:お、噂のかわい子ちゃん三人見つけた。しかも、ガラ悪い冒険者RP中の奴に絡まれてるw
224:あいつらかwよくやるよ
225:中の人物凄くいい人。あれは一種の通過儀礼
226:お、一緒に居る兄ちゃんが期待通りの反応を!
227:しかもちゃんと仲良くなってるw
228:あのRPのネームなんだっけ?
229:>>228 カイドウだ、覚えといてくれよな!
230:ご本人様(ノ_ _)ノ
231:覚えた
232:>>229 噂のかわい子ちゃん達とフレは?
233:>>232 連れの兄ちゃんも含めて登録したぞ
234:うらやま!
235:あのお兄さん、イケメンよね?
236:わかる!いいなぁ〜。あんなイケメン彼氏に欲しかった
237:イケメンじゃなくて申し訳ない
238:俺イケメンだよ!
239:自分で言うやつほど信じられない
240:そんなぁ〜
241:>>240 草
242:>>239 悲しいけど真理
348:なぁ、特殊種族ってどれだけ見つかったの?
349:まだ2日目だから、獣人しか見つかってない。らしい
350:まぁそんなもんか
351:それより、装備の特殊スロットが気になるでござる
352:同じく
353:同意
354:ピキャー
355:>>354 なんて?
356:獣人の発見情報見る感じ、他のもそこまで難しくはなさそう。ただ、ヒントがない
357:それって充分難しいのでは
358:なんか野郎共が女プレイヤーに囲まれてるんだが何あれ
359:図書館行けば何かしらヒントありそうじゃね?図書館見つかってないけど
360:>>358 あ、それな、そこにいる野郎共が、女プレイヤーにセクハラしようとした結果。セクハラと言っても、暴走した服職人が際どい衣装作っただけなんだが
361:どんなん作ったんだよ
362:ビキニアーマー
363:ギルティ
364:自業自得だろ
365:流れをぶった斬るぞ!かわい子ちゃん三人のパーティーに臨時参加してくる!
366:は?
367:>>365 説明しろ。何故そうなった
368:わかんない
369:草
370:ふざけて・・・なさそうだな
371:起こったことを説明すると、迷惑プレイヤーがMPKして、それの対処の為に臨時でパーティー組んだ。
372:その迷惑プレイヤーは?
373:別のモンスターに喰われてた
374:馬鹿かな?
375:馬鹿です
376:それにしても、いいなぁ〜
378:つかどこにいるの?
379:南の森
380:行くか
381:俺も行こう
382:せめて噂の三人を拝みに!
383:デスペナなんて知るか!俺は行くぞ!
384:馬鹿が増殖してるぞ




