表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
2章 異世界・代理戦争編(仮)
112/112

108話 変化と成長そして恋愛


ゴリ押しが悪いとは思わない。ゴリ押しを押し通せるのも立派な才能。実力だ。


しかし、それより上を行く技術には勝てない。


神楽という人物が明確に格上だと認めたのは5人。


言わずと知れた彼女達の王にして義弟、玲音。

彼女の知る誰もが口を揃えて最強と語るように、その実力は隔絶した領域にあると言ってもいい。


2人目は意外にも尚也。単純なステゴロ勝負なら玲音も苦労すると言い切る実力者。実際、模擬戦では鎌を素手で凌がれ、反撃の一手まで冷静に詰めて来た。


3人目は敵対していたが、仲間となったシェグナ。尚也と同じくステゴロタイプだが、尚也とは別方向に強い。技術もあるが、厄介なのはその力と反応速度。ある意味、ゴリ押しの完成系とも言える実力者。


4人目は澪。近接戦闘であれば脅威では無いと言い切れるが、こと遠距離戦闘に限っていえば最も脅威度の高い人物と言える。玲音に並ぶか下手をすればそれ以上の遠距離戦闘力。自身とは全く違う方向の実力者


最後は義妹にして仲間、後方からの支援を担っている舞。玲音が認めた近接戦闘の巧みさ。神楽には無い技術を彼女は持っている。模擬戦では、必ず引き分けになる。決定打に欠けるという欠点はあるものの、それを抜きにすれば近接最強のTOP5には彼女が入るだろう。



…元からその素質はあったし、片鱗も見え隠れしていた。しかし、あの時がキッカケで開花したこの才能はッ


マイとの模擬戦を行いながら、カクラは内心で震えていた。


雑念は技への集中力を乱す。技の発動を一種の奉納舞踊にしているマイにとって、それは邪魔なものだった。

しかし今の彼女は、それすらも舞踊の一部と捉え、感情を表に出すようになった。以前が感情を出していない訳では無いが、比べれば明確だろう。


「お姉、余計な事考えてる」


背後へとすり抜けていくマイがそう口にした。


「そんな部分でレオンと似なくていい!」


持ち手を変えて、自身の周りを一周させるように鎌を振るう。

距離を開けさせたかったのだが


「それ隙だよ」


その軌道より下に身を屈め、飛び上がると同時に首へナイフを突き付ける。


「一本」

「…参った」


今日何度目の負けだろうか。

明らかに以前より強くなっている。玲音の成長に伴う能力の還元による成長じゃない。舞本人の実力が急成長していると言っていい。


「急に強くなりすぎだぞ」

「別に急じゃ無いよ。元から下地はあったし、いいお手本を間近で見続けて盗んできたから」

「いいお手本ね…玲音のことならわかるが、私も入ってるのはどうなんだ?」


舞の言い方で玲音だけじゃなく、澪や自身のこともお手本だとわかったが、果たして手本になるような事があっただろうか。


「お兄の技術は、お兄専用というか、お兄が扱うことに特化しすぎてるせいで私達が習得するのは難しい。けど、それを自己流にアレンジして落とし込むのがお姉は上手い。どう落とし込んだのか…どうやって技術を解体し、組み立てるのか。お姉はそれがわかりやすいから、真似がしやすかった」


