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異世界戦争、界渡り〜渡る世界は馬鹿ばかり?〜  作者: 鯉狐
第1章 地球・生まれ故郷編
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第10話 王手と王手

連続3話目

「本当に戻ってきたのか」

「みたいですね」

「こればっかりは体験してみないと凄さわかんないよなぁ」


ウルス、クレハ、玲音は鏡から現れ、周囲を見渡す。


「まぁとりあえず、ホームに戻るか」


歩き出した玲音に向けて、クレハが思い出したように声をかける。


「そういえば玲音様、先程連絡して稼働させた艦はどうしました?」

「あ」

「そういえばそうだな。富士に送ってくれって頼んでた」

「やっべ」


ウルス達と出会ってから初めての本格的な焦りを見せる玲音は、次の瞬間には消えていた。


「1人だと本当に事前動作とか予兆無しで超えるのか」

「味方である限り頼もしいですね」


2人は玲音を見送った?後、そう話しながら一足先に戻って行く。



「そういうわけでどうだろうか?」

「合意が取れたらな。それまでは俺が預かっておく。シャウバ」

「隠蔽ですね。もう既に施してあります」

「そうか助かる。つーわけだ安心しな」

「本当にありがとう。クシ…シャウバ」


お礼を言った玲音は、来た時と同じように突然消えてしまった。


「あれを戦闘中にやられたんだぞ?心臓に悪いとかそんな生温いもんじゃねぇよ」

「えぇ、貴方の言っていたことがよくわかりました。あれは普通に恐怖です」



「あ、帰ってきた」

「意外と早かったな」

「移動だけなら一瞬ですからね」


ホームの扉を開けると、そこには出発前と同じ面々が揃っていた。


「すまん。遅くなった。それと、防衛ご苦労様。何事も無く安心した」


その言葉に、リオン含む眷属達は頭を少し下げて部屋から出ていく。彼等は主を出迎えに来ただけで、まだやるべきことがあるのだ。


「何も言ってないのに仕事を継続してるのか。優秀で助かるね」


それから深呼吸1回。真剣な表情へと切り替える。


「それじゃあ、会議を始めようか」


そこから玲音は、鏡と剣の捜索での出来事を共有していく。所々、気になる点はあったが誰も遮ることはなく、話は終わる。


「我慢してたみたいだし、聞きたいことがあるなら聞いてくれ。ただし、俺と神器に関することは俺にはわからん」

「それが1番の謎では?」

「お兄、分からないってどうして?」

「澪と颯に神楽姉さんと舞は知ってるだろ?俺が魔獣討伐に行ってから目覚めるまでの事」

「1ヶ月近く眠っていましたね」

「それからだな。玲音が急に強くなったのも」

「種族だったり色んなものが変化したのも」


舞の質問に対する玲音の答えに、思い出すように呟いていく神楽と澪。


「そうだ。多分だが、俺が力を手に入れたのは死ぬ直前だ。覚えてるのは、魔獣が突然多数現れて、対処しきれず討伐隊が崩れたこと。そして、魔獣の一体が俺を喰おうと目前まで迫ってきたこと。その後の謎の声、それに対する俺の答えくらいなもんだ」