玲音の使う基本的な技術は、アーノルドとエレナが編み出した。だから、覚えようとすれば比較的簡単に誰でも習得が可能な技術だ。


しかし、そこから派生した技術は9割方玲音が玲音の為に編み出した。その技術は、大元であるアーノルドやエレナですら習得が困難で、澪や舞も扱えるはずが無かった。


しかし、自覚が無いままに解体し、再度組み立て自身の技術に組み込む。その天才的な才能を持っていたのが神楽。

神楽がいたお陰で、澪も舞も玲音の編み出した派生技を、自分なりの形で習得できたのだ。


「お姉が強くなれてない訳じゃないし、私が強くなり過ぎた訳でもない。今のこの差は、単純に自身との向き合い方の差」

「向き合い方…」


玲音や澪、舞への劣等感や焦燥感。


「その感情を否定はしない。私も感じてるから。だけど、それをマイナスに捉えちゃだめ。プラスに捉えて向き合えば、お姉も道が開ける」

「感情との向き合い方を変えた舞が言うと説得力が違うな」


人に指摘されて初めて自覚し、認識出来る問題無い。


「後ね、彼氏とか出来ると心に余裕ができるよ」

「……ん?待て、彼氏出来たのか?」

「んーまぁいいか。お姉達のクラスメイトだよ」

「ちょ、待って舞ちゃん!それほんと!?」


流石に澪も聴き逃せなかったのか、会話に参戦してくる。


「宗一だよ」

「椚君なの!?」

「そうなのか…」


椚宗一、玲音達のクラスの委員長。玲音の親友でもあり悪友。玲音がその才能を評価する程の天才。


「あ、そうだ澪姉ちょっと」


舞が澪だけを手招いて、コソコソと会話する。


「お姉のことを好きな人が居て、さりげなくアピールして意識して貰えるかなって相談してきた」

「……神楽相手だとストレートに行かないとじゃないかな?意外と好意に疎いタイプだよ」

「ん。私もそう思う。もう直接言わせて意識させる」


スマホを操作しているのは、きっと今の話を伝えているんだろう。相手の名前が見えてしまったが…へ〜そうなんだ。後でからかってみようかな。


「彼氏か…女子にはモテるが男子はなぁ」


そう呟く神楽は、男性からの好意には本当に鈍い。既に好意をぶつけてきている相手がいるというのに



「第1回、お前はいつ告白するんだ会議を行います」

「……」

「まだ告白してねぇの?」

「意気地無しか?」

「若いうちに色々経験しとけよ」


ところ変わってゲーム内。クランハウスの密室に5人の男達が集まっていた。


司会を務めるのはクヌギ。上から順にマツカゼ、レオン、シェン、カイドウ。


「いやてかなんでお前がいんだよ」

「クヌギに呼ばれたから」

「ミオさん達に連絡入れていいか?」

「入れてもいいけど、多分来るまでに俺消えるよ?」

「今はこいつの為に必要なんで我慢して」


クヌギからの要請により、レオンは全ての事柄を放置してこの場にやってきた。


「でよ、俺に声掛けた理由は?」

「神楽さんって鈍感?」

「ストレートだな。まぁそう。女子からの好意は割と気づくのに、異性のは何故かダメ。異性として見られてる自覚がねぇのよ」

「……あのスタイルでか?」

「スタイルは女性らしいけどよ、性格やら行動やらが割と男寄り。実際は女性らしいとこ多いんだけど、それってプライベートでの話じゃん。そこを見られてない以上、異性としての好意には繋がってないだろってさ」

「マツカゼさ、もっと積極的に…てか直接的に行け?舞からも似たようなアドバイス来たぞ。澪さんからの意見付き」

「……積極的」

「……なぁ、クヌギ。お前、今…え?舞のこと呼び捨てにした?」

「ん?レオンだって彼女の事呼び捨てにするだろ?なら俺もするだろ」


空間を沈黙が支配した。


レオンは天井を見上げ、カイドウとシェンはニヤリと笑い頷き合うし、マツカゼは裏切り者を見るような目で見ている。


「クヌギ…家族になるなら覚悟しろ?我が家の奥義を授けてやるよ」


視線を元に戻したレオンの顔はとてもとても綺麗な笑顔だった。

クヌギが咄嗟に後ずさる程に綺麗な笑顔だった。


「ま、クヌギとマイのことは今はいいや。んでマツカゼがカクラに告白するって話な?恐らく多少のアプローチはしてんだろ?アプローチができてるなら、ステップアップだな。デートに誘え」

「いきなり飛んだなぁ!?」

「いや飛んでねぇよ。二人で出掛けろってんだよ。ラブレターでもいいから最後に好きだって伝えろよ」

「難易度高ぇよ」

「何言ってんだよ。俺に勝つより楽勝じゃねぇか」

「それとこれとは話が違うだろ!」


レオンの無茶に叫びながらマツカゼが返す。


シェンとカイドウの大人組は、その青春を眺めながら頷くだけだ。


「わかったよ…次の休み誘ってみる」

「うし言質とった」

「あ、マイに今の送っとくわ」

「俺もミオに送るか。今はあんましたくないけど」

「ちょぉ!?」


レオンとクヌギは容赦なく逃げ道を塞ぎ


「アミューと風音にも連絡しとくか」

「そうだな。そこからも他の女子連中に連絡入れてもらうか。ミオとマイからも行くと思うがな」


大人組も容赦無く逃げ道を塞ぐ。


余談だが、このお知らせに関しては、マイとミオが即座にカクラ以外のクラスメイトに共有。更にアミューと風音の大人組からの共有により、神楽と松風のデートは絶対に邪魔されないことが決定した。


ちなみに、ミオも今だけはレオンへの追求をやめました。何せ親友の恋路ですから。


「んじゃま俺はおさらばするぜ」


言うだけ言って消えるレオン。さすがに今は止めるのを辞める4人。


「あいつマジでどこで何してんだか」

「まぁある程度はアナウンスでわかるし、次のイベでも多少はわかるだろ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