玲音としても、力の根源を知りたいとは思っているが、今は探ることが出来ないことをわかっている。


「でもお兄。神器って確か元から『霧雨』だよね?」

「そうだ。神器の方は、元から一緒で変わってないぞ」

「確か、それも神の力がどうって天照様が言ってなかった?」

「そんなこと言ってたのか?俺は初耳だぞ」

「あぁそれな」

「玲音様が戦っている間に、私とウルスが幾つか天照様から聞いたのです」

「で、それを共有したと。なるほどね。それにしても神の力ねぇ」


神器を顕現させ、まじまじと見つめる。


「そういうのはよく分からないが、その辺の説明は近いうちに受けるだろ」

「その根拠は?」

「天照曰く、八尺瓊勾玉を手に入れた時、我等の主神からお話があるそうだ」

「そこで玲音についての説明もあると?」

「俺はそう思ってるけどな。何せ、神器も俺自身も神が関係してるらしいから 」


それに納得したのか、尚也が話題を変える。


「それは置いとくとして、玲音。珠の捜索はどうする?時間に余裕が出来たんだ、計画の変更をするんだろう?」

「それに関してはもう決めてある」


そのタイミングで、リオンが部屋に入ってくる。


「玲音様、用意が出来ました」

「丁度いいな。1つ持ってきてくれ」

「すぐに」


短いやり取りを交わし、リオンはお辞儀をしながら下がっていく。


「何をするつもりなの?」

「やろうとしてることは単純だ。今から俺一人で珠を探しに行く。その間に、皆には日本国の政府と接触、交渉。それと都市部のある場所の確保をお願いする。その為の道具をこれから渡す」


またタイミングよくリオンが入室する。


「玲音様、こちらを」


そうして渡されたのは


「玲音、それは()()()か?」

「見るからに対物だけど?」

「その通り。これは()()()()()()()()()()()()()()()BD-42、通称セリス。マガジン内に魔力を溜めることによって、マガジン交換無しで最大30発撃てる。さらに、反動と重量は反魔法で相殺してるから、ほぼ無いに等しい。これを2人1組に渡す」

「スポッターとシューター?ってことか」

「そんな感じ。1人は周囲の警戒、もう1人は狙撃。一応、付与として消音と隠蔽をしてるけど、試作段階だし、まだ未完成すぎるんだよ。だから何かあった時のための2人1組」

「組み合わせはどうするんですか?」

「国の防衛をルビア、颯、舞にして、狙撃組は澪と神楽、尚也とウルス、クレハとアリアにするか」

「なるほど。組み合わせはわかりやすいですね」

「玲音様、練習する時間と設備は?」

「リオンに案内させる。狙撃手の3人は移動してくれ。必要な話は相方にしとく」

「了解しました」

「では此方へ」


リオンに先導され、澪と尚也、クレハが部屋から出ていく。


「残りのメンバーだが、分かりやいことしかないな。ルビアと舞、颯は変わらず防衛。何かあれば国ごと移動してくれ。神楽、ウルス、アリアは相方のサポートな。主に周囲の索敵、邪魔者の排除、逃走の際のカバーだな。まぁその辺も最小限で大丈夫だとは思うがな」


何せ全員が称号持ち。戦闘のベテランである。

澪に関しては、1人での索敵範囲が5キロもある。

尚也は、獣人の利点を最大限に活かして、奇襲を完全に防ぐことが出来る。

クレハは、奇襲されてもそこからの立て直しが1番早い。と長所をあげたが、短所も存在する。

澪なら、索敵はできても近付かれると対処が難しいこと。

尚也は索敵の範囲が狭いため、狙撃に集中した場合、周りが見えなくなる。

クレハも、立て直しは早くとも、数で押されると立て直せない可能性も出てくる。

それらを補うために、澪には戦闘能力の高い神楽を。尚也には、種族を活かし澪と尚也に次ぐ索敵範囲持ちのウルス。クレハには、敵を足止めもしくは排除する為の罠を設置するアリアを付ける。


「そういうわけだから頼むぞ」

「それはわかりましたが、玲音はどうするので?」

「そもそも、なんで狙撃班なんか作ったんだ?」

「簡単に言えば、俺は単独行動。全員同じ作戦を進めるが、アプローチの仕方が違うだけだ」


この後政府と接触し、ほぼ脅迫じみた協力を申し出る。そこに、相手の主張を挟むことはない。こちらの意見を押し通すだけ。その後にどれだけ邪魔しようが関係はなく、邪魔をするなら潰すだけ。一時休戦するなら、東京奪還を手伝うだけ。

その間に玲音は神器の捜索。回収を行う。回収が終わるまでの間は、位置を移動しながら狙撃班が政府に協力する。

面倒だから政府側をレイドパーティーとでも呼ぶか?いやどちらかというとゲリラ?いやレイドの方が良いか。

レイドに協力しつつ、戦力の確認。多分というかほぼ絶対に、奪還後はこっちを襲いに来る。だから、狙撃班は移動しながら攻撃と戦力把握。

これは多分、澪とアリアが正確に把握して共有するだろう。


「それじゃ、この後の動きを伝える。アリアは国の周辺の罠を増やして、ルビアと舞の手助けを今のうちに。尚也と舞は俺と来てくれ。颯とルビアは能力の確認とか指揮系統の確認を頼む。質問は」

「玲音様、防衛の際に戦闘機はどうしましょう?」

「使ってくれて構わない。その判断はルビアに任せる。あれの確認をする場合はリオンに同伴してもらえ」

「了解しました」

「…よし。他には無いみたいだから行動に移す。尚也と舞はついてきてくれ」


玲音は尚也と舞を連れ、部屋を退出。アリアはルビアと周辺地形の確認と罠の設置。颯は能力の確認のため訓練場へ。


「お兄、また龍で行くの?」

「いや、今回は別だ。尚也、今の政府がどこにあるかわかるか?」

「今の政府?確か大阪に移動したって聞いたけど?」

「まぁ間違ってはないが、正解でもない」

「どういうこと?」

「東京が襲われた時、政府の人間もそこにいた。なら襲われてるはずだろ?だが、()()()()()()()()。あの惨状の中をな」

「彼らが魔族に通じてたとでも?」

「そんな話じゃない。簡単な話、東京の地下には政府御用達の地下シェルターと移動口が存在する」

「そんなまさか」

「それがある。地下鉄は市民の移動手段とされているが、本来の目的は要人を安全に移動させるための経路を隠すため、進行方向を見失わない為だ」

「まさか今の政府の場所って」

「東京地下シェルター?」


東京に巡らされた地下鉄。それは移動手段であり道標。そして、地下シェルターを覆う結界の1つ。


「でも、お兄はどこでその情報を?」

「早い話、九條家だな」

「颯の実家?」

「あいつの家もそれなりだからな。その辺に一枚かんでる」


九條颯の祖父であり九條家当主、九條龍千。

1代にして、九條家を大企業へ成長させ、今や日本の業界6割を占める九條グループのトップ。

今の政府のトップは、九條家と繋がりの深い久遠家当主、久遠嶺二。その他、国の重要ポストには九條家に近しい者が席に着いている。


「ある程度の位置も聞いてるから、後は」


瞳を閉じ、場所をイメージする。これでイメージ出来なければ、鏡は反応しない。


「渡り鏡」


イメージが繋がり、玲音の脳裏に景色が浮かぶ。そして、それを目指すように鏡を開く。


「行くぞ」


開かれた鏡を、神器を手に潜っていく。

尚也と舞は初めての経験に、胸を踊らせ、少しだけ不安に思いながらも後を追う。


「おぅ、まじか」

「これは流石に」

「アニメで見た事ある」


玲音達3人は現在落下中。鏡を出た先で、投げ出されたのだ。眼下に広がる地下都市を見下ろしながら。


「お兄、これどう見ても」

「エヴ〇だろう」

「ネル〇だね」


地下都市で1番に思い浮かべるのはやはりあれだろう。もしくは、ちょっと違うけどアキバ48のアニメ版のあれ。この場にいる3人は前者を思い浮かべたよう。


「あれもしかして人工太陽?というかあの並びもしかして月も?」

「え?水が流れてる?しかも滝?あ、野菜も育ててる」

「この国の上層部は地下で暮らすつもりか?ん?」


宜しくないモノを見つけた。


「おいマジで?いや、それはあかんやろ?魔獣用だとしてもそうでなくとも、それを実現させるなよ」

「お兄?一体何を…え、あれまじなのです?」

「そこまで真似たの?」


視線の先にあるのは、剥き出しにされ、現在進行形で組み立てられているエ○○。


「破壊した方が良さそうか?」

「その方がいいと思います!」

「色々と怖いから壊そうか」


全会一致。破壊決定。


「ここに乗り込んで来たことを知らせる為、派手にいこうか!」


天叢雲を構える玲音、シェルドとシェリアを翳す舞、白虎の耳と尾を宿し拳を構える尚也。

その力を感知したのか、警備兵や警備ロボなんかが現れる。


「歓迎どうも!でも遅い!」


溜める必要もないので、3人はとっとと力を解放する。


白虎抜拳(びゃっこばっけん)狼虎雷(ろうこのいかずち)

「貫くモノに紅き祝福を!スカーレット・フルマニア!」


尚也から放たれた白き獣が、舞の展開した結界を突き破り、紅と白の混ざった色へと変化し、周囲にあるものを引き寄せる。超高温と超電流による、特殊な重力場を生み出す。


「さぁお披露目だ。天叢雲剣!」


その手に持つ『天叢雲剣』が光を放ち、注目の的になる。


「神器換装!都牟刈太刀!」


光が収まり、その姿を直剣のような形から、刀へと変えていく。


「その刀身に事象を宿せ!都牟刈災収(つむがりさいしゅう)


その刀身を持って、紅白の獣を斬り裂くと、刀身に吸い込まれるように力が凝縮される。


「今放たれるは絶死の一刀」

「切り裂くは我等に害するもの」

「我は此処に王として、守護者としての力を見せる!」

「雷帝抜刀!都牟刈・カザミノタチ!」


前回の時と違い、玲音に当たり直角に折れた雷は、獣の姿を摸し標的へと喰らいつく。


ゴアァァァァァァ!!


咆哮。雷鳴を響かせ、エ○○の左腕を噛みちぎる。そして勢いのまま、右腕、頭、胴体と噛みちぎる。咆哮、そして、トドメと言わんばかりに特大の落雷を残った下半身にぶちかまし、消滅した。


「初号機ィ!!!!!!」


初号機だったらしいモノを破壊し、3人は歩みを進める。何処に行けばいいか分からないが、とりあえず進む。


「おい、お偉いさん連れてくるか、居る所まで案内しろ」


面倒になり、近くにいたのを捕まえ、刀を首に当てながら脅迫する。


「あ、案内します!その前に1人知らせに出させてください!」

「そこのお前!そうだお前だよ。斧背負ったお前行け」


2番目に近くにいたのに、殺気を向けながら先行させる。そいつが向かったのを見送り、玲音達も進む。


「お兄、もしかしなくても場所わかってる?」

「玲音の感知範囲ならわかるよね?」

「正確な位置は分からない。目星は付けてたが、誰かに案内させた方が早いだろ?罠に誘導される可能性もあるけど、自分の命を無駄にはしないだろ」


玲音が常に神器を抜き身で持っている為、少しでも怪しい行動をすると制されるのだ。しかも今の発言で、罠があるなら分かるし、目的地もある程度わかると言っていた。つまり、目的地から離れたり、罠がある部屋に誘い込む前に玲音に殺される可能性があるのだ。


「最悪の場合は、破壊しながら虱潰しに探すだけだし」


この一言がトドメだろう。案内係は大人しく進む。彼だって人なのだ。自分の命が何よりも大事だろう。



「ここです」


扉を開ければそこには、


「歓迎はしないがようこそ。玲音君」

「この都市の最高責任者で、現日本国のトップ陸堂界人(りくどうかいと)だ」

「私は久遠嶺二(くどうれいじ)

「自己紹介はいらないと思うけど、九條龍千(くどうりゅうせん)

「陸堂家に久遠家、九條家もですか。凄いですねここは。あ、龍千さんはお久しぶりです。以前はお世話になりました」

「お兄、自己紹介」

「そうだった。知ってると思いますが、玲音・B・ヴァンデル。吸血鬼です」

「舞・ヴァンデル」

「江井尚也、獣人です。皆さん覚えてないようですが、拳聖浩史(こうじ)の弟子です」


自己紹介が終わると、歓迎しないと言っていたのに、何故か他愛ない世間話が始まった。腹探りの意味もあるだろうが、小さい頃の思い出話がしたかっただけだろう。皆、わかっている。この話が終わる時、もう二度とこうして話すことは出来ない。次会えば敵同士、殺し合いになる。


「有意義な時間だった。ありがとう玲音君」

「君たちがどんな人柄なのか知れて良かった」

「いえ、こちらも懐かしい話が出来ましたし、皆さんのことを知る機会になりました」

「では、ここからは」

「はい。本題に入りましょう」


微笑みを消し、その顔に浮かぶのは真剣なもの。その身からは殺気ともとれる、濃密で鋭い気が溢れる。


「東京奪還に俺達も協力しよう。協力はするが、そっちの指示は受けないし、手助けをするわけじゃない。俺達は俺達で行動する。邪魔をしようがしまいが構わない。それはそれで潰すだけ」

「なるほど。こちらの指示系統に入りはしないが、頭数には入れていい。それを邪魔するなら魔獣と同じく殺すと?」

「そうだ」

「なるほど。ありがたい申し出だ」

「玲音君、東京奪還が成功すれば協力関係は終わる。もし、失敗した場合は?」

「成功するまでは協力してやる」

「陸堂、それでいいのでは?」

「私も九條に賛成だ。こちらの指示がなくとも、魔獣を倒してくれるなら、こちらの被害も減り、奪還しやすくなる」

「それはそうなんだが」

「懸念は、俺達がそっちの戦力を殺さないか、ってとこか?」

「うむ」

「まぁそれは気掛かりだな。約束しよう。こちらからは手を出さないと」

「わかった。作戦協力に感謝する。決行日時は明日に変更しよう」

「では、今すぐ招集しましょう」

「俺達は戻るぞ。用は済んだからな」

「ではまた明日」

「渡り鏡」


来た時同様、玲音は『八咫鏡』の力で帰っていく。舞と尚也も玲音に続いて帰っていく。


「天叢雲剣ですか」

「三種の神器のひとつ。となると彼等が協力するのは、八尺瓊勾玉が目的ですかね?」

「その可能性が高いだろうな。まぁでも、彼等には勝てないだろう」


東京奪還作戦を決行するに当たって、日本政府は国外への協力要請を出している。理由は単純、戦力が足りないから。参加する国への報酬は、玲音達の所有する神器と領地、討伐の名誉だ。つまり、東京奪還作戦に協力を申し出てくれたのは好都合。殺しに行く手間がかからないから。


「来るのは確か、騎士王と円卓、軍師、英雄、あと来るのは魔獣討伐の世界記録保持者」

「中々の顔ぶれですね」

「先行して退魔師ベルラードと暗殺者ジャックも来ている。その2人は別の任務に当たってもらっていたが、無事成功したようだ」


玲音達が王手のように、日本も玲音達に対して王手をかけた。どちらとも、そんなことは知らずに。



「尚也、舞、俺は一足先に東京に向かう。作戦方針は変わらないが、話していた以上に早く動くだろうから、全員がしっかり対応できるように通達してくれ」


国に戻るなり、玲音はそれだけ伝え東京へと戻っていく。


「お兄、少し焦ってるかも」

「そう?僕はそんな感じしなかったけど」

「かもしれない。その程度。間違ってるかもだからいい」


玲音は焦ってはいない。焦ってはいないが、怯えてはいる。玲音の広すぎる探知範囲が捉えた、莫大な魔力。それを保有する複数の存在。玲音は知らないが、それは騎士王、軍師、英雄、記録保持者の4人。


玲音が転移した先は、かつて天皇が暮らしていたとされる皇居。現在は魔獣によって破壊され、象徴としての威厳すら失われていた。しかし、ある一角だけは無傷で残っていた。


「探す手間が省けて助かるな」


少しだけ歩く速度を上げて、玲音は無事な一角目指し進んでいく。

そうすれば、『霧雨』『天叢雲』『八咫鏡』が強く光を放つ。光が収まると、目の前には探していた最後の神器『八尺瓊勾玉』と


「ようこそ神の居住へ」


見た目13歳位の少女が。


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